『一夜二人転:君臣アイと羽鳥七海』(GM:里村)
PC1:君臣アイ(
キャラシート
)PL:缶詰
PC2:羽鳥七海(
キャラシート
)PL:アスハル
本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
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目次
◆Opening ◆
むかし、むかし、あるところに…でもなくて、これはすこしまえ、ある年の暮れに起こった、王子様とおひめさまのお話。
GM :オープニングシーン
GM :冬の風が吹いていた。
GM :クリスマスも過ぎた12月の終わり、ある任務からの帰り道。まだ5時まえだというのに、空はすっかり夕暮れだ。
君臣アイ :ほう、とついた息が淡い白となって暗がりの空に登っていく。
羽鳥七海 :「冷え込みますねえ」
君臣アイ :「えぇ。雪の降った地域もあるみたいですね……七海さんは寒くありませんか?」
君臣アイ :運動部用の少し大柄で丈夫なジャンパーに身を包んでいる。
羽鳥七海 :「対策はしてきました」 マフラーにダッフルコート。コートの裾からは、膝丈のプリーツスカートの端が少しだけ覗く。
羽鳥七海 :両手をすり合わせている。
君臣アイ :「あぁ、それは良かった。動いた後だと余計に冷え込みますからね」
羽鳥七海 :「アイさんのそれは、部活のものですか」
君臣アイ :ちら、とその手や服装に目線を移しながら。
君臣アイ :「えぇ、まぁ。部の遠征とかで使うやつです。あまり合うサイズがなくて」
羽鳥七海 :「やっぱり。部活のもの、特徴ありますからね」
羽鳥七海 :「アイさんは、ああいうのも着るんですか。ええと、……」
羽鳥七海 :「一球入魂、とか書いてあるTシャツ」
君臣アイ :「野球部なら着たかもしれません」クス、と楽しそうに笑う。
君臣アイ :「陸上だともうちょっと単純ですね。飛翔、に靴の絵とか」
羽鳥七海 :「ははあ。ちょっと、見てみたいですね」
羽鳥七海 :「また夏場になったらですかね」
君臣アイ :「ですね。半袖なので……見せるときまで無くさないようにしておきます」
羽鳥七海 :「せっかくだから、何か買いますか?」
羽鳥七海 :繁華街に並ぶ店を見回す。「買い食い、というやつを」
君臣アイ :「あぁ」Tシャツかと思った、という気持ちを出さなように頷いて「良いですね」
君臣アイ :「うん。今日は動いたから、ちょっとおやつを食べても許されるでしょう」
GM :と、周囲に目をやると…
GM :なぜか、やけに二人連れが多い…それも、親しげな二人連れが多い…ことに気がつく。
GM :クリスマスシーズンはとっくに過ぎたし、そもそも男女の組み合わせというわけではない。いや、男女だけというのも古い価値観かもしれないが、ともかくカップル的というわけではなく距離が近いのだ。
君臣アイ :「…………」んん、とちょっとだけ目のやり場に困る。
君臣アイ :「近場でなにかイベントでもあるんでしょうかね…?」
羽鳥七海 :「今日、何かイベントってあったんでしょうか」
羽鳥七海 :同じタイミングで、同じ言葉を口に出す。
GM :おじさんの腕にぶらさがる女子中学生…ぎりぎりで親子だろうか? 肩を組んで歩く青年と老人。兄弟のようだが、それにしては年が離れすぎているようにも見える。
君臣アイ :「……ふふ。被っちゃいましたね」
羽鳥七海 :「これはお恥ずかしい。……ふふ」
羽鳥七海 :「ハッピーアイスクリームって言葉、知ってます?」
GM :目を見合わせて笑いあい、ほんの少し、前方からふたりの視線が逸れた。
君臣アイ :「ん、存じ上げませんね。どういう意味なんでしょう…?」
GM :こつん、と、羽鳥さんのつま先が何かに当たる。
羽鳥七海 :「ええとですね。同じ言葉を同時に言ってしまった時に、……あら?」
君臣アイ :「どうしました?」
GM :歩道のど真ん中に…
家の模型 :一抱えほどある、家の模型が置かれていた。先程まで、こんなものはあっただろうか?
君臣アイ :「……家、の模型?」
羽鳥七海 :「……落とし物?」
君臣アイ :「でしょうか。人形遊びのセット、とか」
羽鳥七海 :「とはいえ、こんな場所に……」
羽鳥七海 :おもむろに拾い上げましょうか。
家の模型 :見た目よりずっと軽い。中身は空洞だろうか?
羽鳥七海 :「空き箱ですかね。ケーキとか入れるような……」
家の模型 :…まあ、こんなもののことはどうでもいい。
君臣アイ :「あぁ、そういうデザインの化粧箱ってことですか。ありそうですね」
家の模型 :家に帰らないと。隣りにいる人と一緒に。隣りにいるのは……誰だったろうか?
羽鳥七海 :「…………」
羽鳥七海 :模型の十字の窓をじっと見つめている。
GM :…隣りにいるのは誰だったでしょうか? なお、この時点だとまだ違和感に気づいたり突っ込んだりは可能です。
君臣アイ :「まぁ、それでも空き箱がなぜここに、という話に……七海さん?」
羽鳥七海 :どこか、遠くを見ているような……。
羽鳥七海 :「え、……あ、はい」
羽鳥七海 :ぱちくりと、目を瞬かせる。
君臣アイ :すこしぼんやりしているように見える少女の顔を覗き込んだり、手を振ったりしている
羽鳥七海 :「大丈夫です。中にも、何もなさそうですね。……アイさん」
君臣アイ :「あ、そうですか?うん、ならどこかから風で飛ばされた、とかかもですね」
羽鳥七海 :「そうですね。ひとまず、落とした人が戻ってくるかもですし……」
羽鳥七海 :近くの、よく目立つ生け垣の上に置いておく。
家の模型 :…………。
GM :生け垣の上に、くさいろの家の模型(箱?)はちょこなんと置かれている。背を向けて、どこへなりとお店を探そうとする君たちの背後で…
GM :かたりと音がした。
家の模型 :振り返ると、道の真ん中に、家の模型が置かれている。
羽鳥七海 :「…………」
羽鳥七海 :音に気がついて、振り返る。「……あれ?」
君臣アイ :「……ん?あれ。転がっちゃったんですかね」
羽鳥七海 :「いけませんね。落とした人が戻ってくるかもですし……」
羽鳥七海 :「……じゃ、なくて」
羽鳥七海 :慌ててぶんぶんと首を振る。目を細める。
家の模型 :…寄り道などしないで、家へ帰ろう。隣にいる…家族と…そうだ。きょうだいと一緒に。
羽鳥七海 :「これ、何か……」手を伸ばして、もう一度掴み上げようと。
君臣アイ :「そうですね。置くにしてもなにか重しとか…?」
羽鳥七海 :指が触れたと思った瞬間、空を切る。
GM :すっと距離をとって…
家の模型 :模型が、逃げ出した。
羽鳥七海 :「え!?」
君臣アイ :「は?」
家の模型 :…模型が逃げ出した。なぜか、周囲の人々は気にする様子もない。
君臣アイ :家の置物だと思ったものからスラリと足が生え、逃走している。
君臣アイ :「何、何だ…!?」
家の模型 :呆気にとられている間に、見かけに似合わぬというか、足の長さに相応しいというかの速度で、猫のように細い路地に飛び込んで消えてしまう。
羽鳥七海 :「周りの人は誰も気付いてない……?!」
羽鳥七海 :「そして思ったよりすばしこい!」
君臣アイ :「なんてきれいなフォーム…!」
羽鳥七海 :人波に躊躇っているうちに消えてしまう。
君臣アイ :なんだろうアレは。ミミック的なモンスターだろうか。
羽鳥七海 :「…………なんだったんでしょう?」
君臣アイ :「わかりません。尋常ではないということは分かります」
羽鳥七海 :「R案件……ではあるのでしょうが」
羽鳥七海 :「実害があったわけでもなし……一応、報告だけしに」
君臣アイ :「攻めたゆるキャラのようでしたね……」
君臣アイ :「あぁ、はい」
羽鳥七海 :「行きましょうか、お兄ちゃん」
君臣アイ :「えぇ、分かりました七海さ────」ピタッ。
君臣アイ :なんだろう。今すごく違和感があった。具体的に何がと言うか。呼び名がというか。
羽鳥七海 :ごく自然に身を寄せる。周囲のカップルと同じくらいの距離。
羽鳥七海 :「もう、せっかくの兄妹水入らずの日だったのに……」
君臣アイ :「…………な、七海さん?」風に冷やされた上着の向こうに、風を遮る体温を感じる。
羽鳥七海 :「ね。お兄ちゃんもそう思いますよね?」
羽鳥七海 :たくましい腕を抱えるようにして、上目遣い。
君臣アイ :ぎゅ、と普段より顔を見る角度が下に。つまり近い。
君臣アイ :「えっ、あの……」目線で周りを見た後、自分を指差す
君臣アイ :「お兄ちゃん……?」
君臣アイ :「ですか……?」僕が?という顔
羽鳥七海 :「へ? どうしたんですか、お兄ちゃん」
羽鳥七海 :「まさかさっきの走る模型に、何かされました?」
君臣アイ :「いや、僕は特には……」
羽鳥七海 :「アイお兄ちゃんは、私の自慢の兄ですよ。ね?」
百目鬼 歌乃 :「ああくそっ、また手遅れじゃねーか!」
君臣アイ :(真面目な顔に見える。ふざけてはないように見える。いえふざけて妹になるって何だって話ですが……というか今日の七海さんなんか積極的な…)
君臣アイ :「え、ええと……自慢に思っていただくのは嬉しいですが…」
羽鳥七海 :「!」 突然現れた相手を見て、
百目鬼 歌乃 :息を切らせて走ってきた傷だらけの女性が、あなたたちを見てあたまをかく。
百目鬼 歌乃 :「なあ、そこのまだ正気そうな白ラン! このへんで生足生やしたドールハウス見なかったか?」
羽鳥七海 :アイさんの背後に隠れる。
君臣アイ :反射的に引こうとする手に抱きしめた女子の体温が着いてくる。いけない。
羽鳥七海 :「どなたですか?」
君臣アイ :「ええと、見ました。……貴方は?」
百目鬼 歌乃 :「ああ。あたしは…あん? お前、羽鳥んちの…何女さんだっけ?」
羽鳥七海 :背中から顔だけを出して眉をひそめている。どこか警戒心の強い小動物的な反応。
百目鬼 歌乃 :「まずいどこじゃねえけど、まあ好都合っちゃ好都合か…?」
君臣アイ :(後ろにいるのは珍しいな…)いつもは率先して前に出ようとするのに。
百目鬼 歌乃 :「ああ。ええとだな、私は百目鬼という、通りすがりのUGN支部長待遇だ。疑うならそっちの支部に問い合わせてくれてもいい」
羽鳥七海 :「羽鳥家をご存じで、……支部長?」
君臣アイ :「ええと、僕は君臣アイ。こちらはご指摘の通り羽鳥七海さんです。……面識があるなら、UGNのようですね」
百目鬼 歌乃 :「そうだ支部長待遇だ。洗脳能力を持ったRBのなり損ないを追ってたんだが…念の為、君臣くん、あんたは羽鳥の家の人間じゃねえよな?」
君臣アイ :「え、えぇ。……違いますね。なにか?」
君臣アイ :「先程も足の生えた家の模型とか仰ってましたが…」
百目鬼 歌乃 :「ああ。あの模型な、ロイスを捻じ曲げて認識させるっつう、バカみたいだが厄介な能力を持っててな…」
羽鳥七海 :「お兄ちゃ……兄さんは兄さんですけど」
百目鬼 歌乃 :「知ってる相手を手当たりしだいに家族だと思い込ませる。オーヴァードがひっかかると最悪とてもとても大惨事になるやつだ。わかるか?」
君臣アイ :「ロイスを捻じ曲げる……」ちら、と背後に庇ってる羽鳥さんを見る。まるで年下の少女のように(そうだが)、こちらを頼っているポジション。
君臣アイ :「……つまり、七海さんが僕を兄と呼ぶのは」
君臣アイ :「そのせいだ、と…?」
百目鬼 歌乃 :「術中にハマっているということだ」
君臣アイ :「なんと…………」
羽鳥七海 :心なしか、目には先ほどの家の窓の十字模様がついているような。
君臣アイ :(目の様子がおかしい)
百目鬼 歌乃 :「追いかけるなら犠牲者のが、気配を感じられるらしいぶん都合がいいんだが、うってつけの相手に出くわしちまったなあ…」
羽鳥七海 :「そんな! 羽鳥家の人間は確かに洗脳には弱いですけど、お兄ちゃんを間違えたりしません!」
羽鳥七海 :「あ、兄さんを間違えたりしません!」
百目鬼 歌乃 :「…それでいいのかよ直参が」
君臣アイ :「………」お兄ちゃん、と呼ばれる度に少し口元をモニュモニュさせている。
君臣アイ :「……ええと、他の任務の帰りだったもので。恐らく一心地着いた隙を狙われたようですね」フォロー
羽鳥七海 :「とはいえ……RBのなり損ないでしたか」
百目鬼 歌乃 :「ああ。休憩中らしいとこ悪いんだが、あの家、捕獲してくれないか? そのままだと、そっちも、まあ、なんだ。なんか困るだろ?」
羽鳥七海 :「確かに、あまり放置していいものでもなさそうですね」
君臣アイ :「えぇ、まぁ…」裾をキュッと握られるのを感じながら「そうですね……」
君臣アイ :「確かに解決しなければ。そこまで消耗してるわけじゃないですからね」
百目鬼 歌乃 :「よかった。じゃあすまんが頼んだ、いや、昨日血を流しすぎたもんだから走るのがキツくって」
羽鳥七海 :「分かりました。私とアイ兄さまが協力します」
君臣アイ :(兄さまになった…!)
百目鬼 歌乃 :「…まあ、仲良くな。うまいことやってくれ」
君臣アイ :「お、お気をつけてくださいね。貧血で走ると倒れますから!」
君臣アイ :「ええと、…………よし、行きましょう七海さん。外観は覚えてますね?」
羽鳥七海 :「ええ、しっかり思い出せます」
羽鳥七海 :「任せてください。さっと捕まえて、兄妹デートの続きをしましょ?」
百目鬼 歌乃 :「……頼んだぞー」
君臣アイ :「兄妹デート…!?あ、いえ、失礼。はい」
君臣アイ :「捕まえましょう、早く」
君臣アイ :「……………」
君臣アイ :(……デートで良かったんだな、うん)
◆Middle01◆
GM :という感じで、ミドルに移行します。
GM :ミドルに関してはFS判定。PCの侵蝕率は80で固定。
羽鳥七海 :はーい
GM :条件は…
使用技能:≪情報:UGN≫ ≪情報:噂話≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4
GM :詳しいところは、ボードに置いてある情報チップを参照してね。
君臣アイ :はぁーい
GM :ということで、さっそくFSに入っていきますよ。シットコムする心の準備はOK?
君臣アイ :オッケー
羽鳥七海 :OK!
GM :はい。では…
羽鳥七海 :アイさんに支援をお任せした方が良いかな
GM :
GM :<FS判定:第一ラウンド>
GM :ハプニングチャート(1d6)を振ってもらいましょうか。どちらから行きます?
羽鳥七海 :では引っかかってるし、私から
君臣アイ :よろしく
GM :はい。では、どうぞ!
羽鳥七海 :1d6 (1D6) > 4
GM :4:二人で協力して作業に当たる。
進行判定の前に二人とも難易度5の≪意志≫判定を行い、成功した場合ラウンド中の判定ダイスを+5個する。
君臣アイ :協力!
GM :有利な内容を引きましたね! 協力作業は…希望で演出するといい! 振ったから羽鳥さんに意見を伺いましょう。何やりたいですか?
羽鳥七海 :意志判定を先にやろう 成功するかギリだし……
GM :まあ、考えつつ意志判定からのFS判定をどうぞ!
羽鳥七海 :ありがとう侵蝕80
羽鳥七海 :4dx+1 (4DX10+1) > 10[2,3,8,10]+8[8]+1 > 19
君臣アイ :はぁーい
羽鳥七海 :意志強すぎひん?
君臣アイ :6dx+3>=5 意志 思い出 (6DX10+3>=5) > 9[1,1,1,3,8,9]+3 > 12 > 成功
羽鳥七海 :兄さん大好きパワーです
君臣アイ :妹…いや七海さん…!
君臣アイ :こっちも成功。続いて支援判定を意思で。
GM :では、ボーナス5Dで判定可能だ!
君臣アイ :11dx+3>=6 支援判定 思い出の一品 (11DX10+3>=6) > 10[1,2,4,4,4,4,4,5,7,9,10]+3[3]+3 > 16 > 成功
君臣アイ :七海さんの判定に+3と上限10に。
羽鳥七海 :では支援をもらい、更に「自動巡回ソフト」を器物使いで使用してダイス+4。
君臣アイ :ジャラジャラさん
羽鳥七海 :噂話で判定だ
羽鳥七海 :能力2+侵蝕2+器物ソフト4+ボーナス5
羽鳥七海 :13dx+4 (13DX10+4) > 8[1,1,1,2,3,4,6,7,7,8,8,8,8]+4 > 12
羽鳥七海 :普通に超危ない
君臣アイ :あぶあぶ
羽鳥七海 :こいつはそういうところあるからな……
GM :大丈夫、足りたので届きました。+2!
君臣アイ :やったね!
羽鳥七海 :協力作業の内容ね
羽鳥七海 :じゃあ恋人のフリしましょうか
GM :入れ子構造!
君臣アイ :すごいことになった!
羽鳥七海 :仲の良いカップルのフリをしてカップル割してる店に聞き込みをします
君臣アイ :オゥ…メビウス…
GM :承知しました。判定は通したのであなたが正義だ!
店員 :「はい、ダブルクリームホットココアおまたせしましたー」
羽鳥七海 :「ありがとうございます~」
店員 :ボウルほどもあるカップのホットココアにアイスクリームをフロートしたやつ(ストローが二本刺さってる)が運ばれてくる。
君臣アイ :「ありがとうございます」
君臣アイ :「……………」まさか本当に店頭サンプルそのままのサイズで出てくるとは。
羽鳥七海 :「わあ、美味しそうですね、アイ兄さ……」
羽鳥七海 :「アイくん?」
君臣アイ :「えっ」くん付け。
羽鳥七海 :小首を傾げてはにかむ。
君臣アイ :「あ、はい。そうですね。とても美味しそうだ」
羽鳥七海 :「(……そうじゃないと入れなかったでしょう?)」ひそひそと
君臣アイ :「…………」普段しない表情に少し戸惑う。
君臣アイ :「(あ、うん……恋人のフリね、フリ)」
店員 :「それにしても、今日はお客さんが少なくって困ってたんですよ。ごゆっくり」
君臣アイ :「今日は寒いですからね。ありがとうございます」と店員を見送る
羽鳥七海 :「ふふ。アイくん、アイくんかあ……」
君臣アイ :「……えーと、楽しそうだね、七海さん?」
羽鳥七海 :ストローでアイスを溶かしながら、くすくす笑う。
羽鳥七海 :「楽しいですよ。ふふ、お兄ちゃんと恋人なんて」
君臣アイ :付属のスプーンで少しアイスを削って食べる。おいしい。
羽鳥七海 :「世のあまねく女の子から嫉妬されちゃいます」
君臣アイ :「あー、うん………」(一応、恋人なんだけどなぁ)という顔
君臣アイ :「全世界は過大評価でしょう」
君臣アイ :「こちらこそ、七海さんの恋人という立場は色んな人に刺されそうです」
羽鳥七海 :「もう、お兄ちゃんったら。褒められちゃった」
君臣アイ :「今日は褒めても珍しく素直に受け入れてくれて助かります」フフ、と笑う
羽鳥七海 :「もうっ。でも、ここにはあの家はいなさそうですね?」
羽鳥七海 :「なんとなく、通ったような気もするんですけど……」
羽鳥七海 :店の客は少ないが、その中に、どこかちぐはぐな組み合わせの親しげな人々も混じっている。
君臣アイ :「うん。店は通りに面してるので、走り回ってるなら目に入りそうですが」
君臣アイ :「………影響を受けた人達は何人か居るみたいですね」
羽鳥七海 :「うまいこと忘れていてくれると、後の記憶処理班さんの仕事が少なくなって助かるんですが」
君臣アイ :「そうだね。精神系の異変は事後の影響もまちまちだと聴きますし」
羽鳥七海 :ふう、と溜息。
君臣アイ :「この時期に新しい仕事を抱えるのも大変そうだ」
君臣アイ :ちら、店内を見回しつつストローに目が行く。(……アイスはともかくコレ飲んで良いのか?)
羽鳥七海 :「あ、零れそう」
羽鳥七海 :「アイくん、ほら、飲んでください」
君臣アイ :「あ、おっと」反射的にストローを咥えて吸う。
君臣アイ :アイスが溶け出した分が増える。
羽鳥七海 :同時に、反対側でストローを咥えて飲む。
羽鳥七海 :至近距離で、視線がぶつかり合う。
君臣アイ :「っ、」むせそうになるのを鎮める。
君臣アイ :「…………」じ、といつもより近い距離で目を見る。
羽鳥七海 :「…………ふふ」 にっこり笑う。
君臣アイ :一瞬見惚れるように。ごく、と飲み込む音が不思議と大きく響いた。
君臣アイ :「…どうかした?」
羽鳥七海 :「気にすることないでしょう? 私達、恋人なんですから」 囁くような声で。
君臣アイ :「………あぁー、うん。そうなんですが」
羽鳥七海 :どこか、普段より余裕があるようにも見える。
君臣アイ :その分、こちらが少し目線が定まらない。その間もじっと瞳がこちらを見ている。
君臣アイ :「なんだろう……思いの外、照れる。七海さんは平気?」
羽鳥七海 :「なんて、ね。お兄ちゃん」
君臣アイ :「む……」
羽鳥七海 :「嬉しさの方が大きいですよ?」
君臣アイ :「そう、それは……光栄です?いや、どう言えば良いんでしょうね」
君臣アイ :(今日の七海さんはストレートが多いな……)嬉しいですが。
君臣アイ :「まぁ……僕も嬉しいですよ」
羽鳥七海 :「やった。お揃いですね」
君臣アイ :「えぇ。お揃いですね。………なにせほら、カップルですから」ちょっと開き直る
君臣アイ :「相性がいいに越したことはありません」
羽鳥七海 :「あはは。お兄ちゃん、分かってきましたね」
君臣アイ :「いや、まぁ。追いつくのに必死ですよ」
羽鳥七海 :「またまたー」
君臣アイ :「ははは……付き合いたてのカップルらしさならなんとか分かりますけどね」
君臣アイ :「あ、七海さん。付いてます」指し示すように、自分の口元を指差す
羽鳥七海 :「え?」
君臣アイ :「ほら、溶けたアイスが口元。多分ストローで飲んだときにかな…」
羽鳥七海 :反対側の頬を指で撫でる。
君臣アイ :「あぁいや、そっちじゃなくて」伸ばした手が目測を誤り、七海さんに触れる
羽鳥七海 :「!」
君臣アイ :「おっと、すみません」親指で擦るように拭いとる。
羽鳥七海 :「ひぇ」
羽鳥七海 :触れられた瞬間、かちりと体が固まる
君臣アイ :「すみません。手、寒かったですね。大丈夫ですか?」
羽鳥七海 :「うぇ? あ。はい。いえ?」
羽鳥七海 :目がぐるぐるしている。
君臣アイ :話しながら親指に付いたココア色のクリームを無自覚に口元に運び、指を拭う。
羽鳥七海 :「!!!!!!!!!」
羽鳥七海 :耳まで真っ赤になる。
君臣アイ :「………だ、大丈夫ですか?暖房が効きすぎたかな?」
羽鳥七海 :「き、君、臣さ…………お兄ちゃ…………アイく…………」
君臣アイ :「あ、はい。君臣アイですよ」呼び方がブレてる。精神への影響に変化があるのかもしれない。
君臣アイ :「外は寒かったですし、もしかして、熱とか…?」手の甲で額に触れようとする。
羽鳥七海 :洗脳に対し、もっと強い精神的衝撃を与えて解こうとするのは、有効な手段の一つである。
羽鳥七海 :ぴと、と手の甲が額につく感触に、ぎゅっと目を閉じる。
羽鳥七海 :「お、お手柔らかに……お願いします……」
君臣アイ :額に触れる少し節のある指の感覚。冷たさの残る指がひやりと体温を交換する。
君臣アイ :「え、あ、うん…?」
羽鳥七海 :「ど、どうでしょうか」
羽鳥七海 :「つまらない額ですが……」
羽鳥七海 :目を閉じながら、顔を上向ける。
君臣アイ :「いえ、かわいい額ですよ。…うん、少し熱い?気がする」少し汗ばむ額からサラリと前髪を避けて、自分の額と比較する。
羽鳥七海 :「か……っ」温度が上がったような気がした。「も、勿体ないお言葉です……猫ほどでは……ありませんが……」
君臣アイ :「うん……具体的に何度、って分かるわけじゃないけど、ちょっと上がったかも」
君臣アイ :「これは…長引かせるわけにはいきませんね。もう少し、足を使ってみましょうか」
GM :<第二ラウンド>
GM :ということで、さっそくハプニングチャートからです。
GM :腰を上げた君臣さん、どうぞ!
君臣アイ :はぁい
君臣アイ :1d6 ハプニング (1D6) > 3
君臣アイ :お兄ちゃんだよ~
3:状態変化がもう片方に反転、あるいは両者になる。既に両方が陥っているシチュエーションの場合は片方が解決、もう片方が深刻化する
ラウンド中達成値-2
GM :これは反転ですかね。シチュエーションは…君臣さん、希望あります?
君臣アイ :よし、お兄ちゃんになります。
君臣アイ :どこかのショッピングモール的な感じでウィンドウショッピングとかかな
GM :はい。怪しげなものが入り込んでいたら大惨事になるところですね。真面目な態度!
羽鳥七海 :こちらは何でも!
GM :ではそのセンでいきましょう。判定をどうぞ、達成値-2かかりますのでご注意を!
君臣アイ :じゃあ引き続き支援を。思い出の一品で意志
君臣アイ :6dx+1>=6 支援 (6DX10+1>=6) > 9[3,3,4,7,7,9]+1 > 10 > 成功
君臣アイ :よい。羽鳥さんに達成値+3。差し引き+1ですな
羽鳥七海 :OK! 先ほどと同じコンボ
羽鳥七海 :8dx+1+1 (8DX10+2) > 10[2,3,4,5,9,9,10,10]+9[1,9]+2 > 21
君臣アイ :すごい
羽鳥七海 :よくわからん女だな……
GM :完璧ですね。
GM :では+2で、ミドル踏破条件突破です。FSクリア!
羽鳥七海 :有難い
GM :今日はあとは存分にロールシーンをご堪能ください。
GM :歩く家の痕跡を追ううち、あなたたちは商店街を外れ、大型商業施設にたどり着いた。年末ということもあり、人のではかなりのものだ。
GM :ここで何かが起こったら、露見して大事になる可能性は高い。あなたたちは、中をくまなく見回ることにした。もちろん職業意識から…職業意識から?
羽鳥七海 :しばらくの間、人通りや店を楽しげに見回していたのだが。
羽鳥七海 :不意に、足を止める。掴んでいた君臣さんの腕ごと。
君臣アイ :「?」七海さんが止まったのを見て踏み出す足を止める
羽鳥七海 :「………………………………………………。」
羽鳥七海 :「……………………ア、」
羽鳥七海 :「その。アイ、さん……………………」
君臣アイ :「……ん、何かな?」
羽鳥七海 :目線をさまよわせる。
君臣アイ :じ、とその視線が落ち着くのを待つ。
羽鳥七海 :「ええと。その。……気がつきました」
羽鳥七海 :「大変ご迷惑を、おかけしまして……」
君臣アイ :「うん。……正気に戻れた?」
羽鳥七海 :「ふつつかながら。……ですので」
羽鳥七海 :ショッピングモールの二階。腕を離し、吹き抜けの方へとつかつかと歩いてゆき。
羽鳥七海 :そのまま世を儚んで身を投げようとする。
君臣アイ :「あーー待って待って待って。多分すごい痛いだけ!」
君臣アイ :とっさにその細い方を掴んで引き止める
羽鳥七海 :「止めないでください! どうか、どうか武士の情けとぉ……!!」
君臣アイ :「で、き、ま、せ、ん。ほら、顔に傷とか付いたらどうするの」
君臣アイ :「生きてこそ天下ですよ。徳川家康公のお気持ちで」
君臣アイ :「ほら、落ち着いてー、深呼吸」
羽鳥七海 :「う、うう…………!」 涙を溜めて顔を真っ赤にして振り向く。
羽鳥七海 :「はーはー、ふーふー、」マラソン用の呼吸!
君臣アイ :「走っていかないでね~。あぁ、もう…泣くことないだろう?」
羽鳥七海 :「アイさん、わかりました……」
君臣アイ :ハンカチを取り出して、その顔の目尻を拭う。
君臣アイ :「うん、何が?」
羽鳥七海 :「あれは記憶が残るタイプの洗脳でしうぐふ…………」
羽鳥七海 :分析結果である。律儀!
君臣アイ :「あぁ……バッチリ残っちゃったか……」
君臣アイ :「うんうん、七海は真面目だね。偉いよ」
羽鳥七海 :「アイさん……?」
君臣アイ :「ほら、僕は気にしてないから。そんなに思いつめないで」
君臣アイ :「──妹と恋人のふりでデートするぐらい。むしろご褒美だよ」
君臣アイ :ふ、と優しく微笑む。
羽鳥七海 :「アイさーーーーーーーーん!!!」
羽鳥七海 :がく、と膝をつく。
君臣アイ :その瞳には窓のような十字が薄く浮かんでいる。
君臣アイ :「な、七海?」
羽鳥七海 :「あ、い、いいえ……。」
羽鳥七海 :(伝染してしまった……)
君臣アイ :「どうしたいきなり…膝、痛くないか?」
羽鳥七海 :「わ、私がしっかりしないと……」
君臣アイ :「うん。その方が七海らしいよ。…ぶつけた場所赤くなってないか?」
羽鳥七海 :「いえ、大丈夫です。アイさん」
羽鳥七海 :ふらふらと手を借りて立ち上がる。
君臣アイ :「そうならいいけど…?」厚手のジャンパーのポケットから、前の任務で遣わなかった治療キットを取り出していた
羽鳥七海 :「すいません、時間を取らせてしまって。……あの家の模型を探しましょう、アイさん」
君臣アイ :「うん、そうしよう。七海は解けたみたいだけど、また別の関係性になっても厄介だしね」
君臣アイ :「……さっきまでのはあまり気にしなくていいよ。彼氏が出来たときの予行練習みたいなものだと思いなさい」
君臣アイ :妹と認識しているためか、殊更に年下に言い聞かせるような口調。
羽鳥七海 :「は、……はい、うん。分かりました」
羽鳥七海 :(七海…………)
羽鳥七海 :緊張の抜けた、優しく諭されるような口調。
羽鳥七海 :「どこに行ったと思いますか?」
羽鳥七海 :あのRB。掛かっている人間は、なんとなく本体の居場所が感じられる。
君臣アイ :「ん。そうだね。この感じだともうちょっと上……」
君臣アイ :ちら、と吹き抜けから上階を見上げる。遠目に見ても、人数の密度が多く見える場所。
君臣アイ :「……あれは、服屋かな。行ってみよう、七海」
羽鳥七海 :「分かりました、行きましょう。……服屋?」
君臣アイ :商品が所狭しと並ぶ服屋は1フロアの殆どを占拠しており、そこには二人組として服を選んでいる人々も多く居る。
君臣アイ :ハンガーやマネキンで意外と見通しの悪い。
君臣アイ :さらには、鏡などによって実際より広く見えるレイアウトの中から探すには、根気よく分けていくしかないだろう。
君臣アイ :「例えばこの間とか……あ、こういうの七海に似合うんじゃないか?」
羽鳥七海 :「え、え??」
羽鳥七海 :服を押しつけられる。
君臣アイ :ゆったりとしたシルエットのワンピースや、2つの生地が層になっているロングスカートなど。
羽鳥七海 :「いえ、私はそこまでは……え? あれ?」
羽鳥七海 :いつの間にか周りに居た店員さんにも進められ、あれよあれよと。
店員 :「よくお似合いですよ。ねえ?」
君臣アイ :「うん。隠れるなら試着室とかも確認しておきたいしね」と押しつけ。
君臣アイ :「えぇ。やっぱり似合っててよかった。こういうのは疎いですからね、僕」
君臣アイ :はは、と途中からアドバイスを貰った店員さんとも談笑
羽鳥七海 :勢いに押されて着ている。「そ、そうでしょうか…………!?」
羽鳥七海 :(これは、兄としてなのか……それとも……)
君臣アイ :「そうです。さっきまでは自信満々で褒められてくれたんだから、そのままそのまま」
君臣アイ :「確か別デザインもあったね。取ってこよう。サイズは大丈夫?」
羽鳥七海 :「え、え、えええーーーー?」
羽鳥七海 :「あれぇ…………?」
羽鳥七海 :試着室のカーテンが開く度に、別の衣装に身を包む。
羽鳥七海 :困惑のまま、首を傾げたり、裾を掴んでいたりする。
君臣アイ :「うん、うん。七海は何でも似合うな」満足そうに頷いている
君臣アイ :いつしか帽子やブーツなどの小物類なども合わせて店員が代わる代わるアドバイスをしていた
羽鳥七海 :「そ、そうですか……?」
羽鳥七海 :「に、兄さんは……どういう服が好きですか?」
君臣アイ :「僕?うーん、恥ずかしいこと聞くね」
君臣アイ :「んー。やっぱ白かな。自分が着慣れてるのもあるけど…」
羽鳥七海 :「白。白ですね」
羽鳥七海 :「その、他にもたとえば、フリルとかどう思いますか?」
羽鳥七海 :「あっ、ドレスとかじゃなくて……こう、アクセント程度のもので!」
君臣アイ :「はは。ドレスはもう着てたしね。でも可愛いし、良いと思うよ」
君臣アイ :「あとこういう……リボンが大きめのやつとか。女の子っぽいなぁって思う」
羽鳥七海 :「わあ、大きいですね……! 似合うかな……」
君臣アイ :「似合う似合う。七海は可愛いんだから」
羽鳥七海 :「ま、またそうやって……」 顔が赤くなる。
君臣アイ :「ごめんごめん。良いだろ?今日はデートなんだから」
君臣アイ :先程の喫茶店の発言を楽しそうに。
羽鳥七海 :「デ…………うう…………!」
羽鳥七海 :「私も…………楽しいです……」
羽鳥七海 :「明日には死んじゃうかもしれません……」
君臣アイ :「それは困るな~」
君臣アイ :「そうなったら、童話を信じてキスでもしなきゃならなくなるよ」
羽鳥七海 :「キ、なっ、んてことを、アイさんっ」
君臣アイ :「あはは、冗談冗談。嫌なら死なないようにね」
羽鳥七海 :「もうっ、そういうことを誰にでも言うものじゃないですよ」
君臣アイ :「僕は誰にでもそういう事を言うキャラだと思われていたのか………」
羽鳥七海 :「えっ、えっ……あ、いや、そういうわけじゃ……!」
君臣アイ :「……ふふっ!いや、ごめんごめん。つい意地悪しちゃった」
羽鳥七海 :あわあわしているところに、からかわれたことに気付く。
羽鳥七海 :「あ、もうっ、アイさん……!」 そう言いながら顔は笑っている。
君臣アイ :こちらも慈しむような笑顔。
君臣アイ :「ん、ごめんごめん。コレはお詫びが必要だな。よし、この代金は僕が出そう」
羽鳥七海 :「えっ、そんな悪いです!」
君臣アイ :「いやいや遠慮しないの。コレはご機嫌取りなんだから。甘んじて機嫌を直しなさい」
君臣アイ :試着する中で気に入ってキープしてた分を精算に回す。
羽鳥七海 :「あ、ああっ、もうっ、兄さんっ」
羽鳥七海 :(後で半分だそう……!!)
GM :かさっ…と、かすかな音がする。
君臣アイ :「言い合いは無し。今はそんなことよりお仕事お仕事、と」
君臣アイ :「………うん、意外と当たりだったかな」
羽鳥七海 :「え?」
家の模型 :…睦まじい君たちの様子を伺うように、吊り下がった服の影、見覚えのある奇天烈なシルエットが覗いていた。
家の模型 :視線に気づいたか、こそこそと走り出す。あちらは非常階段と…立体駐車場があるほうだ。
羽鳥七海 :「ああーっ」
君臣アイ :「見つけた!」
君臣アイ :「追うよ、七海!」
羽鳥七海 :(七海っ)破壊力に胸を抑えつつ。「……はい!」
GM :というところで、FS満了。次はクライマックスになります。
羽鳥七海 :お願いしまーす!!
GM :購入判定が一回、行えます。宣言あればどうぞ。
君臣アイ :きぐるみなど狙ってみましょう
君臣アイ :5dx+1>=14 (5DX10+1>=14) > 10[2,3,3,7,10]+6[6]+1 > 17 > 成功
君臣アイ :買えた。装着
羽鳥七海 :130点羽鳥に購入能力は無い。
羽鳥七海 :UGNボディアーマーだ
羽鳥七海 :4dx+4 (4DX10+4) > 10[3,4,9,10]+8[8]+4 > 22
羽鳥七海 :なんなんだよお前は
君臣アイ :やる気満々
羽鳥七海 :あ、さては買って貰った中に混じってたな?
羽鳥七海 :装備します
君臣アイ :そういうことね
GM :なんで流通してるの
◆Climax◆
GM :きみたちは立体駐車場まで…なんとも名状しがたい家の模型を追い詰めた。
GM :最上階だ。逃げ場もない。家の模型は躊躇したように立ち止まる。
家の模型 :「…………」
羽鳥七海 :「追い詰めましたよ……!」
君臣アイ :「観念してもらいます」
家の模型 :……あなたたちは、家族になりたくないのか?
家の模型 :物言わぬ家から、そんな声が聞こえた気がする…一度は、ふたりとも影響を受けているからだろうか。
羽鳥七海 :「家族……それが貴方の願いですか」
君臣アイ :「それを叶えるために、人々の認識を書き換えてるのですか」
家の模型 :言葉にならない肯定の意志が伝わってくる。
羽鳥七海 :「貴方の由来。いくつか、想像はできますが……」
羽鳥七海 :「たとえ、それを本当に望んでいるものがいたとしても。外部からの押しつけによって、なしえてはならないものです」
君臣アイ :「……えぇ。家族になりたい相手との仲人は、親しい人に頼みます」
君臣アイ :「貴方から結果だけ頂くわけには、いかないんですよ」
羽鳥七海 :「はい。家族なら何でもいい、というわけでも……ありませんので」
家の模型 :…家が身構える。強行突破をはかる構えのようだ。
羽鳥七海 :つい、と膝丈のスカートを指でつまむ。普段より丈は短く、重さは軽い。
君臣アイ :首から下げた指輪が淡く光、脛までを覆う足甲へと変化する。
家の模型 :見た目の奇怪さからは想像し難い圧の、レネゲイド活性が放たれる。衝動判定と、あわせて《ワンナイトフィーバー》の使用が宣言されます。
GM :判定目標値は9。そのあと、侵蝕上昇の代わりにOWF効果を受けるか選ぶことが出来ます。
羽鳥七海 :3dx+1 (3DX10+1) > 9[5,6,9]+1 > 10
君臣アイ :6dx+3>=9 思い出の一品使用 (6DX10+3>=9) > 10[1,2,4,7,7,10]+9[9]+3 > 22 > 成功
GM :(侵蝕率を100に、戦闘後に自動的に50低下が発生)
君臣アイ :フィーバーを受けて100に。
system :[ 君臣アイ ] 侵蝕率 : 80 → 100
羽鳥七海 :こいつ本当に妙に衝動判定強いんだよな…対策してないのに
君臣アイ :ふしぎ
羽鳥七海 :フィーバータイム受けます。100に
system :[ 羽鳥七海 ] 侵蝕率 : 80 → 100
GM :はい。では……戦闘開始です。彼我の距離は10m。敵1エンゲージ、味方1エンゲージから。
GM :<戦闘開始>
GM :セットアップ。NPC側は宣言あります。
君臣アイ :なしです
羽鳥七海 :なし
家の模型 :…《高速分身》!
家の模型 :高速移動して、別々のエンゲージに配置された4体に分身します。
君臣アイ :増築…!
羽鳥七海 :4体!
GM :多世帯住宅かもしれません。ともかく全員行動値7なのでそちらより速い。
GM :
GM :ということで、家の模型かける4の行動。
GM :内容は全員同一。1、2が君臣さんへ。3、4が羽鳥さんへ。
GM :マイナーなし。メジャーで以下のコンボ。
GM :《コンセントレイト:ハヌマーン》《狂乱の一声》《領域調整》《抗いがたき言葉》。命中時、家への憎悪と全ダイスペナルティ-3が付与です。
GM :10dx8+3 1 (10DX8+3) > 10[1,2,3,4,4,5,6,8,9,10]+10[1,10,10]+5[4,5]+3 > 28
GM :10dx8+3 2 (10DX8+3) > 10[1,2,4,6,7,7,8,8,8,10]+5[2,2,3,5]+3 > 18
GM :君臣さんに、28と18。
GM :10dx8+3 3 (10DX8+3) > 10[1,4,5,5,6,7,8,9,10,10]+10[2,5,8,8]+10[7,8]+4[4]+3 > 37
GM :10dx8+3 4 (10DX8+3) > 10[1,1,1,1,1,4,7,8,8,8]+10[1,8,10]+7[4,7]+3 > 30
GM :羽鳥さんに、37と30
羽鳥七海 :こっちへの殺意高くない??
GM :中の人が君臣さんの熱狂的ファンなのかも
羽鳥七海 :両方ともガード! 大槌+器物使い!
君臣アイ :ガード値ないし回避してみよう
君臣アイ :4dx>=28 1 (4DX10>=28) > 10[4,9,9,10]+5[5] > 15 > 失敗
君臣アイ :4dx>=18 2 (4DX10>=18) > 8[3,4,7,8] > 8 > 失敗
君臣アイ :エーン!
GM :ダメージ処理がー
GM :3d10+4 君臣さんに一発目 (3D10+4) > 19[1,9,9]+4 > 23
GM :2d10+4 君臣さんに二発目 (2D10+4) > 12[9,3]+4 > 16
GM :23の16、どっちも装甲有効。
GM :4d10+4 装甲有効 (4D10+4) > 29[7,8,4,10]+4 > 33
GM :4d10+4 装甲有効 (4D10+4) > 32[10,7,9,6]+4 > 36
GM :羽鳥さんに33の36…マジで殺意高くない?
君臣アイ :やばし
君臣アイ :どっちも装甲で12弾いて11と4点の15点。生存します
羽鳥七海 :ガード値7、装甲値8。15減らす!
system :[ 君臣アイ ] HP : 26 → 11
羽鳥七海 :18と21……死!
君臣アイ :七海さーん!
羽鳥七海 :模型にロイス 興味:/警戒心:●で取って昇華!
GM :ごもっとも!
家の模型 :高速で動き回る模型から、精神的なプレッシャーが放たれる。隣の人を親族と思い込んでしまいそうな…
羽鳥七海 :?
羽鳥七海 :ちょっと何言ってるか分かりませんね……
家の模型 :まあ細かいことを置いておけば頭がキーンとするタイプの精神攻撃です。
君臣アイ :すごいプレッシャーだ
羽鳥七海 :「くうっ……!」 頭を抑えてふらつく。
君臣アイ :「……!音?ではなさそうだな……大丈夫か、七海」
君臣アイ :既に馴染んでいるためか、こちらは多少ふらつく程度で済んでいる
羽鳥七海 :「う……」よろめいてアイさんの傍に倒れかかる。
君臣アイ :「おっと」ぽす、とその体を抱きとめる
羽鳥七海 :「思ったより、きついです。お兄ちゃんも、気をつけて……」
GM :ということで、頼られた君臣さんのターンです
羽鳥七海 :頭を振ると、目の中の窓枠が薄れて消える。「…………」見上げる。「……アイさんも気をつけてクダサイ」
君臣アイ :「あぁ。……七海も無理をするな」ふ、と安心感を与えるような笑み。
君臣アイ :薄っすらと瞳に十字が浮いている。
君臣アイ :「とは言え、長引くと危険だ。早めになんとかしよう」
君臣アイ :カン、と硬質な足音が駐車場に響いた。
君臣アイ :あ、手番行きます。
君臣アイ :マイナーなし。メジャーでコンボ:【僕を導け、アンツーカー】《砂の刃》《雨粒の矢》《虚構のナイフ》《クリスタライズ》《確定予測》
GM :どうぞ。
君臣アイ :シーン攻撃で対象は家4軒。
GM :はい。すべて暴風圏に入ります
君臣アイ :7dx+4 (7DX10+4) > 8[1,3,4,6,7,8,8]+4 > 12
君臣アイ :コンボ:【wind assistance】《妖精の手》。ダイス目を10に。
system :[ 君臣アイ ] 侵蝕率 : 100 → 104
君臣アイ :1dx+14 (1DX10+14) > 5[5]+14 > 19
君臣アイ :では達成値は19。リアクションのC値は+2されています。
君臣アイ :リアクションどうぞ
GM :《イベイジョン》でドッジ達成値は10固定。家、全部命中します。
君臣アイ :わぁい。命中時に《フェイタルヒット》ダメージ+4D
system :[ 君臣アイ ] 侵蝕率 : 104 → 108
君臣アイ :2d10+28+4+4d10 ガード値-5、装甲無視 (2D10+28+4+4D10) > 11[10,1]+28+4+22[1,9,6,6] > 65
君臣アイ :装甲無視の65点です
system :[ 君臣アイ ] 侵蝕率 : 108 → 124
GM :えーと。65の4倍で……260点…
家の模型 :175点が溶けました。ぶっ倒れて《蘇生復活》…
GM :演出どうぞー
君臣アイ :演出!
君臣アイ :腕の中に倒れてきた羽鳥さんの身体を、柔らかな仕草で立たせる。
君臣アイ :そして集中するように目を細めて、精神への圧を掛けてくる家の模型の方を向いた
羽鳥七海 :顔を赤くしながらも優しく降ろされ、その顔を、すぐ横で見上げる。
羽鳥七海 :行くべき道を、ゴールテープを見つめるその表情を。
君臣アイ :カツン、とつま先の音が一つ。
君臣アイ :スタート体勢も取っていないその体がブレた。
君臣アイ :《加速》の権能が身を包み、世界を置き去りに加速していく。
家の模型 :!?
君臣アイ :その姿は消えて、虹色に光る靴だけが軌跡を残して色のつく風が吹く
君臣アイ :分身を残すほどの速度で動く家の模型に追従し、相対速度が噛み合った時、そこに姿が現れる。
君臣アイ :「………そこ!」
君臣アイ :スピードを載せた直蹴りが、家の模型を蹴り飛ばした
家の模型 :!!!
GM :走り回っていた家の模型を捉えるのは困難を極める。だが、命中させることができれば…蹴り飛ばされてバランスを失い…当然のように派手に転倒。
君臣アイ :ギュイ、とブレーキ痕を残しながら元の位置。羽鳥さんを守るように立って吹き飛ばした家の様子を見る
家の模型 :転がり、何度かバウンドして止まる。かたかたと動いて、まだなにかしようとしているようだが…
GM :次は行動値順に、羽鳥さんのターンです。
羽鳥七海 :OK!
羽鳥七海 :マイナーで《陽炎の衣》。メジャーで《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《見えざる死神》《伸縮腕》。
羽鳥七海 :とりあえず攻撃してきた3で。
GM :OK。どうぞ!
羽鳥七海 :13dx7+1 (13DX7+1) > 10[1,1,2,3,4,4,5,5,5,6,6,8,10]+5[3,5]+1 > 16
羽鳥七海 :ヒュウ!
羽鳥七海 :久々だな、この感覚!
羽鳥七海 :羽鳥を使っているという感じがする
君臣アイ :そうとは。妖精は…大丈夫かな…?
羽鳥七海 :要らないですね。イベイジョンだし
GM :やつのイベイジョンは10よ!
君臣アイ :そうね!
羽鳥七海 :ではダメージ
羽鳥七海 :2d10+26 (2D10+26) > 10[2,8]+26 > 36
GM :装甲の上からでも残りHPが吹き飛びますよ! 家は倒れる!
GM :フィニッシュ演出どうぞ!
羽鳥七海 :家屋倒壊だ
羽鳥七海 :「まだ少し動いているようですが」
羽鳥七海 :つい、とスカートを上げる。もとより露わだった膝から下が、風景に溶けるようにその形を消す。
君臣アイ :「トドメまで届かなかったな。……頼めるかな?」
羽鳥七海 :その足下から。立体駐車場の床が、ぼこぼこと蠢く。いや、正確には……床と同じ色をした異形の何かが
家の模型 :!?
羽鳥七海 :床を這うように出現し、巨大化し、伸張し――起き上がらんとした四家屋の窓を、団子めいてひと突きに串刺しにした。
羽鳥七海 :「食べてはいけませんよ。木造ではなさそうですし」
家の模型 :模型が、脚先で生き物のように少し震えて、動きを止める。
羽鳥七海 :キシキシ、と鳴き声。その模型を品定めするように、中空にうっすら半透明の蟲が浮かび上がり、やがて、消えた。
GM :…心理的なプレッシャーが消える感覚がある。どうやら、少なくとも制圧には成功したようだ。
君臣アイ :「………うん、終わったみたいだね」
羽鳥七海 :「まだ分かりません。気をつけて」両足は消えたまま。低空にふわりと浮かんで、慎重に近づく。
羽鳥七海 :普段よりも丈の短いスカートが不必要に揺れる。もちろん、その中身は透明なのだが。
君臣アイ :「ん………」警戒の目を向けつつ、その裏地が一瞬目にとまる。
君臣アイ :「あのね、七海。君はいつも真面目で偉いと思うけど、少し抜けていると言うか…あー」
君臣アイ :「……いつもの服じゃないことは、忘れないようにね?」
君臣アイ :コホン、と咳払い。
羽鳥七海 :「…………。」
羽鳥七海 :その言葉に振り返って、そして自分のスカートを見て。
羽鳥七海 :ばっ、とはためくそれを、片手で押さえる。
羽鳥七海 :「……お兄ちゃんでも。そういうこと、気になるんですかっ」
君臣アイ :「違う、一般論です。妹をそういう目で見るわけ無いだろう、七海さんは……」
君臣アイ :「…………………………………………………………」少し呼び方が変わった後、沈黙。
君臣アイ :その顔に少し、大型商業施設で貴方が見せた表情に似たものがあるかもしれない
君臣アイ :「えー、あー…七海さんは、そう、妹?なので?僕…兄としては意識とはしませんが…一般論として」
君臣アイ :しどろもどろ
羽鳥七海 :「…………」
君臣アイ :「………………」
羽鳥七海 :その状況に気付く。ふわりと床に降りて。
羽鳥七海 :「あれ? どうかしましたか、アイ、お兄、ちゃん?」
羽鳥七海 :下から覗き込むように。
君臣アイ :目を逸らす……のは失礼と思って、ゆっくりとその覗き込む顔に目を合わせる。
君臣アイ :そこに薄っすらと浮いていた十字は、ない
君臣アイ :「………………いえ、どうもして、ないです」
羽鳥七海 :「アーイさんっ」
君臣アイ :「ど、どうしましたか七海さん。楽しそうに呼んでくれますね」
羽鳥七海 :「それはもう。今のお気持ちはどうですかアイさん。飛びたくなっても私は止められないので気をつけてくださいねアイさん」
羽鳥七海 :「…………なんて。意地悪でしたかね」
君臣アイ :「…………………飛びませんよ」ちょっとだけ拗ねるような、非難と恥ずかしさの混ざった視線を向けて。
君臣アイ :鮮明残った記憶から、兄妹として過ごした感覚が残ってるうちに、少しだけ。
君臣アイ :「七海さんは、意外と」
君臣アイ :「意地悪なところがあるんですね」
君臣アイ :喫茶店で見た顔と、今目の前に居る彼女の顔に共通するものを見つける。
羽鳥七海 :「だって。……先ほどまで見れた、アイさんの意外なところ、もっと見たいと思うのは、いけませんか?」
GM :年の暮れの事件は、そんなふうにして終わった。事後処理で、ばたばたと日々が過ぎて…
GM :しばらく後。
◆Ending ◆
GM :…元日。
GM :ある神社の参道。
君臣アイ :着物姿。藍鼠色の着物に、防寒用のシルエットが広がるインバネスコート。
君臣アイ :シンプルで着慣れた質感を感じさせつつ、誰かを待つように時折首を巡らせていた
羽鳥七海 :から、ころん。
羽鳥七海 :慣れていなさそうな厚底草履の音と共に。背中に掛かる声。「お待たせ、しました」
君臣アイ :「あぁ、七海さん。こちらもいま来たところです───」振り向き、相手の姿を見る
羽鳥七海 :白地に、桜色のアクセントをした振袖姿。
羽鳥七海 :牡丹の柄の衣装。髪は纏めて、唇にも薄く朱が引かれている。
羽鳥七海 :「………!」振り向かれて、こちらも相手の姿をはっきりと見る。
君臣アイ :「………」姿を認めて、少し言葉を失う。
羽鳥七海 :目を丸くして固まる。
君臣アイ :目の前の少女を年下と思うことは実は普段からあまりないのだが、更に格別に大人っぽく見えた。
君臣アイ :「…………着物」
君臣アイ :「お綺麗、ですね」
羽鳥七海 :「…………はい。すごく、お似合いで、綺麗だと思います」
羽鳥七海 :「正装だと、そうなるんですね……」君臣アイさんの着物姿を見ながら。
君臣アイ :「はい、そう思いま……あ、僕の話ですか、えぇ」
君臣アイ :「親戚の集まりとかで、よく。こっちの方が着慣れてるのもあります」
君臣アイ :裾を掴んで少し広げてみせる。
君臣アイ :「七海さんもお似合いです、えぇ」
羽鳥七海 :「……? え、あ、はいっ?」
羽鳥七海 :ちょっと自分が何を言っているのか分かっていなかった。
羽鳥七海 :「ごっごめんなさい! 見蕩れてしまって、その……ありがとうございます」
君臣アイ :「いえ、こちらこそ。お互い様です。…………えぇその、惚れ直しました」
羽鳥七海 :「あぇっ」
羽鳥七海 :顔を赤くする。頬紅を抜いても分かるほど明らかに。「あ、いえ、その」
君臣アイ :「や、その!」「……すみません、口が滑りました」
羽鳥七海 :「い、行きましょうか! ……キリなくなりそうですから!」
君臣アイ :「そ、そうですね!はい、そうしましょう。少し並ぶでしょうしね」
君臣アイ :促して、羽鳥さんの厚底の草履を見る
君臣アイ :「はぐれてもいけないですし……その」
君臣アイ :「手を繋ぎましょうか?履きなれていないようですし」
君臣アイ :先導しようとした足を止めて手を差し伸べる。
羽鳥七海 :「……!」
羽鳥七海 :ばさばさと、抱えていた小さな手提げやら何かを持ち替えて。
羽鳥七海 :「は、はい。……ぜひ」
羽鳥七海 :袖の奥から出した手を差し伸べる。
君臣アイ :「はい……行きましょう」
君臣アイ :きゅ、とその手を包むとコートの広い裾が少し手に掛かる。
君臣アイ :恐る恐る先導するようにゆっくりと歩き出す
羽鳥七海 :「年末はどのように過ごされていたんですか?」
君臣アイ :「ええと…そうですね。前の事件が終わってからは親戚の集まりに顔を出してました」
君臣アイ :「と言っても家の掃除とか、下の子供達の世話とか…良いように遣われてましたね」
羽鳥七海 :「私も、似たようなものでした。といっても、集まる数はばらばらなんですけど」
君臣アイ :「七海さんの家は代々エージェントで忙しそうですしね。年末年始も関係なさそうだから」
羽鳥七海 :「そういう面は、ありますね」
羽鳥七海 :「とはいえ、今年はそこまで忙しくもありませんでしたから、久々に親戚の顔も見られました」
君臣アイ :「あぁ、ゆっくりできて良かったですね。親戚の方々も含めて」
羽鳥七海 :「そうですね。先日は本当に……」
羽鳥七海 :「……バタバタしてしまって。」
羽鳥七海 :お茶を濁す。
君臣アイ :「あー……えぇ、まぁ。そうですね」
羽鳥七海 :露骨に顔を反らす。
君臣アイ :反らされている
君臣アイ :「あー……そう、お互い、ああいう面を家族に見せたということですね」
君臣アイ :軽い調子で言って(……いや、とくにフォローになってないな)
羽鳥七海 :「いえ違いますからね!?」
羽鳥七海 :「あれは、その、なんというか……」
羽鳥七海 :ろくろを回す。「こう、ハイになっていたというかですね、イトコや叔父は居ても直の兄というのは、あまりいなくて、その……」
君臣アイ :「あ、うん、そうですね、そう!」
君臣アイ :「…………じゃあ」
君臣アイ :「あのちょっと甘え上手な七海さんは、僕だけが見ちゃったわけですね、うん」
羽鳥七海 :「~~~~~っ」
羽鳥七海 :ぎゅう、と腕を引き寄せる。
君臣アイ :「わ、」半歩分。更に引き寄せられる。
羽鳥七海 :着物の上からつねる。もちろん、分厚い布越しなので痛みはないが。
君臣アイ :「い、痛い痛い。……調子に乗りました」
君臣アイ :つままれた布がこすれる感覚にちょっと謝る。
羽鳥七海 :「だったらアイさんだって」
羽鳥七海 :「普段、あんな感じなんですか。年下だと」
君臣アイ :「んん。それを言われると……アレは僕もハイになっていたので…」
君臣アイ :「気持ち的にはそうなんですが、表に出すと鬱陶しがられそうなので……自重してます」
羽鳥七海 :「自重……つまり」
羽鳥七海 :「カッコつけているわけですか」
君臣アイ :「うぐ」
君臣アイ :ちょっとだけ言葉を探すように目線を彷徨わせ、諦める
君臣アイ :「……はい。普段はかっこいいお兄ちゃんを目指してます」
君臣アイ :降参して白状する
羽鳥七海 :「アイさんが格好良いのは、それはもちろん、分かっていますけれど」
羽鳥七海 :「アイさんの格好良いところしか見せて貰えないのは、ちょっと違うなーって思っちゃいます」
君臣アイ :「…………………はい、あの、ありがとうございます」
君臣アイ :かっこいい、という評価にちょっと握った手がソワソワとする
君臣アイ :「いえ、お礼をいう場面じゃないんですけど……ううむ」
羽鳥七海 :「わざとやれって言ってるわけじゃないですよ?」
羽鳥七海 :それはそれで面白そうですけど、と枕を起きつつ。
羽鳥七海 :「でもその……私達は、ほら、なんというか」
君臣アイ :「……はい」
羽鳥七海 :「兄と妹……ではないにせよ……その……見方によってはそれより……時には近しくなる……関係なわけで」
君臣アイ :「はい………………………えぇ、まぁ、そうですね、血縁とは別な…」
羽鳥七海 :「別な……そう、別なやつです」
君臣アイ :「はい。1グループにまとまる感じの…」
羽鳥七海 :こくこくと何度か頷く。
羽鳥七海 :「その、ですので。……常に気を張っていて、疲れられてしまったりすると」
羽鳥七海 :「本末さんが転倒されてしまうと、思いませんか?」
君臣アイ :「………それは大変だ」
君臣アイ :「本末さんの足が折れたりしたら、大問題ですからね……」
君臣アイ :「ただその、言い訳をさせて頂きます」
君臣アイ :コホン、と前置き。
羽鳥七海 :「はい」
君臣アイ :「僕の主観としては、今回の事件も、後は前とかその前とか、七海さんにはかっこ悪い場面を見せている印象がありまして。ダンスとか…」
羽鳥七海 :「ははあ…………」
君臣アイ :「そのリカバリのために、ちょっと気を張っていたところはある、の、ですが」
羽鳥七海 :「ふむ……」
君臣アイ :「七海さんがそう言ってくれるのなら、ちょっとだけ、肩の力を抜いてみようと思います」
君臣アイ :「………恋人」一区切り。「と、して、失望されない程度に」
君臣アイ :緊張のためか握っている手の体温が高まっている。
君臣アイ :「………という方針でいかがでしょうか?」
羽鳥七海 :「……そう、ですね。妥当な、案ではないかと」
羽鳥七海 :「失望、かどうかはともかく……むしろ、ですね」
君臣アイ :「はい。むしろ?」
羽鳥七海 :「私、好きな人が、他の人には見せない面を見せてくれるの」
羽鳥七海 :「わりと好きです。独り占めしてるみたいで」
羽鳥七海 :「ですから、失敗とか、ほんとに気にしなくていいですよ」
羽鳥七海 :言い放ってから、口元に指を立てる。「…………これ、私の恥ずかしい秘密の一つなので」
羽鳥七海 :「オフレコで」
君臣アイ :ちょっとだけ表情を見せない角度を保った後。
君臣アイ :「………………はい」こちらも指を立てる。
君臣アイ :「じゃあ代わりに秘密の交換なんですけど」
君臣アイ :「……他の人に見せない顔を自分が見れるのが好きなのは、同感です」
君臣アイ :「ただ、僕は、『みたい』じゃなくて、独り占めしたくなってしまうので」
君臣アイ :「……七海さんがそういう顔を他の人に見せたら、少し嫉妬してしまうかもしれませんね」
君臣アイ :「…………ヒミツですよ?」指を立てたまま言う
羽鳥七海 :「…………ひゃあ」
羽鳥七海 :「秘密の交換、してしまいましたね」
君臣アイ :「はい。……これはカッコつけてたら出来ないことですね、恥ずかしい」
羽鳥七海 :「あはは」
君臣アイ :「ふふ」
君臣アイ :と、本堂へと続く人の波が動く。
君臣アイ :「っと、話してるうちに賽銭箱まで来ましたね」
羽鳥七海 :「そのようですね。……あ、そうだ」
君臣アイ :「はい?」
羽鳥七海 :懐から財布を取り出しつつ。
羽鳥七海 :「あけまして、おめでとうございます」
君臣アイ :あ、と不意を突かれたように眉を上げて、出会い頭に言い忘れた言葉を思い出す。
君臣アイ :「はい、あけましておめでとうございます」
君臣アイ :少しだけ頭を下げて。
君臣アイ :「本年も、よろしくお願いいたします」
羽鳥七海 :「はい。末永く、よろしくおねがいしますね」
GM :頭上には一年の最初、ながく見通せる、冬の青空が広がっていた。
『一夜二人転:君臣アイと羽鳥七海』 終