『凍れる希望のキャロル』(GM:いちま)


PC1:明道天理(あけみち・てんり)( キャラシート )PL:今日日
PC2:御門優一(みかど・ゆういち)( キャラシート )PL:缶詰
PC3:任海悠生(とうみ・ゆうき)( キャラシート )PL:嗣子
PC4:千堂未亜(せんどう・みあ)( キャラシート )PL:ねり
本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.

メインログ雑談ログ

目次

Preplay

GM:ワオオワオ!セッションの時間です
GM:順番に自己紹介をお願いしましょう
GM:名前を呼ばれたら返事をしてキャラシを貼ってね
GM:PC1の明道くん〜
明道天理:はい!
明道天理キャラシート
明道天理:ごく普通の男子高校生、明道天理です。
明道天理:父と母はそれぞれ共働きの会社勤め、大学生の姉と中学生の妹の5人家族。
GM:姉妹サンドだ
明道天理:姉と妹にやや振り回されたりはしてますが、まあ間に挟まった男兄弟の定めのようなもんでしょう。
明道天理:なんか学校でさえ女子に対して腰低くて情けないみたいなこと言われてるけど……。
明道天理:それに対して腹を立てることもさしてない、穏やかな性格です。それで余計に言われがちなのかも。
GM:優しい子だ
GM:ちなみに特に理由はないんですが今回のNPCの女子率はやたら高いです
明道天理:なるほど。彼女らにも情けないと言われないよう気を付けたいです。
明道天理:で、能力とかは……ちょっとよく分かんないですが……。
GM:普通の人だもんね
明道天理:光とかかっこいいな~と思うし、それで支援も攻撃もどっちも出来ると便利ですね。
GM:男の子は大抵一度光の戦士に憧れるもんですからね
明道天理:まあそういう感じで……詳しくはこの後色々あると思います。
明道天理:PLが覚醒男子やるの年単位振りなのでガチガチになっていますが、よろしくお願いします。
GM:仲間じゃん 私も緊張してるため
GM:よろしくお願いします〜
GM:そんな明道くんのHOがこちら!

HO1:明道天理
シナリオロイス:城戸澄香きど・すみか
君はオーヴァードでもなんでもない、ごく普通の高校生だ。
ある日、親に成績について小言を言われて向かった塾の冬期講習の場で、君は不可思議な能力に目覚めさせられた。
そのまま連れ去られそうになった君を保護した者達はUGNと名乗り──その中には、君にとってはよく見知った元恋人・城戸澄香の姿があった。

GM:という感じでなんか……私もいきなり元カノを生やしてフッた事実を作ったりこんな優しい好青年をひどい目にあわせる事になっているので
GM:それなりにガチガチしています
明道天理:ガチガチ同士上手い事やっていきましょう
GM:シナリオロイスの城戸は半年くらい前まで円満に交際してたけど
GM:いきなり君のことをフッてそれきり気まずい感じになってる隣のクラスの女です
明道天理:まあ……別れたいと言わせるほどのことをオレがしたんだろうし……
城戸澄香:いやなんでよ あんたのせいじゃないって言ったのに…
GM:ともあれそういう感じで一緒にこじれていきましょう 対戦よろしくお願いします
明道天理:全力を尽くします よろしくお願いします!
GM:では次!HOは二人で共通だけど便宜上PC2の御門くん〜
御門優一:ミッカァ!
御門優一キャラシート
御門優一:御門優一(みかど・ゆういち)、15歳の身長159.9cm
GM:鳴き声そうなんだ
御門優一:160cmを自称する高校生1年生のイリーガルです。
GM:いいだろもうそこは 自称させてあげても
御門優一:こおりタイプのクールなライバルとして出演させて戴くつもりです。
御門優一:カヴァーは不良学生。商店街の定食屋の一人息子なので、よくイベントに顔を出します。
御門優一:幼い頃に見た演劇の王に感銘を受け、将来は人の上に立つ人間。すなわち皇帝を目指してます。
御門優一:主に精神的に見下されたりするとキレる不良学生です。怖いですね。
御門優一:不良学生として委員長や実行委員を進んでこなし、リーダーとして他人を手足のように使う経験を積んでいます。恐ろしいですね。
GM:あら〜 俳優さんになるのかな がんばってねえ
御門優一:それもアリだな~
御門優一:自己紹介の通り、少し前まで覚醒枠の座を頂いてました。ちょっとずつ成長しています。
御門優一:最初の事件で固定ロイスの同級生女子に助けられた事を気にして、今は後ろじゃなく横に立てるように頑張ってます。
GM:覚醒枠の先輩ってわけ
御門優一:ふん……次は助けてもらえると思わないことだ(高い場所)
御門優一:嫌いなものはバスケでダンク出来る奴と見下してくる相手。
御門優一:好きな言葉は努力と権力です。
御門優一:能力はピュアサラマンダー。シンプルに氷を操り、王なので巨大な氷の兵隊や城を作り出します。
GM:御門くんも氷の回廊とか覚えたらダンクできるかも
御門優一:俺だって体育館の二階のキャットウオークから飛べば出来るが…
御門優一:あとカバーもする。シンプルな性能です。
GM:いのちだいじにして
御門優一:そんな暑さに弱い系男子。冬は二割増しで元気!
GM:カバーはシンプルにえらすぎるぜ
御門優一:よろしくお願いします!
GM:よろしくね〜 ちなみに時制を反映してセッション内時空も冬です
GM:では先述の通りHOが共通なので
GM:任海さんにも続けて自己紹介をお願いします
任海悠生:はい!
任海悠生キャラシート
任海悠生:とうみ・ゆうき。御門くんとおなじく高校一年生のイリーガル少女です。
任海悠生:こっちは一応どっかのじゃあくなFHと企業がやってた実験体だったので、元からオーヴァードでした。
GM:いろいろ手引してあげているというわけね
任海悠生:自分で抜け出して自分でUGNに駆け込んだりして、今の学生生活に入った感じの子。
任海悠生:そう言う事になる…のだなあ 懐かしいぜ
任海悠生:そう言う生まれなので大分ぽやぽやしています。見た目はミステリアスなんだけどもう本人が天然なので…
任海悠生:御門くんとはそう言うイリーガル活動で縁があって、色々一緒に活動したりなんなりいっぱいしておりました。
GM:生まれがFHだとぽやぽやしてるものなんですか?
GM:浮世離れてきなあれかな
GM:がんばっててえらいねえ
任海悠生:教育がぁ……偏ってるから……って本人は思ってるけど それと性格。
任海悠生:大体コイツ自身が天然なだけです……
GM:かわいいね
任海悠生:能力的には実験を通しての”夢を実体化させる”能力。大体魔術っぽいことしたりエネルギーを実体化させてどかどか撃ったりする。
任海悠生:データ的にはフォールンピストルの素射撃+水晶の剣と妖精の手だけ。サポーターですね。
任海悠生:今回は覚醒枠が要る卓ということで、色々手助けしたりとか 出来るよう頑張りたいと思います!
GM:どっちもサポート力が高くてえらい先輩だぜ よろしくお願いします〜
任海悠生:よろしくお願いします。 あ、フォールンサラマンダーもあったのでちょっと火力支援できます!
任海悠生:これだけ。以上!
GM:ではそんな感じだけどまだお付き合いはしていないお二人のHOがこちら

HO2-3(共通):御門優一/任海悠生
シナリオロイス:PC1
君達はUGNに協力しているイリーガルだ。
君達と縁のある支部の管轄区では昨今、原因不明の行方不明者が微増しており、被害者の共通項として「万道塾」という学習塾に通っていた事が浮かび上がった。
学生として塾内へと潜入し調査を行っていた君は、不審なエフェクトの反応を察知し調査に向かった。

GM:すみません、ちょっとOPの内容を書いてるうちに齟齬が出てきたので表現を変更しました ひとまずこれで
御門優一:塾に潜入だ!
任海悠生:なるほど 了解です!調査だ
御門優一:ついでに勉強も頑張ろう
GM:元々一人で導き先輩役やってもらおうかな〜と思ってたんですが 二人でやってもらった方が楽しい気がしたのでそうしました
御門優一:了解を得ました
任海悠生:成程ね……
GM:それなりにレベルの高い塾なので、内容に付いていくために勉強を頑張らないといけないかもしれません
GM:なので適宜二人で部屋で勉強会を行うなどの協力をしていってもらいます よろしくお願いします
御門優一:なるほどの舞 よろしくお願いします
任海悠生:そんな…大変だ…
GM:じゃあ最後にPC4の千堂さん〜
千堂未亜:うむ。
千堂未亜キャラシート
千堂未亜:千堂未亜(せんどう・みあ)。“紅の王冠ラウラ・カルミヌス”のコードを戴く外見年齢17歳の支部長さんです。
千堂未亜:黙っていればただの美少女支部長、しかしてその正体は
千堂未亜:「よい、許す。私は寛大ゆえな」
千堂未亜:口を開けばこんな具合の尊大な女です。
GM:なるほどね……
GM:実年齢はいくつなんですか?
千堂未亜:聞きたいか?
GM:興味本位で口が動いた
GM:気にはなってるけど黙秘でも大丈夫です
千堂未亜:よい、許す。私は寛大ゆえな
千堂未亜:少なくとも今の支部が出来た頃にいは既に今の姿で、
千堂未亜:霧谷さんと出会った頃にはもうこの姿だったなどという証言もあるとかないとか。
千堂未亜:想像を膨らませるがよいぞ。ふふ
GM:なるほどね……
千堂未亜:今しがたポロリしましたが、UGN日本支部長・霧谷雄吾と縁があって海外から日本にやってきた地中海の女で、
千堂未亜:昔からずっとこんな見た目をしているそうですよ。本当かな?
千堂未亜:血液操作を得意とするブラム=ストーカー能力者で、剣士として前線に立つこともあります。
GM:嘘だったらおもしれー女だけどそれはそれで面白いな……
千堂未亜:フルパワーでは相手の血流を直接掌握することも出来るとか。本当かな?
千堂未亜:さて。そのあたりを明らかにする日は来るのか来んのか……中の人次第であるな
GM:心臓爆発しちゃう
GM:あ、一応聞くんですが学校は通ってないですよね?
千堂未亜:うむ、仕事漬けで通ってないぞ。通う歳でもないがな
千堂未亜:必要なら制服姿も披露するが?
GM:学校組とかと面識あるかな〜という確認でした コスプレは気が向いたら是非お願いします
千堂未亜:そう……(早着替え)
千堂未亜:性能は白兵。ネームレスシティで追加されたブラムス強化パッチ・サングインを軸に
千堂未亜:《鮮血の奏者》で攻撃力を増やし《赫き剣》で殴るオーソドックスなブラムスファイターです。
千堂未亜:あと《血の宴》とかします。敵が固まってれば。
千堂未亜:そういうわけだ。よしなにな。
GM:火力がいたいよ〜
GM:よろしくお願いしますねえ
GM:では千堂さんのHOがこちら

HO4:千堂未亜
シナリオロイス:"ウルスラ"
君はUGN支部長だ。
ある日君の支部からほど近い路地に、瀕死のオーヴァードが倒れているのを発見した。
彼女は君がUGNの人間である事を確認すると、どこか安心した表情を見せ、そして遺言を託して息絶えた。
「"オラクル"というセルがあるんだ」
「私達はそこに囚われていて、”戒律”を破ればこうして命を落とす」
「他言は許されない。だからこの命を使って、貴方達に伝えに来た」
「どうか、"ウルスラ"を……私の友人たちを、助けてあげてほしい」

GM:というわけでなんかいきなり目の前で死なれます
千堂未亜:年の暮れに行政を困らせるな!まったく……
千堂未亜:まあ、よい。命を賭した嘆願に耳を傾けるのも王の役目であろう
GM:王なんだ……
GM:貴人の振る舞いを見せてもらいましょう よろしくお願いします
千堂未亜:うむ!
GM:皇帝とのバトルも楽しみですね
GM:では自己紹介も終わったので、ゆるりと本編を始めていきましょう
トレーラー ……たとえば地上に百の異語があること、百年で世を去るさだめのこと。
生まれながらに私達を取り巻く戒めを、どこかの神話は天罰と説明した。
目に見える誰かのせいにできない不条理を、人はよく神様のせいにする。
だから仕方ない、と受け入れる理由を作り出す儀式として。
私達を縛るこの枷を、どこかの誰かが”神託オラクル”と呼び始めたのも、あるいはそういう事なのだろう。


◆Opening◆千堂未亜

GM:では時系列順で、千堂さんのOPから始めていきます。登場侵蝕をどうぞ
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (35 → 44)
千堂未亜:ほかほかしているぞ



GM:……肌寒い冬の日の朝。年末も近い平日でありながら、君の暮らす街は静まり返っていた。
GM:明朝から続いていた、都市内でのジャーム出現による一時避難処置だ。
GM:難もなく討伐は完了し、現在は最後の確認巡回を進めている最中である。
GM:人手不足はこの組織の常だ。君も支部長という身でありながら、その一端を前線で担うこととなっていた。
GM:ともあれ、状況は順調だった。あと数時間もすれば、街にも元の活気が戻っているだろう。
千堂未亜:「やれ。これでようやく一息つけると言うものだ。年の暮れに手をかけさせおって……」
千堂未亜:雪のように白いパンツスーツを着こなし、その上からファーコートを羽織った女が独り言ちる。
千堂未亜:「もうじき降誕祭か。まあ、私には縁の遠い話だが」
千堂未亜:サンタクロースども。聞こえているなら、私に一時の平穏でも贈って見せよ!
千堂未亜:「……などと言う歳でもないな。ああ、いかん」
千堂未亜:「フェラーリちゃんを車検になど出すからこうして足を使う羽目になるのだ」
千堂未亜:ぶつぶつ。ぶつぶつ。恨み言をぶつぶつと漏らしながら、
千堂未亜:乾いた空気を切り裂くような歩みで支部へと向かう。
千堂未亜:「頭の痛い話ばかりだが。私の庭が平穏であるなら、それで良いのだ」
千堂未亜:「ただそれだけだと言うのに、なぜ誰も彼も騒ぎを起こさずにおれぬのやら」
千堂未亜:「まこと、度し難いものだ」
GM:と、そんな事をぼやきながら帰還していると。
GM:……血の匂いがする。それも、獣ではなくヒトの。
GM:数十メートル先。路地を曲がった先の死角に、何かがいる。
千堂未亜:嗅ぎ慣れた匂いだ。
千堂未亜:己が流すもの。流させるもの。命じて流させることも飽き飽きするほど。
千堂未亜:少なくとも、降誕祭に向けての趣向ではあるまい。
千堂未亜:「……まあ、よい」
千堂未亜:端末をぽちぽちと打って支部に帰着が遅れる旨を伝えると、匂いの源に向き直る。
血塗れの少女:「っ、ぐ……」
GM:呻き声。それから、ずるり、と。
GM:血だらけの少女が、這うようにして路地の陰に倒れている。
血塗れの少女:「っ、は……はあっ……」
千堂未亜:路地を塗り潰すように流れ出た血に目を留める。
千堂未亜:……致死量であろう。放っておけばじきに静かになる。
血塗れの少女:時折探るように、周囲に手を伸ばしている。……目が見えていないのだろうと予想できる。
千堂未亜:「………」溜息。
千堂未亜:「女。私の声が聞こえるか?」
GM:そう、致死量だ。通常の人間にとってではなく、《リザレクト》が機能するオーヴァードにとっての。
血塗れの少女:「……っ、ぐ……そこ」
血塗れの少女:「誰か、いるの……?」
千堂未亜:「いるぞ。生憎と勇み足のサンタクロースではないがな」
血塗れの少女:「聞こえてる……聞こえてる、よ……!」
血塗れの少女:その身体に外傷はない。ただ、彼女の体内で蠢く何かが彼女のいのちを食い破っている事がわかる。
千堂未亜:コートとスーツが血を吸い上げるのも構わず、女の傍で膝をつく。
千堂未亜:(真っ当なやられ方ではないな……)
血塗れの少女:右の手の甲の肌が、ひときわ焼けただれている。その表層には、花柄にも似た真紅色の刻印が刻まれ、激しい熱を帯びている。
千堂未亜:「……どこへ向かおうとしていた。誰に、何を伝えようとしていた?」
血塗れの少女:「この……近くに、UGNの拠点が……あるって、知ってたから」
千堂未亜:「如何にも。一際大きな城塞が聳えておるな」
血塗れの少女:「知ってる」うっすら笑う。「ほんとは……もう少し、保つつもりだったんだけど」
血塗れの少女:再び深く咳き込んで。「……そう、あなたが」
血塗れの少女:力なく、にわかに顔を上げる。
千堂未亜:「何ぞ、言伝でもあるか? ならば聞き届けるが」
血塗れの少女:「いろいろ、私に聞きたいと思うけど……」
千堂未亜:「それはいい。調べればいずれ浮かぶことだ」
千堂未亜:「今、重要なことはそれではないだろう。質問を戻すぞ。何を伝えようとしていた?」
血塗れの少女:「……"オラクル"」
血塗れの少女:「そういうセルが、あるんだ……私達は、そこに囚われて」
血塗れの少女:「与えられる"指令"を、こなさなきゃいけない。”戒律”を……えほっ」
血塗れの少女:「破ったら……こうなる」
千堂未亜:(ギアスの類か……)
血塗れの少女:「だから……この命を使って、貴方達に伝えに来た。どうせ、永くなかったし……」
血塗れの少女:「……っ、ぐ。どうか……”ウルスラ"を」
血塗れの少女:「T.C.のみんなを……私の友達を、っ」
血塗れの少女:「──」
千堂未亜:「おい。……おい?」
GM:一際、鼻につく凍風が拭いた。
GM:「たすけて」というかたちに口元が動いた気がする。次の時には、身動き一つしなくなっていた。
千堂未亜:「………」
千堂未亜:名前も告げずに逝った女の目元にそっと手を当て、撫でるように目蓋を閉ざす。
千堂未亜:そして立つ。コートの裾から、ぴちゃり、と血の一滴が零れ落ちる。
千堂未亜:「──よい。そなたの身命を賭した嘆願は、この女帝が聞き届けた」
千堂未亜:「その献身が“ウルスラ”とやら……」
千堂未亜:「あるいは“みんな”とやらを救う所を、何処ぞから見ているがいい」
千堂未亜:端末から支部に応援を要請する。またぞろ、街の裏側が騒がしくなるのだろうから。
千堂未亜:「ああ、それにしても……」
千堂未亜:もう動かない女を見下ろして、
千堂未亜:「その言を信じるならば、勇気を振り絞ったのであろう。だのに報いることも出来んとは、王の名折れも甚だしいことよ」
千堂未亜:「済まぬな。もうしばらく、冷たい所で眠っておれ」
千堂未亜:次に天を見上げる。
千堂未亜:「私の庭を荒らす不届き者……。何人たりとも、見逃しはせんぞ」
千堂未亜:そう吐き捨てて、紅玉の瞳が曇天を睨みつけた。



GM:シーン終了。ロイス処理のみ可能です。
千堂未亜:では、“ウルスラ”とやらに ●庇護?/憐憫? にて。
千堂未亜:まだ詳細がはっきりしておらんからな。
GM:あ、そうですね 別にまだ取らなくてもいいよ〜
千堂未亜:い、一応シナリオロイスだから……クエスチョン付けて取っておきます。後で何かが変わるであろう
GM:特に強制ではないですとだけ 出してないのは事実そうだしね
GM:はあい


◆Opening◆明道天理

GM:では、登場侵蝕を……あっ
GM:失礼、なんでもありません
明道天理:しんしょく……?何のことだろう



GM:……どこか朦朧とする意識の中で、君はいつかの過去を見ていた。
GM:雪の降る景色が、少しずつ像を結んでいく。……これは確か、二年前のクリスマスの夜の風景だ。
GM:君が城戸澄香という少女と交際を始めてから、初めて迎えた冬の日。
城戸澄香:手を繋いだまま、いつもより少し小さい歩幅で君の隣を歩いている。
城戸澄香:今よりも幾らか小さな背丈。マフラーを巻いた口元から、白い吐息を吐き出している。
城戸澄香:「……あのさ」
明道天理:「ん、えっ」
明道天理:「あ、ごめん。どうかした?」
城戸澄香:「普通に声かけただけでしょ。なんでびっくりしてんのよ」
明道天理:「いや、ちょっと……」 率直に言って緊張してたので。というのは流石に恥ずかしいが。
明道天理:手汗が酷い気がするから手袋してきて良かったなとか。歩調はこれで合ってるだろうかとか。
城戸澄香:日はすっかり傾いている。日中、デートして過ごした帰り道。家まで送ってくれるという彼の申し出を、特に断る気は起きなかった。
城戸澄香:「ちょっと?」怪訝そうな顔。
明道天理:まとまらない考えがいくつも脳内で渦巻いていたもので。急に声をかけられて咄嗟に驚いた声が出てしまった。
明道天理:「……や、うん。何でもない」
明道天理:というのを、全て言えるほどには恥を捨ててない。というより、格好をつけていたい。
明道天理:どれだけ効果が出ているかはさておいて。
城戸澄香:「……そう」
城戸澄香:「なら……別に、こっちも大したことじゃないよ」
明道天理:「うん。というかええと、なんだっけ」
明道天理:「えっ」
明道天理:声をかけてきたということは何か言いたいことがあったということだろうに。
城戸澄香:繋いでいない方の手の指を、ぐっと袖の外へと伸ばす。
城戸澄香:水族館で買ってもらったイルカのストラップを手繰り寄せて、ぎゅうと握りしめる。君には見えていない角度。
城戸澄香:「……あー、だから」
城戸澄香:「なんか……クリスマスに手を繋いで歩いてるカップルとか」
城戸澄香:「今まで、なんであんなに浮かれてるんだろうって思ってたけど」
城戸澄香:「そういうの、ちょっと分かった気がするなって……」
明道天理:「……」 つまり。浮かれてくれているということで、合ってるだろうか。
城戸澄香:目線は前を向いたまま。頬は霜に触れて、ずっと朱色のままだ。
明道天理:と、これを直接聞くのは野暮だろう。その程度は分かる。
明道天理:分かる、ので。
明道天理:「……オレも、こう」
明道天理:「割と浮かれてるっていうか、落ち着かないっていうか」
明道天理:「あ、いや。悪い意味じゃない方で」
城戸澄香:「わかってる、それくらい」
明道天理:「あ、うん」
明道天理:「……ええと、嬉しい。こうして、城戸と歩けて」
城戸澄香:「……うん」
明道天理:この言い方で合っているかは分からないが、言わないよりは多分良い。だろう。きっと。
城戸澄香:「…………」
城戸澄香:少し沈黙があった。その言葉を反芻しているのか、あるいは何かを躊躇っているのか。
城戸澄香:「……まだ苗字でいく?」
明道天理:「えっ」
明道天理:「あ、待って。違う」
城戸澄香:「えっじゃない。呼び方」
明道天理:今のは多分ダメな奴だ。『えっ』はない。
城戸澄香:「どこが違うの」
明道天理:「いやその。咄嗟に出ただけで」
城戸澄香:少し怒っているように見えるのは、実のところ照れ隠しを多分に含んでいるのだが。
明道天理:「『えっ』って返すのは無いな、と思って……」
城戸澄香:「……じゃあ、やり直す?」
明道天理:「……うん」
城戸澄香:「……」ふう、と溜め息を吐いて。
城戸澄香:「ねえ、どうする? 呼び方」
明道天理:気を遣わせるのも申し訳ないが、もうこれに関してはやり直すと言わせてしまった時点で失敗だろう。
明道天理:内心失敗に悶えながら、城戸の言葉を待って。
明道天理:「……城戸が良いなら、名前で呼ばせてほしい」
城戸澄香:「……こっちも名前で呼んで良いなら、いいよ」
明道天理:「あっ、うん。……もちろん」
明道天理:そっちを想定してなかったので一瞬驚いてしまったが、今度はすぐに頷く。
城戸澄香:「ん……ありがと、天理」
明道天理:「こっちこそ、ありがとう。……澄香」
城戸澄香:どこかそっけないほどに、すっとそう言葉にできたのは、何度も思い描いたからだ。
城戸澄香:「……ん」
明道天理:こちらは逆に、すんなりとは出てこなかった。すっかり苗字に馴染んでしまっていたので。
城戸澄香:応じるように、繋いだ手をぎゅっと強く握る。
明道天理:それでも、ちゃんと呼び捨ては出来たので。及第点……に届いていると良いんだけど。
明道天理:そう思いながら、そっと、少しだけ。こちらも手に力を込めた。



GM:……微睡みと熱の中から、少しずつ意識が戻ってくる。
GM:君はどうしてここに居たのだったか……にわかに引いていく熱と共に、少しずつ思い出す。
GM:いつもより出来の悪かった期末の結果、母に小言めいた勧めを受けてどこかの塾の冬期講習に放り込まれたこと。
GM:億劫さを感じながらも何日かそこに通い、今日は模擬試験の結果を受けて個別に文章題の指導を受けることになり──呼び出された先の個室で、「何か」に襲われて気を失った。
GM:……そして、現在。
GM:身に感じるのは硬い椅子と、醒めるような冷気の感触。身体を自由に動かすこともできない。
GM:痛む首を捩って見れば、腕が氷漬けになっている。脚もそうだ。
GM:それと同時に、肉体には爆ぜるような熱が走る。心臓はいつになく激しく拍動している。
GM:君の体内に、君ではないものが入り込んで、それが沸騰しているかのような。
GM:それがレネゲイドという名で呼ばれていることを、君はまだ知らないが──
GM:という事で、いきなりですが覚醒の処理を行います。
GM:覚醒を「感染」に設定し、初期侵蝕値を入力してください。
明道天理:明道天理の侵蝕値を30(→ 30)増加 (0 → 30)
明道天理:感染の14と嫌悪の16を合わせて30になりました
GM:OK。では次からはシーンにでるたび登場侵蝕を振っていってくださいね
明道天理:はーい
眼帯の少女:「……おー、すごいじゃん。まだ人の形のままだよ」
眼帯の少女:その目の前に、ニコニコと笑う眼帯の少女が顔を近づけてくる。
GM:見渡せば、部屋には他にも何人か人の姿がある。内装からして同じ塾の建物内であることは予想できるが、窓はない。
眼帯の少女:「これも久々に”当たり”じゃないの? ねえ、ウルスラちゃん」
"ウルスラ":「……見えるものだけを信用するな。軽率に近づくな。余計な手傷を負いたくなければ」
明道天理:「……」 何が、起きているのか。
GM:その声と顔には、よく覚えがある。ひどく冷ややかな眼差しの、眼鏡の女。
GM:……この女だ。彼女が講師として君をこの場へ呼び出した事を、君は覚えている。
明道天理:平静から遠い頭では――いや、平静だとしても理解が追い付くだろうか。
眼帯の少女:「ああ、ごめんね。ウルスラちゃんの言う通りにするね」言葉をかけられてひょい、と身を退ける。
"ウルスラ":「……だが、状態が安定しているのはそうらしい」
明道天理:自分はただ、塾の講習を受けに来ただけで。言われたとおりに教室を移っただけで。
明道天理:そう、教室を移って、その先で襲われて。そして移動先を指示した講師がここに居る。
明道天理:つまりは――。
"ウルスラ":少し離れた場所から、ただ静かに品定めをするように君へ視線を注いでいる。
明道天理:「……あ、の」
明道天理:出した声は掠れていた。熱があるせいだろうか。
明道天理:「オレ、に。何した、んですか」
"ウルスラ":「……そうか、口も利けるか」
"ウルスラ":「なら、教えておいてやる」
"ウルスラ":そう言って、つかつかと君の前へ歩み寄ると
"ウルスラ":その肩口に拳銃の銃口を突きつける。
"ウルスラ":発火の音と共に、君の肩のあたりの肉が弾け飛ぶ。
明道天理:「……」 目に映っている筈の光景が理解できない。
明道天理:なんで塾の講師が銃なんてものを持ってるのか。なんで自分に突き付けるのか。いや、そもそも銃なんて本物な訳――、
GM:どこか現実感のない、焼けるような激痛。
"ウルスラ":「君は人の枠を外れて、怪物になった」
"ウルスラ":「私達がそうさせた」
GM:《リザレクト》──まだその名も知らない作用によって、君の肉体は修復されていく。
"ウルスラ":「もはや、普通の方法では君の命を奪えない」
明道天理:痛い。痛む傷口から血が流れていく。
明道天理:なのに、傷口へと集まった血によってじわじわと傷口が埋まっていくのが分かる。あり得ないはずのスピードで。
明道天理:その痛みに慣れないうちに、口が閉じてただの傷へと戻ってしまった。その傷も、あとどれだけの時間残っているか。
明道天理:未だに状況の理解が追い付かない頭でも、はっきりと分かる。
明道天理:彼女が言っていることは、事実なのだろうと。
明道天理:「な、にを」
明道天理:するつもりか、もしくはさせるつもりか。問おうとするが、喉が詰まる。
小柄な少女:「……あの、リーダー」
小柄な少女:部屋の隅に座っていた小柄な少女が、"ウルスラ"へ向かって声をかける。君のことは意識に入れていないように見える。
小柄な少女:「えっと……できたよ。これでいい?」
小柄な少女:血に汚れた手を広げる。……彼女が示す先には、君と全く同じ姿をした少年の肉体がある。
"ウルスラ":「……そうか」それを一瞥して、
"ウルスラ":「記憶はもう取ってあるな? なら、そのまま教室に帰しておけ」
"ウルスラ":「時間をかけ過ぎないに越した事はない」
小柄な少女:その声に小さく頷くと、再びその人体の頭部をわしと掴み、何かを弄り始めている。
明道天理:「ま、て。何、言って」
"ウルスラ":「理解し難いか?」
明道天理:自分とそっくりの少年。記憶という単語。ロクな予感がしないということだけが確かに分かる。
"ウルスラ":再び君の方へと向き直り、
"ウルスラ":「君は怪物になった。故に、もう元の日常に帰ることはできない」
"ウルスラ":「実のところそれは、この世界ではありふれた話だ」
"ウルスラ":「今日と同じ明日を迎える事ができるのは、幸運の籤を引き当てた者だけ」
"ウルスラ":「別に君である必要はなかった。だが、明道天理、君は運が悪かった」
"ウルスラ":「あるいは……天運ではなく私達を憎むなら、それも好きにすればいいが──」
"ウルスラ":まだ治りきっていない、君の右肩へと手を伸ばす。
"ウルスラ":「確かに、君は人を超えた。……だが、それだけだ」
"ウルスラ":「経験が違う。頭数が違う。準備の程度が違う」
"ウルスラ":「よもや、その力を使って私達に勝利しようなどと考えてくれるなよ」
"ウルスラ":治りきっていない肩の傷に、掌から凍気が注ぎ込まれる。
明道天理:つまり。彼女はこう言いたいのだろう。
"ウルスラ":自分と同質の特別な力に、治癒を阻害されている。それが分かる。
明道天理:お前はもう怪物だから、元の日常には帰れない。
明道天理:別に非がある訳では無いが、ただ運が悪かった。
明道天理:自分達に抵抗したいならして良いが、したところで勝てはしない。
明道天理:だから家には帰れない。口下手な父にも、お節介な母にも、気難しい姉にも、我儘な妹にも、もう会えない。
明道天理:その不条理を受け入れろと。そう言いたいのだろう。
明道天理:「……ふ」
明道天理:「ふざ、けんな」
明道天理:受け入れられる訳、あるか。納得できるはずがあるか。
明道天理:運が悪くて、怪物になって、勝ち目がなくて。そんなことを急に言われて。
明道天理:『はい、分かりました』を返すほど、物分かりが良い人間じゃない。
明道天理:氷に覆われた指先に、何かが集まっていく。目覚めてからずっと体中を駆け巡り続けている熱、そのものが。
明道天理:冷やされすぎたせいか感覚は無い。だけど、その熱で何かが起こせるのだと分かる。
小柄な少女:「……うん、そうなるよね」
小柄な少女:人形から手を離して、呆れたように嘆息。
小柄な少女:「リーダー、ちょっと説明しすぎだと思う」
小柄な少女:「どうせ納得なんてしてもらえないんだから、混乱させておけばいいのに」
眼帯の少女:「そうかな?どっちみち暴れるでしょ、それ」
眼帯の少女:「結局、しょうがないからもう一度寝かしつけるってのは同じなんだし」
小柄な少女:「まあ……そうだけど」
眼帯の少女:「ね、そうでしょ」にこりと微笑む。
眼帯の少女:「ウルスラちゃんの言うとおりにして、間違ったことないのよ。私達」
GM:そんな会話と共に、君の答えを理解したオーヴァード三人が、戦闘の意志を持って君の前に立つ。
"ウルスラ":「……言っておくが、助けを呼ぶのも無意味だ」
"ウルスラ":「ここの職員は我々の支配下にある。この部屋の異変に、只の人間は気づけない」
"ウルスラ":「そういう風になっている。……これは必要な説明だ。意志を挫き、より速く諦めさせるための」
"ウルスラ":後半は、隣に立つ仲間への弁明のように口にしながら。
明道天理:「意味が欲しくてやるんじゃない」
明道天理:ぱきり、と音を立てて手を覆っていた氷が砕ける。
明道天理:感覚のない指先を曲げ伸ばす。その先に、光が灯って。
明道天理:「やりたいからやる。だから、意味がないとしてもやめない」
明道天理:常にない強い意志を込めた紫の瞳が、三人を見据えた。



GM:シーンカット。ロイスのみ可能です
明道天理:どうしようかな 三人に困惑/○敵愾心で取得にしようかな
GM:OK!


◆Opening◆御門優一/任海悠生

任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (39 → 49)
任海悠生:にぎゃーっ
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 6)増加 (33 → 39)



GM:……君達は今回、N市支部の要請を受け、とある学習塾へ生徒として潜入する事となった。
GM:というのも数日前、この学区のとある学生の様子がおかしい……という噂を受けてUGNが調べた所、その人物がブラム=ストーカーの作り出す従者へと入れ替わっていた事が判明した。
GM:つまり、本人は行方不明になった訳だ。何者かの手で、代替物と入れ替えられる形で。
GM:偽装された連続失踪。その痕跡を辿っていった先で、万道塾という学習塾に疑いが向く事となった次第だ。
GM:進学者向けの短期集中型の冬季講習であり、今のところは不審な点もなく真っ当な講義を行っているように見えるが……
GM:ともあれ、手がかりを掴めていない現状、ひとまずは潜入を継続する必要があり……その為には、日々かなりの量与えられる課題をこなす必要がある。
GM:そういう訳で君達は今、どちらかの部屋に集まって勉強会をしています。よろしくお願いします。
任海悠生:…足の速い太陽が、既に傾き始めている。
任海悠生:その西日が、白のカーテンとフローリングの、シンプルな部屋を照らす。
任海悠生:家具はあまり多くはない。
任海悠生:それでも、此処は少しばかり埃を被ろうと、寂れたように見えるには時が幾年か必要だろうと。そう思わせるような部屋だった。
任海悠生:「……う~ん」唸りつつテーブルの上に広げた課題に取り組んでいる。
御門優一:清潔に統一された中に、黒髪と紫のパーカーで別の色合いを混ぜる人間が一人。
御門優一:「う~~」くるるる、と人差し指を支点にペンを回す
御門優一:数学の課題だ。国語など文中に正解のあるものは勘で解けるが、こちらは地道な研鑽が必要になる。
御門優一:「まさか、UGNで勉強が必要になるとは……」
任海悠生:「御門くんも結構大変そうだね…」少し苦笑を浮かべるのは、灰色髪と埋め火の瞳。緑のワンピースに身を包んでいる少女。
任海悠生:「まあ、潜入…というか。そう言うことをするには、当然その場所にいられるくらいのことはしないといけないし…」
御門優一:実家が飲食店な都合上、大人しく頭を悩ませていると手伝いを要請される可能性がある。避難を兼ねて、相手の部屋にやってきていた。
御門優一:「なるほどねぇ……つっても、もっと頭がいいやつのほうが……」
御門優一:「って所で、いつものUGNの人手問題か」
任海悠生:そう言う事なので、偶の来客でも来なければ、静かなままの自分の部屋を提供した。まあ、それなりにあることである。
御門優一:学校の授業で習っていない公式を参考書と見比べながら、とりあえず数字を書き込んでいく。
御門優一:積み重ね始めた部屋の中で、少しは馴染んだ色のクッションに腰を落ち着けている。
任海悠生:「元々、覚醒を起こす人自体、割合が上がってきていてもそう高くないし…ましてや、戦えるレベル、となるとね」
御門優一:「あんま多いと隠す側も大変だからなぁ……」
任海悠生:此方は古文や現代文の科目だ。単純な暗記で済むならともかく、読解が絡むととたんに精度が下がる。
任海悠生:「まあ、だからこんなに情報技術が発展しても、隠蔽を続けられてるんだけど…」
御門優一:「プラスマイナスでいうとマイナスの方が多い気がするけどな……」
御門優一:「任……」と名字で呼びかけて。「……悠生は、こういう潜入とか多いわけ?」
任海悠生:「まあ、嘘は付くと憑かれるから」
任海悠生:「ん~……いや、私は元からの生え抜きとかじゃないから。やっぱり単純な戦闘とか、サポートとかが多いよ」
任海悠生:「……前の護衛任務でそれなりに”信頼”も貰っちゃったかなあ」
御門優一:「あ~」
御門優一:「護衛って言うと、なんかUGNの偉い人だったんだよな?」
御門優一:「テレーズとかなんとかいう。どうだった?」
任海悠生:「ん。まあ、きちんと本職の人もいたうえで、現地の人がいた方が楽…っていう感じだったんだろうけど」
任海悠生:「最初の方はまだ他にも、そういう人たちがいたから気が楽だったんだけど、それが終った後がね…」ほぅ、と何処か悩まし気な吐息を零して。
御門優一:その吐息につられて、つい、と目線を顔に向けている。
御門優一:「終わった後が?」
任海悠生:埋め火のような、灰とあかいろが混ざった瞳が細まって。
任海悠生:「とにかく色々。書類の精査に、現地の視察とか、管轄の具合で面倒な事件とかに手助けしに行ったり…」
御門優一:「あ~……」地区合同のお祭りで大変そうにしてる町内会長の姿を思い出す。
任海悠生:「忙しなかったから。…あの時は、ケーキ作ったりも全然出来なかったし…」ころん、とテーブルに突っ伏して。
任海悠生:「部屋、掃除とか冷蔵庫見て貰ったりとか、み…うん、優一くんにも、一杯お世話掛けちゃったね」
御門優一:「そういう調整側になるんだな……」つむじを眺める。だいぶ参ってるなぁ、と珍しそうに。
御門優一:「あ、いや。それは別にいいんだけどな」
任海悠生:一瞬口どまったあと、そのまま続けて。周りに他の人が誰もいないと見てからそうした様に見えた。
御門優一:テーブルの端においてあるキーホルダーを見る。自宅と自転車と、最近増えた真新しい鍵。
任海悠生:「……なぁに?」
御門優一:『優一』の響きと、先程扉を開けるのに使ったそれを視界に収めて妙に落ち着かない気分になる。
御門優一:「え?……あ、いや。まぁ、掃除は慣れてるし、急に家開けると色々困るもんな」
任海悠生:どこか疲れたような空気を纏って、ほやんとした表情で首をかしげる。
任海悠生:「うん。生クリームとかやっぱり、脚が早いから。ありがとね」
御門優一:最近見るようになった、そんな油断したような顔。
御門優一:「うむ……うむ。任せろ、困った時はお互い様だ」
御門優一:"主の居ない女の子の部屋を合鍵で掃除する"というシチュになにか思わないでもないが、特に言及する必要もない。
任海悠生:「ん。お弁当も美味しかったし、本当…」
任海悠生:ぽやー、っとした表情。
御門優一:「あ、あぁ。そりゃよかった。最近色々レパートリー増えたし……」
御門優一:一見眠りそうな顔を見つつ。
御門優一:「この潜入終わったら」
御門優一:「気晴らしにどっか遊びにでも行く、か?」
任海悠生:別段こういう表情自体は珍しくない(結構抜けててとぼけた所が多い)が、どこか気だるげだったり、そうした油断したようなところは、以前は全く見せなかった。
任海悠生:「そうだね……うん」
御門優一:昔、それこそであった頃は似合わないシワを眉間に寄せて、何もかもに警戒してる様子が印象的だった。
任海悠生:「クリスマスは、お手伝いとかあるだろうし……良い時、教えてね」
御門優一:(素…………では、あるんだろうなぁ)うん。と普段の行いを思い返しつつ。
御門優一:「クリスマスはなぁ……チキンとか売るだろうし」
任海悠生:「飲食店は掻き入れ時だもんね」少し笑って。
御門優一:「もっとムードあるレストランでも行きゃいいのにねぇ」やれやれ、と冗談めかして。
御門優一:「ま、空いてる時あったら言うよ。年末年始は営業休みだから、どっか開くと思う」
任海悠生:「変に背伸びするものじゃないでしょ」苦笑してから。
任海悠生:「うん。いつでもいいから」
任海悠生:待ってる、と聞き逃しそうなくらい小さな声で。
御門優一:「オーライ」はは、と笑って応えて
御門優一:(…………)昔から年末年始や長期休みの予定を合わせる会話を自然としていたため、気付かなかったが。
御門優一:(……あれ、今俺、遊びに誘ったか……?)誘っていた。
任海悠生:「ん」少し嬉しそうな相槌。
御門優一:「んん」嬉しそうだ。(ならいいか……?)
御門優一:「あー………」
御門優一:「そうだ。いつでも良いって、悠生の予定は?クリスマスとか、年末とか」
任海悠生:「ああ」
任海悠生:「ねえさんか美悠が来るならって、一応ケーキ作って置いて…それくらいかなあ」
任海悠生:「だから、いつでもいいよ」
御門優一:「なるほど。のんびり過ごすタイプね」
御門優一:なんとなく緊張と安堵を感じたが、その理由は深掘りしないでおく。
御門優一:代わりにくるくるとペンを回して。
御門優一:「まー……じゃあ、アレだな。予定が開けば誘います」
任海悠生:軽快に芯が紙の上を滑る音。
任海悠生:「ふふっ。だから」
任海悠生:「いつでもいいよ。待ってるから」
御門優一:「…………………おう」
御門優一:Xの記号を分割させたり、左右に移動させながらそっちに頭を向けようとする。
任海悠生:それだけ、少し悪戯げに言って。少女は紙の方に視線を戻す。
御門優一:その声に含まれた珍しい声音をなんとなく耳に引っ掛けながら。
御門優一:「じゃあ……冬休みを返上しなくて済むように」
御門優一:「まずは、勉強だな」
御門優一:とりあえず、とアラームを掛けた時計をちらりと見る。
任海悠生:「ん。………数学と英語なら、後で見てあげてもいいよ」
御門優一:「ん……こっちも、国語と社会ならなんとか」
御門優一:おやつの時間にと定めた小休止には、まだ少し遠かった。



GM:……翌日、午後。万道塾にて。
GM:この日は前半講義分を踏まえた模試の返却が終わり、論述問題に関して個別にフィードバックを行うため順次別室に呼び出され指導を受けているという状況だ。
GM:名前を呼ばれるのを待ちながら教室に残された君達は、新たに山積みになった課題と共に自習時間を与えられていた。
GM:つまり通常の講義とは違って、自由に建物内を動き回れる貴重な機会でもある。
GM:君達は示し合わせて退室し、建物内に不審な点がないか探索していた。
GM:もし怪しまれたとしても、トイレに行って道に迷ってしまったとでも答えれば誤魔化せなくもないだろう。
御門優一:課題をメモしたノートを片手に歩き回る。
任海悠生:いくつかの部屋や壁に、簡易式の聴音機などを当てて調べながら歩く。この手の道具をすぐに出し入れできるのは、自分の強みだ。
御門優一:その傍らで姿を隠すように、周りの方を気にかける。不良少年なので、多少のサボりは朝飯前だ。
任海悠生:「…どう?何かある?」
御門優一:「んー……目立って変なところはないな」
御門優一:「てか塾ってのは学校と違って……教室や講義室も似てて分かりにくいな」
任海悠生:元からふらりと歩き回る事が多い。もし知人などがいても、出歩いてることにおかしいとは思われない(呆れられないとは言っていない)。
御門優一:ついでに課題の内容もノートに書き記してる。考え事しながら歩いてたら……のカヴァーのつもりだ。
任海悠生:「そう。……見取り図でも、やっぱり普通の建物ではあったし…そのまま直接別の部屋がある、という感じじゃないのかな」
御門優一:「そういう器用なのはお手上げだなぁ。怪しい奴ら探すしか無いけど」
御門優一:「今ん所俺らが一番怪しいからなぁ」
任海悠生:「…チェッカーとか持ち込めたら楽なんだけど。流石に見つかったら言い訳聞かないから…」
御門優一:「あー、お前が作る時点でレネゲイド帯びちゃうから、探査精度も難しいんだっけ……」
任海悠生:「入れ替わりの対象は生徒だから、もしここがあくまで出先でしかなくて、”扉”とかだけある…ってなると面倒なんだよね」
御門優一:「ゲートだっけ。そういうやつか」
任海悠生:「能力の造物だし、どうしてもね」
任海悠生:「うん。そう言う扉に、別位相面に”重ねて”あったりすると、こっち側から目で見てるだけだと…」
御門優一:「なるほどね…………もしかして」
御門優一:「潜入捜査ってめちゃくちゃ大変だったりするのか……?」
任海悠生:今の所、そうした空間的な違和感は左程感じていないが、隠してあればすぐわかるものでもない。
任海悠生:「調べるだけでも大変なのに、周りに分からないようにってなったら、まあ…うん」
任海悠生:「…正直、建築現場の測量に見せかけてそう言う機材を持ち込んだりした方が簡単かもだけど、派手に動くとね」
御門優一:「マジか。このまま通い続けたら頭良くなっちまう」
任海悠生:「それは良いことじゃない…?」
御門優一:「そうだが……」
御門優一:「派手な動きすると相手も逃げる、ってことだよなぁ」
御門優一:「正直、向こうが動かないと埒が明かなくないか……?」
任海悠生:「……もしくは、もう動いてるのに分かってないのか」
御門優一:「それだとお手上げだから却下したい可能性だな……」
任海悠生:「……対象が生徒で、講師に混ざってる?それとも全部グルか…単純にうわべのカバーか、は一回置いておいて」
御門優一:プリントした見取り図を眺めながら、調べてない箇所の多さに多少辟易する。
任海悠生:「…一応、全部見て回ろう。まず、”そうじゃない”のだとしても、それを潰していかないと」
御門優一:「…………おう」その真剣な横顔をちらりと見て、一度気分を入れ替える。
御門優一:やらなきゃいけないことはやるしかなく。やるしか無いなら早めにやるに越したことはないのだ。
御門優一:「んじゃ、そろそろ別のフロアに……」
任海悠生:「ん…」頷いて、ポケットに聴診器などを詰め込み。

GM:では、この辺りで《知覚》で判定してもらいます。
GM:目標値は8。
GM:失敗した場合、時間経過による1D10侵蝕増加を踏まえて再判定となります。
任海悠生:判定行きます!
任海悠生:4dx>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 10[4,7,10,10]+10[7,10]+1[1] → 21 → 成功

御門優一:1dx+1>=8 知覚
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 8[8]+1 → 9 → 成功

GM:つよい
御門優一:すご
任海悠生:……???? どうした任海 お前いつも出目が悪いはずだろ
GM:では、そうですね
御門優一:中枢評議会直属の護衛の力だ
GM:エフェクトを用いた光学的な迷彩によって、廊下の一つが隠されていた事が判明します。
GM:また、触れてみれば防音膜が存在することも確認できます。
GM:つまり、この先で何かが起きていても普通の人間には気づけない。
GM:その先に部屋はいくつかあります。しかし、施錠されているのは奥の一室だけのようですね。
任海悠生:あやしいぜ…

任海悠生:聴診器で、壁をいくつも聴き比べていたから、その違和感に気付いた。
御門優一:「ん」腕を組み壁に背中を預けるポーズを解除した所で、任海の動きが止まっていることに気づく
御門優一:「どうした?」
任海悠生:ハンドサイン。怪しいところがある、と伝える。
任海悠生:ただ壁だったり、部屋があるだけなら、今までと同じ空気の流れの音が聞こえるはずだった。
任海悠生:壁なら壁で、外の音が伝わってくるものだ。…空気より、固体の方が音波の伝達速度は速い。
御門優一:「!」頷く。前衛として、目線で示された方に近づく。
御門優一:眼の前に居る少女は能力の特性上、見えないものや存在しないものを知覚する能力に長けている。
御門優一:そう思って注視すれば、自分にもその違和感がわかる。
任海悠生:スマホカメラ(支部でいじって貰って無音で撮れる)で撮影し、支部に簡易報告としてメール。
御門優一:「(行くぞ)」と合図を送って、迷彩の奥……隠された廊下に踏み込んだ。
任海悠生:了解、と頷いて後衛として続く。

GM:では、そうですね
GM:御門くんが前を歩いてそうなので……<回避>で目標8を振ってください
御門優一:うおお
御門優一:5dx+1>=8 回避
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 9[1,1,5,5,9]+1 → 10 → 成功

GM:失敗すると3D10のダメージが発生します。回避を放棄したガードも可能
GM:あっ普通によけてる
御門優一:そのための前衛です
任海悠生:つよい

GM:……考えてみれば、手がかりはすぐそこにあった。不可視なるものと、音を封じるもの。
GM:それはつまり、そういう能力の使い手がここにいる、という事だ。その可能性に、あるいは初めから思い至って警戒していたのか。
GM:不可視の刃が、なにもないはずの空間上を動く。
GM:それはかろうじて身を躱した君の鼻先で、空を引き裂いた。
御門優一:第六感、などではない。そんな便利な感覚は多分自分にはない。
御門優一:だからそれは経験によるもので、もっと言うならば、自分の周囲の温度が下がって発生した微小な氷の粒。
御門優一:それが砕けると同時に足を止めた、それだけだ
御門優一:「っ、なんか居るな!」
ブロンドの少女:「……うう」
ブロンドの少女:茫漠とした輪郭が結ばれる。消え入るような声と共に、歪曲したナイフを手にする少女がいつの間にかそこにいる。
ブロンドの少女:「困るな……困るよね、これ」
任海悠生:「防音に光学系…荒らす?」いつでも派手な砲撃などを打ち込むこと自体は出来る。
ブロンドの少女:君達ではなく、身につけたインカムに向かって話しかけている。
ブロンドの少女:「ごめんなさいリーダー、気付かれちゃった。それに、仕留めるのもダメだった……」
ブロンドの少女:「訓練されてるし……まともそうな匂いがするから、たぶんUGN……だよ」
御門優一:(正直撃ち込むのが手っ取り早い気がするが……)どうせコソコソ隠れてる相手に碌な目的は無いのだ。
御門優一:「この廊下を隠してたのはアンタか?……目的とか聞いても良い?」一応友好的に話しかける。
御門優一:(逃げられると厄介だしな)
任海悠生:自前の別系統とかでもない、と分かる。(了解)頷いて、裏で準備を始める。撤退するにも、派手にするのはありだろう。
御門優一:後ろ手にいつでも砲撃出来るようにサインを送っておく。
御門優一:「あー……そうだ、名前。名前教えてくれよ。アンタなんて呼べば良いんだ?」
ブロンドの少女:「……勝手に喋っていいって指示は、受けてない」
御門優一:話すにも困っちまうぜ、と大仰な仕草で肩をすくめる。
ブロンドの少女:「生き延びるためには、余計なことはしない方が良い……そう学んだ、から」
御門優一:体格が良くなければいまいち様にならない。
ブロンドの少女:応じる様子はない。怯えと冷ややかさの入り混じった眼差しを君へ向ける。その輪郭が再び霞み始める。
御門優一:「生真面目な奴だな──」なんとなく覚えのある受け答え。
御門優一:逃走、戦闘。どちらにしても困る。指を揃えて前方に向けて合図を送る「悠生!」
任海悠生:「”我は汝らを召喚する”--”火の被造物よ”te voco. O creatura ignis」略式の詠唱が終り、ぱちんとフィンガースナップ。
任海悠生:ど、とも、ご、とも取れるような、重い液体が叩き付けられるような爆音。
ブロンドの少女:「──う、え」
任海悠生:扉ごと、相手がいる空間を纏めて吹っ飛ばす爆発。
GM:……爆音と共に少女と扉が吹き飛んだ。そして、
任海悠生:威力自体は左程ではない。相手が隠れられないように、というための選択で。
"ウルスラ":「……!」
GM:開けた先の空間で目にするのは、氷漬けに拘束された少年と、武装した数人の少女。
GM:という所で明道くんに登場してもらいます。登場侵蝕をどうぞ。
御門優一:同時に足元から凍結が始まる。周囲の扉から逃走を阻害し、被害の規模を留める。
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (30 → 40)
明道天理:「ぁ、ぐ……?」
"ウルスラ":「……破られたか。”アポロニア”」
明道天理:突然の轟音に、顔を上げて音の源へと目をやる。……辛うじてそれが出来る程度といった具合だ。
任海悠生:「…!生徒だ!拘束狙って!」
”アポロニア":「ご、ごめんなさい……」吹き飛ばされた先からよろよろと起き上がる。か細い声を漏らす。
御門優一:1人と3人。男子は手負い。正直どちらが味方かもわからんが「見つけたぁ!本丸ぅ!」
御門優一:尖った氷の塊を発射する。女子たちに向けて、男子と隔離するように広範囲にばらまく。
任海悠生:「後述で繋げる--”地を除き震えさせる御方により、汝はこれらの霊を燃やし痛めよHos spiritus urunt et affligunt ab eo qui terram commovet”、」
任海悠生:光と熱。火が持つ属性としての何かが裏で育っている。周囲をけん制し、隠匿をし辛くするための動き。
任海悠生:「”それにより、彼らは激しく痛みを感じて、汝によって永遠に燃やされんPer eam in magno eris dolore, et a te semper ardebit.”っ!」
"ウルスラ":「黙れ、別に咎めてはいない。反省は後にしろ」吐き捨てるようにいいながら、徒手の左手を振るう。術式の起点となる熱源位置に狙いを絞り、凍結させ対応する。
任海悠生:閃光弾のように広がりかけた光が、大本が断たれて立ち消える。
"ウルスラ":「これは危機だが、好機でもある」並行して逆手の銃撃。詠唱を妨げようとするように任海を狙った。
任海悠生:「…っ、」自身の力は用途は広いが、その使い方を指定しないといけない分発動が遅い。
"ウルスラ":「安定したオーヴァードが、新たに二体いる。意味は分かるな」
御門優一:「おおっと!」銃撃に割り込む。半身を氷の鎧で包んで弾丸を逸らす。
任海悠生:「ありがと…、とはいえ、結構まずいかもしれないね…!」
眼帯の少女:「え?ああ……そっか、流石ウルスラちゃんだ」盾を手に氷弾を防ぎながら、近くに居た明道くんを拘束している。
小柄な少女:「……それで、全員の分に届くね」血液による新たな従者の生成。前衛となる兵士を形作る。
明道天理:「くっ……」 今の隙にと氷を壊したものの、消耗した体では大した抵抗は出来ていない。
御門優一:「そーな……!人数的にもな!」足を氷に包み、滑るように移動する。
任海悠生:(狙いはOV?それも身柄そのもの…?なら殺されはしないだろうけどっ、暴走したり傷付けるのは寧ろよくありそうで…)
"ウルスラ":「そうだ。……だが、逸るなよ。UGNと消耗戦をするつもりはない」
"ウルスラ":「引き際は私が見る」
任海悠生:「、ええ…!なんとか救助したい、けどっ!」再度弾体を形成し始める。
御門優一:「……そこの眼鏡のアンタも氷使いっぽいな」先程凍結した現象と、口振りから大将と見込んだ相手に。
御門優一:「俺と勝負してみよっぜ!」
御門優一:氷の大盾を構えて突っ込む
眼帯の少女:「ちょっと、もう! 大人しくしなよね」先程から何度か受けているから分かるが、その声そのものに何らかの力が作用している。
眼帯の少女:耳にその響きが流れ込む度に、抵抗のための力が消散するような感覚がある。
明道天理:「……いや、だ……」
"ウルスラ":「安い挑発だな。……いや、それ以下か」
任海悠生:「…、デバフか…!ああ、もう…!」手を振れば、形成された弾が分割され、援護の弾幕を張る。…声の影響か、幾筋か関係のない所に逸れ、速度もバラバラだ。
御門優一:「さっきからこの声……!俺は心まで凍らせるから効かねぇ……!」効いてる。
任海悠生:「対抗行くよ!能力のイメージをはっきり持って--」
明道天理:力の抜ける身体を、無理やりに繋ぎ止める。抵抗の意思そのものを折るものではないのが救いだろうか。
"ウルスラ":静かにその突進を見据えながら、氷の盾を宙に浮かべて援護を弾く。
御門優一:「安い方がお求めやすい感じだろッ!」
明道天理:こんな理不尽に、折られてたまるかと。自分の腹に渦巻く怒りと意地とを掻き立てる。
"ウルスラ":盾の平面に蹴りを入れる。……防ぐこと自体は叶うが、自動車に追突されたような衝撃が御門くんを打つ。
"ウルスラ":そうして幾らか崩された姿勢に、銃撃を撃ち込もうとする。
御門優一:「グエッ!」踏ん張る軌道を逸らされ、しかし明道くんの方に吹っ飛ぶ。盾となるように。
御門優一:背中越しに明道の様子を見る。恐らく素人だ。なぜなら、自分が最近までそうだったから分かる。
御門優一:その時に自分が掛けられたいセリフはどうだったか。あるいは、同じ性格とは限らないが────
御門優一:片膝をつきながら、盾で体を支える。
御門優一:「おい、……アンタ」明道くんを見ながら。
御門優一:言葉を選ぼうとして、血の気の上がった頭で思考が続かず。
御門優一:「ピンチなら助けに来た。……けど」
御門優一:「なんか出来そうなら別に、助けられっぱなしじゃなくても、良いぜ」
明道天理:「……」 何か出来そうか。何かが、自分に出来るのか。
御門優一:ニ、と笑う。なぜなら、不安な人間を見るより、笑っている方が安心出来ると思うから。
明道天理:分からない。自分が怪物になっただとか、まともに死ねなくなっただとか、この指先に灯った光だとか。
明道天理:その全部がほんの数十分前まで知りもしなかった話なんだから。
明道天理:だけど。
明道天理:何かをしたい。この不条理になす術もなく、なすがままに折られたくない。
明道天理:だから、問うてくれた彼へ手を伸ばした。何が起こるかも分からないまま、ただ我武者羅に伸ばして――。
明道天理:マッチの火をろうそくに移すように、自分の指先から彼へと光が灯されたのを見た。
御門優一:指に拳を合わせる。意味は知らないが、やろうと思っただけだ。
御門優一:「オッケー」それだけ応えて、触れた手で氷を形つくる。盾と運用する氷の槍。騎士のスタイルで身を包む。
御門優一:「『一発ぶっ飛ばせ』ってことね!!」
御門優一:穂先を向けて突進する
"ウルスラ":「……」その後ろにいる明道くんへ視線を向けたが、やがて突進する眼前の少年へと移す。
任海悠生:その時、周囲からの攻撃が一時的に遮られ、道が空いている。
"ウルスラ":この間にも任海との間に攻撃の応酬があったが、なお御門へ向けた構えを解いてはいない。
"ウルスラ":僅かに重心を落とし、姿勢を屈める。ゆるり、と前足を擦るように踏み出して、
GM:──どう、と轟音。
GM:天井に歪みが刻まれて、次の瞬間には漆黒色の巨躯が雪崩れ落ちてくる。
"ウルスラ":「……!?」
御門優一:「オーー……なんだぁ!?」構えの隙間にねじ込むように突き出した氷の槍を、地面に突き刺してブレーキする
眼帯の少女:「うええ、なにっ──!?」
GM:再び明道くんを取り押さえようとしていた少女が、その牙に貫かれて血が噴き出した。
GM:少なくとも彼らにとっての援軍ではない。更に顎を大きく開いて、噛み砕こうとしたその瞬間、
"ウルスラ":大蛇の顎が凍りついた。"ウルスラ"が銃撃を撃ち込みながら、捕食されかけた手を掴んで引き摺り出す。
眼帯の少女:オーヴァードだ。致死に至る傷ではない。
"ウルスラ":「──"アポロニア"っ!」
御門優一:「お、おぉ……!?この乱入で味方、ってこと、あるか!?」混乱する場から、明道くんを庇うように盾を構える。
GM:一声。そして、君達の視界が失われる。
GM:銃声と共に轟音が響いて、雨のようにそこら中へと打ち付けられた。
任海悠生:「う、くっ…!?」
御門優一:「ぎゃあーっ!?」
明道天理:「っ……!」
GM:……それ以上の追撃はない。つまり、警戒と防御の姿勢を取らせる為の手だった。
GM:“ウルスラ”達がシーンから退場しました。
GM:そして、後に残ったのは……
城戸澄香:「……もういい、”フリアエ”。止まれ」
城戸澄香:大蛇の背の上から、一人の少女が降りてくる。大蛇の姿は少女の影の中に沈み込んで消えていった。
任海悠生:「………あっちは退きましたか」保護の為に作った壁とクッションが崩れて消えていく。
城戸澄香:その右腕は食い千切られたように欠損している。……が、既に《リザレクト》がその傷を回復させつつある。
御門優一:「……みたいねぇ」破損した氷の盾が割れて、霧になって消える。
明道天理:「……」 彼女たちが姿を消したことを確認した瞬間、張りつめていた意識が緩む。
城戸澄香:「そちら、名乗り遅れてごめんなさい」
明道天理:それでも助けてくれただろう人の顔くらい、とぼやける視界をどうにか上げようとして――。
城戸澄香:「UGNイリーガル"サクリファイヤ"、救援に来ました。状況は?」
明道天理:「……すみ、か?」
城戸澄香:「……」そう呼ばれて始めて、倒れていた少年の顔に視線を向けたようで。
明道天理:こんなところで見るはずのない見慣れた顔に、ぱちぱちと目を瞬く。
城戸澄香:「………………は?」
御門優一:「ありがと。同じくイリーガルの"ジャイアント・キリング"と”セレファイス‐IV”。この人は巻き込まれた一般人で……」と続けようとして。
御門優一:二人の反応に指が彷徨う。
城戸澄香:「なんで、あんたがこんな……」
任海悠生:「……大分複雑みたいですが。何はともあれ」ぱん、と掌を叩いて。
城戸澄香:「……いえ、いいえ。何でもありません」
城戸澄香:「関係ない人ですから」
城戸澄香:視線を切ってそう言い捨てる。
御門優一:(嘘だー)声には出さない。
任海悠生:「この人をまず、休ませて手当をしないといけませんし、ここの調査に隠匿もしないといけない」
任海悠生:「関係ない人でも、です。違いますか?」
明道天理:「……」 こちらも視線を落とす。まあ、自分が振った男だなんて紹介はしたくないだろう。
城戸澄香:「……ええ、異論はないわ」
明道天理:他人のフリとか、しておいた方が良いだろうか。
明道天理:なんて思考がグルグル脳裏を回る。……恐らくは、半分が現実逃避で。
明道天理:もう半分は、単純に思考を回すだけの余力が尽きつつあるという現状だ。
御門優一:「んじゃー……えーっと。混乱してると思うけど、色々説明貰えると思うから着いてきてもらって……」ふと気づいたように。
御門優一:「名前。なんて呼べば良い?」
明道天理:「……あけみち」 他所事を考えたまま、問われた反射で答えを返し。
明道天理:「てん、り」 それを終えると同時に、意識がブラックアウトした。



GM:シーンカット。ロイスのみ可能です。
任海悠生:明道くん…はどうしようかな。先に取っておくか。  明道天理  〇好感/庇護 で。
御門優一:「明道天理 ○P尽力/N心配」で取得しましょう。覚醒枠で大変だよなぁ。の気持ち
明道天理:こっちは一回保留で~
GM:OK!


◆Middle01◆

GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ〜
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (39 → 49)
御門優一:ぎゃあ
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 3)増加 (49 → 52)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (44 → 54)
千堂未亜:フ……
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 3)増加 (40 → 43)
御門優一:サンドイッチみたいになった



GM:UGNN市支部、会議室。この日、報告書を受けた千堂の招集によって君達はこの場に集められた。
城戸澄香:「……」彼女もまた当事者としてここへ集められている。誰とも視線を合わせていない。
城戸澄香:学校帰りの制服姿。窓の外を見やりながら、紙パックのジュースを少しずつ飲んでいる。
明道天理:「……」 その斜向かいに座っている。……が、正直かなり居づらい。
明道天理:現状に理解も心も追いついてないし、傷自体は治ったものの身体は痛いし、単純に元カノと同席な時点で気まずい。
御門優一:「ども、こんにちはー。……この支部、こんな空気重かったですっけ?」入室する。
千堂未亜:「なんだ、この空気は。まあよい」
明道天理:出してもらったお茶は場持たせのつもりで口をつけすぎて、とうに空になってしまった。
千堂未亜:奥の椅子に腰を下ろし、足を組んだ白スーツの女が声を発する。
城戸澄香:「……こんにちは」挨拶くらいは返す。明道くん以外には。
任海悠生:「遅れました~。レポートとか纏めたのもってきましたよ」各種戦闘に至るまでの調査、戦闘時の状況、戦闘後の簡単な修復などのレポートに、皆の分の追加の御茶。
明道天理:「あ、どうも……」 こちらもひとまず頭を下げる。
御門優一:ども、と手を軽く降って、レポートを配りを手伝う。
千堂未亜:「ご苦労。城戸、御門、任海は万道塾での任、大儀であったな」
任海悠生:ありがと、と言ってから皆にお茶とレポートを配っていく。
城戸澄香:「よく纏まっています。概ね、私の認識とも相違ありません」レポートに目を通して一言。支部長へ向けて言っているのだろう。
任海悠生:「いえ。結構先走ったところもありましたし…」苦笑して。
御門優一:一通り配って席に着く。何故か端っこ同士が埋まっていたので真ん中らへん。
任海悠生:城戸さんにも少し笑って頭を下げる。
千堂未亜:「うむ。情報を持ち帰れたのだから充分だ。それに──」
千堂未亜:所在なさげな少年をちらと見、
千堂未亜:「思わぬ収穫もあった。彼を保護出来たのは現場の判断が適切であったからだ」
千堂未亜:「よくやった。ひとまずはな」
明道天理:「あっ、その……助けていただいて、ありがとうございました」
城戸澄香:「恐縮です」支部長に対して。
御門優一:「へへっ、ありがとうございます」
明道天理:気絶のせいもあって言い損ねていたことに気付き、慌てて三人へ頭を下げる。
任海悠生:「私達だけだと多分間に合わなかったので、城戸さんのお陰…ですけど、どういたしまして」柔らかく笑って、御門君の隣に座る。
千堂未亜:「さて。まずはその彼のことを済ませておこう」
城戸澄香:「……」
千堂未亜:「明道くん。我々がどういう存在で、どういう組織であるか。大体の所は理解してもらえたかな?」
御門優一:「明道も気にすんなって。つってもするよな……」一人で勝手に納得している
明道天理:「ええと……一応説明は受けました、けど」
明道天理:「理解が追い付いているかと言われると……自信がない、です」
明道天理:傷の手当てを受けがてら、医療班だという人から説明はしてもらった。
任海悠生:それはそうだろうなあ、という感じで苦笑気味。……もっと早く間に合っていれば、という思いはある。
明道天理:もらったけれど。オーヴァードだとかジャームだとかUGNとかFHとか、専門用語の飛び交うそれは小説の設定のようで。
明道天理:身に染みて実感できているかと問われるとはっきりとは頷けない。
千堂未亜:「まあ、情報量も多かろうしな。……では、君がその目で見たこと、その身で感じたことはどうだ?」
千堂未亜:「報告書に子細があったな。どれ……」
千堂未亜:曰く。
千堂未亜:吊られ、凍らされ、撃たれ、肉体の再生を経験し、……彼自身も何らかの力を使ったようだとある。
千堂未亜:「これらは君にとって、実感に足るか?」
明道天理:目で見て、身で感じたこと。
明道天理:体内を駆け巡る熱。身を戒める氷の冷たさ。撃ち抜かれた肩の痛み。訳も分からないまま指先に宿った光。
明道天理:どれも、ほんの少し意識しただけで感覚が蘇るほど刻み込まれて――。
明道天理:「……はい」
明道天理:「オレは、普通の人間じゃなくなったんだろうって。それだけは実感しました」
千堂未亜:「ならばよい」
千堂未亜:「怖い思い、などと一緒くたにまとめられる経験ではなかったろう。君は今日、そのような世界が存在することを知ったのだ」
千堂未亜:「前提・・を認識してもらった所で、次の質問だ。いや、こちらを聞くための前提なのだが」
御門優一:「………」自分が報告した事例もある。………未訓練のオーヴァードにエフェクトの使用を促したことは後日きっちり絞られた。
千堂未亜:「明道くん。君は万道塾の事件の当事者でもある。ゆえに確認させてもらいたい」
千堂未亜:「君はこれから、元の暮らしに戻りたいか。それとも、このままこちら・・・の世界に関わりたいか」
千堂未亜:「戻りたいと言うのならば、そのために手を尽くそう。それも我々UGNの役目だ」
御門優一:自分も問われたことのある二択。片目で明道くんの反応を伺う。
明道天理:「……それ、は」
明道天理:元の暮らしに戻りたい。その思いは当然ある。
城戸澄香:「……」目線は合わせないが、答えに耳を向けている。
明道天理:三人を前に、絶望的な状況だと言い聞かされてなお、抵抗したのだって。そのためだったと言っていい。
任海悠生:「……正直な話、関わらない事が情けないとか勇気がない、とかそう言う事は全くないからね。本当、ひどい目に遭う事は、関わり続ける方がずっと多いんだから」
明道天理:元通り、平和に、何事もなく。そんな生活に戻れるならそれに越したことはない、けど。
明道天理:「……ありがとうございます」 気遣いの言葉にお礼を返して。
明道天理:「でも、その。もし良ければですけど」
明道天理:「この一件が終わるまでだけでも良いので。関わらせてもらいたい、です」
城戸澄香:「……はあ?」
城戸澄香:思わず口をついたような声。
城戸澄香:「そんな柄じゃないくせに……」
御門優一:「まぁまぁ。なんか、そう思った理由とか、あんの?」
明道天理:「あ、いや。単に、オレの我儘なんですけど」
明道天理:「急にこんなことに巻き込まれて、まともな人間でもなくなって」
御門優一:「うんうん?」
明道天理:「でも助けてもらえたから、じゃあ終わりです帰ります、っていうのは……違うというか」
明道天理:「だって、このまま真っ直ぐ家に帰ったところで、オレがもう人間じゃないのは変わらないんですよね?」
千堂未亜:「そうだな。必要なら、そうであることは綺麗さっぱり忘れてもらうことも出来るが」
明道天理:「でも、オレが使えるようになった能力ってやつとか。そういうのが無くなる訳ではない、と」
明道天理:確認するようにもう一度訊ねる。
千堂未亜:頷く。「時の流れが戻らぬように、な」
明道天理:「なら、やっぱり出来ません」
明道天理:「そうやって忘れたら、また同じことになるかもしれない」
明道天理:「今度は姉さん達とか……家族を巻き込むようなことになるかもしれない」
明道天理:「何より、オレが人間じゃなくなったなんて大きな話。黙っておくなんて申し訳ないです」
明道天理:「ちゃんと家族に説明できるくらい、オレ自身がちゃんと実感して理解したい。……と、思います」
明道天理:最後の一文を言い終えたあたりで、ずけずけと言い過ぎただろうか、と我に返って口を噤む。
城戸澄香:「……分かってない」
城戸澄香:最後の方を遮るように。
城戸澄香:「自分がこの筋を通したいとか、そういう感傷の話じゃなくて」
城戸澄香:「殺す殺されるの場所に身を置くのかって聞かれてるの。それなのに、あんたは……」
城戸澄香:明道くんを睨みつける。それから、溜息を吐くようにして支部長へ。
城戸澄香:「断じて反対です。私は……」
城戸澄香:「……」言葉を選ぶような間。
城戸澄香:「個人的に……彼の人間性を、ある程度知っていますが」
城戸澄香:「こちらの世界に向いているとは、到底思えません」
御門優一:「俺は嫌いじゃないけどね、今みたいな意地」
城戸澄香:「それに、現場としても」
城戸澄香:「経験のないオーヴァードが参加したところで、指導の手間が増えるだけ。助けにはならない」
千堂未亜:個人的に。学校の友人であったか。それとも、それ以上・・・・か。
城戸澄香:「貴方の好悪は」御門くんを睨む。「聞いていません」
御門優一:「ほほう」口元を歪める。こういう扱いは久々だ。
任海悠生:(あっ……)結構な反論が来てわたわたしていた時に、その声を聴いて。
任海悠生:(変にやり過ぎないでよ)御門君の裾を小さく引く。
御門優一:(む。)口を開きかけて、その忠告が耳に入る
千堂未亜:それはともかく「一理はあるな」と目を閉じる。
御門優一:経験の浅さから忠告されることに、身に覚えがありすぎた。
千堂未亜:「ああ、御門のことではなくな」
御門優一:「ウッス」
御門優一:「つっても、結局……経験がないからこそ、明道に能力の制御や指導も必要でしょ?」
御門優一:「経験で言えば俺も一年経ってないし、指導の手間があるから、ってのは片手落ち……じゃあないですかね」
御門優一:支部長に進言することで喧嘩を回避する。
任海悠生:「…一応制御なら、私は結構手助けできるし、そっちが本業だから。一人増える位なら、寧ろ頭数が多い方が助かるよ」おずおずと。
城戸澄香:「それは……ですが……」
城戸澄香:「……制御指導を行うことと、現場に出すことは別軸の話かと」
千堂未亜:「……皆の意見は分かった」ぱん、と両手を合わせる。
千堂未亜:「明道くん。こうも言われているが、君の意志は揺らがないかね?」
明道天理:「……はい」 支部長と目を合わせて――つまりは、澄香からは目を逸らしたまま頷く。
明道天理:「もちろん、最初に言った通り良ければというか、許してもらえるならですけど」
明道天理:それを決めるのは恐らくこの人だということは分かったので。あくまで彼女に向けて話す。
明道天理:「オレは関わりたいと思ってますし、それを曲げる気はありません」
千堂未亜:「よろしい。いずれにせよ、私は君の意志を尊重する」
千堂未亜:「自分の意志でない決断などを容認する心算もないがな」
明道天理:「……」 一瞬あまりにあっさりと降りた許可に驚いて。
明道天理:「あっ、ありがとうございます!」
千堂未亜:「城戸、不満はあろうがここは飲み込んでくれ。私なりに考えもあってのことだ」
城戸澄香:「……」不服そうではあるが、何を言っても意味がないことを理解して押し黙る。
千堂未亜:「今すぐ現場には出さん。誰かを傍に付けておくし、最低限使い物になるまでは訓練を受けさせる。それを落とし所にしてくれ」
城戸澄香:「……分かり、ました」
御門優一:「ま、それに敵に狙われてるかもしれないなら護衛も居るよね、って話だしね」
任海悠生:「…指導とかの準備はこっちでもしておきますね。…城戸さんも、ええと…その、ごめんなさい」最後だけ、ちょっと小さく。
御門優一:「城戸さんだって、相手が協力してくれたほうが守りやすいでしょ」
御門優一:「知り合いならなおさらだよ」
城戸澄香:「……な」
城戸澄香:「確かに……事件に巻き込まれた元一般人で、保護対象では……あるけれど……」
城戸澄香:「それだけ、です。別に私情で発言した訳では……」
千堂未亜:「よい。有為な進言であったよ」
千堂未亜:「明道くん。城戸もね、ここに来て半年そこそこと言った所なんだ」
明道天理:「えっ」
千堂未亜:「だが、たったそれだけでこうも言えるだけの物を見ている。そういう世界であることは覚えておいてほしい」
明道天理:言葉の意味そのものというよりは、半年という単語に反応してしまう、が。
城戸澄香:「……」あっ余計なこと言いやがった、という顔。
明道天理:「……はい。気を付けます」
明道天理:こういう態度を取られている以上、自分からでは何を言っても余計なことになるだろう。
明道天理:呼び方とかも戻した方が良いかな……なんてことを頭の片隅で考えつつ、頷いた。
御門優一:「あ、何だ、俺と同じぐらいじゃん。高校上がる前ぐらいかな?」
御門優一:「ま、なんだ。皆……」
御門優一:「仲良くやってこうぜ!」
任海悠生:「うッ……」
城戸澄香:「なかよ……」
任海悠生:「そ、そうだね。私も出来る限りフォローしたりするから。聞きたいことがあったりしたら、何でも言ってね!」
城戸澄香:「……伝達は以上でしょうか、支部長」
城戸澄香:露骨に場を切り上げようとする方へ向かう。
明道天理:「え、っと……。迷惑にならないよう頑張るんで、よろしくお願いします」
明道天理:言葉に迷いつつも、返事をしないのも失礼なので、概ね御門君達向けにそう返す。
千堂未亜:「まず、と言ったろう。その“まず”が随分長引いたが」
千堂未亜:知ってか、知らずか。若者たちの反応に小さく微笑み。
千堂未亜:「──話を進めるぞ。万道塾の事件についてだ」
千堂未亜:「………」僅かに言葉を探す。
千堂未亜:「こちらの筋で情報提供があった。『オラクル』というセルがあり、そこに囚われている者たちがいるという」
千堂未亜:「名前も判明している。一人だけな」
千堂未亜:「……“ウルスラ”」
千堂未亜:「皆、覚えがある名前であろう」
城戸澄香:「……えっ」
任海悠生:「…あの塾で戦闘したときの…」
御門優一:「氷使いの眼鏡ねーさんか」
明道天理:「……塾だと講師を名乗ってました」
城戸澄香:「どう見ても囚えてる側でしたけど」
任海悠生:「あの時だと、リーダー格として撤退などの判断をしていた側…見たいでしたが」
千堂未亜:「さてな。子細はこれから追うことになろうが」
御門優一:「シンプルに偽名ってこともあるだろうしなぁ」
御門優一:「そこ含めて調査ってことね」
千堂未亜:「ああ。……『オラクル』の者は“戒律”によって縛られているそうだ。歯向かえば命を落とす絶対の掟だ」
任海悠生:「…ふむむ。それが正しいなら…もっと戦力が相手にある、ってことですね。その場合」
城戸澄香:「……その可能性が高いでしょうね」
千堂未亜:「そうだな。万道塾にいた敵の全体像は未知数で、『オラクル』との関連も現状は不明だ」
城戸澄香:やはり経験のないオーヴァードを出すべきではないのでは、と続けそうになるが。流石に混ぜっ返すのもどうかと思ったので口を閉じる。
明道天理:「つまり……あの人達も無理にやらされてるかもしれない、ってことですか」
千堂未亜:「そうも考えられる、ということだ。同時期に、同じ街の中で、同じコードネームの別人が浮上するなど滅多にないことだからな」
任海悠生:「単純に紛らわしいですもんね…」
千堂未亜:「ははは、まったくだ」ひとしきり笑い、表情を戻して。
千堂未亜:「その辺りを念頭に置いて調査に入っていくぞ。ここにいる五人で、だ」
任海悠生:「はい。了解致しました」
城戸澄香:「……承知しました」諦めたように肯定。
明道天理:「よろしくお願いします」 改めて、全員に向けて一礼する。
御門優一:「了解です。……明道もよろしくなー」
千堂未亜:「よしなに。では……ああ、そうだ」ポンと手を打つ。
千堂未亜:「時に、明道くんの護衛兼指導係だが。任海が担当するので良いのか?」
城戸澄香:「……」どことなくじとっとした目線が任海さんへ向かう。
任海悠生:「”成功”させるのなら、私がサポートするのが一番ですし。…とはいえ、あまりカバーとかそう言う護衛、は…………………」
御門優一:「俺がやりますよ!暇だし!」
任海悠生:「え、えっと、あの……」
任海悠生:「き、城戸さんも。やります…?ローテーションした方が…いいですし…負担的に…」
明道天理:「えっ、いや」
城戸澄香:「……は?どうして私が」
明道天理:「す、城戸の手を煩わせるのはオレが申し訳ないし」
任海悠生:「だ、だって………」ちょっと涙目。
任海悠生:「すごくじっとりした目でこっち……」
明道天理:「良ければ任海さんと御門君にお願いしたい、です」
城戸澄香:「なっ……何ですか、言いがかりでしょう」
任海悠生:「ううっ……」
御門優一:「主に俺がね!」
城戸澄香:「わ、私もそれで異論ありませんから!」
任海悠生:「わ、分かりました。私は能力指導の方をメインで…やるので。あの……」
任海悠生:「べたべたしたりは…しませんから…」
城戸澄香:「な……何? 当然の事を強調しないで」
千堂未亜:「城戸……」嘆息しながら。
千堂未亜:「いや、よい。二人とも、明道くんを頼むぞ」
任海悠生:「了解しました……」ちょっとげっそりした顔をしている。
御門優一:「ウッス。了解です」
明道天理:「よろしくお願いします」



GM:シーンカット。ロイス、購入が可能です
任海悠生:はい!明道くんにはとったし 城戸さんにとろ。
任海悠生:城戸澄香 同情/こわい〇
GM:こわがられちゃった 妥当
明道天理:敵三人へのロイスを困惑/○敵愾心から○尽力/敵愾心に変更します
GM:や、やさしい
任海悠生:あ、後そうだGM 水晶の剣、このタイミングで複数回掛けても良いですか
御門優一:「城戸澄香 ○P既視感/N距離感が妙に怖い」で取得します。
GM:あっ そうですね、いいですよ
明道天理:敵としてどうにかしようよりもまずどういう事情なのか知ることに力を尽くそうってなった感じで
任海悠生:ありがとうございます~じゃあ、自分のフォールンピストルと、御門君のワイヤーウィップかな?
御門優一:わーい
御門優一:受けます
任海悠生:残り一回は、明道君のいい武器調達したらそれに掛けましょう。まず攻撃力+6してくださーい
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を8(→ 8)増加 (52 → 60)
明道天理:あ、じゃあ購入でなんか武器買いたいな
千堂未亜:我が城の武器屋をとっくり堪能するがよいぞ
明道天理:購入雑魚だしまずナイフ狙うか……
任海悠生:射撃武器がいいのかな。
御門優一:明道くんの武器か、自分用のきぐるみ買おう
明道天理:強めの射撃武器が買えたらそっちを使っていきたいな~の気持ちです
明道天理:ひとまず自分は安牌狙いでナイフ
任海悠生:ショットガンスラッグ狙うね。
明道天理:1dx>=6
DoubleCross : (1DX10>=6) → 9[9] → 9 → 成功

任海悠生:3dx+1>=11
DoubleCross : (3DX10+1>=11) → 10[2,2,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

御門優一:自分用のきぐるみ狙います
明道天理:ナイフ要らなくなった
任海悠生:もっといいの買えたやんけ!!
御門優一:2dx+4>=14
DoubleCross : (2DX10+4>=14) → 5[5,5]+4 → 9 → 失敗

御門優一:以上
千堂未亜:こちらは明道くんに ●興味/不安、御門と任海に ●連帯感/不安 にてロイスを取得しておこう。
御門優一:今回の任海さんほんと頼りになる
明道天理:めっちゃ出目安定して良いですね
任海悠生:じゃあウェポンケースはあるっけ。ないなら一個あるので、それに入れてスラッグショットガンを明道くんに。
千堂未亜:優秀だなあ
明道天理:あっ めちゃ助かります
千堂未亜:お買い物はきぐるみにしておくか。手配師を一人捧げてレッツロール
明道天理:ウェポンケースごとショットガンを貰いました
任海悠生:びっくりする。いつも全然回らん女なんだけど…
千堂未亜:(1+2)dx+3+1>=14
DoubleCross : (3DX10+4>=14) → 10[6,8,10]+4[4]+4 → 18 → 成功

御門優一:女子の買い物が上手い
千堂未亜:買えた。御門、ほーら謎のマスコットのきぐるみだよ
御門優一:ミッカァ!(とくせい:ばけのかわ)
任海悠生:wwww
御門優一:着ます
GM:鳴き声そうなんだ
御門優一:ミカチュウ
明道天理:特性は化けの皮なのに
任海悠生:皆終わりかな 此方も以上!
GM:じゃあみんな終わったようなので進めるぜ
千堂未亜:進むぜ


◆Middle02◆

GM:情報収集とかのシーンです。まずは項目を出すので
GM:それを見て登場してもらおう

◯情報項目
・”ウルスラ”について  <情報:FH7>
・”オラクル”セルについて-1 <RC>6または<情報:UGN>8
・城戸澄香について  <情報:UGN>6または<交渉>30
・死亡した少女について <知識:医学>7または<情報:UGN>9

GM:まずは情報項目がこちら
GM:で、情報収集の手番を使ってできるその他の判定項目が以下になります
明道天理:他にもあるんだ
御門優一:ワオワオ

◯他判定項目
・イリーガル活動認可試験:
PC1のみ判定可能。<RC><意志><白兵><射撃>で順番に判定し、「目標値8を2回以上」または「目標値16を1回以上」出せば成功となる。この判定をクリアするまで、PC1は他の判定や戦闘に参加できない。

・戦闘訓練:
任意の技能で判定。達成値-10点の経験点(最大20点)を獲得し、即座にそれを使用して成長できる。PC一人につき1回まで判定可能。

GM:こういう感じのやつです
GM:以上を踏まえて質問とかあればしてもらって なければ登場どうぞ〜
明道天理:えっ凄いのある
御門優一:はは~!
任海悠生:もう60だけど出るか
御門優一:成長している 戦いの中で
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 6)増加 (60 → 66)
明道天理:出ます
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 7)増加 (43 → 50)
千堂未亜:出よう。
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (54 → 63)
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 4)増加 (49 → 53)
御門優一:のほほん
GM:じゃあおのおのやりたい項目に挑んで行っておくれ
明道天理:じゃあまず活動認可試験行こうかな~と思います
御門優一:GOGO
千堂未亜:期待しているぞ。
GM:いきなりね どうぞ〜
GM:あ、4つの判定の順番は自由です
明道天理:射撃で判定します
明道天理:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 9[1,2,3,8,8,9] → 9

御門優一:FH技能無いので、ウルスラは任海さんに行ってもらうのがいいかな~
明道天理:ひとまず8は超えれた
任海悠生:射撃は突破かな? ウルスラ理解の民
GM:目標8の方はクリアね
御門優一:と思ったけど俺も噂話だから技能ないのは一緒だ
任海悠生:財産5あるし大体は行けるよ私
御門優一:偉い
御門優一:じゃあ俺はオラクルセルのRC技能で行こう。
御門優一:支部長がUGN持ちだし任海さんウルスラでいいと思う
千堂未亜:うむ。こちらは死亡した少女についてかな
任海悠生:じゃあ私が先にウルスラを判定しちゃうね。
御門優一:じゃあオラクルについてRCで。
任海悠生:4dx>=7
DoubleCross : (4DX10>=7) → 8[3,6,7,8] → 8 → 成功

御門優一:2dx+2>=6
DoubleCross : (2DX10+2>=6) → 7[1,7]+2 → 9 → 成功

千堂未亜:情報:UGN、コネ使用
千堂未亜:毎回思うがUGN幹部って私じゃないか?
千堂未亜:(2+2)dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 10[4,5,6,10]+4[4]+1 → 15 → 成功

御門優一:補佐官とかですよ
任海悠生:他の支部とか上の日本支部とか関東支部あたりへのコネじゃないかな…
GM:ウルスラとオラクルと死が開放ね
GM:あ、明道くん残りの3つの判定もお願いします
GM:あとどれか1個が8を超えたらクリアよ
明道天理:あっ成程
御門優一:ホントだ。順番にやるやつ
明道天理:じゃあRCにしようかな 高校生特有の謎固定値があるし
GM:あ、そう 1手番でいっきにやります
明道天理:2dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 9[6,9]+2 → 11 → 成功

明道天理:やったぜ
千堂未亜:見事だ。では“ラウラ・カルミヌス”の名のもとに仮免を発行するとしよう
御門優一:事務手数料を窓口で支払うのじゃ
GM:オッケー では順番にはっていきます
任海悠生:やったねっ
明道天理:仮免~

・"ウルスラ"について 情報:FH7
本名、加賀イツキ。18歳。"オラクル"セルのFHチルドレン。
出身は北海道西岸の港町。成績優秀で特に問題行動を起こした事もない少女だったが、高校進学から間もない頃に覚醒しFHへ参加したと見られている。
セル内においては"T.C.オーガネル"と称する小部隊を組織しており、過去多数の破壊活動を指揮した危険人物である。部隊内では作戦立案や現場指揮の他、格闘戦を織り交ぜた射撃技術と凍結能力の併用によって攻防に高いパフォーマンスを発揮する。
→「T.C.オーガネルについて<情報:FH8>」が開放されました。

・”オラクル”セルについて-1 RC/6または情報:UGN/8
現場エージェントとチルドレンのみで構成される、組織的実体の存在しないFHセル。
セルそのものが何者かが作成した、一定の法則に則って稼働する概念的術式であると目される。
所属者は肉体のどこかに”オラクル”の刻印を刻まれており、これを通してどこからか命令を受信し、それに従って作戦を実行している。

また、セル内では「戒律」と呼ばれる組織規則が絶対とされており、これに違反した場合は肉体に癒着した刻印が励起して術者を即死させる。
戒律によって禁止されている行動には、現在判明している中で
「”オラクル”の与えた命令を拒否すること」「”オラクル”の与えた命令に失敗すること」「セル内部の情報を他組織に与えること」「他組織に身柄を奪われること」等がある。
→・「”オラクル”セルについて-2 <RC>8または<情報:UGN>10」が開放されます。

・死亡した少女について <知識:医学>7または<情報:UGN>9
本名、檜垣メイ。18歳。FHとしてのコードネームを”コルンバ”。
生来病弱のため病院で療養する学生時代を過ごしていたが、二年前のある日、突然に知人に別れを告げて失踪した。
その時期に覚醒しFHに加入したものと思われる。
死亡した右手には高濃度レネゲイドの紋様が刻まれており、神経を通して脳の深部へと接続していたようだ。
彼女が言う”戒律”の機能も、これによって制御されていたのだろう。
UGNのラボで彼女の遺体をより詳細に検査すれば、”戒律”に関する詳細なデータを採取できる可能性がある。
→この情報を開示後、一定シーン数の経過で解析結果を得られます。




千堂未亜:N市UGN支部内、訓練エリア。
千堂未亜:最新式のシミュレータが導入されたこの施設には、今、新人訓練用の環境ブートキャンプが再現されている。
千堂未亜:広い空間内に立っているのは主たる千堂未亜と、
千堂未亜:その試しテストに臨むニュービー、明道天理の二名だ。
御門優一:『あ、あー。こっちモニター出来てまーす』場内に備えられたスピーカーから、そんなアナウンスも届いてくる。
任海悠生:『支部長と、明道くん。今二人でシミュレータ空間内に入って貰ったけど、大丈夫ですか?』
千堂未亜:手を握っては開き「うむ、こちらはいつも通りだ」
千堂未亜:「明道くんの方は異常はないかな? ここは一種のばーちゃる空間とでもいう物だが」
千堂未亜:「五感は元の体そのままのはずだ。軽く動かしたり、つねってみたりするとよい」
明道天理:「え、っと……」
明道天理:試しに頬をつねってみれば、確かにきちんと痛みが走る。
任海悠生:『違和感があれば言ってくださいね。調整したりして、軽減できるはずですから。無理はしないで、教えてください。体質上合わない人も偶にいるので』
明道天理:「そういうのは今のとこ大丈夫です。こういうの、現実であるんですね……」
御門優一:『機械操作苦手なんだよなぁ……こっちの設定は弄っちゃだめなんだよな』不安になるような呟き。
明道天理:きちんと答えてはいるが、声音は驚きと戸惑いのせいでぼんやりしている。
御門優一:『痛み、全部カットすると逆に無茶しちゃうらしいから。数字は見てるけど、やばそうなら言ってな』
任海悠生:『あまり弄らないで。こっちでプログラム走らせるから、必要になったら手元のモニターに出るし…、そう。痛覚も電気信号で見れるけど、やっぱり主観は大事』
御門優一:『………』仕事の真面目な声音で叱られたので真面目な雰囲気。
明道天理:きょときょとと周囲を見渡したり手足を動かして、違和感がないかを確認する。まるで深夜アニメとかに出てくる設定みたいだな……などと思いつつ。
任海悠生:『簡単に準備体操とかしても問題なさそうなら、訓練プログラムを始めていくよ』
明道天理:「あ、はい!」 任海さんの声に慌てて気を取り直す。
御門優一:『んじゃ、用意は良い?支部長もフォローお願いします』
千堂未亜:「よかろう。まずはレネゲイドコントロール……御門の報告にあった光というやつだな」
任海悠生:『了解しました。では、覚醒者用イントロダクションから。初級編、エフェクト発動確認より』
任海悠生:『訓練プログラム”イントロ:初級第3”。開始します』
千堂未亜:「対象は私だ。任海との訓練でやり方はもう問題ないはずだな?」
明道天理:「えっと……はい」
明道天理:例の塾内での乱戦で御門君に対して行った光の受け渡し。それをちゃんと自発的かつ能動的にやる。
明道天理:まずはもう随分と馴染んでしまった体の熱を指先へ集めるよう意識する。そうすれば、指先にまた光が灯る。
明道天理:その指先を千堂さんへと向けて、彼女の元へ向かうよう念じる。それと同時に光が灯った彼女の姿を思い浮かべる。
明道天理:そうすると、指先に灯った光はそのまま、小さな光の玉が蛍のように浮かび上がって宙を進んでいく。
千堂未亜:(緊張は見られるが想定の範疇だな。効果エフェクト発生までのタイムラグは……まあ、織り込み済みか)
明道天理:真っ直ぐに進んだ光はそのまま千堂さんの身体へと吸い込まれ、薄い衣のようにその身へと纏われる。
千堂未亜:「ほう。実際に見るのは初めてだが……こういうものか」
千堂未亜:光に包まれた手をしげしげと見つめている。
任海悠生:『…発動を確認しました。おそらく行動の補助だと思いますが、支部長からはどうです?』
御門優一:『自分からも離せるわけね。……なにか変化ありました?』
千堂未亜:「そうだな……」
千堂未亜:「光、ひいては熱量か。若干の高揚感を覚える。実際に動かしてみるのがよかろう」
御門優一:『そうですね。俺の時は、能力とか動きが調子いい感じでした。多分、能動的なアクションの時に効果出ると思います』
千堂未亜:「オペレーター、ターゲットを頼む。二体だ」
明道天理:「……」 自分の能力の確認ということでそわついているが、専門的なことは何もわからないので大人しく見ている。
千堂未亜:指示しつつ、腰に吊った剣の柄を握る。そこにあるべき刃はない・・
任海悠生:『了解しました。…分かり易いのが良いですね』その発言の後、千堂支部長からいくらか離れた所に射撃場風のマンターゲットが2つ。
任海悠生:違うのは、単純な射撃用のそれより、厚みがずいぶんある事だ。
千堂未亜:「では、採点チェックと行こう」
千堂未亜:(5+3+4)dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,1,2,2,3,4,4,5,7,7,8,9]+10[1,3,6,7]+4[4]+4 → 28

千堂未亜:柄を空き手に押し当て、引き抜くような仕草で“抜刀”する。
千堂未亜:その勢いのままに一閃。厚みのあるターゲットはいずれも一刀のもとに両断され、
千堂未亜:振り抜いた手を見れば、そこには血色の直刀が光を放っていた。
明道天理:「……えっ!?」
千堂未亜:「ほう。悪くないな」
明道天理:いつの間にか現れた刃に目を見開きつつ、ターゲットと千堂さんを交互に見やる。
御門優一:空間内で発生したレネゲイドのパターンを、記録されている平常時のデータと比較していく。
千堂未亜:「今のターゲットは防御の厚いタイプだ。通常ならば、二体目はおそらく斬れん」
千堂未亜:「……ん? 明道くん、どうかしたかね?」
明道天理:「あ、いえ……そ、その剣って……?」
明道天理:「ついさっきまで、柄だけのように見えてたんですけど……」
千堂未亜:「ああ、これが私の力さ。血を操る力でね、今はこうして剣と凝縮した」
御門優一:『そっか。明道、落ち着いて能力見るの初めてだもんな』
千堂未亜:「現在の分類ではブラム=ストーカーと言う。シンドロームのレクチャーも受けたはずだな?」
明道天理:「あ、はい、一応。なるほど……こんな風に使える物なんですね……」
明道天理:13あるというシンドローム区分とその内訳については一応レクチャーを受けた。まだちょっと全部を覚えきれてはいないが。
御門優一:『そうそう……俺の氷とかそっちの光は結構わかりやすい『超能力』って部類だよな』
御門優一:『結構バラけてるし、最初は身近なやつから覚えてけばいいよ』
任海悠生:『明道くんのものは、見ただけだけど、光を操作してるから…”エンジェルハイロゥ”系統なのかな。まあ、おいおい覚えていけばいいと思う』
明道天理:「そう、ですね。レクチャーしてくれた人からもそう言われました」
千堂未亜:「君にもこういうことは出来るやも知れんぞ。そうだな……」
千堂未亜:「光の剣、と言うは易しだが刀身の維持などは別途の能力制御が必要になろう」
千堂未亜:「だが、先程の光……」
千堂未亜:「相手に向けて放つ・・・・・・・・、というのは労せずに応用がききそうだ」
明道天理:「つまり……人に向けて撃てるかもしれない、ってことですか?」
千堂未亜:「そうだ。より速く発射し、対象の内部で熱量を解放する……というようなイメージだろうか」
千堂未亜:「ま、何事もやってみるのがよかろう。オペレーター、ターゲットを追加してくれ」
任海悠生:『了解しました。…数を出しましょう』そう言って、また先と似たマンターゲットが複数出現し、その後ろが僅かに揺らぐ。
御門優一:『了解です。んじゃあパターン変えて……こっち?ありがと』
御門優一:いくつか可動式のターゲットも混ざっている。
任海悠生:『うん。……ターゲットがない所もゼリー質の計測質量を入れたので、見た目も分かり易くなると思います』
御門優一:『最初は当てるために撃ったり、出来そうなら威力高めるつもりでやったり……まー、何発か撃ってみて』
明道天理:「分かりました」
御門優一:『こういうのは経験だから』恐らくタイム計測に用意された、簡易的な開始ブザーが鳴る。
明道天理:指示に頷いた後、指先に灯った光達へと意識を集中する。
明道天理:さっきのように相手に渡すことだけを考えるのではなく、灯した先で熱を解放することまで意識して。
明道天理:いや、灯すよりは燃え移らせると言った方が正しいのだろうか。自分の光がターゲットを内側から喰らうような、そんなイメージを。
明道天理:――先ほどはふわりと浮かび上がった光の玉が、今度は音もなく飛ぶ光の弾へと代わる。
明道天理:狙いが正確とは言えないが、ホーミングのような物かある程度の追跡力がある。
明道天理:そして内側へ吸い込まれるように消えると――。
明道天理:バキリ。
明道天理:内部から捻じ曲げられたようにターゲットが破損する。
御門優一:『…………おぉ』感嘆の声
千堂未亜:「ほう……」破壊されたターゲットに歩み寄る。
御門優一:『最初っから当てるとかやるじゃん。てか、そういう能力なのかな?』
御門優一:『単純な光弾じゃなさそうですけど、支部長から見てどうです?』
千堂未亜:「外側が破損しておらん。先程の支援バフが体内に作用したように、内側から破壊する力であろう」
千堂未亜:「それに、途中で軌道を変えたな?」
千堂未亜:「コントロールの細やかさは、己の力を明確にイメージ出来ている証だ」
明道天理:「あ、えっと……あのターゲットに当たるように、って念じてたら自然とそうなって」
明道天理:「……ありがとうございます」 予想外に褒められて若干気恥ずかしくなる。
御門優一:『そうですねー。こっちのデータも出てます』
任海悠生:『軌道、出しますね。それに、ターゲット内に触れた瞬間、内部に熱と衝撃が発生してます』単純直線でなく、いくつか修正するかのように描いた軌道が空間に描かれる。
明道天理:「うわっ……そっか、バーチャルだとこういうことも出来るんだ」
御門優一:バーチャルな空間を活かして再現CGが用意される。
明道天理:シミュレーターの機能にいちいち新鮮に驚いている。
御門優一:『すごいだろう』得意げにする。
千堂未亜:「こういったものを開発するエージェントもいる。ありがたみが沁みるな」
任海悠生:『便利ですよね。それに、実際何が起きてるかのイメージも掴みやすいと思います』
明道天理:「すごいです。そっか、これもオーヴァードの能力で……」 素直に答えつつ感心している。
千堂未亜:「……ふむ。見る限り、能力実戦レベルに達していよう」
御門優一:『ちなみに俺の時は全然当たらなかった。細かい調整苦手でなぁ……』しみじみ。
千堂未亜:「射撃という行為は、言うほど簡単ではないのだよ。近寄って斬る方が容易いからな」
千堂未亜:「それをこうも……ということは、向きであろう。任海、今後の訓練はこの方向で進めよう」
任海悠生:『射撃系ですね?じゃあ、単純な威力増強より、移動標的、時限標的のコースで』
御門優一:『んじゃ、色々確かめて見るか。このデータなら相手の硬さも関係なさそうだし……悠生、さっきの硬いターゲット出してみよう』
任海悠生:『はい。じゃあ硬度標的に、その周囲とかコースに急に出てくるタイプの…』
御門優一:『オッケ。…………明道、疲れたら言えよ~』
御門優一:『そういうのを自覚するのも訓練だからな?』
明道天理:「あ、はい!大丈夫です!」
千堂未亜:「私は一足先に上がらせてもらう。諸々の手続きもあるのでな」
千堂未亜:「……明道くん」
明道天理:自覚する限りで疲れはない。それに、訓練とはその後の実践のためにするものだから。
千堂未亜:トン。白魚の指先が彼の胸板を突く。
明道天理:まだまだ疲れる訳には、と意気込んだところ、急に千堂さんの指先が触れて。
明道天理:「え、あっ?なんでしょう」
千堂未亜:「君には、力がある。それは今、証明された」
千堂未亜:「だが、当てられる・・・・・ことと戦える・・・ことは次元の異なる話だ」
千堂未亜:「その違い。訓練の後でよい。考えておくことだな」
千堂未亜:「では。ゆめゆめ励めよ」
千堂未亜:フ、と目を細めた女の姿が空間から掻き消える。
明道天理:彼女の言う『次元の違い』を理解できていない自分でも、その言葉の重みくらいは感じ取ることが出来て。
明道天理:「……はい」
明道天理:既に掻き消え残滓もない背中に向けて、それでも出来る限り真剣に肯定を返した。



GM:シーンカット。ロイスと購入が可能です
明道天理:ロイスは千堂さんに○敬意/疑問で取っておきます
明道天理:支部長らしいし気にかけてくれるので敬意を向けてるけど見た目同じくらいだよな……?とは思ってる
千堂未亜:ふふん。
千堂未亜:ロイホ(ロイスは保留)で、お買い物はまたもやきぐるみだ。
御門優一:「千堂未亜 ○P信頼/N興味」で取得しとこ
任海悠生:私もロイスしておくかー 千堂未亜 〇信用/疑念  やっぱり古代種とかそっちなのかなあみたいに見てます
千堂未亜:フフフ。
千堂未亜:手配師二号を捧げよう。
千堂未亜:(2+2)dx+3+1>=14
DoubleCross : (4DX10+4>=14) → 7[3,4,5,7]+4 → 11 → 失敗

千堂未亜:ぐええ。失敗でいいかな。
任海悠生:どうしようかな 明道くんの武器、スラッグショットガンでいいってするならそれに水晶しようかと考えています もしもっといいの欲しいならチャレンジしてみる
明道天理:ううん……近距離も狙えた方が助かるし、ショットガンで良いかな~という気持ちはあります
明道天理:もっと良いやつって何かありましたっけ
任海悠生:ヘヴィマシンガンとかそういうのだね
御門優一:遠距離ならボルアクとかかな
御門優一:同エン不可になるからマイナーで持ち替えになるが…
御門優一:こっちは応急キット買っておきます
御門優一:1dx+4>=8 応急手当
DoubleCross : (1DX10+4>=8) → 8[8]+4 → 12 → 成功

任海悠生:ヘヴィマシンガンは高いのと、装備すると移動できなくなるのがデメリット。同エンも行ける。ただし高い…(24
御門優一:買えた。ストック。
千堂未亜:水晶1回ならこのままかけちゃってもいいかな~という気配がしますね
明道天理:ボルアクはちょっと怖いけどヘヴィはもし買えたら嬉しいかな~って感じです
任海悠生:ん、じゃあ一回チャレンジしてみますか。行けたらそれで。
明道天理:お願いします~
任海悠生:4dx+1>=24
DoubleCross : (4DX10+1>=24) → 8[1,1,4,8]+1 → 9 → 失敗

明道天理:自分でも一応チャレンジしておこう
明道天理:1dx>=24
DoubleCross : (1DX10>=24) → 10[10]+8[8] → 18 → 失敗

明道天理:あっちょっと惜しかった
任海悠生:アッコレは。妖精出狙える?
千堂未亜:財産も込みで行けそうですね
明道天理:あっオレは財産点1しかないので
明道天理:回った後3未満が出たら買えないです
御門優一:女子が回ることを祈ろう
任海悠生:1dx+20スタートでか……難しいなあ 2割出来ない
任海悠生:じゃあスラッグショットガンに水晶しちゃいます?
明道天理:ううん…… GM、水晶チャンスってこの後も貰えます?
明道天理:もしもらえるようならクライマックス手前まで保留でも良いかな~と思うんですが
御門優一:別に今じゃなくてもよさげ
任海悠生:成程了解です
GM:あっそうね しばらくは使えるはず?
GM:ちょっとはっきりした事は言いづらいが……
千堂未亜:w
任海悠生:了解です~~ ありがとうございます
GM:少なくとも2~3回はできるシーンが続くはず
明道天理:はーい では以上!
御門優一:じゃあ以上かな!
GM:ではカット!


◆Middle03◆

GM:引き続き情報のなんやかんやです。現在の項目がこちら

◯情報項目
(済)・”ウルスラ”について <情報:FH7>
・T.C.オーガネルについて<情報:FH8>
(済)・”オラクル”セルについて-1 <RC>6または<情報:UGN>8
・”オラクル”セルについて-2 <RC>8または<情報:UGN>10
・城戸澄香について <情報:UGN>6または<交渉>30
(済)・死亡した少女について <知識:医学>7または<情報:UGN>9

GM:これに加えて

・戦闘訓練:
任意の技能で判定。達成値-10点の経験点(最大20点)を獲得し、即座にそれを使用して成長できる。PC一人につき1回まで判定可能。

GM:これの判定もできます
GM:この辺踏まえて登場などをどうぞ〜
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 7)増加 (50 → 57)
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 5)増加 (66 → 71)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 5)増加 (63 → 68)
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (53 → 62)
GM:おのおのやりたいのをどうぞ また、情報を開けたことで追加で項目が出ることもあります
明道天理:オラクルセル2をRCで行きます
任海悠生:TCオーガネルを行きます。
明道天理:2dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 10[4,10]+3[3]+2 → 15 → 成功

任海悠生:4dx>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 10[4,4,9,10]+7[7] → 17 → 成功

御門優一:すっご
明道天理:二人共めっちゃ分かってる
GM:つよい
御門優一:わかり手
任海悠生:購入の時回ってほしかったが…!まあ成功してるし贅沢は言えない
千堂未亜:では、城戸澄香について。情報:UGNにコネを添える。
千堂未亜:(2+2)dx+1>=6
DoubleCross : (4DX10+1>=6) → 9[1,2,5,9]+1 → 10 → 成功

千堂未亜:不可もなく、だ。
GM:では順番に貼っていこうかな
御門優一:情報見て追加無ければ訓練行こ

・”オラクル”セルについて-2 <RC>8または<情報:UGN>10
“オラクル”セルへの加入経緯については、潜在的な超人願望を持つ一般人が「眼前に不定形のまばゆいものが現れ、自分の身体に印を刻んだ」という夢を見ると同時にオーヴァードへの覚醒を促すというもの、
あるいは明道が経験したような既存メンバーの手で拉致された事によって強制的に加入させられたというものが大半であり、
自ら望んで”オラクル”に加入したという者は稀である。

なお、過去の”オラクル”セル所属者はみなUGNに捕縛されると同時に死亡しており、ほとんど情報が残っていない。
上記の情報は、千堂の前で死亡した少女──”コルンバ”の遺品や、その遺体からの記憶探索等によって得られたものである。

・T.C.オーガネルについて
"オラクル"セルに所属する、5名のオーヴァードから構成される小部隊。
全員が同時期(二年ほど前)に覚醒・”オラクル”へ加入し、行動を共にするようになったものと見られる。
”ウルスラ”を除くメンバーの詳細は以下。

"シンフォローサ"……言霊による催眠能力者。
 一般人を洗脳し操る事が可能で、万道塾を拠点化していたのも彼女の能力に依るもの。
 暗示による自他の強化も多少は行えるが、基本的に戦闘は不得手であり、自分が単独では生き延びることができないと自覚している。

"エウフェミア"……高速・高精度の従者作成に特化した能力者。
 行方不明者の代替となる人体を作成していた他、殺害後に自身の血を注ぎ込む《抱擁》によってオーヴァードを作り出していた。
 戦闘時には使役した従者による攻撃を主とする。

"アポロニア"……光学・振動操作による隠密能力者。
 部隊では斥候・偵察を務める他、活動拠点の隠蔽も彼女の能力によって行われていた。
 精神的に不安定な側面があり、”ウルスラ”が与える命令に依存している傾向が見られる。

"コルンバ"……生体発電による広域破壊能力者。
 使用者への負荷が重い能力であり、生来の虚弱な体質もあってそう永くはなかった。
 付き合いの長い"ウルスラ"に対しては「どういう最期にするかは自分で決めさせて欲しい」と伝え、別れたようだ。

・城戸澄香について <情報:UGN>6または<交渉>30
半年ほど前に覚醒したオーヴァード。コードは”サクリファイヤ”。
R案件で家族が殺害されており、本人だけが生き延びて覚醒し、UGNに保護された。犯人は現在も不明。
UGNイリーガルとして熱心に活動しており、自身の親類を奪ったと目されるFHに対して強い敵意を示している。
覚醒と同時に発生した、自身の影に棲む影の蛇”フリアエ”に(《リザレクト》による再生を宛にして)肉体の一部を食らわせる事で命令を聞かせ、敵対者を攻撃させる戦い方を取る。衝動は憎悪。

GM:で、一定の情報が揃ったので情報項目が追加されます
御門優一:ワウワウ

・T.C.オーガネルの目的について <知識:レネゲイド>10または<情報:UGN>10

御門優一:10か~~
御門優一:じゃあUGNは支部長が得意そうなので、先に戦闘訓練をします。
GM:どうぞ〜
御門優一:白兵技能。ダメージはいらなさそうなので素手を使って【凍帝《クリスタル・カイザー》】《C:サラマンダー》《炎神の怒り》
御門優一:御門優一の侵蝕値を5(→ 5)増加 (62 → 67)
御門優一:御門優一のHPを3(→ 3)減少 (32 → 29)
御門優一:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,2,3,4,4,5,5,7,7,7,9]+10[4,4,9,9]+10[4,8]+2[2]+2 → 34

御門優一:よし。
明道天理:良い回転
任海悠生:おお……
御門優一:20点取得!かな。
千堂未亜:優秀だなあ
GM:おお つよいぜ
GM:20点の経験点が転がり込みます。
御門優一:うーん。成長案は改めて時間ください!160から改めてエフェクト持ってくるか技能を考えます!
任海悠生:ありがたすぎ
御門優一:ガッポガッポ
千堂未亜:うまい!うまい!
GM:あ、はーい。ではこのシーンのロイス購入処理のところで一緒にやってもらえればOKです
GM:成長したときには、内容を報告しつつ新しいキャラシートを貼っておくれだぜ
任海悠生:はあ~い



明道天理:N市UGN、休憩室。
明道天理:能力訓練を一通り終えた後、流石に少し疲れたなと部屋を出たところで休憩室を見かけ。
明道天理:人も居ないようだし、良ければ使わせてもらおうとソファの一つへ腰かけた。手には自販機で買ったスポーツドリンク。
明道天理:「……はぁ」
明道天理:一息に呷った後、息を吐く。初めての能力行使は勿論、塾からこっち追われ続けている非現実感で、身体以上に精神が疲労していた。
御門優一:「よ、疲れてるな青少年」君と同い年の少年が入り口の壁にもたれ掛かってる。
御門優一:ペットボトルを2つ持っていたが、君が既に購入してるのを見て、1つをポケットに仕舞う。
御門優一:一人分の距離を開けてソファに腰掛ける。
御門優一:「改めて。俺、御門優一ね。年は15」
明道天理:「えっ、年下……いや同い年、ですか」
明道天理:そう言えばさっき高校入学前と言っていた気がして訂正する。
御門優一:「ほぉーん」その物言いに目を細める。
御門優一:「チューボーみたいな見た目なのに、ってか?」
明道天理:「あ、いや……そういうつもりじゃ」
明道天理:最初の――塾で助けてもらった時の印象より背が低いな、とは思っていたけど。
御門優一:「こゆ時、ナメられないために一回キレとくんだけど……そこ謝られると対処に困るな」ウーロン茶のキャップを開けてがぶりと飲む。
御門優一:「まぁ、一回は許すことにしよう。俺は寛大だからな」
明道天理:「えーっと……ありがとう、ございます?」
御門優一:「うむ」尊大に頷く。
明道天理:こちらも対処に困って、眉を下げたままひとまずお礼を言う。
御門優一:「てのは小粋なジョークなんだけど、実際どうよ?」
御門優一:「結構疲れるっしょ。初日だし」
御門優一:眉根に寄せていたシワを霧散させる。
明道天理:「ああ……まあ、その」
明道天理:「正直に言うと、まだちょっと色々理解も実感も追いついてないし、疲れもじわじわ来てるとこはある……かもです」
明道天理:丁度今、その疲れを実感していたところだ。
御門優一:「だよなー」笑う。
御門優一:「俺もそうだった。色々やってるうちは良いけど、一旦腰落ち着けるとどうもな……」
明道天理:「どっと来ますね」
明道天理:こちらも合わせるように苦笑する。
御門優一:「来る来る」
御門優一:「じわじわマジかよ、ってなるし、漫画かよとか思う」
明道天理:「本当に。能力の話もそうだし、いろんな用語とか、さっきのシミュレーターとか」
御門優一:「あんなバーチャルのやつ、マジであんのかよ!ってなるよな」
明道天理:「全部、漫画とかアニメの中の話みたいで。自分がその中に居るの、体験してるはずなのになんかまだふわふわしてて」
明道天理:「全部夢だって言われたら、まだそっちの方が信じるかもしれないです」 こくこくと頷きながら。
御門優一:「そうなんだよなー………」
御門優一:「明道はー……そうだ。なんであの塾通ってたん?勉強好きなん?」
明道天理:「えっ?」 やや唐突に思える質問に驚いて。
御門優一:唐突めに話題を変える。
明道天理:「……いや、この間の期末でちょっと、成績が良くなくて」
御門優一:「いや、結構厳しいじゃん、あの塾」
御門優一:「あー」
明道天理:「数学だけでも講習受けたら?って母さんに言われて……」
御門優一:「あ~」頷いてる。
御門優一:「そういうね。なるほど」
明道天理:「御門……君、は」 同い年と知った分呼び方にちょっと悩みつつ。
御門優一:「うん?」
明道天理:「あそこに来てくれたの、任務だったんですよね」
御門優一:「おう。……明道を襲った奴ら、いたろ?ああいうのの痕跡を探してた」
御門優一:「だから、それで……なんだ。なんだろうなー」んー。と言葉に悩み。
御門優一:「例えばの話をします」
明道天理:「え、はい」 戸惑うが素直に聞く姿勢。
御門優一:「例えば、……例えばな?俺らがもっと早めに捜査してたり、とか」
御門優一:「あるいは、塾なんて行かなかったら、普通に学校で過ごしてたら、多分、明道は関わらなくて済んだ話だったのかもしれん」
明道天理:「……はい」
御門優一:「今後一晩寝て、落ち着いて、自分の境遇とかを考えて……それが、飲み込めなかった場合だが」
御門優一:「そういう時は、まず俺が聞くよ」
御門優一:「いや、多分、そういうのは支部長とか……悠生とかが上手いこと宥めると思うんだが」
御門優一:「恨み言とか言いたかったら、こっちも聞く準備は有るので……みたいな」
御門優一:「……そういうアレだよ」
御門優一:言っててだんだん気まずげになっている
明道天理:「……ふっ」 ちょっとだけ気が抜けたように笑う。
御門優一:「な、なんだねその笑いは」
明道天理:「いや。良い人なんだなと思って」
御門優一:「うっせうっせ!」
御門優一:「俺はそういうことに気がつく皇帝を目指してんの!下々の声に耳を傾けるなんて朝飯前だっつーの!」
御門優一:ぐびぐび。乱暴にウーロン茶を嚥下する
明道天理:(皇帝……?) やや疑問に思いつつも、少し笑みを収めて。
明道天理:「……確かに、御門君の言う通り。もっと早く二人が付いてたり、そもそもオレが塾に行ってなかったら」
御門優一:「……おう」
明道天理:「こうなってなかったかもしれない。オレは今も普通の人間で、普通の暮らしをしてたかも」
御門優一:「……だろうな」
明道天理:「でも、逆に御門君達が間に合ってなかったら。オレはあそこで死んでたかもしれないし、あの人たちに連れてかれてたかもしれない」
御門優一:「……」
明道天理:「そうして、家に帰れなくて家族にも誰にも会えなくて、一人で折れてたかもしれないです」
御門優一:「…………カッ」悪びれた笑いを装う。
明道天理:「多分オレ、この世界の事全然何も分かってないですけど……二人に助けてもらったってことは分かってます」
御門優一:「お前のほうがよっぽど『いい人』じゃねーか」
明道天理:「そんな相手恨むの、違うじゃないですか」
御門優一:楽しそうに笑う。
明道天理:「ええ……?良い人っぽいこと、言いました?」
明道天理:普通の事だと思うけど。と、釈然としない顔をしている。
御門優一:「ははは、自覚なしと来た。とんだお人好しだゼ」楽しくなっている。
明道天理:「?」 なんだか楽しそうな事だけは分かって首を傾げる。
御門優一:「ま、その方がこっちも楽だけど。そういうの気にしそうだしなぁ、支部長も悠生も……」
御門優一:「あ、そうだ。あの、城戸って子とは知り合いな感じ?なーんか突っかかってたけど」
明道天理:「んっ……」 丁度スポドリに口を付けていたせいで軽くむせる。
御門優一:「うおっ。どうした」
明道天理:「いや……何も……」 左手だけ軽く挙げてちょっと待ってのジェスチャー。
明道天理:「ん、ん」 もう一口分飲み込むことで引っかかったのを軽く流して。
御門優一:待つ。少なくなったウーロン茶をくるくる回してる。
明道天理:「あー……城戸は、その」
明道天理:「中学から一緒の同級生で……」 嘘ではない。
明道天理:「今はクラス違うんですけど、学校一緒で……」 嘘ではない。
明道天理:「で、その……」 中学から付き合ってたんですけど、半年前にフラれました。とは言えない。
明道天理:「……オレの口からはちょっと……」
御門優一:「へ~!幼馴染じゃん」幼馴染ではない。
御門優一:「あ~」その口調から察する。
御門優一:「分かった、当てて良い?」
明道天理:「……」 言わずに分かってくれたなら、正直、助かるが。
御門優一:「告る機会を狙ってんだろ」得意げ。
明道天理:「……」 撃沈。がっくり上体ごと突っ伏す。
御門優一:「うおっ、どうした。図星か?」
明道天理:「……だとしたら、オレ勇者すぎません?」
御門優一:「まぁ、それは確かに現実味ないし疲れるよな……いきなり秘密の共有みたいな感じになるし…」頷く。
御門優一:「違うの?」
明道天理:あの態度の相手に告ろうと出来るのは勇者か愚者だと思う。普通に。
明道天理:「違います」
御門優一:「いや、なんか城戸さん相手だと口数少ないから照れてるのかと思って……」
明道天理:「そりゃ、城戸が明らかに話したくなさそうだから……」
御門優一:「先輩としてそこらへんの会話チャンスとか作ったほうが良いのか?とは思ってたんだが……」
御門優一:「なんで。さっきのだと付き合い長いんじゃね~の?喧嘩した?」
明道天理:「喧嘩っていうか……」
明道天理:いやもう、これは話した方が良いかと逡巡して。
明道天理:「……フラれました。半年前に」
御門優一:「そうか…………」
御門優一:「え、告って?」
明道天理:「いや……付き合ってて。中学の頃から」
御門優一:「彼女じゃん!!」
明道天理:言いたくない話ではあるが、問われると嘘が付けないタイプ。
御門優一:「あ、いえ。失礼。彼女じゃないですか」敬語。
明道天理:「元ですよ!」
明道天理:言わせないでほしい。
御門優一:「元彼女でしたか」
明道天理:「……」 自分で確認してちょっとダメージを受ける。言わないでほしかった。
御門優一:「はー、へー、ほー……恋人ってほんとにいるんですね」真顔
明道天理:「居ないと思ってたんですか、世界に」
御門優一:「まぁなんか……実感が無くて……」
御門優一:「へー、生の恋人……ん?てか、半年前って言った?」
御門優一:「あ、仰った?」敬語
明道天理:「なんで敬語なんですか……。言いましたけど」
御門優一:「彼女持ちのお方だから……あー」
御門優一:ブリーフィングで共有された城戸澄香の情報を思い出す。支部長から聞いておいた。
御門優一:半年前。つまり事件に巻き込まれ、オーヴァードとして覚醒し……UGNの任務に従事し始めた頃か?
御門優一:(っても、俺が伝えて大丈夫かこれ……?)
御門優一:「んー……」
御門優一:「わかった」
御門優一:「やっぱチャンスあったら城戸澄香さんと話すチャンス作るか。あ、作りますか」
明道天理:「良いですよ、気遣わなくて」
明道天理:「城戸もオレと話したくなさそう、っていうかこういう関係なのも知られたくなさそうだったし……」
御門優一:「振られた元カノと距離感困ってる方が気ぃ使うわ」
御門優一:「失礼。本音が」
明道天理:「……」 追撃で再びソファに沈む。
御門優一:「ほら~~」
御門優一:「つってもそれ、実際聞いてないんだろ?」
明道天理:「……何をですか」
御門優一:「話したくないとか、知られたくないってやつ」
御門優一:「明らかに関係あります!って顔で噛みついてくるんだから、どっかで言わないと多分ずっとこの視線で見るぞ」
御門優一:「見ますよ」穏やかな視線。
明道天理:「それはそれでキツイですけど……」 この短時間で二回沈むくらいにはキツイ。
明道天理:「……彼女に別れたいって言わせた男が、馴れ馴れしくすんのは違うじゃないですか」
明道天理:そう言わせるだけの何かが自分に有ったのだろう、と。あの日からずっと悔やんではいるが。
御門優一:「言わせたこと無いから知らん」
御門優一:「あー……なんか事情があるかもだし、こうなったんだから一回話してみれば?」
御門優一:「こういう状況になったし、言いたいこと有るなら言うでしょ」
御門優一:「まぁ、彼女居ないやつが言っても余計なお世話かもしれんけど……」
明道天理:その上で話しかけてますます彼女の気分を悪くするのも申し訳なければ、未だに未練がましく思ってるのも後ろめたいのに。
明道天理:なんて、シリアスに考えてたところに思いがけない言葉が来て。
明道天理:「えっ」
御門優一:「ほら、どうせこの任務の間は一緒になるんだし……」
御門優一:「ん?」
明道天理:「彼女じゃないんですか、任海さん」
御門優一:「……………」
御門優一:「………違、い、ますけど……」
明道天理:「えっ」 心底意外そうな顔。
明道天理:「……付き合ってないんですか、あの距離感で」
御門優一:「いや、だって…………」
御門優一:「そういうの、一応はいったけど、相手が自覚してない所に付け込むのも違うというか……」
御門優一:「待って。どういう距離感に見えてんの?」
明道天理:「いや、だって……近いじゃないですか」
明道天理:「付き合ってない女子と話すとき、あんな寄り添うことなくないです?」
御門優一:「…………それは、」
御門優一:「そうだけど………相手が、特に意識してないから……的な……」
御門優一:「そういうやつだと思うんだけど……」
御門優一:「実際彼女持ちだとどうなんだ…………!?」
明道天理:「……意識してなくてあの距離感ならそれはそれでヤバいから話した方が良いと思いますし」
明道天理:「別に任海さん、オレにはあんな近くなかったですよ」
御門優一:「わかんないんだよ……!この界隈で育った『普通』が…!」
御門優一:「………あ、そう?」露骨に安堵する。
御門優一:「……ちなみに参考までに聞くんだけど」
御門優一:「参考までにね」
明道天理:「そこで安堵してる時点で完全に好きじゃないですか……」
明道天理:呆れ声を出しつつ質問は聞く構え。
御門優一:「…………………………」お茶を飲む。聞こえないふりする。
御門優一:「付き合ってた時さぁ」
御門優一:「相手の部屋ってどれぐらいの頻度で行くもんなの?」
明道天理:「……オレ達中学生だったし、オレの家は姉妹居てうるさいし、城戸の家行くのは気が引けたし」
明道天理:「結局どっちも行ってないですけど……」
御門優一:前半に頷きつつ(実家住み)、後半で首を傾げる。
御門優一:「……うぇ?付き合ってるのに?」
御門優一:「家で勉強とかしないの?」
明道天理:「……逆に聞きますけど、してるんですね?」
御門優一:「……………」飲む。空。
御門優一:「違うんだよ」
明道天理:「何がです」
御門優一:「塾の潜入で……勉強が必要だから…………家だと集中できないし……」
御門優一:「あと、どうせ惣菜のタッパーとか回収するから……ついでってだけで…」
御門優一:「……………」普段会ってることを漏らした。
明道天理:「……ツッコムのもアレですけど。惣菜渡してるんですか?タッパーに詰めて?」
明道天理:「それもう付き合ってるの中でもかなり後の方にやることでしょ」
御門優一:「良いだろ!!実家が料理屋なんだからそれぐらいは!!」
御門優一:「あいつ放っておくと栄養だけ考えたりするんだもんよ!!」
御門優一:「合鍵だって任務で必要だから………」「……」
御門優一:「………」
御門優一:「……うるせーーー!!!」
明道天理:「逆ギレやめてくださいよ!」
御門優一:「お前こそ敬語やめろ!なんか精神的な優位を感じるんだよそれ!」
御門優一:「身長が高いからって偉いと思ってんじゃねーぞ!」
明道天理:「思ってないで……思わないってそんなの!」
明道天理:「というか、最初の方に『そういうの言ったけど相手が自覚してない』みたいに言ってたけど」
御門優一:「はい」
明道天理:「そういうの分かってないと思ってる相手の合鍵もらって家に上がってる方がどうかと思う」
明道天理:「ちゃんと言うべきでしょ。良くないって」
御門優一:「……………!!」
御門優一:「……! ………!!!」
御門優一:「……正論」突っ伏す。
明道天理:「というか、任海さん本当に分かってないの?」
明道天理:「分かってないタイプには見えなかったけど……」
御門優一:「そ、……う、だと思うけど。ちょっと前に言った時は、別に態度と関わらなかったし……」
御門優一:「あれは……何ヶ月だっけ…」
明道天理:「そっちこそその辺話し合うべきだと思うけどな……」
御門優一:「仮にわかってたとして……仮にわかってやってたとしたら俺はとんだ道化だが……」
御門優一:「よし、分かった………絶対に城戸さんをお前にけしかける」
明道天理:「分かってるか分かってないかもそうだし、合鍵渡す危険性もそうだし」
明道天理:「そもそも御門君側の気持ち的にも……はっ?」
明道天理:「いや、それとこれとは話が違うじゃん」
御門優一:「なんでだよ。数ヶ月で意見変わるって言ったのそっちだろ」
御門優一:「こっちが『理解してない』っていったの否定したんだから、そっちだって思い込みの可能性あるじゃん」
御門優一:「逃げるな。死ぬ時は一緒に行こう」
明道天理:「いや、正直数か月前の時点でもう任海さん分かってるんじゃないのかと思うけど」
明道天理:「分かってなくて合鍵渡す人に見えないし……というか、道連れが欲しいだけじゃん!」
明道天理:「皇帝なら民を危険に晒すなよ!」
御門優一:「うるせー!!王に進言した人間が一市民のハズあるか!」
御門優一:「絶対に任命してやるからな…大臣とかに…!」
御門優一:ばっ、と突っ伏したソファから飛び上がる
御門優一:「それはそれとして城戸さんと話すなら素直に応援する!じゃーな!」
御門優一:もう一本のミルクティーをテーブルに置いて脱兎する
明道天理:「応援はありがたいけど!こっちも応援してるけど!」
明道天理:「あっ逃げた!」
明道天理:そう言いながら置いていかれたものの、ぽつんと置かれたミルクティーを見て。
明道天理:「……やっぱ、良い人ではあるじゃん」
明道天理:多分そういうことなのだろう、と。無くなってしまったスポドリの代わりに口を付けた。



千堂未亜:N市UGN、支部長室。
千堂未亜:長たる千堂未亜の執務スペースは、その役職に反してそれほど広くはない。
千堂未亜:ドアをくぐると、まず部屋の奥に街を一望出来る大窓が目を引き、
千堂未亜:周囲に目を向ければ、アンティーク風の調度品や一人の女性が二人の幼子を見守る構図の絵画が目に入るだろう。
千堂未亜:己の領域。そう称すべき空間の中で、当の本人は革張りの椅子に腰を沈めて端末に向き合っている。
千堂未亜:長ともなれば一つ事に掛かり切りとも行かない。重要な決済の全てが最終的に手元にやってくるのだから。
任海悠生:こつこつ、とノッカーの音が丁寧に響く。
任海悠生:「任海です。よろしいですか?」
千堂未亜:「ん。入れ」
任海悠生:「失礼します」一礼しながら、灰色髪の少女が、レポートを抱えて入室する。
任海悠生:「支部長、さっきの訓練データの纏めと、私が担当してたあちらのチルドレン部隊に関しての資料です」
任海悠生:机に二つに分けてレポートを置き、最後にデータを纏めたUSBスティックを置く。
千堂未亜:「ご苦労。……手慣れているな。おかげで随分と楽をさせてもらっているよ」
任海悠生:「まあ、元居た所もこういう書類書いて出さないといけない所でしたし……」少し苦笑。
任海悠生:夢という対象は主観と認識が重要である分、それを研究するという事は、そのものを客観的に説明しなければならない。
任海悠生:「…それで、どうでしょう。結構相手の部隊は、中々危なっかしい感じがしますけど」
千堂未亜:「そうだな……」ざっとレポートに目を通す。
千堂未亜:「なかなか面白くないことが書いてある。その点については同意する所だ」
千堂未亜:「……情報提供があった、と言ったろう」
任海悠生:「まあ、FHらしいなあ、って私なんかは思っちゃいますね…」苦笑い。自分は対象が対象なので安定する必要があり、あまりひどくは扱われなかったが。
任海悠生:「…支部長が言い淀む、ってことは。あまり良くない状態なんですか?」
千堂未亜:「いや。最悪・・だよ」
千堂未亜:「『オラクル』セルの戒律については、もう周知のこととなったが」
千堂未亜:「提供者はそれによって死んだのだよ。私の目の前でな」
任海悠生:「……なるほど。確かにあまり進んで言いたくないですね…」嘆息。
千堂未亜:「お前たちが明らかにしてくれた情報も合わせれば、その最期の願いも明白な所となったわけだ」
任海悠生:「人死にはありふれた所ですけど、あまり長くない皆には見せたくはないですねえ……」
千堂未亜:「まったくだ。……特に、明道くんは慣れる慣れない所の話ではないしな」
任海悠生:「初日ではちょっとヘビーに過ぎますし、変に知っちゃうと護身にも問題がありそうです」深い溜息。
千堂未亜:「お前は……彼を巻き込むことに反対しなかったな。城戸とは違い」
千堂未亜:「理由を訊いてもいいか?」
任海悠生:「あはは……そうですね」
任海悠生:「一回、似たような御門君の時に散々わがままを言って、結局引きずり込むことになってしまったので、それなら寧ろ…というのがひとつ」
任海悠生:大窓の方を見る。
任海悠生:「後、彼。救助したとき、ずっと抵抗しようとしてたんですよね。気を使うタイプで、遠慮する方みたいですけど。根はそういう、中々激するタイプと見ました」
任海悠生:「そう言う人を無理に遠ざけよう、っていうのは。かなり無理があるんだ…って、ここ半年で実感しましたし…」
任海悠生:「ふたつめは、そういう人なら、一回は”実感”するべきだって思ったからです」
千堂未亜:「実感……か」
任海悠生:「戦うという事。傷ついて、傷つけること。相手がある事」
任海悠生:「…こういうのは、やらないと分からないですから。これで、もう嫌だって思うなら、辞めるべきなんです」
千堂未亜:「ふ。見てくれと物腰とは裏腹に随分とスパルタではないか」
任海悠生:「もしそれでも、やる、って言うなら。……それはそれとして、向き合わないといけませんから」
任海悠生:支部長の言葉に苦笑して。
千堂未亜:「……だが、真理ではある。それもまた愛情であろう」
任海悠生:「そうですか?…私は、嫌がることをするのを、助けることが出来ません。”夢”っていうのは、そう言うものですから」
任海悠生:「どうせなら、助けられるように在ってほしい、ってだけですよ」ふ、と淡く笑う。
千堂未亜:「よい。そのエゴはお前の個性だ、大事にするのだな」
千堂未亜:「私などは、いつも二本の道を示し、問うことしか出来ん」
任海悠生:「ありがとうございます、支部長。…どうしても私、そういう”したいこと”に忠実に、ってFH風にしか言えないので」
任海悠生:「きちんと道を示せるのは、それだけすごいことだと思いますよ」
千堂未亜:「究極の所は、やるか、やらないかだ。そこまで絞れば悩みようもシンプルになろう。そう考えてのことではあるがな」
任海悠生:「ちゃんとそこ迄考えてらっしゃるじゃないですか」
千堂未亜:「だが、それ以上のことは結局、それぞれに委ねるしかない」
任海悠生:「それはそう、ですね。……となると、私達の側も、色々複雑そうな城戸さんとか、大丈夫ならいいんですけど」
千堂未亜:「城戸か……。私が預かるに至った経緯が経緯だ、ああも尖るのは無理もないのだが」
千堂未亜:嘆息。
任海悠生:明道くんの訓練データのレポートに触れつつ。…実際、非常に迅速に良く出来ていたから、戦力上は入れない選択肢がなくなってしまったので。
任海悠生:「詳しく聞いてもいい奴ですか?」
千堂未亜:「聞かれて嬉しくは思うまい。まあ、それすら珍しくもないのがこの世界だと思うと嘆かわしいがな」
任海悠生:「…成程。気を付けたいと思います。…地雷踏まないようにしたいけど、大丈夫かなあ」
千堂未亜:「まあ一つ……これは言っておこうか」
任海悠生:視線を、卓に付いた彼女へ戻す。
千堂未亜:「あれは、FHを深く憎んでいる。お前は万道塾で城戸の能力を見たな?」
千堂未亜:「負担のかかる戦い方を厭わぬのもそれゆえだ。だが、私には止められん」
任海悠生:「…ええ。蛇の召喚…影でしたし、”アバター”の操作でしょうか。腕の破損から、自傷系の…」
任海悠生:「……成程。じゃあ、私の出身、言わない方が良さそうですね、これ」
千堂未亜:「どうかな。伝えた上で組織の看板が全てではないことを教えてやってもよいのかも知れんぞ?」
千堂未亜:「──“セレファイス‐IV”」
任海悠生:「それはそうかもしれませんけど、これ以上負担を掛けたら色々こう…」
任海悠生:「…うーん、やっぱり調べたらバレバレのコードネーム、辞めておくべきだったかなあ……」
千堂未亜:「さてな。それも含めて今のお前があるなら、それは易々と捨ててよい名ではなかろう」
千堂未亜:「御門とのこともそうだ。その経験が今のお前を形作ったのなら、御門との出会いは善いものだったのであろう」
任海悠生:「…全く以て、私からすると本当にその通りなんですけれど」少し照れたような表情。
千堂未亜:「そうしてお前が培ったロイスの価値。出来るならば、城戸にも教えてやってくれると嬉しい」
千堂未亜:「私には難しいことでな」と笑い、ギシリと音を立てて椅子から腰を上げ、壁際の食器棚に向かう。
任海悠生:「……私、そんなに大したものじゃないですが。まあ、こっちの先達なのは確かなので上手く教えられたり出来たらそうします」
任海悠生:「…支部長も、見た目同じくらいじゃないですか?」
千堂未亜:「見た目はな。だが、少し永く生きすぎた」
千堂未亜:ティーセットを取り出し、紅茶の用意をする手並みは、慣れた手つきだと分かるだろう。
任海悠生:少し溜息。
任海悠生:「それなら余計に、積み重ねた年月の説得力があるんじゃないでしょうか」
千堂未亜:「たわけが」と咎める声は笑っている。
任海悠生:「ええ……違いましたか?」こっちもどこか笑みが混ざった声。
千堂未亜:「私はこう見えて暴君なのだよ。生来、人の想いが分かる生き物であったなら、今頃ここにはおらん」
千堂未亜:「今でもゆかりの地で玉座にあっただろう」
任海悠生:「そうですか?」
千堂未亜:「ならば、お前には何と見えておるのだ?」
任海悠生:「王様より、こっちの方が…街に、人に近いと思いますよ。私は」ふふ、と笑って。
任海悠生:「それで、こっちを選んで続けてるんですから…、ね?」
千堂未亜:「……ふん」手振りで応接セットの席を勧める。
千堂未亜:「生憎と、王であることは止めてはおらん。この城の主は私である」
任海悠生:丁寧に一礼。腕を胸に当て、武器を持たないことを示す古式の礼法。
任海悠生:「それは失礼致しました、女王陛下ユア・マジェスティ
千堂未亜:「こやつ……」苦笑いして。
任海悠生:「ふふっ。こういう礼法、実は得意なんですよ」悪戯っぽく、人差し指を唇に当てて。
任海悠生:「お招きに与り、光栄で御座います」丁寧な仕草で、席に着く。 どうです?という少し得意げな顔。
千堂未亜:「……やれやれ。お前のような臣がおれば私もいよいよ楽になりそうだ」
千堂未亜:「時々、想像するよ。王であることを止めた私の姿を」
千堂未亜:「夢に見る、と言い換えた方が伝わりやすいか」
千堂未亜:「何をしていると思う?」
任海悠生:「過分なお言葉、誠に有難く。……ああ。そう言うものですね。叶えたいかどうかはさておき、想う事はあるものです」
任海悠生:「ふむむ……そうですね。あまり知らないので、全く違うかも知れませんが」
任海悠生:「美味しい紅茶を淹れてらっしゃるかもな、とは思いました」
千堂未亜:「ふ。百年も淹れ続ければ板にはつくか」
千堂未亜:「……答えはな。何もしておらん」
任海悠生:一口、カップを当てて。続く言葉を待つ。
千堂未亜:「いない・・・のだ。そのような私は」
千堂未亜:「だからこうして続けている。かの地を離れ、遠く極東の島国にやってきても、な」
千堂未亜:再び嘆息。「霧谷などは、やめてもいいと軽々しく言うのだぞ。まったく」
任海悠生:「…そうですね、確かにそう言われたら、そんなこと言いたくなってしまうかも」くすり、と。
千堂未亜:「たわけた男よ。あ奴に出会うこともなければ、こうしていることもなかったというのに。無責任ではないか」
千堂未亜:「……そういう意味では似ているか。お前にとっての御門と」
任海悠生:「ぐっ……けほっ、急にびっくりするじゃないですか」
千堂未亜:「ん? どうした」
千堂未亜:よく磨かれたテーブルの上に散った紅茶の飛沫をさっと拭き取る。早業。
任海悠生:「…いえ、何でもないです。失礼しました…」
任海悠生:「ともあれ、そうですね……」
任海悠生:「吉宗公とかじゃないですが、王様だって偶にお忍びをしたり、適当な領地の爵位を名乗ってることだって一杯歴史上あるんですから」
任海悠生:ピョートル大帝なんて大工のアルバイトに全力だったみたいですし、とこぼしつつ。
任海悠生:「良いんじゃないでしょうか。”止める”のが分からないなら、”休む”ので調査をしてみても」
千堂未亜:「休む、か。王が休めば臣は困ろうが……」
千堂未亜:「いや、案外とそうではないのかも分からんな」
任海悠生:「上が休まないと下も休み辛いらしいですよ、前聞いたのですが」
千堂未亜:「生憎と私は暴君なのだよ。さっき言ったような気もするがな」
千堂未亜:愉快そうに笑っている。暴君の暴君たる所以か。
任海悠生:ふふ、と笑って、紅茶を一口。薫り高いマスカテルの香りが馨しく、舌を楽しませる。
千堂未亜:「任海」
任海悠生:「はい」
千堂未亜:「この事件、どう転んでもハッピーエンドはない。それはもう、永遠に失われた」
千堂未亜:故国を追われた修道僧の名を受けた少女が逝った、その瞬間に失われた。
千堂未亜:「だが、託された願いは果たしたいと思う。そのためにはお前のような者が必要だと思い知った気分だ」
千堂未亜:力ではない。心を持った者が必要だと。
任海悠生:「そうですか?……役に立てるなら、嬉しいです」ふわりと笑って、それに、と続ける。
任海悠生:「でも、どんなに苦しいことがあった後でも。それから、幸せになっちゃいけない、なんてルールはありません。有ったとしても、そんなの知らないです」
任海悠生:「…だって、私はそうなれたんですから。姉妹を裏切って、助けられるはずの人を見落として、それでも」
任海悠生:「だったら、攫われて、強制されて、事故に遭って。そんな目に遭ってきた人たちが、そうなっちゃダメだ、なんて。そんなことは無いはずなんです」
千堂未亜:「……そういうお前だから、必要なのだよ。最後までよしなに頼む」
任海悠生:「はい。”セレファイスIV" 、夢見るまぼろしのくに、其に秘されし宝石たる私は、あなたのゆめねがいに寄り添います」
任海悠生:「私が、そうありたいから」



GM:シーンカット。ロイス・購入が可能です。
明道天理:御門君に○感謝/憤懣で取ります
御門優一:明道くんのPは尽力のまま、Nを対抗心にします。色んな意味で。
明道天理:色々感謝してるし大分友情も感じてるけど、それはそれとして抉りすぎだし逃げられたのでちょっとおこ
御門優一:てへ
任海悠生:ロイスこっちは保留しておこう。 支部長とのコミュランクが上がったぞ
千堂未亜:上がったぞ。上がったから任海へのロイスは ●信頼/不安 に変更だ。
任海悠生:ヘヴィマシ狙ってみるかそれとも…どうしよっかな 妖精使えばかなり行けるはずなんだ
明道天理:あっ一応武器自体は確保してもらってますし
明道天理:他に欲しいものある人居ればそっち優先で大丈夫です あったらよりハッピーくらいの枠
千堂未亜:あと、“ウルスラ”へのロイスを 檜垣メイ ●尽力/悔悟 に変更しておこうかな。
御門優一:重ね着のりアクティブコートか、ブルーゲイルでも狙ってみるかな。
任海悠生:あっ了解です じゃあ後必要なモノある人いるかな 悠生は一応大体大丈夫
御門優一:ブルゲチャレンジで。
御門優一:2dx+4>=20
DoubleCross : (2DX10+4>=20) → 4[2,4]+4 → 8 → 失敗

御門優一:以上!
任海悠生:きぐるみくらいかな 支部長用の
千堂未亜:私のきぐるみはあればワンチャン生き延びる程度の代物なので
千堂未亜:(ジャキッ)ヘヴィマッスィンガァンを買いに行ってもいいと思いますよ!
任海悠生:了解です~じゃあチャレンジ!
任海悠生:4dx+1>=24
DoubleCross : (4DX10+1>=24) → 9[2,4,8,9]+1 → 10 → 失敗

任海悠生:これにチャレンジすると急に回らなくなるな!!w
明道天理:ダイスってそういうところある
任海悠生:ホローポイント弾とかマイナー空いてるなら買っておく方がよいかもしれん マイナーで使用、ダメージ+3
明道天理:10かぁ 確かにヘヴィマシンガンより可能性あるし狙ってみます
明道天理:1dx>=10
DoubleCross : (1DX10>=10) → 5[5] → 5 → 失敗

明道天理:ダメ~ 以上!
御門優一:あっ、そうだ。頂いた経験点で凍てつく刃LV2を取得しました。キャラシに書いておきます。
御門優一:以上です。
GM:OK!
千堂未亜:あっ私も買い物
千堂未亜:武器屋に並ぶか。ヘヴィマシンガンだ
千堂未亜:2dx+3>=24
DoubleCross : (2DX10+3>=24) → 10[7,10]+6[6]+3 → 19 → 失敗

明道天理:回してる!?
千堂未亜:妖精おくれ?
GM:すごい
千堂未亜:あ、いや
任海悠生:あっコレは買えそう。おっと。
千堂未亜:お金入れようかと思ったけどどうしましょ
御門優一:お金でいけるならお金で良いかも?
任海悠生:妖精lv3なので 残り3+1回は使える~ まあ保険として取っておくのでも行けます
千堂未亜:じゃあお小遣いを入れよう。今後の判定ではバンバン妖精してもろて……
御門優一:使える対象がお金のほうが狭いからね
明道天理:任海さん今侵蝕高めですしね
任海悠生:ありがとうございます すみませぬ
千堂未亜:5点入れて購入します。明道くん、(ジャキッ)ヘヴィマッスィンガァンだよ
任海悠生:じゃあこれにウェポンケースの内容変えて、水晶しちゃいますか。
明道天理:そうしましょう 非常に助かります、頑張ってジャキッします
任海悠生:《水晶の剣》。攻撃力+6してね。 これで攻撃力+18かな。
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (71 → 75)
明道天理:ではケースにしまっておきます 以上!
GM:OK では


◆Middle04◆

GM:まず、自動開放される情報があります。

・”コルンバ”檜垣メイの解剖結果
UGNの解剖チームによれば、手の甲に表出していた”オラクル”の刻印は脳や各臓器と深く結びついており、
外科的に切除しようとすると宿主の再生能力が作動し術式を修復してしまう。よって、肉体を低侵蝕状態のまま仮死させる必要がある。

具体的には戦闘不能にした《リザレクト》発動時に《デビルストリング》等でそれを無効化すると、
肉体に癒着している”オラクル”のレネゲイドの活動も鈍化する。

そのまま肉体を凍結保存し、UGNの研究施設において時間をかけて分離処置を行えば、
”戒律”の影響から脱することができる見込みは高いとの事だ。

◯情報項目
(済)・”ウルスラ”について <情報:FH7>
(済)・T.C.オーガネルについて<情報:FH8>
(済)・”オラクル”セルについて-1 <RC>6または<情報:UGN>8
(済)・”オラクル”セルについて-2 <RC>8または<情報:UGN>10
(済)・城戸澄香について <情報:UGN>6または<交渉>30
(済)・死亡した少女について <知識:医学>7または<情報:UGN>9
・T.C.オーガネルの目的について <知識:レネゲイド>10または<情報:UGN>10

◯その他の判定
・戦闘訓練:済……御門
任意の技能で判定。達成値-10点の経験点(最大20点)を獲得し、即座にそれを使用して成長できる。PC一人につき1回まで判定可能。

GM:他の項目はこんな感じですね
GM:というあたりを踏まえて、登場したい方はどうぞ〜
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (67 → 76)
御門優一:ぐわー
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 7)増加 (75 → 82)
任海悠生:にゅーん
GM:もりあがっている
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (68 → 78)
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 3)増加 (57 → 60)
千堂未亜:フ……
御門優一:では既に訓練を終えた俺がT.C.オーガネルの目的を狙います。
御門優一:明道くん!力を貸してくれ
明道天理:貸しましょう ダンシングライトLV2!
明道天理:ダイスをプラス4してください
御門優一:シュイーン……
御門優一:ではコネなしの情報UGNで狙います
GM:どうぞ〜
御門優一:7dx>=10 情報:UGN
DoubleCross : (7DX10>=10) → 9[6,6,6,7,9,9,9] → 9 → 失敗

御門優一:1点財産ペイ!
GM:おそくなってる
千堂未亜:減速してる
御門優一:何の話かな?
千堂未亜:彼のその時は過ぎ去ってしまった
御門優一:全てなかったコトにした。このtekeyの力で…
GM:幻覚が見えていたようね
明道天理:証拠隠滅だ
御門優一:御門優一の財産点を1(→ 1)減少 (1 → 0)
御門優一:無一文
千堂未亜:えらいぞ~
任海悠生:そうとは
GM:では開放

・T.C.オーガネルの目的について <知識:レネゲイド>10または<情報:UGN>10
“オラクル”の戒律の中には、セルから離脱する手順について規定した物もある。
その条件は、「①”オラクル”から与えられる命令を二年以上にわたって全てこなすこと」と「②離脱時に、新たにオーヴァード(非ジャーム)三名を自身の代替として”オラクル”に加入させること」というもの。
T.C.のメンバーは各自が与えられた命令を持ち寄って共同で消化し続け、現在まで五名が生き残った。

①の条件についてはあと一週間程度で成立するようだ。
よって、万道塾での件は②の条件を満たすために一般人を強制的にオーヴァードに覚醒させる事を繰り返していたものと思われる。

また、”オラクル”のエージェントに対しては月に一度程度の頻度で「命令」が与えられ、
これを成功した場合には能力を強化される等のリターンを得られる。
単純な戦闘経験のみならず、こうした干渉によって(正規の訓練を受けていないにしては)”ウルスラ”達は高い水準の能力を獲得している。

御門優一:マルチ的な機構…!
GM:情報に関しては以上です。一定の条件を満たしたので、次のシーンあたりで進行イベントが発生します
御門優一:わーい
任海悠生:なるほどなあ じゃあ追加とかないなら、皆で訓練かしら
千堂未亜:訓練だな。
明道天理:ですね
明道天理:その前にダンシングライト分の侵蝕上げておこう
御門優一:GOGO
明道天理:明道天理の侵蝕値を3(→ 3)増加 (60 → 63)
御門優一:ふ、エフェクトに伴う侵蝕増加をこうも早く…あの1年、やるね
千堂未亜:明道くん……君はN市UGNの柱となれ
御門優一:訓練頑張れ~
任海悠生:テニスの王子様だった…?
千堂未亜:それはともかく、私対象が非OVだと白兵ダイスが減るんだけども
城戸澄香:ならせないが……
千堂未亜:訓練の判定は……城戸!
明道天理:お、オレは一体どうしたら……
GM:あ〜 OV同士の訓練だろうのでそこは対OV想定で判定していいですよ
任海悠生:酷いことになってる……w
任海悠生:じゃあ宣言を。技能は射撃、ウェポンケースからフォールンピストルを装備してコンボ”オオス=ナルガイの谷”《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
御門優一:一般人相手に戦闘訓練する組織、まぁまぁ最悪だもんな…w
任海悠生:9dx7+4 えいや
DoubleCross : (9DX7+4) → 10[1,2,4,7,7,7,8,9,10]+10[1,1,2,4,7,7]+10[3,9]+4[4]+4 → 38

GM:つよい
御門優一:さっすがぁ
任海悠生:どうしたんだ悠生 いつもの18とかしか出ないお前は…
任海悠生:ともあれ上手く行きました。やったね。
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (82 → 86)
御門優一:経験を積んで成長してる
千堂未亜:そういうお前だから、必要なのだよ
明道天理:自信の発言を綺麗に擦っていく
御門優一:二人も続いていけ~
任海悠生:お二人もやっていって~
千堂未亜:では、ありがたく裁定を貰った所で白兵の訓練だ。
千堂未亜:マイナーは……飛ばしていいか。メジャー、『La miglior difesa è l'attacco』《コンセントレイト》《渇きの主》
千堂未亜:(5+3)dx7+4
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[1,2,4,5,5,6,8,10]+10[3,8]+6[6]+4 → 30

千堂未亜:よし。回ってくれたな
任海悠生:ピッタリ足りてる!
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を6(→ 6)増加 (78 → 84)
GM:みんなえらいなあ
明道天理:ではトリ行きます
明道天理:達成値欲しいから武器はショットガン、エフェクトは光の指先LV2+死点打ちLV5+コンセントレイトLV3で
明道天理:サイドリールの効果もついて……
明道天理:11dx7+3
DoubleCross : (11DX7+3) → 10[2,2,3,3,3,4,4,5,6,8,10]+10[4,9]+6[6]+3 → 29

明道天理:あっ あと1点
任海悠生:どうしようか 妖精するか否か
明道天理:ううん……欲しいエフェクトは特にないしな……
任海悠生:充分足りてるっちゃ足りてるとこはある。
千堂未亜:2点単位の余りが出れば技能に振れますしね
御門優一:10のために回数切るのもね
明道天理:そんな感じでこのままでも良いかなの気持ちです
任海悠生:了解です~ じゃあこれでフィニッシュ!
明道天理:明道天理の侵蝕値を7(→ 7)増加 (63 → 70)
GM:はーい。ではミドルの判定もみんなこなしたようね
任海悠生:成長報告です~ キャラシート
任海悠生:領域の盾1lv取得、射撃4→6、情報UGN1lv取得しています。
GM:カバー強いからねえ
千堂未亜:私はこうだ。 キャラシート
千堂未亜:デビルストリングLv2でぴったり消化だな。
GM:ストリングしてる!なるほどね
明道天理:こちらも成長しました キャラシート
明道天理:死点打ちを2、ダンシングライトを1上げて、射撃技能を2にしてます
GM:火力だいぶのびてる
GM:では成長データも出揃ったので……やっていきましょうか ロールを



GM:……結局の所、万道塾は火事で焼けたというカバーストーリーで処理される事となった。
GM:諸々の情報処理が完了すれば、家族にも連絡が向かい……恐らくは、君の身を案じて迎えに来ることだろう。
GM:明道くんは支部長の指導のもと、今後の段取りについて打ち合わせていた。
千堂未亜:「──というわけだから」
千堂未亜:「ひとまずはご家族と家に帰り、ゆっくりと休むことだ」
明道天理:「はい。お気遣いありがとうございます」
千堂未亜:「もっとも、大変なのはこれからなのだがな。刺激的・・・な体験を繰り返した後だ」
千堂未亜:「いろいろと思い返し、眠れぬこともあろう。眠剤を処方するように担当の者に言付けておくから、帰る前に受け取ってくれ」
千堂未亜:「他に何か聞いておきたいことはあるかね?」
明道天理:「……ええと」
明道天理:親が迎えに来ることのやや気まずさだとか、細かい気遣いへの感謝とか、諸々を感じつつ。
明道天理:「今回の事件には関係ないことでも良いですか?」
千堂未亜:「構わんよ」フ、と口角を上げ。
千堂未亜:「そんなに私のスリーサイズを所望かね?」
明道天理:「違いますよ!?」
千堂未亜:「フ。冗談のきかぬ子だな」結構あるのだぞ、と胸元に指を埋めて見せる。
千堂未亜:「……城戸のことか?」
明道天理:「……はい」
千堂未亜:「まあ、な。あれを預かった時、簡単に素行の追跡はしていてね」
千堂未亜:「当時の捜査・・・・・資料を当たれば、君の名前も載っていた、というわけだ」
千堂未亜:「やれやれ。城戸があまり強情な様子だったから確かめてみれば、そういうことだったか」
明道天理:「……」 す~……っと目を逸らす。
明道天理:一応知られないように気を使うべきかと思ったのに。調査となったらもう、隠しようがないと思うけども。
千堂未亜:「随分と目が泳ぐ。それほど手酷かったのか?」
明道天理:「いや……手酷いなんてことは……」
明道天理:「というかその、そういうってことは」
明道天理:「城戸が覚醒したのと、オレが……フラれた時期って」 一瞬言葉を濁そうと迷うが、まあもう濁す必要もないかと思い直して。
千堂未亜:「うむ。そうだね」
千堂未亜:「半年ほど前の、ある事件の時期と合致する」
明道天理:「……」 一瞬、口を開きかけて閉じる。
明道天理:その内容を支部長の口から聞くのは、違うと思ったから。
千堂未亜:「もういいのかね。城戸が口を割るとも限らんぞ?」
明道天理:「……はい」 迷うように目を伏せながら、それでも頷いて。
明道天理:「そのときは、オレが話せるくらい信用してもらえてないってことですから」
明道天理:「信用してもらえるまで頑張ります」
明道天理:「……いえまあ、頑張れたらというか、頑張らせてもらえるなら、ですけど」
明道天理:ちょっと眉を下げながら笑う。
千堂未亜:「ふーむ。もう少し強く押しても罰は当たらんと思うがね」微笑んで。
千堂未亜:「あれは君を事件に関わらせまいとしていたな。それらしく聞こえる理由も付けて」
明道天理:「それらしくっていうか、真っ当な理由に聞こえましたけど」
明道天理:『事情さえロクに分かってない新入りを現場に出したら足手まとい』。当の新入りにも納得できる理屈だ。
千堂未亜:「筋は通る。だが、それだけだ」
千堂未亜:「私はね。己の道を定めた者を阻む言葉を持っておらん」
千堂未亜:「城戸にもそうした。あ奴もこの半年で私がそうする所を幾度となく見ている。知っているのだ」
千堂未亜:「だのに、声を荒げて反対したのだよ。可愛げがあるではないか?」
明道天理:「えっと……つまり」
明道天理:「オレがオレの意思で決めた以上、支部長がそれを止めないことを城戸は分かっていた筈だ、と」
千堂未亜:頷く。「そうして決断した者を支えるのもまた、UGN我が城の役目だよ」
千堂未亜:「他ならぬ城戸自身がそうして戦いに立ち、今日まで戦い抜いてきたのだ」
千堂未亜:「はて、随分と気に掛けるのだな……と思ったがね」
明道天理:戦い抜いてきた。その言葉が心中に重たく響く。
明道天理:戦いそのものを経験したわけじゃない。でも、本当なら死んでいるだろう痛みは味わった。
明道天理:それを何度も味わって。あるいは味わわせてきた。戦い抜いてきたとは、そういうことの筈だ。
明道天理:「……さっき、オレ」
千堂未亜:「ん」
明道天理:「関わりたい理由を聞かれたとき。言えなかった理由があるんです」
千堂未亜:「……そうか」
千堂未亜:「今は……聞かせてもらえるのかな?」
明道天理:家族にちゃんと話すため。話せるだけの理解と実感を得るため。その理由だって嘘ではない。
明道天理:だけど、それだけでもない。
明道天理:「城戸が、心配だから」
明道天理:普通には死ねない、人外になって。でもその人外でさえ死んでしまったり、もっと恐ろしい怪物になってしまったり。
明道天理:そんな危険があるのだと。裏世界の事情について教えてくれた医療班の人が語っていた。
明道天理:じゃあ、城戸も。そうなるかもしれなくて。そうなるかもしれないのに戦っているということで。
千堂未亜:「……何とも直球だな」
明道天理:「城戸にとっては迷惑かなって思うんですけどね」 苦笑を零して。
明道天理:「でも、咄嗟に思っちゃったし、思っちゃった以上消えないし……」
千堂未亜:首を横に振る。「いいや。君はそれでいい」
千堂未亜:「城戸を突き動かすものは、重いぞ。向き合うには覚悟がいるだろう」
千堂未亜:「だが、君はもうそれを持っているようだ。まったく、眩くて目も開けられん」
千堂未亜:微笑んで、小さく溜息を零す。
明道天理:「……覚悟、を」 支部長の微笑みに、少し居心地悪いように身じろぎながら呟いて。
明道天理:「持ってるって自信はない、ですけど」
明道天理:「話してみます。城戸と、ちゃんと」
千堂未亜:「たわけ。こういう時は、一言『はい』と言えばそれでよいのだ」
千堂未亜:トン。訓練でそうしたように、現実の指が明道くんの胸板を突く。
明道天理:「うっ。……はい」
千堂未亜:「女をあまり不安にさせるものではないよ」上目遣いでニヤと笑う。
明道天理:「……精進します」 同じようなことを、それこそ城戸や、母などにも言われた覚えがある。
明道天理:『天理はちょっと言葉が柔らかすぎるのよね』だとかなんとか。
千堂未亜:「ならば、明道くん。城戸と君とのことだから、私のような者がこれ以上口を挟むべきではなかろうが」
千堂未亜:「さりとて、これだけは君に伝えておきたい」
明道天理:「は、はい」 慌てて居住まいを正す。
千堂未亜:「私は城戸の力を知り、戦う理由を知り、止める所かそれを後押ししてきた」
千堂未亜:「城戸が君に応えたならば、君は私を憎むことになるやも知れん。どうして止めなかったのだ、と」
千堂未亜:「その時は、遠慮は要らん。そうしてくれ」
明道天理:「……城戸とオレが話して、その答えがどうなったとしても」
明道天理:「オレが支部長を憎むことは無いと思います」
明道天理:「半年前、城戸の決断を認めてくれたのも、それからずっと見守ってくれていたのも支部長ですから」
明道天理:それは自分には出来なかったことで、城戸にとっては救いだったんじゃないかと思うから。
千堂未亜:「………」
千堂未亜:俯くように視線を外し、それからくるりと背を向ける。
千堂未亜:「……たわけが。眩さも考えものだな」
千堂未亜:でも、その口調は安堵の色に満ちていた。それは、明道くんが初めて見る、小さな女帝の姿だっただろう。



任海悠生:支部の休憩室。そこで何枚かの書類を読みながら、ソファに身を沈めている。
御門優一:机を挟んだ向かい合わせの位置で、同じくソファに座っている。
御門優一:「その書類も、なんか手続きしてんの?」
任海悠生:「…ん…、ああ、いや。ちょっと見返してたの。一応、明道くんの見たの、私だから」
御門優一:じ、と資料に目を落とす顔にぼんやり目を向けている。
御門優一:「あぁ。訓練の……」
任海悠生:”夢に形を与える”ちからは、本質として(勿論そこまで純度が高いものは珍しいが)願望を実現するように働くレネゲイドの能力発現形式と相性が良い。
任海悠生:「御門君にも、色々手伝って貰っちゃったけど…休んでる時まで見るものじゃないよね」少し苦笑して。
御門優一:「休憩と仕事はメリハリ付けないと倒れるぞ~」
城戸澄香:そのとき。ガチャ、と扉の開く音。
御門優一:「覚醒した直後……に関わるのも初めてだけど、俺の時もそんな感じだったわけ……?」
城戸澄香:「……あ」
御門優一:つい、と音に顔を向ける
御門優一:「お。」
任海悠生:「どうしても、最初が肝心なのは、なんでもおなじ……あ」
御門優一:軽く手を挙げる。
城戸澄香:一息つくために休憩室を訪れたらしい。二人の顔を交互に見やり、他に部屋に誰もいないことも確認し。
城戸澄香:「……邪魔したわね」
城戸澄香:すっと扉を締めて出ていこうとする。
任海悠生:「城戸さん、こんば……ああっ、ちょ、ちょっと待ってぇ!?」
御門優一:「ちょっ、」氷の楔が扉に挟まる。「っと待て待て!」
城戸澄香:「えっ、ええ?」いきなり能力を使ったので流石にびっくりする。
御門優一:ソファから立ち上がって呼びに行く。
城戸澄香:「何よ……?」ぶすっとしている。
任海悠生:資料を纏めて胸に抱え直していたので少し遅れた。
御門優一:「やべ。これ内緒で……」楔を回収。
御門優一:「いや、ゆっくり話したことなかったから……なんか飲む?」
御門優一:自販機を指差す。
任海悠生:「いや、そっちこそ急に避けるみたいにしてたから……、それと、御門君は後で注意されてきてね」
御門優一:「……………」諦め。
城戸澄香:「別に、告げ口を楽しむ趣味はないけど……」
城戸澄香:「馬に蹴られて死ぬ趣味もないわよ」
任海悠生:「馬………なんで……?」きょとんとした顔。
御門優一:「…………」片手で髪をかき混ぜる
城戸澄香:「……まあ、そっちがいいならいいけど」
御門優一:(いや……自覚ってほんとか……?)その場に居ない男子に何か思うところのある顔で視線を彷徨わせつつ。
城戸澄香:すたすたと自販機の前へ行き、紙パックの林檎ジュースを買う。
御門優一:「ん。どうぞどうぞ」
任海悠生:「よく分からないけど、仕事を一緒にするわけでしょ。仲良くする、とまでいかなくても、ある程度慣れておくのは必要だしね」
御門優一:青いパッケージのヨーグルト飲料を買う。
御門優一:「そういう交流も大事、ってのは習うからなぁ」
任海悠生:とん、と端を揃えた資料をソファの前のテーブルに置き、給湯器の御茶を取ってくる。
城戸澄香:「優等生の心がけね」
御門優一:先程座っていたソファの方に戻る。
任海悠生:「優等生というか、やらないと大変なんだよ。特に一緒に作業…ましてや、戦闘迄するなら」
御門優一:「咄嗟にギスギスしてる場合じゃねーからなぁ」
御門優一:「そっちも別に、喧嘩したいわけじゃあないだろ?」
任海悠生:「符丁が微妙に似てるけど違うのに気づかなくて、あと一歩で…みたいなヒヤリハットだってよくあるしね」
城戸澄香:「任務に必要な打ち合わせなら、ブリーフィングの時に完了してるはずでしょう」
城戸澄香:「別に……貴方達を避けたり喧嘩してるつもりは、ないけど」
御門優一:「ま、それならただの交流だよ。仕事とかは口実っつーかね……」
任海悠生:「まあ…それはそうなんだけど」少し苦笑気味。「城戸さん、結構前の張り詰めたときの私みたいな顔してたから…」
御門優一:「あー」とその時の任海さんを思い出そうとする。
任海悠生:「あ、あとそう。避けてないのにさっき急に帰ろうとしたし…」
城戸澄香:「……何?貴方と私が似てるって?」
城戸澄香:「それは単に貴方達が二人きりだったからだけど」
任海悠生:「覚醒した人を、戦力として数えるのにすっごい反対して、こう……してたから」
城戸澄香:「別に……常識的な対応でしょ」
任海悠生:「あ、その時の私だよ。……なんで私と御門君が二人だと…?」
御門優一:「そういう気遣いされると照れるんだけど……というか、そっちにもそういう扱いなんだ………」ストローを刺してぼやいてる。
城戸澄香:「仮に……彼の家族が事情を知ったとしても、反対すると思うし」
任海悠生:「うん。常識的で、ただしくて、優しい対応だって思う」
城戸澄香:「でも、物申したい事があるって?」
任海悠生:「違うよ!ただ、そう言う事を言ってる時、結構余裕がなかったんじゃないかな、って思ったんだ」
任海悠生:「私はそうだったから。…だから、余計なお世話かな、とも思うんだけどね」少し苦笑い。
城戸澄香:「お優しい心遣いね」ふっと笑う。
御門優一:「だよなぁ、普通のことなら普通に言やあ良いと俺も思ってっけど……」
任海悠生:「うーん、余計だったらごめん」ふにゃっとしたような表情で。
御門優一:「やっぱ、アレなん?」
城戸澄香:「アレって何よ」
御門優一:「いや……元々付き合ってた相手と会話するのって、気まずい感じ?」
御門優一:穏便な表現を心がける。
城戸澄香:「…………」睨むような視線を御門くんに向ける。
御門優一:「こわ……」
城戸澄香:「…………そう。あいつから聞いたの」
御門優一:「…………あー、うん。なんか様子おかしいから、どした?みたいな」
任海悠生:胸元の上にある紙コップを持つ手が一瞬止まる。
御門優一:詳しい経緯を省く。自爆になるからだ。
御門優一:「あ、根掘り葉掘り聞いたんは俺ね?ちょっとした勘違いつーか、うん」
城戸澄香:「気まずいも何も、別に……」
城戸澄香:「……まあ」
城戸澄香:「多少……感情的になっていた事は、認めるけど」
城戸澄香:「判断に私情を交えたつもりはないわ。あそこで言ったことが全て」
城戸澄香:「昔の関係がなかったとしても、私の意見は変わらないわよ」
御門優一:「まー、判断は分かるよ。悠生もさっき共感してたし」
任海悠生:「流石に全然だったりしたら普通に私だって駄目出しするよ……」苦笑。
御門優一:「ただまぁ、俺としちゃあ明道の立場に共感する側だから」
御門優一:そゆとこ真面目だもんな、と笑って頷く。
城戸澄香:「……それこそ、私情じゃないの」不平を口にするように。
御門優一:「そうだなー」ケラケラ。
御門優一:「だってそりゃ、挟まるだろ。私情は」
城戸澄香:「開き直ってるし……」
任海悠生:「…まあ、私情を全部抜き、なんて出来ないからね。人間は神様じゃないから」
御門優一:「おう。そもそも合理的に判断してたら、ある日いきなり訓練もしてない素人が、自分を殺しにくる相手に噛みつかねぇもん」
御門優一:「だからまぁー、判断は変えなくていいけど、明道と話すときぐらいは私情出してもいいんじゃね?」
御門優一:「みたいな。」
城戸澄香:「……話すときぐらいは、なんて言われても」
城戸澄香:「あいつと話したいことなんて、別に、何もないけど」
任海悠生:「……」微妙に色々複雑な淡いがある表情になってから。「……ほんとにそう?」
城戸澄香:「……」
御門優一:「あっちは、色々ありそうだったけどね」
任海悠生:「もし、本当に…全く、全然、話したくもないって言うなら。私はそれでもいいと思う」
任海悠生:そう言う相性が悪い相手、っているものだし、と零して。
城戸澄香:いちど何か言おうとして、口を閉じて、黙って二人の言葉を聞いている。
任海悠生:「ただ…少し、一言、ふたことでも言っておきたいことがあるなら、言っておいた方がいいよ。きっと、その方が楽になるから」
御門優一:零した言葉には聞こえないふりをする。
城戸澄香:「……それは、自分が楽になる事だけを考えれば、でしょ」
任海悠生:「どっちも、きっと楽になるよ」
城戸澄香:「口にするべきじゃない言葉とか、口にする資格のない言葉とかもある」
城戸澄香:「……一般論としてね」
御門優一:「あ、出た」
城戸澄香:「は?何が」
御門優一:「いや、さっき明道と話した時も思ったんだけど」
御門優一:「こう、言いたいことを飲み込んだ時に一回俯くやつ。似てるなって……」
城戸澄香:「……。もしかして、煽ってるの?それ」
御門優一:「煽ってるつもりはないんだが……」
城戸澄香:「昔の恋人に似てるって言われて好意的な反応をする女はいないわよ」
任海悠生:「そ、そうなんだ……」
御門優一:「それはそうか……いや……」
御門優一:「俺が気づいたのは、お互いに『自分には言う資格が……』って言われると……」チラ、と任海さんを一瞬見た後。
城戸澄香:「……」
任海悠生:はてな、と首をかしげる。
御門優一:「似たようなのが二人増えたな…ってだけです」
城戸澄香:「ああ……そう。見た目ほど上手く行ってないのね、あんたら」
御門優一:ある事件の後、そういう自己評価の低さを聞いた覚えが合ったなぁ。と思っていた。
御門優一:「なんでそういう事になった!?」
任海悠生:「私はもうやめたと思うんだけど……、」そこで城戸さんの言葉にはてなと。
任海悠生:「上手く…って。普通にしてると思うんだけど…」
御門優一:「ほら!……いや、ほらではなく」
城戸澄香:「なんでも何も……」二人を見比べ。
御門優一:「なんだよ……」
任海悠生:首をかしげて、頬に指を当てる仕草がどこか幼い。
城戸澄香:「……人の心配してる場合じゃないんじゃない?ってことだけど」
城戸澄香:「まあ、ご忠告はありがたく受け取っておくわよ」
城戸澄香:ちゅう、とジュースの残りを吸って紙パックを潰す。
御門優一:「………………、 ……」なんともいい難い顔。
任海悠生:「…じゃあ、ふたりもがんばるんだね」ふわっと笑って。
御門優一:「まぁ……つまらないものですが受け取ってもらってね……」
任海悠生:「ぎこちない感じだったけど、上手く行くといいな」
城戸澄香:「……そっちの話に付き合ったんだし、一個だけ聞いていい?」
御門優一:「頑固そうだしな、アイツ……」
御門優一:「ん、何?」
城戸澄香:出ていきかけて足を止め。
任海悠生:「?いいよ」
城戸澄香:「いや……」少し言いにくそうにして。
城戸澄香:「逆に、あんたらは平気なのかなって」
城戸澄香:「自分の大事にしたい相手が、こういう場所にいること」
任海悠生:「……まあ、あきらめました。私は」ふにゃりと困ったように笑って。「色々あったけど、それでもずっとこうなままだから」
御門優一:「……………」
城戸澄香:「ふ。頑固野郎だって言われてるじゃん」
城戸澄香:「そっちは?」御門くんの方を見る。
御門優一:「なんか………言いたいことは色々あるけど………あるけどな……」
御門優一:ふう、と息を吐いて。
御門優一:「コイツは元々この場所にいたから、ちょっと話は違うかもしれんが」
御門優一:「じゃあ、『こういう場所』じゃ無くする。そのためだよ」
御門優一:夢を語るように言って
御門優一:「………」顔を背ける。
城戸澄香:「…………」少し、驚いたように目を見開いて。
城戸澄香:「あんた。案外、大物なのかもしれないね」
御門優一:「……なんだよ」
任海悠生:くすくす笑って。「そうでしょ」
御門優一:「当たり前だろ……」無理矢理にでも表情を得意げに戻す。
御門優一:「俺は帝王を目指す男だからな」
城戸澄香:「は?」
御門優一:「素の反応やめろや」
御門優一:「……ともかく!」
御門優一:「周りも守って、危険も排除する!そのために戦ってんの!」
御門優一:「だからそっちも安心して、相手に言いたいこと言えば良いんじゃない!?」
城戸澄香:「……はあ、一瞬前言撤回しようかと思った」
城戸澄香:「そうやって言い換えられるなら最初からそう言いなよ」
城戸澄香:「で……別に、あんたらに言われたからどうするって訳でもないけど」
城戸澄香:「まあ参考程度にはしとく」
城戸澄香:後ろ手に手を振って。「じゃあね、皇帝サマ」
御門優一:「おう…………」ひらひらと手を振って見送る。
御門優一:その足音が遠ざかるのを聞きつつソファに背中を埋める。
任海悠生:「ふふ。……呼んでくれる人、増えたね?」
御門優一:「だいぶ煽り混じりだったけどな」
任海悠生:「それでも、いいじゃない」
御門優一:「そうか?………ま、そうだけどな。言わずにこじれるよりはマシってね」別の話に絡めつつ。
御門優一:チラ、と横目で見つつ。
御門優一:(そういえば)
御門優一:(最初は反対をしていた悠生が、こうやって寄り添ってくれるのはいつからだっけな……)
御門優一:とぼんやり考えた。



GM:UGNの系列医院の一つ、その屋上。
GM:息子が火事に巻き込まれたという話を聞いて、明道の家族がここへ迎えに来るという運びになったため、今は暫し待機している状況だが……
GM:それよりも前に、君には話をつけておきたい相手が居た。
城戸澄香:ぎぃ、と。金属扉がゆっくりと開かれる。
城戸澄香:以前見た通りの、不機嫌そうな色を浮かべた少女の姿。
城戸澄香:「……来たけど、何」
城戸澄香:「くだらない話だったらすぐ帰るから」
明道天理:「あ、えっと」 所在なさげに屋上に佇んでいたが、彼女の姿にパッと顔を上げて。
明道天理:「……城戸にとってくだらないかどうかは分からないけど」
明道天理:「半年前の事、城戸から、ちゃんと聞きたくて」
城戸澄香:10メートルほど離れた距離で足を止め、腕を組んでいる。
城戸澄香:「……まあ」
城戸澄香:「確かに、あの日の私の言い方は一方的だったし……納得できなかったって言うのも理解できるけど」
城戸澄香:「でも、今なら予想はついてるんでしょう?」
城戸澄香:「人じゃないものに覚醒した。不安定で、いつ理性を失うともわからない怪物に」
城戸澄香:「だから、貴方なんかを傍に置いておけなかった」
城戸澄香:「そういう理由を説明できなかったのは、話してはいけないことだから」
城戸澄香:自分の家族の事を避けるように、一般論らしい言葉を交えて説明する。
明道天理:「……なら、今は?」
明道天理:「城戸はこの半年間、戦い続けてきたんだって聞いた」
明道天理:「戦い続けて、それでも理性を失ってない。不安定な状態だとは思わない」
明道天理:「何より、オレも今は事情を知ってて……同じ怪物になってる」
城戸澄香:「……何。まさか、寄りを戻したいって?」
城戸澄香:「どんだけ未練あんのよ、あんた」
城戸澄香:どこか鼻で笑うように応じる。
明道天理:「……あるよ」
明道天理:笑われてなお、笑うことなく。真っ直ぐに返す。
城戸澄香:「……意味分かんないの。冷めるでしょ、普通」
明道天理:「そう、かな。冷める理由なんて思いつかないけど」
城戸澄香:「意味分かんないし、普通は時間だけでも理由になるし」
城戸澄香:「あー、しつっこいな……!」
明道天理:「しつっこくていい!」
城戸澄香:嫌悪感を隠さずに、髪をがりがりと掻いて。
明道天理:そう言い切って、距離を詰める。彼女の目の前に立って。
明道天理:「フラれた奴が何言ったって迷惑なだけだと思ってたし、実際迷惑なだけかもしれないけど」
明道天理:「それでもオレは、相変わらず城戸が好きだし、半年程度じゃ変わんないし、好きだから心配だし」
明道天理:「だから。……だから、傍に居たい」
城戸澄香:「……っ。だから、そういうのが……!」
城戸澄香:「……そういうのが迷惑だって、言ってんのに……」
明道天理:「……迷惑な、だけ?」
城戸澄香:「…………」
城戸澄香:「……あんたと別れる前。梅雨入りってニュースがあった日」
城戸澄香:「日曜だけど、部活があったから……普通に学校行って、練習して」
城戸澄香:「お母さんが作ってくれた弁当食べて。友達と遊びに誘われてたけど、課題が溜まってたからまっすぐ家に帰って」
城戸澄香:「これから帰るって親にラインしたら……既読つかなくて、ちょっと変だなって思って」
城戸澄香:「でも、忙しくて見てないだけだろうなって……それで、家に帰ったら」
城戸澄香:深く、熱っぽい息を吸い込んで。
城戸澄香:「……みんな、死んでた」
明道天理:「っ……」 息を飲んで、だけど城戸の話を遮らないよう声は漏らさなかった。
城戸澄香:「首からどろどろと血を流して。自分の手で、喉を掻き毟ったみたいに」
城戸澄香:「常識で考えて自殺だけど、絶対に自殺じゃないって分かった」
城戸澄香:「どこかの誰かの悪意が、こんな風にやったんだって分かった」
城戸澄香:「……オーヴァードが覚醒するきっかけは、いくつかあって」
城戸澄香:「私の場合は、その時に抱いた強い感情が、身体の中のスイッチを入れたんだって聞いた」
城戸澄香:「目を閉じてあの時の事を思い出すだけで、今でも鼓動が早くなる」
城戸澄香:「この世界のどこかに今も、私の大事な人をあんな風にしたやつが元気に生きてるって想像しただけで、食べ物が喉を通らなくなる」
城戸澄香:「そいつを引き摺り出して、同じ目に合わせて殺すために戦ってる」
城戸澄香:「それが、今の私」
城戸澄香:「"戦い続けて、それでも理性を失ってない。不安定な状態だとは思わない"だっけ?」
城戸澄香:「どこまで本当なのかな、それって」
城戸澄香:「正直、自分でも良くわかんない」
城戸澄香:「……だから、あんたまで私の道に巻き込みたくない」
城戸澄香:「私やみんながいる場所は、ある日いきなり崩れ落ちるようなものだって分かったのに」
城戸澄香:「もう大切な人なんて作りたくない。傍に置きたくない」
城戸澄香:「それが理由。だから、迷惑だって言ったのも」
城戸澄香:「全部、全部全部、本心なの」
明道天理:「……」 一度、目を閉じる。彼女の言葉の全てを自分の中に落とし込むように。
城戸澄香:頬に汗をかいて、どこか焦点の定まらない目でキミを見ている。
城戸澄香:「納得した?理解した?あんたが聞きたいって言ったんだよ」
城戸澄香:「別に納得しなくても、私には関係ないけど」
明道天理:「……理解は、したと思う。事情も知らないまま、不用意な事言ってゴメン」
明道天理:そう言ってから、彼女の瞳を覗き込むように目を開いて。
明道天理:「でも。納得はしない」
明道天理:「オレは、やっぱり傍に居たいと思う」
城戸澄香:「……。あんたの気持ちなんて、聞いてない」
明道天理:「聞きたくないなら、聞かなくてもいいよ」
明道天理:「それでもオレの気持ちは変わらないし、オレなりに城戸の傍に居る努力をする」
明道天理:「城戸が今してるの、イリーガルって言うんだよな?オレも支部長に頼んで登録させてもらう」
明道天理:「それで、任務もなるべく一緒にしてもらえるように頼む」
城戸澄香:「なんで……意味わかんないんだけど」
城戸澄香:「そっちこそ聞いてないじゃん、私の話!」
城戸澄香:「一緒にいられると邪魔だって言ってんの!」
明道天理:「それでも、オレは傍に居たいって言ってる」
明道天理:「城戸が何て言ったって、オレも譲れない」
城戸澄香:「……なんで、そこまでバカなの」
城戸澄香:「あんたは……」
GM:ふと、屋上の手すり越しに。君にとって見覚えのある車が、駐車場へと入ってくるのが見える。
GM:支部長の連絡を受けた両親が、君を迎えに来たのだろう。
城戸澄香:「……あんたには、家族がいる」
城戸澄香:「帰る場所が、あるんでしょう。私と違って」
城戸澄香:「だから……」
城戸澄香:「だから、帰りなよ」
城戸澄香:「私のことなんか忘れてさ、幸せになってよ」
城戸澄香:表情を隠すように、背を向けて。
城戸澄香:そのまま走るように扉を開けて、去っていく。


明道天理:「……だ、から!」
明道天理:咄嗟に駆けだす。屋上の扉を乱雑に開けて、階段を二段飛ばしで駆け下りて。
明道天理:そうして、踊り場でどうにか追いついた彼女の腕を、逃がすまいと掴む。
城戸澄香:「なっ……」
城戸澄香:咄嗟に、それを突き飛ばすように振りほどく。
明道天理:「忘れたくない、って!ずっと言ってる!」
城戸澄香:「なん、でっ……」
明道天理:「好きだから!」
明道天理:「好きな子に、巻き込みたくないから忘れてなんて言われて、忘れられる訳ないだろ!」
城戸澄香:「そん、なのっ……」
城戸澄香:「忘れずにいることが、どれだけ苦しいか! あんたは、知らないからそういう風に言えるんだ!」
明道天理:「……確かに、その苦しみは知らないけど」
城戸澄香:「私だって……私だって、あんたを遠ざけようとして……!」
明道天理:今度は、腕ではなく手を掴む。解けないよう指を絡めて。
明道天理:「関われないことの怖さは、今日知った」
城戸澄香:「それでも、どうやっても忘れられなくて……だから、来てほしくなかったのに!」
城戸澄香:「あんたにだけは、あっち側にいて欲しかったのに……!」
城戸澄香:「なんでよぉ……っ!なんでっ……」
明道天理:「城戸がそう思ってたとしても。オレは、こっち側に来たのを後悔してないよ」
明道天理:「だって、何も知らないまま城戸が戦って、怪我して、もしかしたら死んじゃって」
明道天理:「それがどうしてなのか知ることも出来ないなんて、それが一番怖いし、嫌だ」
城戸澄香:両の肩がゆっくりと上下する。息を荒げて、君の顔を見上げる。
城戸澄香:「……私は」
城戸澄香:「あんたが目の前で死ぬのが、一番嫌だ」
城戸澄香:「……ほら。どうやったって意見が合わない」
明道天理:「なら、死なないように努力する」
城戸澄香:「……もし、努力でどうにもならなかったら?」
城戸澄香:「ごめんって謝るの?」
明道天理:「助けてもらう。支部長とか、御門君とか、任海さんとか」
城戸澄香:「…………」
明道天理:「もしかしたら、城戸にも。もちろん、オレ自身も全力を尽くすけど」
明道天理:「城戸が傍に居てくれるなら、城戸に助けてもらうこともオレが助けることも出来ると思うから」
城戸澄香:「……めちゃくちゃ言ってる」
城戸澄香:「何もかもそんな風に、都合よく行くわけないのに……」
明道天理:「でも、傍に居なかったら出来ないだろ。助けるどころか、相手が今何してるかも分からない」
城戸澄香:「……っていうか」
明道天理:「そんな風になりたくないんだ」
城戸澄香:「あんた、それ」
城戸澄香:「私のこと、好きすぎでしょ」
城戸澄香:俄に頬を染めて言う。
城戸澄香:「大分、どうかしてるよ」
明道天理:「……ずっと、そういう話してるつもりだったんだけど」
明道天理:つられたようにこっちも頬が赤く染まる。
明道天理:「伝わってなかった?」
城戸澄香:「……いや。普通、そこまでとは思わないし」
城戸澄香:「なんか……こんなに」
城戸澄香:「根性あってしつこい奴だってのも、知らなかったし」
明道天理:「……そりゃ、だって」
明道天理:「フラれた男がしつこくしちゃ、ダメだろ。普通なら」
城戸澄香:「……はあ」諦めたように溜息をついて。
城戸澄香:「じゃあ……そうやって、あんたが普通じゃないくらいおかしくなったのが」
城戸澄香:「私のせいだって言うなら……まあ」
城戸澄香:「そこの責任くらいは、取ってあげなくもない」
明道天理:「……うん。責任取って、傍に居させて」
明道天理:らしくなく険しかった表情を崩し、安堵したように笑う。
城戸澄香:「……後悔しても知らないけどね」
城戸澄香:目線を逸しながら、すっと立ち上がり。
城戸澄香:「ほら、私を追いかけてばっかりいると」
城戸澄香:「また家族に心配かけるよ」
明道天理:「あっ」 必死になり過ぎてすっかり迎えが来たことを忘れていた。
城戸澄香:行ってやりな、と手で示して。
城戸澄香:「……あ、待って」
城戸澄香:そう言ってから、ふと手を掴んで呼び止めて。
明道天理:「え、うん」 慌てて階段を降りようとしていたところを振り返る。
城戸澄香:「忘れ物」
城戸澄香:そう言うと、いきなり顔を寄せて口づけする。
城戸澄香:「……いや。責任って、こういう事でしょ」
明道天理:「……ぇ」 完全にぽかんとした顔でそれを受け入れて。
城戸澄香:自分でやっておいて、勝手に照れたような言い訳をして。
明道天理:「……あ、いや。うん」
城戸澄香:「ほら。行ってきなってば、天理」
明道天理:正直に言えば、"傍に居て良いかどうか"を主題にし過ぎていた部分があって。
城戸澄香:とん、と背を押すようにして歩き出させる。
明道天理:後、なんだかんだ彼女からハッキリこの点について聞いてなかったのもあって。
明道天理:『ひとまず傍に居ることは許してもらえた』くらいのつもりで居た、というか。
明道天理:「……あの」
明道天理:「すみ、か」
明道天理:またこう呼んで良いという許可までもらった気ではいなかった。
城戸澄香:「何?」
明道天理:「……いや、その」
明道天理:「こう呼んでいいのかな、って。嬉しくて」
城戸澄香:「……はあ。分かりやすいの」
城戸澄香:「明日は絶対あいつらに冷やかされるわね、これ」
明道天理:「……」 容易に想像がついて今から気まずくなる。
城戸澄香:そう言って、しかし満更でもなさそうに笑う。



GM:シーンカット。ロイス、購入が可能です
明道天理:澄香へのロイスを○心配/未練から○恋慕/心配に変更し、Sロイスに指定します
御門優一:きゃあ
任海悠生:ワア…
千堂未亜:フ……
城戸澄香:ふーん……
御門優一:あらあら…
明道天理:まあ……そういうことで……
御門優一:イージャン。
御門優一:会話した相手には取ってるのでロイスは保留。
任海悠生:ロイスは保留。購入はどうしようかな 照準器か強化素材か、きぐるみとかの防具か 防具がいいかな
任海悠生:範囲攻撃狙いのフラグレ…もうーん
千堂未亜:ロイホ(ロイスは保留)。武器は行き渡ってましたね
御門優一:武器は行き渡ってるし、防具揃えるか薬品などを買うかかなー
御門優一:ブルーゲイルでも狙ってみよう
任海悠生:きぐるみがいいんだっけ
千堂未亜:私はマイきぐるみを素振りで狙ってみよう。
千堂未亜:3dx+3>=14
DoubleCross : (3DX10+3>=14) → 10[1,6,10]+1[1]+3 → 14 → 成功

御門優一:ぽい? 俺は持ってます
千堂未亜:買えたわ
任海悠生:買えとる。じゃあどうしようかな…
御門優一:3dx+4>=20 ブルーゲイル
DoubleCross : (3DX10+4>=20) → 9[1,7,9]+4 → 13 → 失敗

御門優一:惜しい
御門優一:以上です
千堂未亜:装備して行動値が6に。ミアァー(鳴き声)
明道天理:購入完全にすっぽ抜けてた シューターズジャケット狙ってみるか
任海悠生:ふむん まあここは普通にボディアーマー買ってみるか
明道天理:2dx>=13
DoubleCross : (2DX10>=13) → 9[5,9] → 9 → 失敗

明道天理:無理!以上
任海悠生:あ、しゅたじゃけあったね。買います。
任海悠生:5dx+2>=13
DoubleCross : (5DX10+2>=13) → 8[2,2,6,8,8]+2 → 10 → 失敗

任海悠生:どうせだ、財産使っちゃおう。5→2.明道くんどうぞ。
明道天理:あっありがとうございます~ 装備!
任海悠生:これで以上かな
GM:OK では次のシーン


◆Middle05◆

GM:イベントシーンです。明道くんは登場をお願いします。
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (70 → 79)



GM:激動の一日を終えた君は、家族の迎えを受けて帰宅することとなった。
GM:既に日は暮れている。職場からの足で君を迎えに来た君の母が運転する車に揺られながら、後部座席で姉妹に挟まれているところだ。
:「火事の原因、ケーブルの断線なんですって」
:「はあ、子供を預かるって言うのに、危機管理がなってない所だわ。後で詰めてやらないと」
GM:ぼやきながら、いつもより心なしか慎重な手付きでハンドルを切る。
:「で……お医者さんからの説明は聞いたけど」
:「本当に大丈夫なのよね。痛む所とかない?」
明道天理:「あ、うん。火事って言っても火元の近くに居た訳じゃないし」
明道天理:「救助もすぐに来てもらえたから。ちょっと煙を吸ったくらいで……」
明道天理:ということにしよう、と支部長との話し合いで決まった。
明道美月:「……そういうの、ちょっとでも吸ったら危ないって聞くけど」
明道美月:君のとなりに座る妹が、少し心配そうな顔をして。
明道美月:「ちゃんとハンカチで口元抑えてた?姿勢は低くしないとダメなんだよ」
明道天理:「え、っと……うん、してたしてた」
明道天理:「ちょうど、居合わせた講師の人に言ってもらって……」
明道星羅:「へぇ、今どき塾でもそういうのちゃんと言ってくれるんだ」
明道天理:「まあ……非常事態、だったし……」
明道天理:話を合わせる。嘘が上手くないせいもあって少しわたわたとしつつではあるが。
明道星羅:「ふーん……?まあ、何せ天理が無事でよかったけど」
明道星羅:「せっかく塾で成績上げるって言ってたのに、なくなっちゃったねえ」
明道天理:「あー……」 そういえば、元はそういう話なんだった。
明道天理:ちょっと今日一日が激動過ぎて忘れていたが。
明道星羅:「明日から私が勉強見てあげよっか?一時間500円でいいよ」
:「星羅?」
明道星羅:「じょ、冗談だって〜。大事な弟からお金取ったりするわけないじゃん?ねえ」
明道天理:「あはは……」 ノーコメントである。
明道星羅:これみよがしに頭をわしわしと撫でている。
明道星羅:「てか、ご飯ちゃんと食べたの?朝から火事あって、治療とか受けてたんでしょ」
明道天理:「あ、そこは大丈夫。病院で食べさせてもらったから」 大人しく撫でられるに任せつつ。
明道天理:実際には支部の食堂で食べたけど。
:「それは良かったけど、病院のご飯ってあんまり……あ、着いたわよ」
GM:母がそう告げて、車を車庫に入れていく。
明道天理:座席の真ん中なので、姉たちが降りた後にのそのそと降りる形になる。
明道美月:「あ……夕飯、お兄ちゃんの分も残ってるよ。コロッケだった」
明道美月:数歩先を進んでいたが、振り返ってそんなことを言いつつ。
明道天理:「あ、本当?なら貰おうかな」
明道天理:そう言いながら見慣れた我が家を見上げると、なんだか妙に気が抜けるような心地になって。
明道天理:「……やべ」
明道美月:「うん。お父さんの作ったやつ、美味しいしね」
明道天理:うっかり緩んだ涙腺がバレないよう。聞こえない程度に口の中だけで呟いて、強く瞑った目をぐいと指で擦る。
明道天理:「……ん。楽しみ」
GM:そんな話をしているうちに、聞き慣れたチャイムの音が鳴って。がちゃりと扉が開く。
:「……おう。帰ったか」
明道天理:「ただいま」
:普段は母に急かされでもしなければ玄関口に応対することもない家長が、珍しくそこにいて。君と目が合う。
:「……ああ。おかえり」
:「色々と……大変だったらしいな」
明道天理:「……うん、ちょっと。でも、怪我とかは無いから」
明道天理:「心配かけてゴメン」
:「……なら良いが」
:少し、言葉を選ぶような間があって。
:「…………我慢はしすぎるなよ。お前は少し、そういう所がある」
:それだけ言うと、居間へと戻っていった。
明道天理:「……うん」 珍しいほど分かりやすい父からの気遣いが暖かくて。頬を緩めながら家へと上がる。

GM:……そうして、君はひとまず日常に戻ることができた。
GM:いつも通りに食事をして、風呂に入り、夜の居間で家族との時間を過ごし。
GM:父と母の些細な口論を仲裁したり、姉と妹にちょっかいをかけられるような。
GM:ひとときだけを切り取れば、昨日と変わらない今日を。

GM:……そうして、人の気配も寝静まった深夜。疲労と共に微睡みの中にある君は、
GM:不意に……肌のひりつくような感覚を覚える。
GM:嫌な予感にかられて身を起こし、窓を覗き見れば
GM:君の部屋から見える何本か先の通り。路上で何かが燃え上がり、異様な気配を放っている。
GM:……《ワーディング》だ。
GM:君の中のごく新しい記憶が、そう告げている。
明道天理:「っ……」 その光景に息を飲んで。次の行動を決めるのはすぐだった。
明道天理:寝巻だけを軽く着替えて、部屋を出る。それぞれ両隣の部屋で寝ているだろう姉妹を起こさないよう、こっそりと。
明道天理:そのまま階段を下り、廊下の先の玄関まで抜けようとして――。
:「……お前」背後から呼び止める声。
:「どうしたんだ。こんな時間に」
:寝間着姿の君の父が、じっと見ている。……《ワーディング》の支配そのものは、ここまで届いてはいない。
明道天理:「あっ……」
:「……何か、用事でもあるのか」
明道天理:「……そ、の」 咄嗟に言葉が出てこない。ちょうど良い作り話を出来るほど機転が利くわけではない。
明道天理:だから。
明道天理:「……うん。大事な、用事があって」
明道天理:「それも、すごく急ぎの」 言える部分だけ、事実で答える。
:「…………」黙ったまま、君の目を見て。
:「それは……」
:「どうしても、お前が行かなければいけない事なのか」
:「他の人間に任せる訳には、いかないのか」
明道天理:「っ」 息を飲む。まだ話せていない事実まで、見透かされたようで。
明道天理:自分が、行かなければいけないのか。支部長や御門君や任海さんのような。……澄香のような。
明道天理:戦うと決めた人たちに。守ると決めている人たちに。任せる訳には、いかないのか。
明道天理:"ウルスラ"は言っていた。『別に君である必要はなかった』と。
明道天理:ただ運悪く、人としての道を外しただけ。昨日と同じ今日を迎えられなかっただけ。
明道天理:そんな、目覚めたての自分が。無知で、無力で、無自覚な自分が。
明道天理:そこに行く理由は。
明道天理:「……」 一つだけ息を大きく吐いて。
明道天理:「オレじゃなきゃ、いけない理由はないかもしれない。……でも」
明道天理:「オレは、行きたい。オレ自身が、そうしたい」
:「……そうか」こちらも一つ、息を吐いて。
:「やはり……変わったな。眼が」
:「自分の責任を知った男の眼だ」
明道天理:「……そう、かな」
明道天理:そんなに、変わって見えただろうか。今日一日で。
明道天理:塾で起きた本当のことも、能力のことも、何も話していないのに。
:「お前自身が思っているほど、お前は隠し事が上手くない」
:「親に対しては尚更だ」
:そう言うと、話は終わったとでも言うように背を向ける。
:「何かあれば、母さんには俺が言っておく」
:「……気をつけろよ」
明道天理:「……うん。ありがとう」
明道天理:敵わないな、と思いながら笑って。
明道天理:「行ってきます」
明道天理:突っかけただけだった靴を履き直し、家を飛び出した。



GM:シーンカット。ロイスのみ可能です
明道天理:家族へのロイスを○親愛/嫌気から○親愛/罪悪感に変えて、以上です
GM:OK!


◆Middle06◆

GM:ひとまず全員登場をお願いします。
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 9)増加 (86 → 95)
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 3)増加 (76 → 79)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 1)増加 (84 → 85)
任海悠生:100超えちゃうよ~~
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 5)増加 (79 → 84)



GM:……その日の深夜の事。N市の複数地点において、突如としてオーヴァードが暴走・ワーディングを発生させたとの報が入った。
GM:先んじて現場に向かった明道のみならず、支部長である千堂や対象地域内に属するイリーガルである御門・任海へも連絡が行き渡る。
GM:という所で、支部長から対応指示が飛んだりしていく状況かなと思いますが
GM:先に判定を一つやってもらいます。
千堂未亜:ほほう。
GM:・戦局の把握:<情報:UGN>
GM:難易度は秘匿です。
御門優一:なんてこったい
任海悠生:なんだって
GM:結果に応じて正しい情報が出たり出なかったりします。挑戦する方は判定をどうぞ。
御門優一:じゃあ振っていこう。UGN素振りです
任海悠生:じゃあやってみます。コネUGN幹部を使用しよう。
御門優一:3dx 情報UGN
DoubleCross : (3DX10) → 8[3,8,8] → 8

任海悠生:7dx+2
DoubleCross : (7DX10+2) → 10[6,6,7,7,7,7,10]+7[7]+2 → 19

GM:つよい
千堂未亜:コネを入れて挑戦だ。
御門優一:すごい
千堂未亜:(3+2)dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 8[2,3,4,7,8]+1 → 9

任海悠生:財産1残ってるし1淹れて20に載せます。1→0.
明道天理:素振りだけど振っておくか
明道天理:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[1,3,10]+7[7] → 17

明道天理:めっちゃ分かったかもしれない
千堂未亜:やはり君はN市UGNの柱となれ
任海悠生:つよ…
GM:でが明道くんと任海さんは以下の事が分かります。

・戦局把握:<情報:UGN>11
T.C.オーガネルの戦力でUGN支部と正面から敵対することは基本的に避けるべき行為である。
彼らの目標が「"オラクル"からの離脱」にある以上……正体と活動内容を露見させた今、拠点を発見される前に遠くへ移転させたいと考えている事だろう。
現在七つの地点で発生しているオーヴァードの暴走騒動は、塾での事件が露見しないために仕込んでいた従者を暴走させた結果であり、”エウフェミア”の仕業である。つまり、陽動だ。
……であれば、各地点を巡って状況に対処するよりも、
現在市内のどこかでこの状況を陽動として逃走を企図しているT.C.を捜索・制圧した方が、
状況の解決という意味でも効率的であるはずだ。

GM:他の人は、色んな所でオーヴァードが暴れてるから急いで対処して回らなきゃな〜と思ったりします。
任海悠生:成程な~……
御門優一:大変だっちゃ



城戸澄香:「……こちら、"サクリファイヤ"! 状況はどうなってます!?」
城戸澄香:情報を受けた現場メンバーの中で、支部の緊急通話ラインが開かれる。
城戸澄香:「とりあえず今、最寄りのC地点に向かってる所ですが!」
千堂未亜:「私だ。Aポイントに向かっている、が……」
千堂未亜:「待て。キャッチだ」数秒の間が空き、
御門優一:「こちらE担当の"ジャイアント・キリング"。こっちもめちゃ暴れてんね。何処に潜んでたんだか」
千堂未亜:「ええい、ポイントが一つ増えた。同時多発的、それも時間差での大規模テロに発展する恐れもあろう」
明道天理:「あっ、オレも今……何地点かは分からないけど、家から一番近いやつに向かってます!」
千堂未亜:「各自、現ポイントの対処後、一度支部に集結せよ。戦力の再編を行う」
任海悠生:「…んん。追加のポイントの位置情報貰えます?」
千堂未亜:「少し待て。……そうだ、ルートの策定は後でよい。各ポイントの位置と正確な発生時刻を共有してくれ」
城戸澄香:「さっき共有されたマップ情報にアルファベット振ってあるから、それを見るの!」明道くんに。
任海悠生:「ありがとうございます。更新来ました。……やっぱり、これは…」
御門優一:「なんか気づいたのか?」
明道天理:「ご、ゴメン。多分……D地点のとこ」
任海悠生:「偶発的じゃないですね、これ。位置が綺麗にばらけすぎてます。単純な暴走事故やテロ狙いなら、大通りとか住宅街、人がいる所に集中するはずなのに」
任海悠生:「それにさっきの追加も…タイミングが初動を受けて、丁度ある程度考え直すのにタイミングが良過ぎる」
城戸澄香:「は? 何……どういうこと?」
御門優一:「んー、そうだな。こっちも建物とか適当に壊してる感じっぽい」無線機越しに氷の凍結する音。
千堂未亜:「戦力の分散……陽動か? まったく、『オラクル』の連中の件もあると言うに……!」
明道天理:「……あ」 今日の昼間、塾でのことを思い返し。
明道天理:「その、今日の昼間にオレが捕まってた時、オレの偽物みたいなのを作ってた人が居たんですけど」
御門優一:「つっても、分散しても捕まるメンツが多いんじゃ割に合わない気もするけど……」
御門優一:「……偽物?」
任海悠生:「…UGNがあの塾に行ったの、生徒が従者に入れ替えられてたからでしたね?」
明道天理:「はい。多分、オーヴァードの能力だと思うんですけど……見た目がオレそっくりの人間みたいな」
明道天理:「アレをたくさん作ったり、暴れさせたりとかも出来たら……」
千堂未亜:「頭数とするには充分であろう。人目を引くだけなら命令も単純でよい」
千堂未亜:御門が目撃したように。
城戸澄香:「……なるほど」
御門優一:「…………そもそも水増しされてんなら、惜しくはないっつーこと?」
城戸澄香:「推定じゃあんた以外にも、あいつらに覚醒させられた犠牲者はいたはずよね。まだ、あの塾に関わりのあった全員の素性を洗いきれた訳でもない」
城戸澄香:「つまり、社会に溶け込ませておいて好きに操れる戦力ってこと。厄介な話ね……」
任海悠生:「”オラクル”の離脱条件、彼女たちはその内”時間”をあと少しで満たす…はず。となると、コレは。撤退、離脱の為の時間稼ぎ…じゃないかな」
御門優一:「やべーじゃん」
御門優一:「逃したらまた同じこと出来るってことだろ、どうする?……ってのは、さっき支部長が言ってたか」
御門優一:推察の前に出た集結の指示を思い出す。
任海悠生:「…”従者”に限らないけど、エフェクトは大体術者が維持してる。つまり、維持する術者が倒れたら、もう持続させられないはずだよ」
千堂未亜:「うむ、“偽物を作っていた”者がこの騒動の中心であろうな。であれば、その者を見つけ出すのが先決だ」
千堂未亜:「容姿の情報があったな? 再度、出ている全員に共有をしておこう」
城戸澄香:「でも、向こうには迷彩の使い手がいるんでしょう」
城戸澄香:「容姿どころか形そのものを隠してる可能性を考えないと、見落とすかも」
千堂未亜:「むう……。ならば、ポイントだ」
千堂未亜:「先程増えた最後の一箇所。あの瞬間、術者は近くにいたはずだ」
千堂未亜:「今後もポイントが増えるかは分からんが、捜索の範囲を絞るヒントにはなろう」
城戸澄香:「その範囲内から……人力で気配を探る、かしら。骨の折れそうな仕事ね」
御門優一:「じゃあ、その周辺を虱潰しってことっすね」
御門優一:「場所さえ見つけりゃ、発信元に向かえば良いのは実証済みだからな」塾の時みたいに。
明道天理:「でも、丁度今バラけてるってことは上手くやれば包囲というか……擦り抜けで逃げられる可能性も潰せそうですね」
任海悠生:「後は、”従者”を破壊したら、その痕跡を分析して…かなあ。チェッカー片手になるけど…そこら辺は、支部の技術班の人にやって貰って…」
明道天理:「とりあえず、オレそっち向かいます!」
御門優一:「その意気だ!無理すんなよ!」



GM:というところで、次の判定に移行します。
GM:・敵逃走部隊の捜索:<情報:UGN>または<知覚>で難易度12
GM:これは全員が失敗すると時間経過ペナルティの1D10侵蝕で再挑戦できます
明道天理:知覚なら得意分野!
任海悠生:なるほどな~ 財産残しておけばよかったかもしれねえ…… 情報UGNで判定、コネUGN幹部使用。
任海悠生:7dx+2>=12
DoubleCross : (7DX10+2>=12) → 9[1,1,2,6,7,9,9]+2 → 11 → 失敗

明道天理:8dx+1>=12
DoubleCross : (8DX10+1>=12) → 10[3,4,5,5,7,8,10,10]+5[4,5]+1 → 16 → 成功

任海悠生:一足りねえ
御門優一:情報UGNで素振り
GM:つよい
御門優一:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 9[2,4,9] → 9 → 失敗

御門優一:ぴえん
千堂未亜:既に柱だった……?
千堂未亜:(3+2)dx+1>=12
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 10[5,6,6,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

御門優一:さすが明道
明道天理:流石支部長
御門優一:支部長もすごい
任海悠生:さすが
千堂未亜:面目躍如である
GM:では進行〜



GM:……高度な光学と音波の迷彩を備えたとしても、移動の痕跡そのものを消し切ることはできない。
GM:街から少し外れた山道に、真新しく不自然なタイヤの痕跡を発見した。
GM:監視カメラの過去時間を遡った所、痕跡が発生した瞬間にそこを通過した車両は"映っていなかった"。
GM:君達は集合の後、山道に入り込み不可視車両の追跡を開始する。
千堂未亜:「ええい。どんどん郊外に出て行くではないか」
城戸澄香:「まあ、私達から逃げるならそうなるでしょうね」
任海悠生:「そりゃ、市外に出ようって言うんですからそう言うルートになりますって」助手席で地図帳やスマホの地図アプリなどを開き、追跡の為のルート指示などをしている。
城戸澄香:後部座席の窓から外に視線を配り、周辺警戒をしている。
御門優一:「町の方を警戒させて…ってわけね」後部座席、城戸さんと反対の窓側に座っている。
任海悠生:「次の別れ道は左に。これが一番早いですし、最悪外に出る前に回り込めます」
千堂未亜:「よかろう。……ここからは不整地だ。舌を噛まぬようにな!」
千堂未亜:言うや否やハンドルを切り、アクセルを踏む。走行音はタイヤが土を噛む音に変わり、車体がガタガタと揺れ始める。
御門優一:「そういう地図読み得意だよな悠生……」自分で歩いて感覚で覚える派
御門優一:「っと」ガチ、と歯が合わさる音。
明道天理:「えっ、ちょ!」
城戸澄香:「っ、あぶな……!」
明道天理:一番不安定な後部座席の真ん中で、しかも急いでいたせいでベルトを締めていない。
任海悠生:「地図読みは基本技能だよ。……皆、大丈夫?ちゃんとシートベルトしておいてね」
城戸澄香:崩れそうになった姿勢を踏ん張って押し留めつつ、寄りかかってきた明道くんの身体を肩で支える。
城戸澄香:「しなくていい。してたら出だしで遅れるでしょ」
明道天理:「あっ、ごめ」 天井に手をやって体を支えることで慌てて飛びのこうとする。
明道天理:が、その過程で後ろの御門君に思い切り肘が当たる。
城戸澄香:「キツいなら肩にでも捕まってていいから」
御門優一:「おう。……っ痛ぇ!」カーブ。明道くんの体を押すように後ろからぶつかる。
城戸澄香:それだけ言って、また外に視線をやる。
明道天理:「や、それは悪い……った!」
城戸澄香:「うるさい。そうやってぶつかられる方が悪いから」
御門優一:「明道、もうちょっと手折り畳め」ぐい、と頬に食らった肘をガードする。
明道天理:「いやうん、本当ゴメン!」 御門君と澄香どちらに言っているのか自分でも分からなくなってきた。
千堂未亜:「ははは。後ろがくんずほぐれつしておるぞ」容赦なきハンドル捌き。
GM:──ビィ、ン
御門優一:(現場に着くのが先か、車内で負傷するかのどっちかだな……)
GM:不意に、何もない空間から放たれたナイフが車体に突き刺さる。
GM:前輪の一方に切っ先が突き立てられたらしい。空気が抜けて、バランスを崩す。
任海悠生:「だからシートベルトしてって言ったのに…っ、攻撃来ました!」
御門優一:ロックしないまま、片手でシートベルトを保持しようとする。
御門優一:「お、お、おおおおお!?」ガタタタタ!と揺れが悪化。
千堂未亜:「ち……! 後ろ! しっかり掴まっておれ!」
GM:二射目。今度はフロントガラスを砕いて、運転手である千堂を狙う射線。
明道天理:「だ、あ、掴まれって言っても!」
任海悠生:「扉のロック解いて!いつでも出れるように!」ひどい揺れの中でも手慣れた様子でスマホやバッグを持ち、いつでも出れる体勢。
千堂未亜:頭を傾け、間一髪で躱す。ナイフがヘッドレストに突き立つ。
千堂未亜:「このまま追うぞ! 降車用意して待機!」
千堂未亜:「任海! 攻撃の方向、逃すなよ!」
千堂未亜:刺さったナイフをぞんざいに引き抜いて足元に放り、いよいよ力強くアクセルを踏み込む。
”アポロニア":「うえっ、躱された……!」前方から悲鳴めいた声。
任海悠生:「…、はい!現在方向から二時方向に転舵してください!そっちから来ました!」
御門優一:「何もないとこから飛んできたって事は、塾の奴らだな!」
”アポロニア":光学迷彩が霞む。小型のトラックの荷台に、少女が膝をついて構えていたのが見えた。
任海悠生:「タイヤは…応急処置だけしておきます…!」《万能器具》。微かな笛の異音と共に、ガタツく揺れがある程度減る。
千堂未亜:「フ、いいぞ。ますます欲しくなるではないか」指示通りにハンドルを切る。
明道天理:「今、一瞬小型トラックが見えました!例の子が荷台に居るのも!」
千堂未亜:「よし、ギリギリまでこのまま詰める。御門、可能なら前面の防御!」
"ウルスラ":「泣き言は不要だ、迎撃を続けろ。妨害としては機能している」その隣に陽炎めいて現れる。銃撃を繰り返す。
御門優一:「んじゃ、多少手荒でも大丈夫そうだな!」車体の前面に氷の鎧を纏い、仰々しいスパイクがつららとして形作られる。
御門優一:弾痕が穿たれる度、銃弾を巻き込んで氷で塞いでいく。
”アポロニア":「は、はい……!」その言葉に、頷いて次の得物を構える。
千堂未亜:「……明道くん!」
千堂未亜:「当てなくていい。相手の方向に撃ち込んで・・・・・気を逸らしてくれ!」
明道天理:「……了解、です!」
GM:では次の判定です。

・追跡判定
主判定:<運転:四輪>で目標値21
支援判定:任意の命中判定で判定可能。成功すると主判定の目標値-5(重複可能)
主判定の失敗ペナルティ:全員にHPダメージ4D10。更に、次の主判定の難易度が+3

GM:先に支援判定をやる人がやってもらってから、主判定に挑戦する感じですね
千堂未亜:なるほどなぁ
明道天理:では支援行きます
千堂未亜:助けて!
GM:別に千堂さん以外の人に交代して運転をやってもOKです
明道天理:光の指先LV2+死点打ちLV7+コンセントレイトLV3
明道天理:これとショットガンで射撃判定!
GM:どうぞ〜
明道天理:12dx7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[1,5,5,7,7,7,8,9,9,9,10,10]+10[3,3,4,5,5,5,9,9,9]+6[1,3,6]+3 → 29

GM:あっ!すみません出してなかった 支援判定の目標値は18です
GM:ので成功!
明道天理:あっ 18なのか……
GM:ごめんね!エフェクト変えて振り直してもいいよ
明道天理:しかも成長で生やした技能+2も忘れてたな……
明道天理:でも光の指先使うには死点打ち入れないとだし…… コンセだけ抜こうかな
明道天理:コンセだけ抜いて振り直しで!
GM:OK、どうぞ〜
明道天理:12dx+5
DoubleCross : (12DX10+5) → 10[1,3,5,5,7,7,7,8,8,9,9,10]+10[10]+7[7]+5 → 32

明道天理:なんか上がった
御門優一:増えてるが
GM:なんでふえるねん
任海悠生:上がっとる
御門優一:日常で車運転してる人?
GM:では運転の目標が16になります
明道天理:明道天理の侵蝕値を5(→ 5)増加 (84 → 89)
御門優一:じゃあ支援判定行きましょう
御門優一:【凍帝《クリスタル・カイザー》】《C:サラマンダー》《炎神の怒り》
御門優一:命中なので素手で
御門優一:12dx7+2>=18
DoubleCross : (12DX7+2>=18) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,4,7,10,10]+4[1,2,4]+2 → 16 → 失敗

御門優一:カス!
GM:かなしい
御門優一:御門優一の侵蝕値を5(→ 5)増加 (79 → 84)
御門優一:御門優一のHPを3(→ 3)減少 (29 → 26)
任海悠生:バディムーブが欲しくなるなマジで。じゃあこっちも射撃で支援判定行きましょう。
任海悠生:”オオス=ナルガイの谷”《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。ウェポンケースよりフォールンピストル装備。
任海悠生:9dx7+6>=18
DoubleCross : (9DX7+6>=18) → 10[1,3,6,6,7,8,8,9,10]+10[4,4,6,8,8]+10[4,8]+10[10]+10[10]+4[4]+6 → 60 → 成功

御門優一:すっご
任海悠生:??????
GM:すごい
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (95 → 99)
明道天理:任海さん?
御門優一:これがプロなんですねぇ
GM:御門くんの達成値吸った?
任海悠生:いや……今出られても…困るが…?
千堂未亜:任海、ウチに来ないか?
御門優一:そうなのか…?
明道天理:ダイス数は御門君の方が多いのに……
任海悠生:分からん……
GM:じゃあ主判定の目標値は11になりました
任海悠生:マジでコイツ回らない女なのに なぜ…
御門優一:回らないところがないよ任海さん
千堂未亜:では、私の判定だな。ふむ……
千堂未亜:このまま行こう。肉体4、侵蝕ボーナス+2、〈運転:四輪〉は2だ。
千堂未亜:6dx+2 パワー!
DoubleCross : (6DX10+2) → 9[4,5,6,7,7,9]+2 → 11

御門優一:ぴったり
千堂未亜:ジャックポットだ。
GM:あっちょうど行けてる!
GM:すごいぜ
明道天理:流石!
任海悠生:おおー
千堂未亜:これがゴールド免許の力である



明道天理:夜闇を貫くように幾条もの光弾が駆けていく。
明道天理:明道の使う光は物質によって干渉されない。故に、車内からであっても躊躇なく射撃可能だ。
明道天理:『当てなくていい』と、支部長はそう言ってくれたけれど。例え今当てなかったとして、この後は?
明道天理:今街を襲う混乱を治めるためにも、街の人々への被害を抑えるためにも、調査の結果判明した施術を彼女達に施すためにも。
明道天理:戦うことは避けられない。最後まで『当てなくていい』ではきっと、済ますことは出来ない。
明道天理:なら、今は。目を逸らしていい時じゃない。
明道天理:だから、『当てるつもりで』弾を撃った。
GM:何発かが車体に命中し、走行を鈍らせる。ガタン!と荷台に揺れが伝導する。
"シンフォローサ":「うっ、わ……!」最も戦闘に向かないため、運転席でハンドルをに握っている。揺れに悲鳴を上げながら、"ウルスラ"の指示があるまでブレーキを踏むことはない。
"ウルスラ":「この能力は……昨日の男か」
"ウルスラ":一見し、分析する。通常の盾では防ぐことのできないそれを、氷のプリズムを生成することで屈折させ続く弾群を逸らす。
"ウルスラ":だが、そこに意識が向いた事で車体への放火が鈍る。
御門優一:「……器用な使い方してんなぁ」闇夜の中で光の軌道が曲がるのが見える。
御門優一:「でも、反撃は緩んだ。チャンスだな!」
御門優一:こちらは物質的な弾丸を氷で防ぎ続ける。前輪は既に氷のスパイクタイヤと言った有様だ。
御門優一:「よっしゃ、悠生もやっちまえ!」
任海悠生:「うん…っ、此処なら…!」
任海悠生:「”光よ。火よ。熱よ。我が声に応えたまえ”--」飛び舞い、付けられた火に呼び掛ける。
任海悠生:「”神なるものの手の中で、太陽は剣であり、月はその貫く火である”!」声に答え、その散って消えてゆくそれらが、相手の車体へ突き刺さらんと幾重にも降り注ぐ。
”アポロニア":「わあっ、こんなの……!」
"ウルスラ":「……! ハンドル左だ!」叫びながら、氷の防壁を形成する。だが、その全てを防ぐ展開をするには一手遅い。
御門優一:(万が一、こっちの車が止まれば追いつけねぇからな……!)
御門優一:氷の操作に集中しつつ、前を行く車を睨んで『適任』の成果を見やる。
"エウフェミア":「っ、私も……!」助手席から手をのばす。四足の獣めいた従者を生成し、地を走らせる。
"エウフェミア":しかし、その操作精度には疲労が見える。遠隔七地点での従者操作をしていた、その負荷によるものか。
"エウフェミア":炎弾と相殺させるように飛びかからせる──が、僅かに勢いを鈍らせたに過ぎない。
GM:熱と衝撃が車体を大きく揺らし、速度が鈍る。
千堂未亜:「これ以上は向こうにも負担をかけられんな……」
千堂未亜:「ここはもう、こちらの距離だ。次のアタックで足を止めるぞ」
千堂未亜:「接触と同時に制圧行動に移る! 城戸、私と共に先陣を切れ!」
城戸澄香:「ええ──起きて、"フリアエ"」
御門優一:「了解!アタックってことは…………明道!舌噛むなよ!」両腕と片足で姿勢を固定する
城戸澄香:右腕を窓の外へと伸ばす。何もない影から黒い巨躯の蛇が出現し、その腕を喰らう。
明道天理:「っはい!」 最終的に落ち着いた前の座席の肩を掴んだ体勢で答え、口を閉じる。
城戸澄香:千切られた肩口の痛みに表情を歪めながら、叫ぶ。「──食らいつけ!」
"フリアエ":どろり、と漆黒色の澱を垂らしながら夜闇を飛ぶように体を伸ばす。車体に牙を突き立てる。
千堂未亜:同時にハンドルを戻し、最後の加速をかける。
千堂未亜:片手は腰に吊った剣の柄に添えて、「さあ、行くぞAttaccati a meっ!!」
”アポロニア":「ひいっ……!」悲鳴とは裏腹に慣れた手付きで、手にしたナイフをその眉間へと突き立てる。が、どろりと黒い泡が膨れるばかりでダメージを受けている様子がない。
”アポロニア":「何、この……気持ち悪い……!」
"ウルスラ":「っ……!」
"ウルスラ":一瞬の逡巡。そして、車体から飛び降りると同時
"ウルスラ":巨大な氷壁のドームを、自身と君達を覆うように展開する。
"ウルスラ":接近する君達の車体を前に、盾を構えて。
"ウルスラ":「"アポロニア"、"エウフェミア"、"シンフォローサ"」
"ウルスラ":「私はここから別行動を取る。足を止めず、計画通りに行動しろ」
"ウルスラ":──そのまま、衝突音。全身の骨が拉げたような音が響いて、吹き飛ばされ。
"ウルスラ":だが、意識は失っていない。欠損仕掛けた氷のドームを再展開し、君達の前にもう一度立つ。
任海悠生:「…又無茶をしますね」炎の制御はもう手放している。何時までも続けられる類のものではない。
"ウルスラ":「……”オラクル”エージェント。T.C.オーガネルが指揮官、”ウルスラ”」
"ウルスラ":割れた眼鏡を放り捨てながら、静かに名乗る。
"ウルスラ":「お前達の探す元凶だ。彼らを支配していたのは、私だ」
"ウルスラ":「私が彼らに指示した。これまでの活動の全てを」
千堂未亜:ガン、と歪んだドアを蹴飛ばして地に降り立つ。
千堂未亜:「──そうか。貴様が“ウルスラ”か」
"ウルスラ":「……市内で起きていたオーヴァードの暴走事件なら、あれは既に停止した」
"ウルスラ":「お前達がここまで来た時点で意味がない。だから、そうするように指示を出した」
千堂未亜:「そうか。アフターケアも抜かりないわけか」
千堂未亜:どうあれ、収拾や隠蔽のためにエージェントは総出であろうが。
御門優一:「……能力といい、いちいち親近感の湧くやつだな」
御門優一:車から降りて氷のドームを見上げる。中からの脱出を防ぐものだと当たりをつける。
御門優一:「それで、こうして俺達を足止め……つか、アンタが本命だから、他の奴らを逃がすってわけか」
御門優一:「良いのか?一人で勝てるほど甘くねぇぜ、俺達」
城戸澄香:「……要は時間稼ぎでしょう。どうあれ、こいつの目論見通りにさせるつもりはない」
千堂未亜:「そうだな……。城戸、逃げた連中の後を追え。行方が掴めれば充分だ」
城戸澄香:車の外へ飛び出し、どぷん、と影の中に沈み込む。銃撃がその動きを阻もうとするが、一歩速い。
任海悠生:「…城戸さんも3人相手は結構大変でしょうし、急がないといけませんね」
城戸澄香:「どのみち"フリアエ"はまだ、あれに噛み付いたままです」
城戸澄香:「ここに残っても大した戦力にはなれません」
城戸澄香:影の沼の向こうから声がして、それきり気配が遠のく。
明道天理:「……すぐ追いつく!」
御門優一:「…………」危険だと思いつつ、合理的な判断とやらを止める根拠もない。
明道天理:気配が遠のききる前に、とそれだけ叫んで、"ウルスラ"へと向き直る。
御門優一:「………なぁ、明道」相手を警戒しながら小声。
明道天理:「うん」 こちらも相手から視線を返さないまま頷く。
御門優一:「………」言葉を選びつつ。
御門優一:「……こっちのことを心配する割に、自分の無茶は勘定しない奴。困らないか?」
明道天理:「……」 急にどうしたのだろうと少しだけきょとんとした後。
御門優一:言いながら、具体的な相手───と言うより、臨戦態勢の少女を気にする気配。
明道天理:「……ああ、うん」 何かに納得したような頷きを挟み。
明道天理:「困るかも。少し」
御門優一:「だよな」共感を込めた溜息。
御門優一:「んじゃ……やるしかないか。気合い入れるぞ」
御門優一:ぽん、と肩……を叩こうとして、背中を軽く叩く。
千堂未亜:「たわけが……」嘆息し。
千堂未亜:「“ウルスラ”よ、探したぞ。私は“コルンバ”からお前たちのことを託された者だ」
千堂未亜:「こう言えば伝わるか?」
"ウルスラ":「……」俄に動揺が見えて。
"ウルスラ":「……馬鹿な真似を」
"ウルスラ":ここにはいないものに語りかけるような呟き。
千堂未亜:「……そうだな。私が寛大でなければ、あれの献身も無駄になる所であったよ」
千堂未亜:「お前たちを、そうまでして救おうとしたのだ。私はその献身に報いるためにここにいる」
千堂未亜:「そして、お前たちを縛る鎖を断ち切る算段もつけてきた。此方もケアに抜かりはないぞ」
千堂未亜:「さて。お前たちはあれに、どう報いる?」
"ウルスラ":「……。そうか」
"ウルスラ":「身内が面倒をかけたな。だが、受け入れることはできない話だ」
"ウルスラ":「第一に、お前の言葉を信じる理由がない」
"ウルスラ":「第二に、お前達に従う事を許す戒律がない」
"ウルスラ":冷ややかに、淡々と言葉を紡ぐ。あるいはそうであろうとするように。
"ウルスラ":「どういう理由であれ、地獄に続く道を歩いてきた」
"ウルスラ":「多くの人を殺めた。……多くの人生を歪めた」明道くんを一瞥し。
"ウルスラ":「その筋を通すだけだ」
千堂未亜:「はぁ……。ここにもたわけがおったか」首を横に振る。
千堂未亜:「だが……無理からぬことか。それが許されぬ・・・・ならば是非もなし」
千堂未亜:「落とし前・・・・も必要であろう。お前たち、力づくになるぞ」
千堂未亜:「武器を取れ。戦いを以て我らが道を征するまで!」
御門優一:「流石、サマになってますね、そういうの」軽いニュアンスでボヤきながら。
御門優一:氷のドームの中で、冷えた空気によって髪に霜が降り始める。
御門優一:「よっしゃ。やるぞ……悠生、明道」
御門優一:「弾除けが必要ならすぐ言えよ」
御門優一:「盾として負けてらんねぇや」
任海悠生:「うん。……”啓け”、バルザイ、クラネス」ぴい、と甲高いホイッスルのような音。それと共に、白と黒の大理石の砲が背後に浮かぶ。
任海悠生:「罪は償うものであって…それは、暗い道を歩み続ける理由にならない。先達として、教えてあげる」
明道天理:ぎゅうっと拳を強く握り、開く。その指先が夜闇を照らして。
明道天理:「オレには、あなたたちの過去も、苦しみも、辛さも分からない」
明道天理:「知ることは出来ても、分かるなんて言えない。だから」
明道天理:「あなたが筋を通すように、オレもオレの道理を通す」
明道天理:自分が何者かを知ること。家族のところに帰ること。澄香の傍に居ること。
明道天理:そういう、自分がしたいと思うことのために戦うこと。
明道天理:「まずは……この道の先へ通してもらう」



GM:……ミドル戦闘を開始します。

・エンゲージ
[“ウルスラ”]
5m
[PC]

GM:ラウンド1
GM:セットアップから。宣言をどうぞ
"ウルスラ":ないです。
御門優一:なしです
明道天理:ありません
千堂未亜:『Volere è potere』《鮮血の奏者》+サングイン
任海悠生:なしですー
千堂未亜:HPを1消費しラウンド中の攻撃力+18。
千堂未亜:千堂未亜のHPを1(→ 1)減少 (29 → 28)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を4(→ 4)増加 (85 → 89)
千堂未亜:対象は自分だ。
GM:OK。演出しますか?
千堂未亜:カットでOKです。
GM:うす、ではイニシアチブ
GM:行動値14の明道くんから。
明道天理:マイナー無し、メジャーで"ウルスラ"にコンボ行きます
明道天理:光の指先LV2+死点打ちLV7+ピンポイントレーザーLV1+コンセントレイトLV3
明道天理:→判定のD+4、攻撃力+17、装甲無視、侵蝕値+9
明道天理:武器は買ってもらったヘヴィマシンガン!
GM:判定どうぞ!
明道天理:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,3,3,5,6,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,2,4,5,8,9,10]+10[3,5,7]+10[10]+5[5]+2 → 47

明道天理:割と回った
GM:こわ……
千堂未亜:エースの風格がある
御門優一:さっすが
任海悠生:つよい
"ウルスラ":《氷盾》でガードします。ダメージをどうぞ
明道天理:5d10+12+6+21-4+1d10
DoubleCross : (5D10+12+6+21-4+1D10) → 11[1,2,1,3,4]+12+6+21-4+6[6] → 52

明道天理:で、出目が
"ウルスラ":いくらか軽減しつつ通ります。結構痛い
GM:では侵蝕を上げたら演出どうぞ。
明道天理:明道天理の侵蝕値を9(→ 9)増加 (89 → 98)

明道天理:任海さんに渡されたウェポンケースから、銃器を取り出す。
明道天理:戦場慣れしていない以上、相手の攻撃に合わせて避けるとか庇うといった対応は考えなくていいと言われた。
明道天理:鈍重なサブマシンガンを渡されたのはそれが理由。そして、銃器を手に取ること自体の理由は――。
明道天理:(訓練でやった、通りに……)
明道天理:指先を銃へ押し当ててイメージすることで、光弾が次々とその内部へ収まっていく。
明道天理:そのまま、引鉄へと指をかけ――僅かな震えを振り切るように引く。
明道天理:すると、本物の銃弾と同じ速度で光弾が放たれていく。
"ウルスラ":「……お前の通す道理とは」
"ウルスラ":「復讐か? ならば確かに、私は相応のことをしたな」
"ウルスラ":応じるように、氷に覆われた手甲を突き出す。防壁を展開する。
"ウルスラ":ぴき、と砕けるような音がして数発が貫通した。血が噴き出す。
"ウルスラ":「っ……!」
明道天理:銃はそのものが力を持つのではなく、光をより速くより多く、そしてより正確に発射するための補助器具のようなものだ。
明道天理:指先から漫然と放つよりも、銃から放たれる弾丸に準える方が、他者への攻撃としてのイメージも明確になる。
明道天理:「……違うよ」
明道天理:「恨んでない、とまでは言わないけど……あなたたちにも理由があったって知ったから」
明道天理:「傷つけたいとか、苦しめたいとか……そんな風には思わない」
明道天理:「今は、ただ」
明道天理:「オレ自身がすべきと思ったことをする」
明道天理:オーヴァードとは、戦いとは何かを知る。ちゃんと、父さんたちにただいまを言う。それから、一刻も早く澄香のところに追いつく。
明道天理:そのためになら、引鉄を引く。

GM:イニシアチブ9、"ウルスラ"の手番。
任海悠生:あっ悠生も行動値9!
GM:あっ
GM:そうだった!PC優先です
GM:ぼやっと表だけ上から見てた 失礼
GM:任海さんどうぞ〜
任海悠生:あい 参ります マイナーなし。オートアクションでフォールンピストルを装備。
任海悠生:メジャー。”オオス=ナルガイの谷”《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》にて攻撃。
任海悠生:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,1,2,2,3,6,8,9,10]+6[1,1,6]+6 → 22

任海悠生:いつものだな どうしようか…
任海悠生:使って…良いかな 妖精を
GM:ふふふ
御門優一:使いな!
千堂未亜:よいぞ……
任海悠生:これがいつもの悠生なんだよな・・・使います。コンボ:遥けきカダスを求めて≪妖精の手≫。
任海悠生:1dx7+26
DoubleCross : (1DX7+26) → 10[10]+10[8]+5[5]+26 → 51

明道天理:一気に伸びてる
任海悠生:極端。
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (99 → 103)
千堂未亜:エースの風格がある
GM:くっ 強い
御門優一:さっすが
"ウルスラ":同じく《氷盾》のガード。ダメージをどうぞ
御門優一:【凍帝特権】《凍てつく刃》ダメージ1d10+6。
御門優一:御門優一の侵蝕値を3(→ 3)増加 (84 → 87)
任海悠生:ありがと~ あと自分のフォールンサラマンダーを使用します。ダメージ+2d。
任海悠生:6d10+1d10+3+2d10+8+8
DoubleCross : (6D10+1D10+3+2D10+8+8) → 30[5,3,5,5,10,2]+6[6]+3+11[5,6]+8+8 → 66

任海悠生:出目たっかいな…?? 66点装甲有効ダメージです…
御門優一:強い
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (103 → 107)
GM:ひええ
"ウルスラ":えーと……通常のガードに加えて《ひらめきの盾》を2回使用。
"ウルスラ":痛いなりにそこそこ軽減し、生存
任海悠生:うわあ~っ つらい
御門優一:リソース削ってるよ~
GM:演出どうぞ〜

御門優一:氷の壁を見る。「あの能力、守りに専念すると厄介そうだな……」
御門優一:指先に氷の礫を生成しながら、相性の悪さを感じる。
御門優一:「悠生!お前の方で行けるか!?」
任海悠生:「ん…大丈夫。私もそんな出力高くはないけど…転用は効くから」
御門優一:氷の世界の温度が下がる。バキバキ、と空間に生じた礫が、次第に質量を増していく。
御門優一:「じゃ……砲身とかはこっちで作る。いい感じに使ってくれ」
御門優一:夢を現実に落とし込む能力。その礎となるように、砲塔のような円筒を持つ氷の塊が空中に浮かんでいく。
任海悠生:「了解、…ッ」ぱき、と背後に浮かぶ砲台が分かれ、処理を開始する。結ぶべきゆめを捕らえ、切出し、形而の上から下へ。
任海悠生:「”下げられた者は上げられよう。 弱き者は強められよう”Qui deprimuntur, exaltabuntur.Infirmi roborabuntur.
任海悠生:「”貧しき者は豊かとなろう。 死ぬ者は生きるであろう”Pauperes ditari.Qui moriuntur, vivent
任海悠生:カバラ思想の源流の一つ、メルカバ―…神の戦車、即ち神の御姿を見ようとした、瞑想法の賛歌。
任海悠生:「”その場所にいる法が許され、知恵が与えられるだろうLex ibi dabitur, sapientia dabitu…ッ」
任海悠生:冷気を捕らえる。本来塵に汚れた現世より、天上の世界へ赴く為の術法--即ち転じて。
任海悠生:「昇華咒法、三の一!”神の戦車”currus deiよ、汝の輝きを此処に!」
任海悠生:冷気は熱に。氷は水に。土は塵に。
任海悠生:触れたものをそう変えるように組み込まれた砲弾が、氷の壁へ。
"ウルスラ":「……! 魔術師か」自らの氷壁へ向けて──乱暴な照準とも見える、数発の銃撃。
"ウルスラ":術式の発動途中に、砕かれることは予見していた。氷壁を補強する操作をしながら……砲弾が氷壁を打ち砕く、須臾の衝突・拮抗の瞬間に衝撃を与える。
"ウルスラ":それによって、射線が幾らか逸れる。想定よりも幾らか遠い位置で炸裂する。
御門優一:「どうだ!"氷の壁"を壊す訓練は普段からやってっからなぁ!」代わりに吠える。普段は壊される側だ。
任海悠生:「……っ、ある程度戦闘慣れされてると、どうしてもすぐ対処されちゃうな…!即応性が低いから、詰め切れなかった!」
"ウルスラ":「……かほっ」蓄積したダメージは浅くない。喉を焼けるような感覚がある。
"ウルスラ":「その歳で……流石の錬度だな、UGN」
"ウルスラ":「だが、別に私は捨て石になるつもりでここにいる訳ではない」
任海悠生:「…!来るよ、気を付けてっ」皆に呼び掛ける。
"ウルスラ":「お前達ほど人材が充足している訳ではないからな。このくらいの窮地は、何度と無く経験している……!」
御門優一:「けど、無傷とはいかねぇだろうが……」氷が砕けるタイミングから、経験で判断する。
御門優一:「タフなやつだな、全く…!」

GM:イニシアチブ9。"ウルスラ"の行動です
"ウルスラ":マイナー、《氷の回廊》。PC達にエンゲージ。
"ウルスラ":メジャー、《コンセントレイト:ノイマン》《零距離射撃》《氷神の悲しみ》《煉獄魔神》
GM:1d4 対象抽選
DoubleCross : (1D4) → 3

GM:任海さんに。
任海悠生:ぎゃ~
御門優一:こやつ~
"ウルスラ":16dx+6@7
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,3,3,4,5,5,6,6,7,8,8,9]+10[3,6,8,9]+10[1,10]+10[7]+6[6]+6 → 52

GM:まわるなあ
明道天理:ちゃんと消耗してるところを狙ってくる
任海悠生:回すなあ!ドッジしてみるよ
御門優一:やる気まんまんちゃんか?
任海悠生:4dx>=52
DoubleCross : (4DX10>=52) → 10[4,7,9,10]+1[1] → 11 → 失敗

任海悠生:無駄周り あたった
御門優一:それでも回る
千堂未亜:攻撃直後ゆえな。致し方あるまい
御門優一:【御門帝国】《炎陣》。カバーリングします。
御門優一:御門優一の侵蝕値を2(→ 2)増加 (87 → 89)
任海悠生:たすかります
GM:コンボ名マジ?
GM:ダメージ出します
GM:あっ
GM:違う
"ウルスラ":6d10+25
DoubleCross : (6D10+25) → 37[10,10,5,6,4,2]+25 → 62

任海悠生:出目良いな!?
御門優一:やる気マンマンちゃん!
御門優一:リザレクトします。
御門優一:御門優一のHPを1d10(→ 7)に変更 (26 → 7)
御門優一:御門優一の侵蝕値を7(→ 7)増加 (89 → 96)
御門優一:嵩んできた
GM:くっ……
GM:では演出……ではなく
"ウルスラ":《加速する刻》もう一発いきます。
千堂未亜:ヒョッ
"ウルスラ":同じく《コンセントレイト:ノイマン》《零距離射撃》《氷神の悲しみ》《煉獄魔神》
御門優一:コイツッ
GM:1d3任海さん以外で抽選
GM:1d3
DoubleCross : (1D3) → 3

GM:千堂さんに。
任海悠生:3多いな!?
千堂未亜:3好きちゃん
千堂未亜:よかろう。来るがいい
"ウルスラ":16dx+6@7
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,5,6,7,8,8,8,8,10]+10[2,2,6,7,8,10]+6[3,6,6]+6 → 32

御門優一:3は安定してる数字なんです
千堂未亜:安定体であったか……
千堂未亜:まだガード値がないのでな。ドッジだ
千堂未亜:6dx+1-1>=32
DoubleCross : (6DX10>=32) → 10[2,3,4,5,9,10]+2[2] → 12 → 失敗

千堂未亜:フ。こんなものよ
明道天理:頑張ってる
"ウルスラ":4d10+25 ダメージ!
DoubleCross : (4D10+25) → 26[8,4,4,10]+25 → 51

千堂未亜:いたた。リザレクトだ。
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 7)増加 (89 → 96)
GM:では演出。

"ウルスラ":俄にかがみ込んだかと思えば、多数の遮蔽を生成しながら疾走する。それらが四者に対する致命の射線を塞いでいる。
"ウルスラ":接近されると同時、周辺の気温が低下したような感覚。気中の水分が氷結し、鏡めいて光を散乱させている。
"ウルスラ":初撃は千堂へ。右手を鎌のように折り曲げて振るいながら、至近距離での銃撃。それと逆手での肘打ちを同時に行う。
御門優一:「っの、コイツ……!」普段であれば壁として使用する『氷』の優先権を確保される。
"ウルスラ":軸脚を地に置いて、運動を線から円へ、貼山靠の一撃を放ちながら反転し、銃口を逆方向へ。
"ウルスラ":連射と同時、放った数よりも多くの炸裂音。設置した氷の鏡に乱反射しながら、計算された軌道によって標的を襲う──攻撃の直後に最も大きな隙を見せた、任海へと集中している。
千堂未亜:銃弾を胴に受け、衝撃に揺さぶられた所を続く強打が打ち据える。スーツに空いた穴から血を噴き出しながら吹き飛ばされる。
任海悠生:氷や冷えた空気を吸わないように、口元を抑え。走った光を見て、即時に武器である砲を”消す”--最悪、身体は能力で強引に補修することを前提にした動き。
御門優一:「そのまま動くな!」咄嗟に作り出すのは薄い氷の鏡。無数の中の1つに紛れ込ませ、任海の姿を移している。
御門優一:本人の姿を少しだけ隣に誤認させる。同じ『氷』だからこそ、とっさの判断を狂わせ、軌道を少しだけずらした。
御門優一:「痛ぁーーっ……!」その分、カバーに入った体で弾丸を受ける。
任海悠生:「…、ぷはっ…ありがと…!」
御門優一:ぐ、と呻いて「……問題ない!役割分担だ!」
"ウルスラ":「……そういう手品も使えるか。言動ほど愚直でないとは見えていたが」
御門優一:「王を目指してるんでね…!道化のポジはなるべく奪わないようにしてんの!」
御門優一:流れる血が凍結してカサブタとして剥がれ落ちる。
千堂未亜:「……やれやれ、王と王か。あまり無様な姿は見せられんな」
千堂未亜:むくりと身を起こす。白いスーツを赤く染めた傷口は、もう塞がっている。
"ウルスラ":「そういう尊大な欲望はこちら側の専売かと思っていたが」
"ウルスラ":(いや……なるほど、道理か。敵を救うなどと宣うのだから)
"ウルスラ":余計な思考だ、と内心に頭を振る。再び引き金に指をかける。
御門優一:「尊大で、手段を選ばないってやつ?そういう"楽"な選択は出来ねぇからさ……」
御門優一:「背負ってるものの違いとか、見せてもらうといいぜ」
御門優一:負傷した手の代わりに、顎を動かして白スーツの女性に促す。
千堂未亜:「ははは。言いおるわ」
千堂未亜:「──あるいは暴君ならばFHそちらの領分であろう」
千堂未亜:「確かにその方が楽かも知れぬ。だが、私もまた、この道を既に定めたのでな」

GM:イニシアチブ7、千堂さんの手番です
千堂未亜:うむ。
千堂未亜:マイナー、『Non c'è rosa senza spine』《赫き剣》+サングイン
千堂未亜:HPを2消費し攻撃力15の白兵武器を作成、装備する。
千堂未亜:千堂未亜のHPを2(→ 2)減少 (7 → 5)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を3(→ 3)増加 (96 → 99)
千堂未亜:メジャー、『La miglior difesa è l'attacco』《コンセントレイト》《渇きの主》
千堂未亜:命中時HP4点回復の装甲無視パンチをお見舞いするぞ。
GM:判定どうぞ〜
千堂未亜:対象は“ウルスラ”。命中判定だ。
千堂未亜:(6+3)dx7+4
DoubleCross : (9DX7+4) → 10[1,1,1,6,8,8,9,10,10]+10[1,2,7,8,9]+4[2,4,4]+4 → 28

千堂未亜:まずまずであるな
"ウルスラ":ガード、《氷盾》。それとラウンド1回の《蒼き悪魔》
千堂未亜:おま!
"ウルスラ":12点のHPダメージ反射。
千堂未亜:あふん。悪魔にぺしぺしされつつこちらのダメージロール。
千堂未亜:Dロイス・永命者のRECロイス強化効果を発動。シーン1回、ダメージロール+2Dするぞ。
千堂未亜:3d10+15+18+2d10 装甲無視
DoubleCross : (3D10+15+18+2D10) → 16[4,9,3]+15+18+7[5,2] → 56

GM:ぐええ
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を6(→ 6)増加 (99 → 105)
GM:うーん……《ひらめきの盾》はもう品切れで……
GM:差し引き41ダメージ、残りHP37
"ウルスラ":倒れます。《リザレクト》
千堂未亜:『Impara l'arte e mettila da parte』《デビルストリング》
千堂未亜:そのリザレクトを無効化する。寝ていろ!
GM:ぐええーーっ
GM:では……できることがありません。戦闘終了です。
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を6(→ 6)増加 (105 → 111)
GM:あ、すみません ここで戦闘が終了になったので
GM:リザレクトは別にしなくても大丈夫です 倒れっぱなしですぐ復活するため
GM:くっ 落ちなければもうちょっと削れたが……
GM:では演出へどうぞ。

千堂未亜:「さて。“ウルスラ”よ」
千堂未亜:ざり。靴底が砂を擦る音。
千堂未亜:「自らを死地にやる、その意気はよい」
千堂未亜:腰に吊った剣の柄を取る。
千堂未亜:一歩踏み出しながらの構え。柄を空き手に押し当てるその構えは、UGNこちら側の誰もが知る動き。
千堂未亜:──だが。そこからが違った。
千堂未亜:ちり、と経路上に舞う氷の粒子を弾き飛ばし、
千堂未亜:一呼吸にも満たぬ間に、既に“ウルスラ”の間合いの内側へと入っている。
千堂未亜:「だが、それが大勇なるか蛮勇なるかはその身で証明することになろう」
"ウルスラ":太刀の間合を測りながら動きを見定めていた。右手に銃を取り、左手をRCに集中する彼女のスタイル。
"ウルスラ":伸長・高速化・エネルギー複合。凡そその頭脳で想定しうる魔剣への応答を思い描きながら──
千堂未亜:そして一閃。引き抜きざまの斬撃が空間ごと真一文字に断つ。
"ウルスラ":──だが、結果論としてそれは雑念だった。見えたのは随分と真っ当な正攻法だ。あるいはその裏に仕掛けがあるのやも知れないが、
千堂未亜:「さあ、貴様はどちらだ?」
"ウルスラ":想像も対策も後でいい。この一瞬を返せなければ、次はない。集中の深度に応じて、遅滞する世界の景色。銃撃の発火では既に遅い。
"ウルスラ":左手の指先に、ごく短い薄氷の刃が生み出される。詰められすぎた間合の不利を逆転する。
"ウルスラ":致命の太刀筋から身を引くようにしながら、その右半身をかき切るように振るった。……そのつもりだった、が。
"ウルスラ":「……っ!」
"ウルスラ":どさり、と。黒いスーツの女の体が、土の中に倒れ込む。
千堂未亜:血色の直刀を振り抜いた肩口が避け、血飛沫が飛び散るそばから凝結してきらめく。
"ウルスラ":「っ、ぐ……これ、は……」
"ウルスラ":刹那に飛んだ意識を取り戻し、再び身を起こそうとして。己を蝕む異変に気づく。
千堂未亜:「それ・・は、させん」
千堂未亜:「まったく……塾通いの娘を一人、宥めるだけだというのに。我が権能を使わせるとはな」
千堂未亜:血流の停滞。すなわちそれは肉体の停滞。脳死に至らぬ程度にその動きを鈍らせればよい。
"ウルスラ":「っ……は、あぁっ……」
"ウルスラ":遅滞する血流を感じながら、鈍い息を吐き出す。
千堂未亜:「“ウルスラ”よ。この場は我々の勝ちだ。その結果を抱いて今は眠れ」
千堂未亜:「目覚める頃には、概ね丸く収まっていよう」
"ウルスラ":止まるわけにはいかない。返し手を探そうとして、だがその思考すらもひどく鈍い。
"ウルスラ":……ああ。負けるのか。
"ウルスラ":その感慨は、解放感と慚愧の両面に塗れて。何色とも呼べそうにない。
"ウルスラ":勝利するたびに罪を重ねた。
"ウルスラ":手にかけた相手の顔を思い出して、己が賜った記憶の異能を呪う夜が何度もあった。
"ウルスラ":そうして、心がすり減っていくうちに──失われた一部分を、埋めるように
"ウルスラ":私の拠り所は、彼女たちへと移っていった。
"ウルスラ":あれらが大切なのか?と言われれば……多分、それも違う。
"ウルスラ":ただ、信じてみたかったんだろう。
"ウルスラ":命を奪い、自分を偽り、罪を犯し続けて、ただ死なないために生きている。
"ウルスラ":何のために息をしているのかもわからない、こんな人生でも──
"ウルスラ":この生命を燃やし尽くせば、誰かの運命を救うくらいはできるのだと。
"ウルスラ":そう示したかったんだろう。自分自身に。
"ウルスラ":(……“シンフォローサ”。”エウフェミア”。”アポロニア”)
"ウルスラ":(無事で、いろよ)
"ウルスラ":どこか宙を見上げていた赤い瞳は、はたと閉じて。それきり意識を失う。
"ウルスラ":展開されていた氷のドームは──既に戦闘の最中から綻びを生じてはいたが
"ウルスラ":術者が戦う力を失った事に呼応し、はらはらと崩れていく。
千堂未亜:「……フン。まるで夢の終わりのようではないか」スーツの汚れをはたき落としながら、意識を投げだした“ウルスラ”を見遣る。
任海悠生:「ドームと……”刻印”の発動阻害は、上手く行ったみたいですね」少し簡単なチェックをしていた。
千堂未亜:「ひとまずは、な。後の処理は医療チームに任せよう」
御門優一:リザレクトを行えば、血液の汚れは凍結と共に剥がれ落ちて、見た目には無傷になっている。
御門優一:「おし、じゃあそれまで応急で凍らせときます」
御門優一:正式な処置としての凍結保存とは言えないが、医療チームが到達するまでの時間稼ぎになる。
明道天理:「なら、本当にこの方法で全部……上手く行くんですね」
任海悠生:「連絡は一応入れました。……そうだね、相手が…それこそ、更に新しく別の勢力が来なければ大丈夫なはず」
千堂未亜:「ならば、我々が小娘をだまくらかして寝かせる小悪党にならずに済むよう、もうひと働きするとしようか」
千堂未亜:「城戸のことも追わねばならんしな。……あー」
千堂未亜:「明道くん。夜はまだ長いが、大丈夫かね?」
明道天理:「っ、はい!勿論!」 ほとんど食い気味に答えて。
明道天理:「あ、いえ……えっと、急ぎましょう」
御門優一:"ウルスラ"の体を凍結させる。(……結局、氷対決ってわけにはいかなかったな)
御門優一:(ま、そんな事してる場合じゃねぇけど)
御門優一:意識を失った顔を見る。
任海悠生:その姿に少し笑って。「はい。行きましょうか。……心配ですしね」《万能器具》。氷に合わせるように、いくらかの繭が包む。
御門優一:自らを律するような目が閉じられて、寝顔は比較的に穏やかに見えた。
御門優一:「だな」
御門優一:立ち上がり、進み始めた皆の後を追った



GM:シーンカット。ロイスのみ可能です
任海悠生:ロイスは残り一個だし保留しておこう 以上!
千堂未亜:ロイホで以上だ。
明道天理:こちらも保留で
御門優一:「"ウルスラ" P感服/○N対抗心」でラスト枠に取得します
御門優一:以上!


◆Masterscene◆

GM:それから、少し時を遡って。
GM:……"フリアエ"の巨大がしなるように地を叩く。狼めいた従者の群が、千々に喰い千切られる。
"エウフェミア":「な……! うあぁっ」
"エウフェミア":衝撃に弾き飛ばされ、姿勢を大きく崩す。次の従者を作り上げるより前に、怪物の牙が迫る。
"エウフェミア":普段であればその隙をカバーする"ウルスラ"は、ここにはいない。
"シンフォローサ":「こいつっ、止まりなさいよ……!」代わりに立ちはだかるように飛び出し、銃声。半壊したトラックは既に運転手を必要としていない。
"シンフォローサ":元より戦闘員として数えられていない──"シンフォローサ"の言霊術は、非オーヴァードの操作に特化している。銃撃も、他のメンバーに比べれば拙いものだ。
"シンフォローサ":城戸が使役するような獣の性を持ったレネゲイドに対しては、僅かに勢威を鈍らせる程度だった。
城戸澄香:「──喰らうな。抑え付けろ、"フリアエ"!」
城戸澄香:その指示を聞いて、顎を開きかけていたのを閉じて。ただ勢いのまま、巨体が二人の少女を踏み潰す。それだけでも十分な破壊になる。
城戸澄香:《レネゲイドディゾルバー》《レネゲイドディゾルバー》
"シンフォローサ":「あっ……ぐ、う」
城戸澄香:瘴気めいて溢れ出した闇が、二人のレネゲイドに干渉していく。再生を阻害する。
城戸澄香:(……事情があるにしろ悪党。別に、支部長みたいに助けてやりたいなんて思った訳じゃないけど)
城戸澄香:(これからも、あいつの傍にいようとするなら……あんまり嫌われるような生き方は、したくないし)
GM:……その瞬間。"フリアエ"の上に立つ少女の背後に、風が吹いた。
”アポロニア":迷彩が解ける。気配を殺し切って接近していた。
城戸澄香:(……! しまっ──)
GM:二人の敵を追い詰めた、その一瞬の隙。初撃で痛手を与えたはずの、しかし本来最も警戒すべき相手への注意が緩んでいた。
GM:城戸本人も戦えない訳ではないが──隠密からの高速白兵を本職とする相手には分が悪い。まして、"フリアエ"を従える為に捧げた右腕はまだ再生を終えていない。
GM:のたうつ蛇の巨躯が反転し、己が背へ牙を突く──それよりも速く、決着は付いた。
城戸澄香:……肩口と腹部に、焼けるような痛み。どくどくと血が流れて、”フリアエ”との接続が絶たれる感覚。
城戸澄香:「っ、あ……」
城戸澄香:繋ぎ止め、次の命令を下そうとするが、喉に血が溢れて上手く声が出ない。
”アポロニア":「……! はぁっ……はあぁっ……」
”アポロニア":その手応えに怯えるように尻餅を付く。目の前の怪物が、主人が意識を失ってなお行動を続ける手合であれば死を覚悟する他なかったが……
GM:幸いと、そうではないらしい。怪物の巨体は、主人が意識を失うと同時に消滅した。
”アポロニア":そうして、後に残ったのは……力を使い果たした二人の仲間と、敵だった少女。とうに動かなくなったトラック。
”アポロニア":後方には残されたリーダー。「全員で逃げろ」と言った彼女の計画は、ほとんど失敗している。
”アポロニア":「私は間違えない」「全て私の言うとおりにすればいい」──そう話した彼女の言葉が、虚勢であることは。薄々と気付いていた。
”アポロニア":気付いた上で、見えないふりをしていた。その方がずっと楽だから。
”アポロニア":(……そのツケが、すぐそこに来てる。リーダーはいない。一人で勝って私達に追いつくのも、きっと難しい……)
”アポロニア":(考えろ。考えろ、考えろ──後ほんの少し、上手くやって。皆で生きるために)
”アポロニア":……混乱した思考の最中に。ふと、右手の刻印に額が触れる。
”アポロニア":(……私達の、そもそもの作戦は)
”アポロニア":(覚醒後のオーヴァードを"オラクル"に捧げること。そのために、皆で倒して意識を奪う必要があって──)
”アポロニア":(ああ……そうだ。意識のないオーヴァードが相手なら。適切な儀式さえ行えば、"オラクル"のメンバーにできる)
”アポロニア":("戒律"は、メンバーの同士討ちを許さない──UGNのような組織とは敵対し、戦うことを強いる)
”アポロニア":だとすれば、今──皆で生き延びるために、己が取るべき選択は。


◆Climax◆

GM:全員登場です。
御門優一:御門優一の侵蝕値を1d10(→ 1)増加 (96 → 97)
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を1d10(→ 4)増加 (107 → 111)
明道天理:明道天理の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (98 → 108)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を1d10(→ 1)増加 (111 → 112)



GM:……"ウルスラ"との戦闘を終え、君達は追跡を再開した。
城戸澄香:「……」
城戸澄香:転倒したトラックの傍で。見知った少女が、何も言わず佇んでいる。
明道天理:「澄香!」
城戸澄香:「……天理」息を吐いて。
明道天理:その姿を見つけるが早いか、駆けよっていく。
城戸澄香:「ごめん……ヘマした」
城戸澄香:呟き、振り返る。その右手の甲には、他の少女たちと同じ紋様が刻まれている。
明道天理:「……それ」 怪我は、と出しかけた言葉が宙に溶けて。代わりに彼女の紋様を見つめる。
城戸澄香:「……これから、私は。貴方達を全力で攻撃します」
城戸澄香:戒律の文言は脳裏に刻まれている。単なる宣戦布告であれば、違反には該当しない。
任海悠生:「…”戒律”が…となると、写した側もどこかにいますか」
”アポロニア":……今のところ気配はない。音も、姿も。
”アポロニア":彼女一人を囮として置いて逃げたのかもしれないし……あるいは、そう思わせようとしているのかもしれない。
千堂未亜:「姿を見せよ、と言って見せる相手でもないか」
御門優一:「隠密行動が専門ぽいスからね」
千堂未亜:「私の部下が世話になった・・・・・・と言うのに。報いる・・・ことも出来ねば、ますます王の名折れよ」
千堂未亜:「まあ、よい」視線を城戸に植え付けられた紋様に移す。
千堂未亜:「交戦報告もよかろう。無理に言葉を交わせば不都合もあろう」
千堂未亜:「命を懸けてもらう・・・・・・・・ぞ。覚悟はよいな?」
城戸澄香:「……ええ、承知の上です」
城戸澄香:その言葉の裏にあるものを汲み取ったのか。じいと眼差しを合わせながら。
城戸澄香:肩で息をしている。既にある程度の交戦を経て、消耗しているのだろう。
城戸澄香:「こちらも、勝てば貴方達の全てを奪るつもりですから」
GM:……暗に、君達がここで敗北すれば自分と同じ様になると伝えているのだろう。
GM:ここからT.C.が形勢を逆転するには、その繰り返ししかない。
明道天理:「……大丈夫」
明道天理:彼女を見つめたまま、意図して笑う。いつも通りに見えるようになんて虚勢は、彼女にはお見通しかもしれないけど。
明道天理:「何も奪わせないから。オーガネルにも、澄香にも」
明道天理:「皆で帰ろう」
城戸澄香:……その言葉を聞いて、何かを思うように君へと視線を移す。
城戸澄香:「分かった」とは言えない。敵側に渡ろうという言葉に同意する行動は許容されない。
城戸澄香:「……大丈夫」
城戸澄香:「私はもう大丈夫、だから」
城戸澄香:だって、君が来てくれたのだ。
城戸澄香:ただそれだけを呟いて、左手を伸ばす。
城戸澄香:「──起きろ、”フリアエ”!」
"フリアエ":影の中から飛び出した巨影が、突き出した左腕を喰らい伸びる。
"フリアエ":木々よりも遥かに高く。憤怒の化身は君達を見下ろし、牙剥いて咆哮した。



GM:クライマックス戦闘に入ります。
GM:エンゲージ表は以下

エンゲージ
[”アポロニア”(隠密状態)]
5m
[城戸澄香]
5m
[PC]

GM:1ラウンド目。
GM:行動値はアポロニアが12、城戸が4です
GM:セットアップからどうぞ。
任海悠生:セットアップありませぬ―
千堂未亜:あっその前に
明道天理:セットアップ無し
千堂未亜:シーン跨ぎで戦闘不能から復帰する場合、HPは1ですかね?
御門優一:セットアップなし
GM:あっそうですね 1で復活のはず
城戸澄香:《螺旋の悪魔》《背徳の理》《喰らわれし贄》《フルパワーアタック》発動。《極限暴走》適用。
千堂未亜:グワーッ
城戸澄香:暴走し、ダイス+6、攻撃力+51、行動値0に
任海悠生:滅茶苦茶火力上げてくるなあ!
千堂未亜:やむを得んな……
千堂未亜:檜垣メイのロイスをSロイスに指定しタイタス昇華。HPを全回復
GM:ほおう
千堂未亜:で、『Volere è potere』《鮮血の奏者》+サングイン
千堂未亜:HPを2消費しラウンド中の攻撃力+21。
千堂未亜:千堂未亜のHPを2(→ 2)減少 (29 → 27)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を4(→ 4)増加 (112 → 116)
GM:では進行
GM:イニシアチブ14、明道くんの手番どうぞ
明道天理:マイナーは無し、メジャーでコンボ
明道天理:光の指先LV3+死点打ちLV8+ピンポイントレーザーLV2+コンセントレイトLV4
明道天理:判定のD+5、攻撃力+21、装甲無視、侵蝕値+9
明道天理:武器は変わらずヘヴィマシンガン、対象は澄香で!
GM:判定どうぞ〜
明道天理:14dx7+2
DoubleCross : (14DX7+2) → 10[1,1,4,5,6,6,6,6,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,6,7,8,9]+10[4,6,9]+4[4]+2 → 36

城戸澄香:暴走のためリアクション不可。
明道天理:ではダメージ!
明道天理:4d10+12+8+24-3+1d10
DoubleCross : (4D10+12+8+24-3+1D10) → 20[5,1,5,9]+12+8+24-3+7[7] → 68

明道天理:装甲無視!
GM:うげ〜〜痛い
城戸澄香:まだ残っています。
GM:演出どうぞ〜
GM:あ、侵蝕とかまだだった
明道天理:しまった
明道天理:明道天理の侵蝕値を9(→ 9)増加 (108 → 117)

明道天理:「……」 大きく息を吸う。
明道天理:少しでも力を抜けばマシンガンを持つ手が震えそうで、なんなら膝だって笑ってしまいそうだ。
明道天理:ある意味当然かもしれない。"ウルスラ"のときだって、結局指先は震えていたのだから。
明道天理:戦うと決めたって、怖いものは怖い。傷つけることも、傷つけられることも。
明道天理:(……澄香の言う通りだったな)
明道天理:きっと、向いてないんだろう。こちらの世界に――殺し殺される場所に。
明道天理:(でも)
明道天理:殺すためではなくて。殺させないためになら。
明道天理:これ以上の被害を、"オラクル"の犠牲者を増やさないためになら。
明道天理:『大丈夫』だと言ってくれた――信じてくれた、彼女のためになら。
明道天理:(撃てる。……戦える)
明道天理:そうしたくて、そうしようと思える。
明道天理:「……行けぇっ!」
明道天理:吸った息全てを吐き切るように吠えて、引鉄を引いた。光弾の群れが澄香へと向かっていく。
城戸澄香:「っ……!」
城戸澄香:"フリアエ"の巨躯は細かな攻撃への対応へは向かない。そうでなくとも、主人の敵対者に対して衝動的に襲いかかる怪物だ。高い精度でのコントロールは期待できない。
城戸澄香:僅かに右腕を掲げて、影の膜を作りながら急所を庇うように防ぐが。容易く貫かれ、血を噴いてよろめく。
城戸澄香:「随分……やるようになったじゃん」
城戸澄香:肩で大きく息をしながら、薄らと笑って言う。
明道天理:「……傍に居たいから。少しでも出来るようにならないとって」
明道天理:笑い返す。この笑みで、泣きそうなのが少しでも誤魔化せていたら良い。

GM:イニシアチブ12。"アポロニア"の手番
”アポロニア":マイナーなし。メジャー、《コンセントレイト》《見えざる死神》《音速攻撃》《さらなる波》
GM:1d4 対象
DoubleCross : (1D4) → 3

GM:3多いな……任海さんに
任海悠生:ぎゃ~
”アポロニア":14dx+3@7 命中
DoubleCross : (14DX7+3) → 10[1,1,2,2,5,5,6,6,6,6,7,9,10,10]+5[1,1,5,5]+3 → 18

GM:へたくそ!
任海悠生:これは…行けるかもしれないぜ!ドッジ。
任海悠生:4dx>=18
DoubleCross : (4DX10>=18) → 8[1,5,7,8] → 8 → 失敗

任海悠生:まあ…そうなるな
御門優一:【御門帝国】《炎陣》。カバーリングします。
御門優一:御門優一の侵蝕値を2(→ 2)増加 (97 → 99)
任海悠生:ありがとうございます
”アポロニア":2d10+41 ダメージ!
DoubleCross : (2D10+41) → 6[3,3]+41 → 47

”アポロニア":キーンナイフなのでガード-5です
任海悠生:火力滅茶苦茶高くない!?
御門優一:たっけぇ!
御門優一:HP満タンでも無理でした。リザレクト
御門優一:御門優一のHPを1d10(→ 4)に変更 (7 → 4)
御門優一:御門優一の侵蝕値を4(→ 4)増加 (99 → 103)
GM:では演出へ

”アポロニア":その交戦とほぼ同時、前触れもなく空間が歪む。放たれる光弾を隠れ蓑に、一条の短剣が矢めいて投擲されている。
”アポロニア":切っ先は任海の喉へと向かっている。恐らくはある程度の術を見た上で、詠唱を中断させるための。
任海悠生:精神を統一して備えている。近づくそれに気づいて、でもそのまま。
御門優一:投擲の途中でパリン、と薄い氷の板が割れる。周囲に浮かんだ無数の内の1つ。
御門優一:「お前は、そのまま続けろ」
御門優一:ギン、と氷の手甲に短剣が突き刺さる。
御門優一:透き通った装甲の半分ほどを割りながら、無理矢理に軌道を変える。
御門優一:「こっちは守るから。そん代わり……デカいの決めちまえ」
御門優一:ハッ、と笑いながら次の攻撃に集中する。
御門優一:目に見えないほど透き通る氷の板。一度交戦して考えた、姿の見えない敵への対策
”アポロニア":「っ……!また、止められた……」呟くと同時、迷彩が破綻する。攻撃に力を注ぎ込んだ反動。
任海悠生:そのまま備えている。言葉は受け取った上で、そのまま。
御門優一:(……つっても)
御門優一:(さっきの戦いで、"ウルスラ"のを参考にしたんだけどな)
御門優一:苦笑しながら、背中越しに信頼を伝える。

GM:イニシアチブ9、任海さんの手番です。
任海悠生:はい。マイナーなし、オートでフォールンピストル装備。
任海悠生:メジャー。コンボ:オオス=ナルガイの谷《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》にて城戸さんを攻撃しますよ!
GM:命中どうぞ〜
任海悠生:はいっ
任海悠生:10dx7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[1,3,4,5,5,6,7,7,8,9]+10[4,6,7,9]+10[7,7]+10[2,8]+1[1]+6 → 47

任海悠生:回った
御門優一:調子がいい
城戸澄香:暴走してるのでリア不!
御門優一:【凍帝特権】《凍てつく刃》ダメージ1d10+9!
御門優一:御門優一の侵蝕値を3(→ 3)増加 (103 → 106)
任海悠生:あッたすかる サラマンダーも…載せちゃうか。
御門優一:いけー
任海悠生:フォールンサラマンダーを自身に。
GM:ひええ
任海悠生:+2d10、残り一回。
任海悠生:5d10+8+8+9+1d10+2d10
DoubleCross : (5D10+8+8+9+1D10+2D10) → 26[1,2,8,6,9]+8+8+9+9[9]+11[10,1] → 71

任海悠生:出目凄いな……
城戸澄香:《雲散霧消》ダメージを軽減……するけど
城戸澄香:足りません。先程戦闘した所なのもあり、そんなにHPは多くない
任海悠生:危なかった……
城戸澄香:《リザレクト》
千堂未亜:『Impara l'arte e mettila da parte』《デビルストリング》
千堂未亜:リザレクトを無効化する。大儀であったぞ。
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を6(→ 6)増加 (116 → 122)
城戸澄香:うう……ではそのまま戦闘不能になります。
御門優一:コンビネーションだぜ
任海悠生:たすかります
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (111 → 115)
GM:では演出へどうぞ

任海悠生:左腕を右肩に、右腕を左脇腹へ。
任海悠生:「”全ての基礎の基礎、全ての知恵の柱は、万物を存在させた原初の存在を知る事である”יסוד היסודות ועמוד החכמות
任海悠生:詠唱文はこれだけ。ただ、編むのに時間が掛かった。
任海悠生:天と地、そしてその中間にあるものを有らしめる万能者、主を顕す言葉。
任海悠生:「痛くはないはず。受けてね」
任海悠生:ぱちん、と指が鳴る。
任海悠生:それは火でなく、風でなく、水でもなく、土でもなかった。
任海悠生:そして、そのどれでもある。
任海悠生:--勿論、本当に顕し切るなど人間にはできない。”だから”、それは形而上…夢の視点からのものにしかならない。
任海悠生:ただ、おおいなるものがそこにあらわれ、押し潰したように見えた。
城戸澄香:「……!?」
任海悠生:「…私が使っても、精神ショックを与えるくらいに”しか”ならない」
城戸澄香:そこで何が起きるのか読みきれず、術者である任海へ向けて疾らせようとした。その意識が、ぐわんと殴られたように「落ちる」感覚。視界が明滅する。
任海悠生:意識を失ったオーヴァードが、その抵抗力を弱めるように。”抵抗しきれないものがそこにあるから、意識が持たないようになる”原理の攻撃。
任海悠生:「支部長!今です!」
城戸澄香:「っ……、まだ」
千堂未亜:「いいや。ここまでだ」
千堂未亜:抜き身のサーベルに手を添えている。闇の中に輝く瞳は、夜空に浮かぶ紅月のよう。
千堂未亜:──真の権能を示す時、その瞳は対象の“血流”を視る。
城戸澄香:唇を噛む。どろりとしたものが口元を垂れて、痛みが意識を醒めさせようと。
御門優一:周辺の温度は十分に冷えている。レネゲイドすら介さないその冷気は、"痛み"が走るのを一瞬だけ麻痺させた。
千堂未亜:「城戸。苦労をかけたな」
千堂未亜:「言えた義理ではないが、安らかなる夢見を願っているよ」
千堂未亜:留める。停める。城戸澄香という存在の活動を司る、もっとも根源たる流れを止める。
城戸澄香:「は────」
城戸澄香:生命を紡ぐ流れそのものが途切れたようにして。ふらり、と倒れ込む。
千堂未亜:「任海、御門。……よくやった」ぽつり、と零すように口にする。
千堂未亜:あと、一人。
任海悠生:「…いえ。結構危なかったので、助かりました」
"フリアエ":同時に、巨体が動きを止める。鈍い唸り声と共に、黒い泡へと溶け還っていき、やがて城戸の影の中へと沈む。
明道天理:「……良かった」 思わずというように安堵の息を吐く。
”アポロニア":「っ、嘘……」
”アポロニア":「なんで、そんなに……リーダーと戦って、かなり消耗してるはずなのに……」
”アポロニア":ここで逃げずに仕掛けた理由の一つは、それを勝機と見たからだったが。
”アポロニア":頭をかいて、狼狽えるように周囲を見渡す。……少し逡巡してから、覚悟を決め直したようにもう一度君達を睨み、構える。

GM:イニシアチブ6、千堂さんの手番。
千堂未亜:うむ。
千堂未亜:マイナー、『Non c'è rosa senza spine』《赫き剣》+サングイン
千堂未亜:HPを4消費し攻撃力17の白兵武器を作成、装備する。
千堂未亜:千堂未亜のHPを4(→ 4)減少 (27 → 23)
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を3(→ 3)増加 (122 → 125)
千堂未亜:メジャー、『La miglior difesa è l'attacco』《コンセントレイト》《渇きの主》《伸縮腕》
GM:ぐえー10m伸びてくる
千堂未亜:“アポロニア”に視界装甲無視パンチをお見舞いしてやるぞ。ついでに私のHPも8点回復するぞ。
千堂未亜:命中判定だ。
GM:どうぞ〜
千堂未亜:(7+3)dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[2,2,2,3,4,5,5,7,8,8]+6[2,4,6]+4 → 20

千堂未亜:低ゥい!
任海悠生:妖精いく?
千堂未亜:く、ください
任海悠生:コンボ:遥けきカダスを求めて≪妖精の手≫。1dx7+24スタートかな。
任海悠生:任海悠生の侵蝕値を4(→ 4)増加 (115 → 119)
千堂未亜:うむ、24から再回転。
千堂未亜:1dx7+24
DoubleCross : (1DX7+24) → 4[4]+24 → 28

”アポロニア":ドッジします。
”アポロニア":5dx+2>=28
DoubleCross : (5DX10+2>=28) → 7[2,4,5,5,7]+2 → 9 → 失敗

”アポロニア":うええ
千堂未亜:では喰らわすぞ。
GM:どうぞ〜
千堂未亜:3d10+17+21 装甲無視
DoubleCross : (3D10+17+21) → 21[10,9,2]+17+21 → 59

千堂未亜:あ、永命者も乗せます
”アポロニア":うぐ、装甲無視か……
千堂未亜:59+2d10
DoubleCross : (59+2D10) → 59+8[3,5] → 67

”アポロニア":だ……ダメ!耐えません
”アポロニア":《リザレクト》します
千堂未亜:ファイナル『Impara l'arte e mettila da parte』《デビルストリング》
千堂未亜:リザレクトを無効化。祭りは終わりだ
”アポロニア":こ この女……!
千堂未亜:千堂未亜の侵蝕値を6(→ 6)増加 (125 → 131)
”アポロニア":ありません。戦闘不能です。
GM:エネミー全滅のため、クライマックス戦闘を終了します。
GM:演出どうぞ。

千堂未亜:「──ようやっと、姿を見せたな・・・・・・
千堂未亜:その女は白かった。言うなれば夜空に浮かぶ銀月であろうか。
”アポロニア":「っ……!」その凄みを受けて、僅かに怯えたような色。
千堂未亜:「立ち向かうはよし。貴様は特別に、私が手ずから誅するとしよう」
千堂未亜:「特別に・・・私が人類種の天敵である所以を見せてやる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
千堂未亜:銀月を睨み、二つの紅月が輝いた。その瞬間。
千堂未亜:“アポロニア”の体内が、裂けた。
”アポロニア":「か、っ──」
”アポロニア":理解し難い損傷。集中を切らした瞬間はなかったはずだ。何故、と視線が宙に問う。
千堂未亜:古城の暴君。永き命を持つ者。人に似た人でなき者。
千堂未亜:先天的に命を弄ぶ異能を持った、人の近縁種。
千堂未亜:その紅い瞳が睨めば、只人オーヴァードの命などは容易く摘み取れる。
千堂未亜:(……思わず力が入った。寸での所で加減はしたが)
千堂未亜:(世話焼きな妖精でもいたかな。よくよく世話をかけているようだ)
千堂未亜:「貴様も寝ていろ。“コルンバ”に感謝するのだな」
”アポロニア":患部を抑えながら倒れ伏す。その声が届いたかどうか、判然としないまま。
千堂未亜:停めるに留める。ここにきて取りこぼしては、いよいよ王の面目は保たれぬ。
千堂未亜:「──しかし。これで終わり、とも行かぬのか。ままならんな」
千堂未亜:夜空を見上げる。そこには本物の銀月が輝いている。
千堂未亜:「月よ。あまり、私を“そちら”に引き戻すな」
千堂未亜:やりにくくてかなわん、と呟いて、倒れた二人に目をやった。



GM:・バックトラック
GM:バックトラックです。今回のEロイスは一応あり
GM:"オラクル"セルの「愚者の契約」1個です。戒律まわりに相当
GM:振りたい人は振りつつ帰還してってください
千堂未亜:振るんちゅ。
千堂未亜:131-1d10
DoubleCross : (131-1D10) → 131-4[4] → 127

任海悠生:降ります~
明道天理:振ります
任海悠生:119-1d10
DoubleCross : (119-1D10) → 119-9[9] → 110

明道天理:117-1d10
DoubleCross : (117-1D10) → 117-3[3] → 114

千堂未亜:ロイスは残り5本。倍振りだな。
御門優一:Eロイス分はなし、ロイス7つで等倍振りします
千堂未亜:127-10d10
DoubleCross : (127-10D10) → 127-61[6,10,6,3,8,1,8,3,7,9] → 66

御門優一:106-7d10
DoubleCross : (106-7D10) → 106-35[8,3,1,10,5,1,7] → 71

御門優一:5点
任海悠生:此方五本。一倍。
任海悠生:110-5d10
DoubleCross : (110-5D10) → 110-21[4,1,4,5,7] → 89

任海悠生:5点。
千堂未亜:おお……月よ…… 3点だ。
明道天理:こちらも残り5で等倍
明道天理:114-5d10
DoubleCross : (114-5D10) → 114-38[6,6,7,10,9] → 76

明道天理:出目無暗に良いな 5点です
任海悠生:支部長3点、残り皆5点で帰還だ~
GM:じゃあDロイスが城戸とウルスラで2点なので
GM:いつもの5+シナリオ8(全員救出のため)+ロイス関連3で16
GM:そこに侵蝕分足したのをもってってください
御門優一:21
任海悠生:21点。
明道天理:21
千堂未亜:19点かな。
任海悠生:合計して3で割って+1すると28点。GMが28点ですねー
GM:あっGMぶんまで計算ありがたい
GM:ともあれ全員帰れてよかったぜ


◆Ending◆合同

GM:……事件からしばらくが経って。
GM:肉体を凍結保存されたT.C.のメンバーおよび城戸澄香は、UGNの研究機関において"オラクル"の戒律を取り除く施術を受けた。
GM:施術は問題なく成功し、城戸に関しては数日前から通常の入院棟に移されたそうだ。
GM:"オラクル"の根本的な問題は解決していないが……呪いに取り込まれてしまった人間に対する対処方法も、今回の件で確立された。
GM:目を覚ました"ウルスラ"の情報を元に、塾の事件で覚醒させられ"オラクル"に加入させられた人々についても、順次同様の保護が行われている。
GM:……そんな長い後処理も、ようやく落ち着きつつあったのが24日の夕方の頃。
GM:君達は休憩を取りながら、暫し雑談に興じていた。
千堂未亜:「『オラクル』セルへの対処は粛々と進んでいる。いずれ全容の解明も叶おう」
千堂未亜:「──私もようやく受け取った荷物を降ろせそうだ。最後に大仕事が残っているがな」
千堂未亜:「皆、苦労を掛けた……にしては掛けすぎたが、よくやってくれた。改めて礼を言う」
明道天理:「いえ。オレは元から関わらせてほしいって申し出た方ですし」
明道天理:「むしろ、最後まで関わらせてもらえてありがとうございます」
御門優一:「いえいえ……つっても、俺の出番はもっぱら事後処置でしたけどね」気楽に笑う。
御門優一:戦闘で余力を残した分、処置班の到着以後も凍結に協力していた。
任海悠生:「支部長も、明道くんもお疲れ様でした。……御門君も、色々助かったよ。ありがとうね」
千堂未亜:「御門がいなければ、もう少しは厳しい状況になっていたであろう」
御門優一:「ん……あぁ、うん。おう」ぬるくしたミルクティーを口に運ぶ。
千堂未亜:「明道くんのケアなども含めてな。よくよく気が回るものだが、あれがお前の王としての在り方か?」
御門優一:「はは、でしょ?」
御門優一:「在り方つーか……憧れの人がそういう事してたんで」
御門優一:「手本にしてる感じですね」
千堂未亜:「そうか……」どこか安心したように頷き、
千堂未亜:「ならば、それはそれでよい。だが、覚えておくのだな」
御門優一:言いつつ手にしたスマートフォンには、とある舞台俳優のインタビューの記事が保存されている。
御門優一:「はい?」
千堂未亜:「みかどとは、他の王位を簒奪する存在だ。名に沿った覇道を行くか、それとも似合わぬ王であるか」
千堂未亜:「我が城から見届けているよ。その気になったなら、我が玉座を奪いに来ても構わんぞ?」
千堂未亜:フ、と笑う。
御門優一:その目線を真正面から見据えて。
御門優一:「まぁ、スタンダードつか、テンプレートではありますよね。マクベスっつー先達もいますし」
御門優一:世界一有名な簒奪者の名前を上げつつ。
御門優一:「まぁ、ただ心配はいりませんよ」
御門優一:「奪うだの奪われるだの物騒な……要するに」
御門優一:「"王"が奪われる前に自分から差し出そうと思うぐらい、圧倒的な魅力のある王になっちまえば、支部長も安心でしょ?」
御門優一:ハ、と不敵に笑う。
千堂未亜:「おお。何たる野望か」役者じみた驚きよう。
千堂未亜:「ならば、言い直しておくか」
千堂未亜:「いつでも私を魅了しに来るがいい。出来るならば、な」
千堂未亜:目を細めて不敵な笑みを迎え撃つ。
千堂未亜:「で、任海はどうするのだ。この若き王に付き合うのか?」
任海悠生:「あ、私ですか?……まあ、見ていて楽しいので」くすりと笑いながら。
御門優一:「楽しいて……」
明道天理:「ちょっと分かる気するな……」 ぽそっと。
任海悠生:「そういうものじゃない?誰かについていくのに、必要な理由なんて」
御門優一:「明道まで……!」
御門優一:「まぁ…………そうかもしれんが」頬を掻く。
任海悠生:「違う奴の方がいいの?」
御門優一:「見ていて楽しいと言われると、若干道化ぽい気がする」
御門優一:「つまらんよりは良いが……」
任海悠生:「そうなのかな。友達とかだって、楽しいから一緒にいるものだって言うし、そう言うものだって思ったんだけど…」
任海悠生:「もっといろんなものがあった方がいいのかしら」首をかしげて。
御門優一:「……………」あ、の形に空けた口を何度か閉じつつ。
任海悠生:何も言わず、まるまるとした瞳で見つめている。
御門優一:「無いよりは……」
御門優一:「あったほうが良いんじゃねぇかな……」
任海悠生:「ふうん…そっか。じゃあ、色々考えてみるね」
明道天理:「……」 今までもこういう感じで進展し損ねてきたんだな……と納得したような温かい目を向けている。
御門優一:「おう……あー……」言葉を探して目を逸らすと、明道の視線にぶつかる
御門優一:「なんだよその目は……!」
明道天理:「いや……何も……」
明道天理:「ただ、御門君も苦労してるんだなって……」
明道天理:後半は任海さんに聞こえないようひそひそと。
御門優一:「やめろよ……!的確に優しくするなよ……!」
御門優一:「城戸さんといい感じになった理由が分かるだろ…!」ひそひそ
千堂未亜:「ここは先達として、ぴしっと言ってやってもよいと思うが」ひそひそ。
千堂未亜:「もどかしかろう」ひそ。
明道天理:「べ、別にぴしっと言えるほどの経験がある訳でもないですし……」
御門優一:(嘘だろ、この話題に混ざってきたぞ)の顔を向けている。
任海悠生:「二人とも、仲良くなったんだなあ。年の近い同性の、それもオーヴァードの知り合いってやっぱりいると違うんだよね」ほわほわした表情で見守っている。
明道天理:「強いて言えば……前にも言ったけど、とりあえずちゃんと好意を伝えるところからじゃないかな……」
御門優一:「いや……実際、どういう流れで、そういう関係の流れになったんだ」ひそ。
御門優一:「好意………好意か……」
明道天理:「オレ達のはあんまり参考にはならない流れな気がするかな……」
明道天理:「澄香と任海さんでタイプが違うというか……」
御門優一:「そうか……?」
御門優一:「似てると思ってたけど……意外と頑固で他人に気を使って自分から切り離そうとするあたりとか……」
明道天理:「え、任海さんそういうタイプなの?」
明道天理:そういう面を見ていないのできょとん顔。
御門優一:「だって、俺の時にそうじゃなかったらお前らにお節介焼いてねぇもん」
明道天理:「なるほど」 納得。
明道天理:「なら、やっぱり伝えるのが一番だと思う。こっちは切り離されたくないって」
御門優一:「…………おぉ」どストレートなやつだ。と半ば感服の気持ちを抱く。
御門優一:「やっぱ……そうするしか無いやつか」
御門優一:「つか、そうか。そっちも大変だよな……結局、城戸さんあんな事になっちゃったし」
御門優一:「伝えるにも時間空くし、こうなったらどうするの!って言われたら何も言えねぇよな……」
明道天理:「え」
御門優一:「え?」
千堂未亜:「何だ。お見合いなどしおって」
御門優一:「いや、だから……休憩室で悩んでたじゃん」
御門優一:「腹を割って話すの遠慮するとか……」
明道天理:「あ、いや、それは……」
任海悠生:「?何かあったの?」
明道天理:その後帰る直前に直接話せたお陰で解決した、のだけど。
明道天理:その後は帰ったし、夜のうちに襲撃騒ぎになって……とドタバタが続いて話すタイミングが無かったんだった。
明道天理:「なんというか……もう伝えてはあるというか、それも込みでのさっきの結論というか」
御門優一:「えっ」
御門優一:「……は~」
御門優一:「へぇ~~……」
御門優一:感心している。
明道天理:「どういうリアクション……?」
御門優一:「あ、いえ。参考にします」素。
明道天理:「参考になったなら良かったけど……」
御門優一:「つまり、そういうことになったやつか……よかったな」ポンポンと肩を叩く
任海悠生:「…(上手く行ったのかな?)まあともかく。じゃあ、これからですけど、皆どうされます?」
明道天理:「オレはお見舞いに行こうかと。今からなら病院の面談受付時間にも余裕があるし」
任海悠生:「ああ…いってらっしゃい。色々買ったりする時間もあるもんね」
千堂未亜:「私は仕事だな。聖夜を安泰にするのも役目のうちだよ」
明道天理:「お疲れ様です……」
御門優一:「おつかれさんです」
千堂未亜:「お前たちは気にせず、思い思いに過ごすことだ。それが労いになる」
任海悠生:「お世話になってます。あまり根を詰めすぎないでくださいね」
千堂未亜:「暇であれば、手ずからケーキの一つも焼くのだがな」肩を竦める。
千堂未亜:「そういう任海と御門はどうするのだ?」そして口元が笑っている。
任海悠生:「あ、支部長もケーキとか作るんですね。中々面白いし、上手くできたら美味しいですもんねえ」そう言ってから。
任海悠生:「私は…そうですね。結構前に長く部屋を空けちゃいましたし、折角だから少し掃除したりしようかと」時間はありますし、と。
任海悠生:「御門君は、家のお店の手伝いだっけ。クリスマスは飲食店、忙しいもんね」
御門優一:「いや、」と咄嗟に口にしてから視線を思い出し。
御門優一:「………」「……塾に通うことになってたし、今年は手伝いはしなくて良い、って言われてる、から」
御門優一:「…………」
御門優一:「…………空いてるなら、ちょっと時間貰っていいか?掃除でも手伝う」
任海悠生:「……いいの?」目を丸くして。
任海悠生:「私は構わないけど……色々催しとかやってるんじゃないかな」
御門優一:「じゃあ」
御門優一:「行くか、それ。掃除だけで時間使わねぇだろうし……」
御門優一:「どうせ、家にいたら手伝いになるし、な」
千堂未亜:(ほう、家に)
任海悠生:「…ん。分かった。じゃ、そうしよっか」花のように微笑んで。
御門優一:「おう……」支部長と向かった時とは別人のように、子供じみた照れ隠しの顔。
御門優一:「………なんスか。なんですかその顔は」やり取りを見た二人に対して藪睨みを向ける。
千堂未亜:「いや」向かってきた矛先に思わず笑みを零し、
千堂未亜:「がんばるのだな。男の子よ」
千堂未亜:「ほれ。明道くんも何か言いなさい」
明道天理:「オレからも、頑張って……応援してるから……」
御門優一:「くそっ、くそぉ……!」
御門優一:真正面からの善意に何も返せなくなる。
明道天理:非常に親身な声が出ている。他人事に思えないので。
任海悠生:「……?何か頑張るような事、ある?」
御門優一:「そこは気にしなくて良い!」
任海悠生:「?そっか」
御門優一:「大人しく……なんだ、催し?」
御門優一:「行きたいやつ探しとけ!」
任海悠生:「あ、そうだね。…どこがいいかな……」
御門優一:「前に聞いたのは………あ、いや!ほらほら!明道も面会時間近いし、支部長も仕事あるんでしょ!」
御門優一:「解散するぞ解散!!」
千堂未亜:「ははは。では明道くん、城戸のことだが」
千堂未亜:「じきに目を覚ますだろうが、経過の観察も必要なのでな」
千堂未亜:「しばらくは休ませる。任務などくれてやる気もないから、そちらからも気に掛けてやってくれ」
明道天理:「分かりました。もし起きたら伝えておきます」
千堂未亜:「それと……ううん」
千堂未亜:「その……なんだ」途端に歯切れがなまくらになる。
明道天理:「どうしました?」
千堂未亜:「これを言うのは無粋の極みであり、人前というのも承知はしているのだがな……」
千堂未亜:「ええい。機会だからな、言うぞ」
千堂未亜:「ストロベリーな行いは時と人目を弁えよ。特に、病院という場所ではな」
千堂未亜:人差し指を明道くんに向けて振り振り、口調はぷりぷり。彼には思い当たるはずだ。
明道天理:「……いや!いやいやいや」
千堂未亜:「すっとぼけるつもりか!?」
明道天理:「なにをですか!」
千堂未亜:「たわけが! 城戸と二人して、廊下でキャンキャンしおって……!」
千堂未亜:「あの日、ご家族に誤魔化すのは大変だったのだぞ!」
明道天理:「いやっ……それは、本当に申し訳ないですし有難かったですけど……!」
明道天理:「だからって変なことはしませんって!まして病院で!」
千堂未亜:「どうかな。城戸は個室なのだが……」
明道天理:「関係ないです!」
千堂未亜:「ほぉーう。だ、そうだが」
千堂未亜:「そこは信用してよいものかな、御門?」
御門優一:「俺に聞かれても困るんですけど……」
御門優一:「明道が大丈夫っていうんなら大丈夫じゃないです?」
千堂未亜:「太鼓判を押されてしまったぞ」
任海悠生:「まあまあ。仲が良いことは良いことですよね」
明道天理:「なんだと思ってるんですかオレのこと……」
千堂未亜:(このぽやぽや娘が……!)
千堂未亜:「まったく……くれぐれも病院の皆さんの手間を増やさんようにな」
明道天理:この数分でドッと疲れた声になっている。
明道天理:「もちろんですよ……」
千堂未亜:「二言なくな。城戸が休みの間は支部にも顔を出さんでよろしい」
千堂未亜:「年の暮れに胸焼けさせられては堪らん。それでは皆、清らかな・・・・聖夜を」
千堂未亜:言うだけ言って背を向けると、振り返らずにひらひらと手を振る。
任海悠生:「あはは。支部長にも、きよしこの夜がありますように」
任海悠生:「明道くんも、お疲れ様。城戸さんによろしくね」
明道天理:「はい……伝えておきます」
明道天理:どうにか気を取り直すように返して。
明道天理:「えっと……任海さんと御門君も良い夜を」
御門優一:「……今回の話で一番キレてたな、支部長」
御門優一:「ん、あー、まぁ。そっちもな、明道」
御門優一:軽く手を上げて応える。
御門優一:「他人の心配もいいけど、自分もな」
御門優一:暗んできた空を見上げて。
御門優一:「今夜は冷えそうだ」
任海悠生:「思った以上に疲れてるだろうから、気を付けてね……、ああ」
任海悠生:「そうだね。空が澄んで、星とつきがきれい」行こう、と少女はきみに手を差し出して。
御門優一:「………」
御門優一:パーカーのポケットから手を出す。じんわりと熱を帯びた皮膚に冷たく気温が突き刺さって。
御門優一:熱を求めるようにその手を握る。
御門優一:「行くか」
御門優一:月との距離は変わらぬまま、静かに歩き始める。


◆Ending◆千堂未亜

GM:支部を出ていった三人を見送った君は、もう一つの仕事の処理へと向かった。
GM:場所はN市支部地下。そこにあるのは、事件等で確保された危険OVの収容施設だ。
GM:幾つかの厳重なロックを越え、君は"ウルスラ"が待つ面会室へと足を向けた。
"ウルスラ":「……昨日ぶりだな」
千堂未亜:「ああ。目覚めの気分はどうかね、“ウル”……」
千堂未亜:「……加賀、イツキ」
GM:君は"オラクル"にまつわる事件の後処理と情報収集のため、ここ最近何度か彼女に会いに来ていた。
"ウルスラ":「ふ。無事に生きているだけで極上と言うべきだろう」
"ウルスラ":「ああ……確かに、もはや"オラクル"に与えられた名を使う理由はないな」
"ウルスラ":「好きに呼んでくれて構わない。……いや、もとより私に許可を出す権限などないわけだが」
GM:事件後の彼女は従順に君の指示に従っていた。特に、T.C.の4人が無事に意識を取り戻したという話を聞かされてからは。
千堂未亜:「そう卑屈になるな。捜査が進めば段階的に行動の制限は解除する心算でいる」
千堂未亜:「増してや、どのような名を名乗ろうとも、それはお前の自由だ」
千堂未亜:「……親から貰った名に勝るものも、そうそうはあるまいがね」
加賀イツキ:「……ならば、その言葉に甘えるとしよう。貴方の顔を立てるためにも」ふうと息を吐いて。
加賀イツキ:「だが……そうか、"自由"か」
千堂未亜:「どうかしたかね?」
加賀イツキ:「いや……確かに私はそれを求めていた訳だが」
加賀イツキ:「どのような非道を働いてでも誰かから奪い取るつもりでいた」
加賀イツキ:「それを、貴方から与えられるとは思わなかっただけだ。……本当に良いのか?」
千堂未亜:「さて。私は王であり、代弁者ではないのでね」
千堂未亜:「“私”から小言を言うのであれば……」
千堂未亜:「私の庭を乱したことと、お前の部下が城戸に手を出したことくらいか。今はな」
千堂未亜:無論、守るべき民を害したという事実はある。
千堂未亜:だが、それとて“戒律”に縛り上げられてのこと。
加賀イツキ:「……償いが必要だと言うなら、貴方の示す罰を受けよう」
千堂未亜:「然るべき償いは、然るべき者にさせる。お前が八つ裂きになったとて、それが何の償いになるのだ?」
加賀イツキ:「それは……そうだろうが」眉間に皺を寄せ。
加賀イツキ:「……良い。分かった。然るべき時とやらを待つとする」
千堂未亜:「……そう思い詰めるな。思うにな」
千堂未亜:「お前への罰は、おそらく最初にあった」
千堂未亜:「“コルンバ檜垣”が死に、私がその願いを受け取った時。あの時がそうだったのではないかと思うよ」
千堂未亜:あれにより、この事件は迎えるべき大団円の形を失った。その考えは今も捨てていない。
千堂未亜:「だがな。世話焼きの妖精がこう言うのだ」
千堂未亜:「どんな苦しみの後でも、幸せになってはいけないなどということはないのだと……」
加賀イツキ:「…………」
千堂未亜:「私もそう思う。檜垣が失われたことで──」
千堂未亜:「それでお前や、仲間たちの希望まで永遠に失われるなど、あんまりではないか」
加賀イツキ:「……」その言葉を聞いて、少し遠くを見るような眼をして。
加賀イツキ:「そういえば……今日は聖夜か」
千堂未亜:「ああ。……どうしてかな、人は何かにつけて騒ぎたがる」
千堂未亜:「おかげで警察も病院も、我々も休みはなしだ。ままならんな」
千堂未亜:不平を並べ立てる口調は、言うほど不満そうではない。
加賀イツキ:「……その喧騒に紛れて、他のセルを襲撃する」
加賀イツキ:「私達が出会ったのは、そういう任務だった。……二年前の話だよ」
加賀イツキ:「右も左も分からない素人達が"オラクル"の指令で大勢集められて、他のセルと交戦させられた。私もその一人だった」
加賀イツキ:「……多分、"オラクル"にとって。私達もまた、陽動用の捨て駒だったんだろう」
加賀イツキ:「数の上では圧倒的に上回っていたはずだが……指令の中で与えられた人数の敵を倒して、尚且つ生きて戻れたのは僅かな数名だった」
加賀イツキ:「思えば……相手がUGNではないのも最悪だったな。貴方達と違って、殺しに容赦がない」
加賀イツキ:「……そんな状況だ。かろうじて息は繋いだが……ここから自由になれるはずなどないと、皆が思った」
加賀イツキ:「もはやこの先、私達には幸せなど与えられようがないのだと」
千堂未亜:否定も肯定もしない。無理もなかろう、とは思うが。
千堂未亜:「過去形なのだな」
加賀イツキ:「そこから生きていくためには、希望が必要だった……という話だ」
加賀イツキ:「たとえ仮初でも、目に見えて縋り着けるようなものが」
千堂未亜:「それで、お前がそれをやったというわけか」
加賀イツキ:「……ああ。私ならば、二年後には必ず、お前達を幸福な場所へ導けると嘯いた」
加賀イツキ:「必死に顔色を繕って、自分を聡明なものだと思いこんで。一世一代の、命がけの演技だった」
加賀イツキ:「今ではその解き方も忘れてしまったがな」
加賀イツキ:ふ、と笑って。
千堂未亜:「知っているか。長く続けるとな、在り方というものは染み付いてしまうのだよ」
千堂未亜:「染み抜きは容易ではないぞ。何せ、百年も紅茶を淹れ続ければ嫌でも上達したからな」
加賀イツキ:「あるいは貴方のその、芝居がかった喋り方もか」
千堂未亜:「たわけ……と言いたいが、そうだな。これもその一つだ」
千堂未亜:「すっかり染み付いてどうにもならん。クリーニング出来る者もおらん始末でな」
千堂未亜:大仰に肩を竦め、溜息を一つ。
千堂未亜:「……お前は」
千堂未亜:「お前自身がこれからどうしていくのか、もう決めているのか?」
加賀イツキ:「……生き方については、まだ決めていないが」
加賀イツキ:「ずっと約束していた事がある。それを果たす」
千堂未亜:「ほう?」
加賀イツキ:「……私達は、互いの本名を知らないんだ。今日まで、敢えてそうしてきた」
加賀イツキ:「いつか願いを果たした時に、教え合おうとな」
加賀イツキ:「生きるべき理由は、多い方が良い。ただそれだけの思いつきだよ」
千堂未亜:「そうか……。ああ、ではしまったな」
加賀イツキ:「?」
千堂未亜:「一人分は大目に見るがよい。私の過ちだ」
千堂未亜:檜垣メイの名を知るのは、加賀イツキ自身の手によるべきだったろう。
加賀イツキ:「……ああ。構わないさ」
加賀イツキ:「だが、そうだな。弔いくらいは手伝わせてくれ」
千堂未亜:「そうしてやってくれ。あ奴は今も、冷たい棺の中で眠っておるのでな」
千堂未亜:「外に出られるようになったなら、あたたかな土に還してやるがいい」
加賀イツキ:「……ああ」そう応じて。ふと、思い出したように。
加賀イツキ:「ところで、名前と言えば……」
加賀イツキ:「T.C.の意味は、他の誰かから聞いたか?」
千堂未亜:首を横に振る。「細胞小器官オーガネルという言葉なら知っているが」
加賀イツキ:「ああ……そっちはセル以下の小隊単位だな。他のセルでもたまに使われる」
加賀イツキ:「T.C.は……」
加賀イツキ:「三度目のThirdクリスマスChristmasだ」
加賀イツキ:ふ、と笑って。
加賀イツキ:「……目に見える希望が必要だと言っただろう」
加賀イツキ:「いつか報われる未来の日を口にして、私達は己を励ましていた」
加賀イツキ:「そういう呪文だ、これは」
千堂未亜:「そう、か。そうであったか」
千堂未亜:「ならば。不完全な形ではあるが、こうしよう」
千堂未亜:パチン。フィンガースナップを響かせると、面会室のドアが開く。
千堂未亜:やってきたのは黒スーツを着こなしたエージェント。何やらワゴンを押していて。
千堂未亜:その上にはケーキが一切れ。大きさにして1ホールの1/5程度か。
加賀イツキ:「……まいったな」ほのかに照れたように頭をかく。
加賀イツキ:「過分なもてなしだが、断る理由も見つからない」
千堂未亜:「フ。四度目には今度こそ顔を合わせて祝えるよう、私も祈っておく」
千堂未亜:「……神など、生来信仰した覚えはないがな。この国ではそれでもいいらしい」
加賀イツキ:「ふ、次は四度目か。改名が必要になってしまうな」
加賀イツキ:「呼び古すうちに、愛着も湧いた名だったのだが」
加賀イツキ:冗談を言うように微笑んで。
千堂未亜:「何とでも名乗るがいい。その自由がお前たちにはあるのだから」
千堂未亜:笑って席を立つ。
加賀イツキ:「ああ、そうしよう。……幸い、今は名に悩むだけの時間もある」
千堂未亜:「……加賀イツキ。希望を繋げ」
千堂未亜:「檜垣メイが身命を賭して繋いで見せたように」
千堂未亜:「今度はお前が、本当の意味で繋ぐのだ。残された者がその意思を失わないなら」
千堂未亜:「理想ファンタジーを語るような言葉も、きっと現実リアルに近付くだろう」
加賀イツキ:「……重責だな」
加賀イツキ:「だが、そういう重みには慣れているさ」
加賀イツキ:「今度も務めてみせよう」
千堂未亜:「言われずとも、か? まあ、よい」
千堂未亜:「お前が始めたことだからな。お前が締め括るのが筋というものだ」
千堂未亜:「……ではな。助けが必要ならば呼ぶがいい。そのくらいの手は空けておこう」
千堂未亜:エージェントを伴って背を向ける。そして、部屋を去り際、
千堂未亜:「メリー・クリスマス。サンタクロースの柄ではないが、今年のプレゼントが気に召したならば、幸いだよ」
千堂未亜:振り返り、一際美しく微笑んで見せた。
加賀イツキ:「……ああ。素晴らしい贈り物だったとも」
加賀イツキ:こちらも微笑みを返して。
加賀イツキ:「メリークリスマス。佳き夜を、千堂未亜」
加賀イツキ:こちらも、未来を祝う言葉をもって見送り返した。


◆Ending◆御門優一/任海悠生

御門優一:駅前。
御門優一:普段は飾りのない駅前の広場に、イルミネーションの飾り付けが行われている。
御門優一:半円の広場を中心に、いくつかの路地と、メインの大通り。
御門優一:その範囲を会場としてイルミネーションと、商店街共催のテントやキッチンカーによる物販も行われている。
御門優一:「この時間なのに、結構人多いな」
御門優一:キョロキョロと辺りを見回しながら、手を繋いだ少女に何気ない風を装って話を振る。
任海悠生:「クリスマスだからね。結構、イルミネーションも本格的だし…」
御門優一:「ん。あんまイベントって参加する側に回らねーからな……」
任海悠生:ふわりと笑いながら、白い吐息が零れる。
御門優一:(人が多いから……てのは、繋いだ後で言う必要はないか…?)頬に風を受けつつ、繋いだ手の細さを感じている。
任海悠生:「商店街の方も、忙しそうだものね」
御門優一:「まーな。デカい専門店でもあれば別なんだろうけど……」
御門優一:「うちは定食屋だし、持ち帰りの惣菜とか店頭で売ってる」
任海悠生:「……」一回大丈夫なの、って聞こうとして。その言葉を飲み込む。
任海悠生:「やっぱり、祝い日の後は手間を掛けたくないのか、出来合いのものが結構売れるもんね」
御門優一:「だな。うちはいつも忙しかったから、そのへん感覚狂うんだけどな~」
任海悠生:静かに人の流れに紛れながら、ゆっくりと歩いていく。
御門優一:「ケーキとかは流石に知り合いの所で買ってたよ」
任海悠生:「お菓子は、結構手間かかるからねえ…」苦笑気味に。
御門優一:反応速度の差で、何度か肩が振れる。
御門優一:「菓子の材料だけ買っても、あんまり流用効かないしな」生クリームなどは使えなくはないが、キチンとメニューに使うには少なすぎる。
任海悠生:白く焼けた灰色髪が、冬風に揺れてわずかに靡く。
任海悠生:「スポンジだって、準備した後にそう転用できるものじゃないからね…」
御門優一:色とりどりの光が反射するのを見る。
御門優一:「砂糖の甘味が強いと、醤油味には合わないしな」
任海悠生:木々に設えられたライトが、暖色の光で見た目だけでも暖かく照らして。
御門優一:キッチンカーから照り焼きの香りや、バターを含んだ生地の焼ける匂い。
任海悠生:「お菓子って、砂糖の塊だからねえ……最初作ったときはもうびっくりしたな」
御門優一:「はは。1ホールだとしてもこれ食うの?ってなるよな」
任海悠生:美味しかったけど、今後食べる時はどうしても気になっちゃうな、と零しながら。
任海悠生:ゆっくりと歩いていく。どこかに立ち止まってもよかったけれど、どうにもそう言う気持ちにならなかった。
御門優一:こちらも、歩みを緩めることはあれど、わざわざ立ち止まってまでは見ない。
任海悠生:「ね」くるん、と身体を彼に向ける。
御門優一:話題を出しつつもどこか上滑りしていく
御門優一:「ん?」
御門優一:必然、引っ張られるように顔がそちらを見る。
任海悠生:「少し、話そ」笑って、あまり人の流れがないイルミネーションの端の路地を指して。
御門優一:「ん」そういう間にも、イルミネーションを見る人達が傍を通る。
御門優一:「そうだな、話すか」
御門優一:くい、と手を引いて先導する
任海悠生:そう目立たない。男女のペアでいるような組みは結構いるし、多くは派手なイルミネーションか、店屋モノの方に目が寄っている。
任海悠生:「うん。ありがと」
御門優一:盛大に飾られたイルミネーションから一歩外れるような位置。それだけで個室のような、ポッカリとした空間になる。
任海悠生:そのまま手を引かれながら、その空間に入る。
御門優一:「……………」
御門優一:歩くのをやめると、自然と相手の顔を見る形になる。
任海悠生:「ふぅ~……」
御門優一:「……結構疲れてる?」
任海悠生:冬の冷たい空気と風のせいだろうか。白い肌が赤らんでいるようにも見えた。
御門優一:光の加減か、それとも。すこし低い位置にある顔を覗き込む。
任海悠生:「んん…?ああ、いや。結構あまりやらない、魔術式の使い方は多くやったけど…それも、そこ迄じゃないよ」
任海悠生:「御門君こそ、どうなの?色々攻撃受けたり、多分だけど、初めての後輩の人出来て色々してたでしょう?」
御門優一:「ん。そうか……」
御門優一:「そうだなぁ」
任海悠生:覗き返すように、真正面から視線を合わせる。赤く埋め火が覗く、灰の瞳。
御門優一:「今までは任務とかで一緒になった相手に、先輩風とかふかしてたけど」
御門優一:夜の海のように青が沈んだ瞳。
御門優一:「一から覚醒した後輩と接するのは、まぁまぁ違うな」
御門優一:「なんつか、危なっかしいつうか……俺が基準になるんだな、と」
御門優一:「結構緊張するな」
任海悠生:「そこら辺、きちんとやれてたと思うよ」少し笑って。
御門優一:(……そうか、緊張してたのか)実際に言葉にして、自分でも驚いていた。
任海悠生:「まあ、明道くんは結構きちんとしてた上、素質もかなりあった方だから……平均から見ると、大分上澄みな楽な方になるんだと思うけど…」
御門優一:「そうだな……能力も器用に使ってたし」
御門優一:「城戸さんも居たし、その辺はイージーだったかもしれん」
御門優一:「……俺の時もこれをやったんだよな、悠生は」
任海悠生:「殆ど一日で把握して、戦えるようになってたし……それに、斬りこみ役の千堂支部長と、庇って守る人もいたし」
任海悠生:「…まあ、そうだけど。私だけでやってたわけじゃないのは分かるでしょ?」苦笑するような。
御門優一:「ま、そうだな。思い返すと色々手を回してもらったんだな、とは思うよ」
御門優一:庇って守る人としては、そう言った縁の下の力持ちにどれだけ甘えていたのかと思う。
任海悠生:「まあ、結構頑張ってはいたと思います。我ながら」勿論足りない所も、今なら一杯見えるのだけど。
御門優一:「うん、偉い」大真面目に頷く。
御門優一:「お前は本当に凄い」
任海悠生:「どうしたの、急に?」
御門優一:「んー、いや。なんつーか」
御門優一:「客観的に見たお陰で、まあまあ苦労かけたんだな、とな」
任海悠生:「どんな人だって、その人の立場でまあ頑張ってたりするものだよ。…ましてや、急に全然分からない所に連れ込まれたんだから」
任海悠生:「そう言う人に、色々気を使ったりするのは普通のことでしょ?……学校に初めて通ったりするような…そんなのと同じこと」
御門優一:「そうだな。……普通のことだ。普通のことだよな」
御門優一:「悠生はさ」
任海悠生:「ん」
御門優一:「今。FHからUGNに来て、仕事とかして…………学校とか通って」
御門優一:「楽しい?」
任海悠生:最初、その言葉に何を言っているんだろう、と少しきょとんとした表情になった後。
任海悠生:「楽しいよ。たのしい。私は、そうしていて本当にたのしいよ」
任海悠生:「…本当に迷惑を、大事な人にも、私を大事に思ってくれていた人にも、一杯掛けて。身勝手だろうと、どう思われても」
任海悠生:イルミネーションの、白とクリーム色が混ざったような暖色の光を、灰髪に反射させながら。
任海悠生:「…だからじゃないけど、そうだな。私は、結構大丈夫になったんだ、って思う」
御門優一:「そっか…………そっか」
任海悠生:「だからさ」
御門優一:出会った当初の少女が、こんな顔で笑うようになったんだなぁ、と改めて思う。
御門優一:「うん」
任海悠生:「大変そうだ、って思ったり。妙に気負ってるんだな、っていう女の子のことを気にしてるなら、もう大丈夫だよ」
御門優一:「…………そうか」
任海悠生:「御門君。御門優一くん。あなただけじゃないけれど、あなたのお陰で、私は…任海悠生は、大体やっていけるようになりました」
任海悠生:「だからね、」
御門優一:「おう」
任海悠生:「もし、あなたが同情とか、そう言うもので一緒にいようって思っているなら。それは、もう必要ないよ」
御門優一:「……………」
任海悠生:「あなたは、あなたの日々を送っていい。本当にありがとう」
御門優一:その言葉に頷く。
御門優一:ちゃり、とキーホルダーを取り出す。
御門優一:「じゃあ、心配するのはやめることにする」
任海悠生:少女は、綺麗に笑っている。
御門優一:ちゃり、と新しく付けた鍵を外す。
任海悠生:「うん。……伝えるのに、結構時間掛かっちゃったね」
任海悠生:「……本当は、もう少し…いや、結構前から、多分大丈夫だったんだ」
御門優一:任海さんの部屋の合鍵。それを、握った手に渡す。
御門優一:「だろうな。結構お前、しっかりものだし」
御門優一:「じゃあ、なあなあにしてたけど、返さなきゃな」
任海悠生:「……うん。本当甘えちゃいました」そのカギを、握り直す。
御門優一:自分の手から離れたそれを名残惜しく見る。
任海悠生:握った手を、もう片方の手でさらに握って、胸元に祈る様なかたち。
御門優一:「うん」
御門優一:「つまり……」
御門優一:「──ここから、お互い予防線は無しだな」
任海悠生:手が、ただ冬の冷たさだけでなく、白くにぎられているのがわかる。
任海悠生:「……ふふっ」
任海悠生:「…結構色々上手く綺麗にやろうってしたんだけどな?」
御門優一:「どこが綺麗だよ……」はぁ、と溜息を付く。
御門優一:「2つ程、言いたいことがある」
任海悠生:「もしこのまま御仕舞なら綺麗な思い出になるって色々本を参考にしたのに…」
御門優一:び、とピースするように指を立てる。
任海悠生:「ん。何でしょう」
御門優一:「言い訳を抜きにすれば、普通の男女が相手の家の合鍵を持ってるのはまあまあ異常だぞ」1つ目。
任海悠生:「私は別に能力でいつでも作れたし……」
御門優一:「それを許してるのがあぶねぇんだわ」はぁ、と溜息。
任海悠生:「実際そのお陰で美悠のこととかどうにかなったし……」
任海悠生:「………」
御門優一:「2つ目!」
任海悠生:「はい」
御門優一:「まずその美悠の時に、好意を伝えた」
御門優一:「お前の姉に会った時に、お前の好きを『友人以上』にしてみせるといった」
任海悠生:「………」
御門優一:「舞台を見に行った時、お前と好きなものを共有したいと言った」
御門優一:「つまり、だな」
任海悠生:まあ、正直。美悠のときには全然分かってなかったし、姉さんの時は色々思いこみというか重たい荷物を下ろしての擦れ違いもあったけど。
御門優一:「俺は、前々から…………」
御門優一:「お前のことが、女性として好きだった」
任海悠生:それ以降、流石に高校生をしつつ色々学んでまだ全く分かってない、っていうほど。
御門優一:「…………らしい」
任海悠生:”セレファイスIV",任海悠生は間が抜けたやつではないのであって。
御門優一:青い瞳が充血して、別の色が混ざっている。
任海悠生:「………そっか」
任海悠生:「ええっと、少し待ってね」
任海悠生:「ふーーー……」
任海悠生:「あ、そうだ。今は…こう…どうなのかな」頬を、冷たさからだけでない赤みで染めて。
任海悠生:「いやこう……結構、我ながらどうなのかな……みたいなことしてたし…嫌気が差したりとか…してました…?」
御門優一:「何が」
御門優一:「それはな」
御門優一:「正直コイツ……と思ってたよ」
任海悠生:「我ながら大分だったとは思う」
御門優一:「遠回しに嫌われてると思ってたよ」
御門優一:「でも、まぁ…………」
御門優一:「今は大丈夫になったんだろう?」
任海悠生:「、いや……でも…こう、分かってほしいんですけれど」
御門優一:「なんだね」
任海悠生:「…男の子と色々触れ合ったりするの、初めてだったんだもん」
御門優一:「………………それは、」
御門優一:「正直、グッとくる話ではある」
御門優一:「違う、この感想はどうでもいい」
任海悠生:「そうな上に、私が間に合わなかったりして色々あって…一杯お世話掛けたりして……そもそも人付き合いだってよくわか、」
任海悠生:「……御門くん??」
御門優一:「気にするな」
任海悠生:「……気を取り直すけど」
任海悠生:「本当、全然私は人付き合いとか分からなかったの。姉妹の皆とのやり取りはあったけど。あとは、仕事の付き合いと、本で読んだものくらいだったんだ」
御門優一:「………」
任海悠生:「……勿論、これが傷つけていい理由にはならないんだけどさ」
任海悠生:「そうやってから、逃げ出して。一杯迷惑かけて、でも一緒にいてもらって、色々してたら……」
任海悠生:「………そんなのさ。そんな、他に知らない女の子は、その男の子のこと、好きになっちゃうでしょ?」
任海悠生:「でも、そう言うただの流れで好きになって、」
任海悠生:「それで一杯してもらって、色々こっちのこと気に掛けてくれてる人を強引に引き込む、みたいなのは、絶対よくない」
任海悠生:「…………踏ん切り付けるのに、時間が掛かったのは悪かったと思っています」
任海悠生:組み合わせた指を弄って、何処か悪いことをして縮こまる子供のように。
御門優一:「…………そうか」
御門優一:頷く。
御門優一:「お前が昔のことを気に病んでて……」
御門優一:「周りに迷惑かけて、人付き合いが苦手で、それが理由で」
御門優一:「精一杯頑張ってることを俺は知ってる。」
任海悠生:「うぅ……」口元をむにゅむにゅさせる。
御門優一:「そのお陰で俺は助けられたし、そのお陰でお前のことを知ったし、そういうお前のことを、俺は好きになったけど」
御門優一:「そういう『流れでなんとなく』というのは、よくないと思ってるわけだ。お前は」
任海悠生:「……」顏の赤みがさらに深まる。
任海悠生:「……いや……えっと…なんというか、あってるんだけど違くて…」
任海悠生:「…ちゃんと、区切りを付けなきゃいけない、って思ったんだ」
任海悠生:「…ね、御門くん。今の私達って、どういう関係なんだと思う?」
御門優一:「…………そうだな」
御門優一:「ただの同僚にしてはプライベートで会ってるし」
御門優一:「ただの友達にしては二人でイルミネーションなんか見に来てるし」
御門優一:「それ以上の……関係しては、こんなことでウダウダ悩んでるしな」
任海悠生:「………こほん。まあ、なんか…友達、って言うには違うけど、それ以上とかでもないよね」
御門優一:「そうだな。同じバイト先のクラスメイトでも、ここまで仲良くなることも無いだろうし」
任海悠生:「……それ以上になる、って言う事は、つまり契るってことだもの」
御門優一:「………それも本で読んだか?」
任海悠生:「…違うよ!私のこと、なんだと思ってるのさ…!」
御門優一:「……………」
任海悠生:「わーかーってーーまーすーー!」
御門優一:「お前のことは、可愛い女の子だと思ってるよ」
任海悠生:「……ごほっ、と、ともかく!」
任海悠生:「私が、そういう器物の伝承を基に生まれたオーヴァードなのは知ってるでしょ?」
任海悠生:「私が、相手をそう言う”とくべつ”な相手、って選ぶことは、そういう器物の持ち手、あるじとして認めることでもあるの!」
御門優一:「…………そうなのか」
任海悠生:「…普通の恋人とかなら、上手く行かなかったら別れればいいけど、私の場合、私が諦めきれないと中々パスが切れないんだ」
任海悠生:「……もし私が変な事に巻き込まれたりしたら、”元”恋人とかでも、巻き込まれたりしやすいの。……だから、」
任海悠生:「………うう~~~っっ、我ながらほんとうやだ…!」
御門優一:「じゃあ……そうだな」
御門優一:一歩踏み出す。「今からちょっと、強引に行く」
御門優一:肩に触れる。
任海悠生:「ふえ」
御門優一:「そういう流れで、なあなあにすると駄目なんだよな?」
御門優一:「今はクリスマスで、イルミネーションに囲まれてる状況で………俺は、お前が好きだ」
任海悠生:目を見開く。
任海悠生:「……ほんとう?」
御門優一:「本当」頷く。
御門優一:「嫌ならそのまま逃げろ。そう思ってたら、きっとこれから上手くいかならな」
御門優一:「ただ」
御門優一:「逃げないなら、このままする」
任海悠生:「……私」
御門優一:頬に手を添える。
任海悠生:「本当に物凄く面倒で、色々あるよ」
任海悠生:「きっと……ぜったい、後悔する」
任海悠生:そう言いながら、君の腕に、どこか身を預けるような。
任海悠生:「それでも、いい?」
御門優一:「知ってる。面倒くさい相手に引っかかったなと思ってる」
御門優一:「………なんてな」
任海悠生:くふ、とちょっと笑って。
御門優一:「どれだけ後悔しても、お前がいいよ」
任海悠生:「--うん。うれしい」
御門優一:グイ、と腕に力を込める。
任海悠生:「私も、あなたが好き。…きっと、ずっと前からそうでした」
御門優一:「…………」
御門優一:真剣な顔を、フッと緩めて
御門優一:「良かった」
御門優一:影を重ねる。
御門優一:顔の間に差し込むイルミネーションを遮った。
任海悠生:ひとみを閉じる。灰と黒の色が、重なる。
御門優一:焦るように、それでも壊さない様に気をつけて、腕の中の存在を確かめて。
御門優一:……………一秒、二秒。
任海悠生:あなたの体温と、細くもしっかりと筋肉と脂肪が乗った、女性になり始めた少女の身体の熱が入り混じる。
御門優一:逃げてしまいそうな相手を拘束したあと、少し緩めた。
御門優一:熱に浮かされたような感覚が遠ざかって、間に光が戻る。
任海悠生:「……、ぷぁ、」
御門優一:「っ、………………………」
御門優一:熱が離れて、冷たい風が撫でる
任海悠生:「……初めてでした。どうだったかな」
御門優一:「なんか……………………」
御門優一:「………………すごいな」
任海悠生:「なにそれ、もう」くす、と桜色に染まった表情で。
御門優一:彷徨わせた視線が相手に向く。
任海悠生:相手も、あなたを伺っていたようで視線が合わさる。
御門優一:どこか1つ、薄い膜の向こうだったような少女の存在を、不思議と身近に感じている。
御門優一:「うるせ。冷静に言っても困るだろ……」
御門優一:いつも通りの口調に照れを混ぜて。
御門優一:「………………というわけで、だが」
任海悠生:「……もぅ一回、するの?」どこかもじもじするような恥じらいの仕草。
御門優一:「……………」言う事を忘れる。
任海悠生:「………」
任海悠生:「……わすれて。つい」
御門優一:「お前…………」
御門優一:「お前…………………」
任海悠生:「わ、私はわるくないもん」
御門優一:「だってお前、さっきまであんなに……吹っ切ったみたいな……」
任海悠生:「じっとみてるから勘違いしただけだもん!」
御門優一:「うるせぇ……!」言いつつ、言葉を紡ぐ唇に目線が吸い寄せられる。
御門優一:「つまりだな……つまり!」
任海悠生:「……、そもそも、好きでもない相手にずっと鍵預けたままとかしないよ!分かるでしょ!」
任海悠生:「つまり私は悪くないです--!」
御門優一:「そうだと思って告白したら『友達』って言われたんだよ!俺は!」
御門優一:「そうそう出ねぇんだよ!次に確認する勇気は!!」
任海悠生:「あのタイミングだと普通にそこまで負わせるのむりだよ!私そこまで恥じらい捨ててないもん!」
任海悠生:「世羅姉さんとかの事でぐちゃぐちゃだったんだから…!」
御門優一:「なんか…………出会った当初のお前の無防備さ、見せてやりてぇ……!」
任海悠生:「だから、どうせならあの時……、」そこまで言って更に顔を染めて。
任海悠生:「、ろ、碌に男の子とか見たことなかっただけ!ちゃんとしてたもん!」
任海悠生:「……ふーっ、ふー……っ」
御門優一:やれやれ、と大げさに肩をすくめて。
御門優一:「…………くっ」
御門優一:「ふふ……はははは!」
御門優一:「あー……なんで喧嘩してんだ、俺らは」
任海悠生:「知らないよ、もぅ…!」
任海悠生:涙目でふうふう息を切らしている。
御門優一:「うん。まぁ……そうだな」
御門優一:「遠慮してたらこういう喧嘩出来ないよな」
任海悠生:こんなに…なんというか、生意気な子供っぽさ、というのを表に出した少女を見たのは今までなかったはずだ。
任海悠生:「……私、いい子にしてたからね」
御門優一:一歩引いて、自分が悪いので抵抗しない。諦観と面倒見の良さを混ぜて曖昧に笑う少女。それが最初の印象だ。
御門優一:だからこそ、『明確な悪いこと』に対しての厳しさを見せる時は根っこが出てくることを知り。
御門優一:今はこうして、わがままを素直に吐露している。
御門優一:「……そうだなー」
御門優一:「これから、遠慮なく喧嘩して、言い合って」
御門優一:「喧嘩した分だけ仲直りしようぜ。なんていうか」
御門優一:「…………恋人、なんだし」
御門優一:今度はこちらから手を差し伸べる。
任海悠生:「………そだね」そう言って、あなたの手を取って。
任海悠生:「…あとは、」
任海悠生:ぐ、と手が強く引かれる。
御門優一:予想外に強く引かれる。
任海悠生:ごちん、と額のあたりにぶつかる感触。それと。
任海悠生:「……ん、ふ」
任海悠生:「こういう、こともね」
任海悠生:くちびるへの柔らかな熱い感触。
御門優一:「………ん」
任海悠生:「……私、面倒な女の子だから……」
任海悠生:「放って置かないで。」
御門優一:まるで不意打ちのように。柔らかく、表面の冷たさ。
御門優一:少しして、その奥に暖かな体温が伝わり、離れる。
任海悠生:恥じらいに頬を染めて、それに、少しぎこちなく。灰の少女は挑戦的に笑った。
御門優一:イルミネーションに照らされて、今まで自分に向けられ無かった……挑発的な笑み。
御門優一:罪悪感ではなく、一人として向かってくる顔を見る。
御門優一:「知ってる」
御門優一:俺がお前の"とくべつ"になるなら
御門優一:「お前を俺のものにしてやる」
御門優一:同じ様に笑って。
御門優一:三度目を重ねた。
任海悠生:重ねながら、少女の瞳の埋め火が、ちろりと大きく光るのが見えた。


◆Ending◆明道天理

GM:同時刻、某病院の入院室にて。
城戸澄香:施術を終え、意識を取り戻してから数日。体調は快方に向かっている。
城戸澄香:来週あたりには退院と、能力の回復訓練が始まるという事だ。……本当は、今すぐにでも動けると思う。それくらい元気ではあるけれど。
城戸澄香:大人しく医者の言葉に従い、入院衣を着せられて、数ヶ月ぶりの暇な時間というものを過ごしていた。
城戸澄香:……ぼんやりと窓の外を見る。雑多な人混みとイルミネーション。手を繋いで歩く恋人と思しき人影。
城戸澄香:自分もあの中にいたという事が、かなり遠い過去の事のように思える。それくらい濃密な時間を過ごした一年だった。
城戸澄香:とん、と背中をベッドに預けるようにして倒れる。枕元のスマートフォンを手に取って、硬直。
城戸澄香:結局、ずっと消せないままにいた連絡先を開く。映し出された名前をじっと見て。
城戸澄香:(……やっぱ迷惑かな)
城戸澄香:(状況を聞く感じ、忙しそうだし)
城戸澄香:ただなんとなく声を聞きたくて、なんて理由で連絡を取ったりするのは。重いと思われるだろうか。
城戸澄香:少し前の自分が聞けば失笑する事は確かだろうけど。
城戸澄香:……いや、どうだろうな。結局、私は、かれへの思いを振り切れていた事なんて一時も──
城戸澄香:……不意に、病室にノックの音が聞こえて。びくりと背を縮める。
城戸澄香:「あ……はい。どうぞ」
城戸澄香:間抜けな顔を見せないように、口元を正しながら。そう促す。
明道天理:「あ、えっと……失礼します」
明道天理:そんな聞きなれた声が聞こえて。ドアがおずおずというように開かれる。
城戸澄香:「ん……なんだ、天理じゃない」
明道天理:「急にゴメン。その、目が覚めたから面会できるようになったって聞いて」
城戸澄香:なんだか照れくさいよろこびを、わざと隠すような言葉を選んで。
明道天理:途中、花屋で包んでもらった花束を潰さないよう気を付けつつ部屋の中へ。
城戸澄香:「……そう。わざわざありがと」
城戸澄香:「もう大丈夫だよ。少し様子を見るけど……来週くらいには、退院できそうって」
明道天理:「そっか。……良かった」
明道天理:「あ、支部長からの伝言で『暫くは休みにする。支部にも顔出さなくて良い』って」
城戸澄香:「ま、そう言われるよね」
明道天理:噛み締めるように呟いた後、言伝を伝えつつ花を部屋に置かれた花瓶へ活けている。
城戸澄香:「……そっちはどう?仕事、まだ続けてるんでしょ」
城戸澄香:身体を横に向け、活けられている花とその手付きを眺めながら。
城戸澄香:「案の定、こき使われてるんじゃない?大丈夫?」
城戸澄香:ちょっと意地悪な笑みを浮かべてみる。
明道天理:「あはは……」 苦笑を漏らして見せて。
明道天理:「確かに、思った以上に忙しいかも。書類とか、書き方から教えて貰ってはいるけどやっぱり慣れないし」
城戸澄香:「それに、学校の課題もあるもんね」
城戸澄香:「私も最初はちょっと大変だったし。部活やめた所だからなんとかなってたけど」
明道天理:「ああ、そう。それがあって」
明道天理:「あ、いや。それがっていうか……」
城戸澄香:「?……何よ、はっきり言って」
明道天理:「えっ。……ええと、忙しいのはそうだけど」
明道天理:「澄香もやってたことなんだって思うと、やる気が出てくるなって」
城戸澄香:「……え。いや」
城戸澄香:「それは……なんか、どうなの」
城戸澄香:「普通に最初からやる気を出しなさいよ……やらなきゃいけないことなんだから」
城戸澄香:「そこに私は関係……」
明道天理:「あ、うん。そうだよな……」
明道天理:素直に受け止めてしょぼんとする。
城戸澄香:「……まあ、なくはないのか」
城戸澄香:「大学とか、行けるなら同じところ行きたいし」
城戸澄香:「一緒にいるって約束したからね」
城戸澄香:勝手に言葉を展開して納得している。
明道天理:「あ、え」
明道天理:しょげている間に納得されて置いて行かれている。
城戸澄香:「え、なんでよ。そこは肯定してよ」
城戸澄香:「一人で惚気けて一人で滑ったみたいになるじゃん、私」
明道天理:「あっ、違くて。約束したし勿論一緒に居るけど」
城戸澄香:どこか批難するような眼差し。最も本当に怒っているわけではなく、癖のようなものだ。
明道天理:「その……まだちょっと、慣れてない、というか」
明道天理:「良いんだ、が先に来るっていうか……」
城戸澄香:「……。それ、二回目」
城戸澄香:「最初に付き合い出した時も、天理はそんなこと言ってた」
明道天理:「……」 『そうだっけ』と言おうとしたが、覚えがあったので言い損ねる。
明道天理:「……いや、ほら。切欠が切欠だったし」
明道天理:付き合い始めた切欠は、ちょっとした事故だった。
明道天理:それも比喩的な意味合いではなく。自転車に乗っていた澄香と、荷物を持って歩いていた自分とがぶつかって。
明道天理:ぶつかり方とその後の転び方と荷物の落とし方と……まあ、色々が重なった結果こちらの右手の指に罅が入る事態になり。
明道天理:責任感の強い澄香がそれに罪悪感を感じて日常のサポートを申し出て、謝罪のつもりで言ってくれるのも断るのもと受け入れて。
明道天理:そうしてるうちに周りからは「アイツら付き合ってる」という認識になるし、否定しても照れ隠し扱いされるし。
明道天理:……正直言って。急に距離が近くなった同級生の女子を、それも責任感の強さや思いやりの細やかさを一番間近に見れる位置に居て。
明道天理:意識しない、なんて出来なかったのである。少なくとも、自分には。
明道天理:そのせいで、傷が治るのが惜しくなって。彼女との日々が終わってしまうのは寂しいなんてことを。
明道天理:「つい、ぽろっと。言ったというか……漏れたくらいのつもりだったのに」
城戸澄香:「……そりゃ、最初はそうだったけど」
城戸澄香:「今はもうとっくに、それだけじゃないし」
城戸澄香:「その事は、この前ちゃんと確かめ合ったと思ってたんだけど」
城戸澄香:少し沈黙が合って、横髪をかきあげながら背を起こす。
城戸澄香:ベッドの上に膝を揃えて腰掛けながら、君の方をじっと見上げて。
城戸澄香:「じゃあ……何」
城戸澄香:「まだ、確認が足りない?」
城戸澄香:……つう、と。人差し指で、病室の灯に艶めく自分の唇をなぞって見せながら。
城戸澄香:吐息は届かない距離なのに、どこかささやくような声音。
明道天理:「……い、や。その」
明道天理:咄嗟に視線を逸らす。なんだか支部長の忠告が脳裏に響いた気がするが、それは気のせいとしておいて。
明道天理:「確認、っていうか。話したいな、と思ってたことはあるっていうか……」
城戸澄香:「……」再び批難めいた視線。それと、小さな溜息。
城戸澄香:「何?」
明道天理:「えっと、もう知ってるみたいだけど……。オレ、まだあの支部で働かせてもらってて」
明道天理:「イリーガル登録も、仮じゃなくて本式のやつしてもらった」
城戸澄香:「ああ……まあ、そうなるよね」
城戸澄香:そんなに驚きはしない。既に彼の告白を聞いて、受け入れた後であるから、そうなるだろうとは思っていた。
明道天理:「……澄香が戦う道を選ぶのは。正直に言えば喜べないし、止めたいとも思う」
明道天理:「でも、オレにその選択を否定する権利はないし、否定して良い訳がないとも思う」
城戸澄香:「……」
明道天理:彼女が負った苦しみも、抱えた怒りも、定めた誓いも。自分が理解することは出来ないし、だからこそ否定することも出来ない。
城戸澄香:「ありがとね」
明道天理:首を横に振る。それは当然の道理で、感謝されることではない。
城戸澄香:少し考え込んで、そう言葉にして。
明道天理:「ただ、その道の中で澄香が傷ついたり、苦しむ時があるのも確かだと思うから」
明道天理:「そういうときに傍に居たい。オレも、澄香の選んだ道の隣を歩きたい」
明道天理:「だから」
明道天理:そこで言葉を切って、彼女の瞳を見つめて。
城戸澄香:「……うん」
明道天理:「オレと、もう一度付き合ってください」
明道天理:「もう二度と、勝手に諦めたりしないから」
城戸澄香:「…………」
城戸澄香:その宣言を聞いて、少しきょとんとして。
城戸澄香:「いや、あの」
城戸澄香:「勝手にっていうか……私がわけも言わずにフッたんだし」
城戸澄香:「そこは別に良いっていうか……」
城戸澄香:にわかにもごもごと口を動かして。
明道天理:「えっ」
城戸澄香:「だから……その」
城戸澄香:「そこは、私の言葉でしょってこと!」
城戸澄香:立ち上がって、ぎゅっと強引に手を取り握って。
城戸澄香:「……私こそ。もう二度と」
城戸澄香:「貴方を強引に、突き放したりなんてしないから」
城戸澄香:「だから……最後まで。ちゃんと付いてきてよ」
明道天理:「……うん」
城戸澄香:勢いのままそう言い切って、じっと答えを待つ。真っ白な頬が、ほのかに色を帯びている。
明道天理:握られた手を、繋ぎかえる。ただ掴まれるんじゃなく、お互い指を絡めるように。
明道天理:「付いてく。どこまでだって」
城戸澄香:「……あのね。本当は」
城戸澄香:「戦うことなんてやめるべきって意見も、よくわかってる」
城戸澄香:「だから私、貴方を止めたんだもの」
城戸澄香:はにかんでそう言ってから、少し息を吸って。
城戸澄香:「……でも、ダメなんだ」
城戸澄香:「”フリアエ”。あの日の私自身の憎悪と、言葉にできない感情が生み出した怪物」
城戸澄香:「あの子を今のままにしておいたら、きっと」
城戸澄香:「……いつか私は、私でいられなくなっちゃう。そんな気がしてる」
城戸澄香:「だから、ずっと戦ってるの」
城戸澄香:「あの日生まれた……私自身の中にいる怪物と、決着をつけるために」
明道天理:「……そっか」
明道天理:静かに頷いて。
城戸澄香:「うん。だから」
城戸澄香:「私の戦いには、ちゃんと終わりがあるの」
城戸澄香:「それがいつになって、どんな形になるかは分かんないけど……」
明道天理:「……なら」
明道天理:「終わりが来る日まで待ち続けるから。だから、オレのところに帰って来て」
明道天理:オーヴァードは、戦う度、侵蝕が高まる度にジャームへ近づくのだと聞いた。
明道天理:それを引き戻すのが絆であり楔なのだとも。なら、自分が澄香のそれになりたい。
城戸澄香:「……ふふ」
城戸澄香:「じゃあ……その日が来た時に、もしもまだ」
城戸澄香:「あんたが、私とずっと一緒にいてくれるって言うならさ」
明道天理:「言うよ。それは、絶対」 つい口を挟んで。
明道天理:「……あ、いやゴメン。遮って」
城戸澄香:「……そ。確定事項にしちゃうんだ」
城戸澄香:ふーん、と細めた眼で笑ったあと。
城戸澄香:繋いだ手の握りをするりと変える。
城戸澄香:「じゃあ、その時には」
城戸澄香:すう、と肩のあたりに顔を寄せる。白く細い指が輪を作って、君の左手の薬指を撫でて。
城戸澄香:「……しようね」何を、とは言葉にすることなく。
城戸澄香:「そっちが言ってくれるの、待ってあげるから」
城戸澄香:「ちゃんと忘れずにいること」
城戸澄香:「……返事は?」ずい、と黄金色の瞳が覗き込む。
明道天理:「……」 近い。体温とか、匂いとか、柔らかさとか。全部近い。
明道天理:けど、逸らしたらダメな気がしたからその金の瞳は見つめたままで。
明道天理:「……そういうのを言い出すのも、オレからにさせてほしかった、かな」
明道天理:少々情けない本音を吐き出す。先を越されてしまった時点で、という話かもしれないが。
城戸澄香:「ふふ」
城戸澄香:その男の子らしい強がりを、喜ぶように口元を弧にして。
城戸澄香:「そこまで言うんだったら、何か代わりに一つくらい」
城戸澄香:「仕掛けてみなさいよ、自分から」
城戸澄香:「それができたら、次からはもう少し待ってあげるわ」
明道天理:「…………」
城戸澄香:フローラルの香を漂わせながら、囁くように言って。するりと絡めた指をほどいて、ベッドの上に腰掛ける。
明道天理:一応男子としての意地、支部長の忠告、先に合意を取るべきではという常識、いつかに聞いた姉のムードがどうというご高説。
明道天理:天使も悪魔も大混線になる勢いで耳元を飛び交って、でもそんな言葉の数々より指先から離れていったぬくもりが正直言えば恋しくて。
明道天理:恐る恐る指先を伸ばす。光を灯して戦いに臨んでいたあの時と同じくらい震えてるのが、我ながらちょっと滑稽に思える。
城戸澄香:静かに笑みを浮かべ、その様子をじいと見ている。
明道天理:だけど、この際震えるままでもいいから。どうにか彼女の白い頬に指を添えて。
明道天理:「……え、っと」
明道天理:「目、閉じて」
城戸澄香:「……ん」
城戸澄香:すう、とまぶたを下ろして。
明道天理:それを見届けて、顔を寄せる。
城戸澄香:白い肌の上に、零れた花弁のような唇がぴたりと閉じている。……そのまま受け入れる。
明道天理:こちらはギリギリまで目は閉じなかった。ここまで来てズレたら、格好がつかないどころではないので。
明道天理:でも、そのお陰で。ちゃんと、濡れた柔らかさに同じもので触れられた。
城戸澄香:瑞々しい弾力と、ほのかに熱っぽい湿度が君を迎えた。
城戸澄香:互いに探るように触れ合い、重ねて。時間の停まったように思える感覚。
城戸澄香:「……ん、っ……」
城戸澄香:離れていく熱に火照った口元を、冷たい部屋の空気を吸い込んで冷ましながら。
城戸澄香:「……あのさ。今だから言うけど」
明道天理:「……う、ん」
明道天理:離れがたかったな、なんて危うい思考を必死に掻き消しながら、曖昧に頷く。
城戸澄香:「実は……2年付き合ってて、1回もキスされなかったの」
城戸澄香:「ちょっと気にしてた。私、あんまりそういう魅力ないのかなって」
明道天理:「えっ」
城戸澄香:恥じらうようにそう言って、まだ熱の残る唇に指を置いて。
城戸澄香:「ちゃんと、したいって思ってくれてたんだ」
城戸澄香:宝物を手にした子供のように、ふわりと笑う。
明道天理:「それは、その」
明道天理:「中学生だったし、付き合ってるってだけで有頂天だったとこもあったし、して良いかって聞くのも無理させないかと思ったし」
明道天理:「下心あるって、思われたくなかった、し……」 出てくるのが悉くヘタレた言い訳でしかないことに、自分でも言いながら気づいて。
城戸澄香:「へえ……」
明道天理:「ゴメン、不安に思わせて……」 終いにはすっかり項垂れている。
城戸澄香:「そっか、そういう感じになるんだ。あんた的には」
城戸澄香:なるほどな……と小さく頷きつつ。
城戸澄香:「いや、こっちもごめん。別に責めるつもりとかじゃなかったし」
城戸澄香:「ちゃんと、あるって分かったから。今はもう平気だし」
城戸澄香:項垂れた頭をそっと撫でるようにしながら。
明道天理:「……あるよ。魅力」
明道天理:「オレで釣り合ってるのか、ずっと心配なくらい」
城戸澄香:「……釣り合うとか釣り合わないとか」
城戸澄香:「人が誰かを好きになるのって、そういうのじゃないでしょ?」
城戸澄香:「私は別に、あんたの中にある価値を測って、それを見て惚れたんじゃないもの」
城戸澄香:「私があんたを選んだのは。ただ、一緒に居て幸せだったから」
明道天理:「……」 諭すような言葉に釣られて顔を上げる。
城戸澄香:「そして、私を最後まで追いかけてくれたから」
明道天理:「……なら」
明道天理:「これからも、追いかけて一緒に居続ける」
明道天理:「だから、その」
明道天理:先程の彼女を真似るように、細い指を撫でる。左手の薬指、その根本を。
城戸澄香:「……ふふ。うん」
明道天理:「待ってて。オレが、ちゃんとしたヤツ贈れるようになるまで」
城戸澄香:その感触に、くすぐったそうに頬をほころばせながら。
城戸澄香:「大丈夫。ちゃんと待ってる」
城戸澄香:もう一度、二人の影が重なる。……ベッドの枕元、口が開けたままのハンドバッグの内側に
城戸澄香:ずっと、隠すように吊り下げていた。少し古びたイルカのストラップが、室内灯の光を受けてほの青く輝いた。




『凍れる希望のキャロル』 終



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