『ノット・アローン・ノット・カミング』(GM:珪素)
PC1:遠矢塔利(
キャラシート
)PL:缶詰
PC2:襟沢理人(
キャラシート
)PL:有限無限
PC3:御厨由佳(
キャラシート
)PL:猫口
本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
メインログ|雑談ログ
目次
Preplay
遠矢塔利:では、PC1!自己紹介をします。
遠矢塔利:キャラシート
GM:お願いしま~す
遠矢塔利:遠矢塔利(とおや・とうり)。どこにでも居る人里離れた洋館の管理人です。
GM:こんなおっぱいがどこにでもいたら問題だよ
遠矢塔利:すくすくと成長しました
遠矢塔利:神城の分家筋で、家族ぐるみでレネゲイドに関するアイテムなどを蒐集・保管しています。
遠矢塔利:保管に使う屋敷もまた一つのレネゲイドアイテムで、オルクスの能力に反応して内装を大きく変えます。
GM:今は一人で暮らしていらっしゃるんですよね
遠矢塔利:ですね。不便なお家なので……
GM:ということは別のところで暮らしているご家族もいらっしゃる
遠矢塔利:いらっしゃいます
GM:なるフォード
遠矢塔利:神城の一派として活動してたり、お嬢様的な社交をしていると思います
GM:えらいねえ
遠矢塔利:ありがとうございます。
遠矢塔利:なにせ普段人と接しない住まいのため、少し人付き合いには飢えています。
遠矢塔利:お客様相手には本人なりに頑張って歓待するつもりです。
GM:そんなお客様が今回はなんと7人もいる模様です
GM:これはスゴイ
遠矢塔利:まぁ……!
遠矢塔利:人恋しさが満たされます
遠矢塔利:屋敷の管理や細々とした人付き合いの他、近くの町の診療所で看護師などもしてます。
遠矢塔利:なので久しぶりのお客様相手でも、声が出ないなんてことはありません
遠矢塔利:レネゲイドとしては屋敷の中に多重に部屋を生成するオルクス能力。
遠矢塔利:戦闘の際は出先にドアを作成し、中のアイテムを活用します
遠矢塔利:データ的には導きの華で達成値を増加し、光射す場所で更に達成値を増加します。
GM:今どき珍しい純粋メジャー支援型ですね
遠矢塔利:戦闘が苦手な顔をしていこうと思います。
遠矢塔利:今回はいっぱいお客様がいらっしゃるということで楽しみです、よろしくお願いします。
GM:えへへ、私もよろしく……
GM:遠矢ちゃんのハンドアウトはこちら。
遠矢塔利:どどん
■PC1:遠矢塔利用ハンドアウト
シナリオロイス:“エスティメイター”
無数のレネゲイドアイテムを蒐集保管するあなたの役目は、単に蒐集物の管理維持のみではない。
むしろその所有権や購入売却に関わる折衝にこそ、あなたのような管理者が必要不可欠といえる。
この日の来客は、ギルドの使者と目される老人、“エスティメイター”。
彼は遠矢家管理の物品のいくつかについて前所有者の所有権を主張しており、交渉は難航を極めそうだ。
レネゲイド案件の監督のため同席するUGNの“ダイアゴナル”にも隙を見せる訳にはいかない。
あなたは一人の少女だが、同時に巨大な責任を預かる一家の主でもあるのだから。
GM:せっかくの神城系PCということで、UGNとも完全な仲良しではない、中立の立場として頑張ってもらいます。
遠矢塔利:中立!社会能力が必要そうですね。
遠矢塔利:善意の第三者のお客様方がたくさん…
遠矢塔利:金田一少年で予習をしたので、女主人として恥ずかしくないふるまいをします
GM:めちゃくちゃ期待しちゃう
GM:よろしくねッ
GM:次はPC2のご紹介です。
襟沢理人:そう、ボクだ!
襟沢理人:キャラシート
襟沢理人:”ダイアゴナル”襟沢理人(えりざわ りひと)
襟沢理人:UGN日本支部の重役の息子で、エリートなUGNチルドレン。生まれついての天才で、人の上に立つために生まれた男……
GM:かっこいい!
襟沢理人:チェス盤のような領域を生み出し、自他を駒として動かすことが可能。
襟沢理人:領域内の物質の構造を解き明かしたり、情報を読み解くこともできる。盤面を支配する、選ばれし者の能力……
GM:素敵!
襟沢理人:努力なんて、一度もしたことがないぜ
襟沢理人:……と、そういうイメージを保つために、陰で絶え間ない努力をしています
GM:え~~っ天才じゃないの~~!?
襟沢理人:『人の上に立つ者は、弱みを見せてはいけない』という父の教えを受けて育ったから……
襟沢理人:実際は小心者。理想のエリートになるべく、ごまかしごまかし頑張っていくしかない……!
襟沢理人:エフェクト構成は
襟沢理人:プレディクションで縮地バックスタブを当てていくちょっと変わった白兵アタッカー
襟沢理人:ワイヤーウィップで敵に直接触れずに優雅に倒します
GM:プレディクションはこういうムチャも効くのがいいエフェクトですよね
GM:バックスタブのともだち、ワイヤーウィップ
襟沢理人:バディムーブと妖精の手で判定の補助のお手の物
GM:3人セッションなのに補助系が2人という凄い構成なんだ
襟沢理人:周囲を活かしてこそ真のエリートだからね……!
襟沢理人:「……と、こんなところかな」
GM:ありがとうございます!そんな襟沢くんのハンドアウトはこちらですよ
PC2:襟沢理人用ハンドアウト
シナリオロイス:遠矢塔利
世界を乱すレネゲイドの拡散は阻止されなければならない。そのための組織がUGNである。
それは例えばオーヴァードのような人物であり、あるいはレネゲイドに感染した器物の場合もある。
この館の主“インスタンスハウス”は、そうしたレネゲイド物品の管理業務を担う、いわば専門家だ。
故に彼女とレネゲイド組織との接触は監督派遣の必要性がある案件であり、
あなたはギルドと“インスタンスハウス”の交渉成立を阻止せねばならない。
もちろん戦闘に発展することはないだろう。この会談が恙無く終わればの話だが。
GM:エリートらしく、実働ではなくホワイトカラーな監督業務を行ってもらいます
襟沢理人:エリートらしい優雅な仕事だね……
GM:襟沢くん自身は極論交渉をする必要すらない。
GM:だが怪しいのはこの屋敷の美少女管理人、遠矢塔利だ……!
襟沢理人:(静かにしておけばいいのかな……?!)
GM:注意してこの子を見張るんだ、襟沢くん
襟沢理人:じっと見ておかないとな……
遠矢塔利:おすましおすまし。
襟沢理人:(綺麗だなぁ……)
GM:(グフフ……計画通りだ……)
襟沢理人:はっ、騙されないぞ!
GM:邪悪な計画が水面下で進行しつつある中、PC3のご紹介に移りましょう
御厨由佳:はい!
御厨由佳:キャラシート
御厨由佳:御厨由佳、FHマーセナリです。
GM:いきなりとんでもないスタイルで心停止しそうになってしまった
GM:遠矢さんの時はああ言ったけど
GM:どこにでもいたんだなこんなおっぱい
遠矢塔利:(ほらね、ほらね)
御厨由佳:いつも笑顔で、おっとりとした女子高生。
御厨由佳:成績や運動能力は平均的だが料理の腕は一級品で、将来の夢は料理人になること。
GM:家庭的な女の子なんだね~
御厨由佳:ごく一般的な女子高生です。ただ一点FHマーセナリであることを除けば。
GM:ごく一般的でかわいらしい女子高生……えっFHですって!?
GM:なんでFHがこのセッションに!?
御厨由佳:”ウェザー・コック”はUGNにもFHにも気分次第で味方する風見鶏を意味すると同時に、
御厨由佳:wherever cook どちらの立場でも料理人であることを意味しています。
GM:料理第1組織は第2だ
御厨由佳:何故かというと、オーヴァード、とりわけジャームを捕らえ、解体して食すことを好む異常者だからです。
GM:怖すぎ なんでこんなのPC側にいるんだろう
御厨由佳:分からない…だからこそキャラストックにずっといたんでしょうね…
御厨由佳:性能は射撃単体アタッカー。
御厨由佳:最強の一振りで強化したSTALKERを5丁ヴァリポンして敵を撃ちます。
GM:前二人の純粋支援とは裏腹に絶望的なまでの大火力なんだ
御厨由佳:本人はマスターではありませんが、このエンブレムは死体漁りで手に入れています。
御厨由佳:マスター本人は胃の中です。
GM:もちろんこれは許可済みです
御厨由佳:というわけでジャーム相手ならば利害は一致するはずなので仲良くしたいと思います
御厨由佳:よろしくお願いします!
GM:すみません、これは決まってなかったらそれでもいいのですが
GM:所属セルなどは決まっていますか?あるいはこちらで決定してもよろしいですか?
御厨由佳:マーセナリなので決まっていません。渡り歩くような形です。
御厨由佳:だからこそのウェザーコックなのでしょうね。
GM:じゃあ今回のセルは一時所属という形になるでしょう
GM:渡り歩いている中でマスターエージェントも食べちゃったんですね
御厨由佳:そうそう
御厨由佳:おいしかったよ
GM:FFSだ
GM:名前も今決めようかな
GM:“ロックジョウ”セルということにします。
御厨由佳:ロックジョウ!
PC3:御厨由佳用ハンドアウト
シナリオロイス:五百城NAOTO
普通に食べていくためには、普通に仕事をしなければならない。
普通ではないものを食べたければ、普通ではない仕事をこなす必要がある。
あなたの仕事は、遠矢邸に収容されているレネゲイド物品『肉食教書』の奪取である。
館にはUGNからの監督者も含め、非戦闘型オーヴァードしかいないことは調査済みだ。
バディを組む“ビッグジュース”と協働すれば容易く完了する作戦になるはずである。
だが途上、急な嵐があなた達を襲い、五百城NAOTOと名乗る奇妙な男と同行することになってしまう。
五百城はオーヴァードなのだろうか?しかもこの男は『探偵』を自称している……
御厨由佳:常盤SOUGOみたいな名前しやがって
GM:探偵を名乗る人間にまともなやつがいるはずがない!
GM:先手を打って殺しておいたほうがいいかも
御厨由佳:こいつは怪しいぜ
GM:ということで、トレーラーをあらためて提示いたします。
御厨由佳:だけどジャームという確信が無ければ動けない…私は善良な性格なので…
御厨由佳:ジャームであれば食べ…倒せるのに
GM:ほんとかな?
トレーラー
人里から遠く離れた遠矢邸に、来客があることは滅多にない。特に、七人もの客がいることは。
偶然か作為か、複数のオーヴァードが一箇所に集ったその日の夜に、初夏の嵐が到来する。
主の遠矢塔利を含む八人は、やむを得ず館で一夜を過ごすことになり……そして惨劇が始まる。
獣じみた何者かに次々と襲われる犠牲者達。原因不明のまま制御権を奪われる遠矢邸。
レネゲイドアイテムが無数に収容された館に閉じ込められる未曾有の事態を前に、
主も、客も、UGNも、FHも、全員が等しく脅威に晒されていく。
この館には見知らぬ『九人目』がいるのだろうか?あるいはこの中の誰かが……
ダブルクロス3rd『ノット・アローン・ノット・カミング』
ダブルクロス───それは裏切りを意味する言葉。
GM:よろしくお願いします。
遠矢塔利:よろしくお願いします
襟沢理人:よろしくお願いします!
◆Opening◆遠矢塔利&襟沢理人
GM:それでは、すぐに遠矢さんと襟沢くんのシーンから開始します。お二人は登場侵蝕を振ってみてください。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (33 → 37)
襟沢理人:38+1d10
DoubleCross : (38+1D10) → 38+3[3] → 41
遠矢邸 応接間
GM:陽が低い。カーテンの隙間からの光も色付いてきた時間だ。
GM:遠矢邸への来客、“エスティメイター”は予定よりも1時間遅れて現れた。遠矢塔利の対面の席に座っている。
GM:この世界で本名ではなくコードネームを名乗るということには特別な意味がある。すなわち、
GM:レネゲイドに関わる業務を執り行っている、ということ。
GM:"エスティメイター"も表面上は某企業の専務という肩書きを持つが、今はそうではない。
"エスティメイター":「……必要書類は揃えたつもりだ」
GM:涸れた声の、黒尽くめの老人。背後には護衛であろう男女が二人佇んでいる。
左京:「……」
右京:「……」
遠矢塔利:不思議と室内の照度が保たれる部屋。その一時間を長いと感じるか、短いと感じるか。
GM:痩せた長身の女と、小太りの気弱そうな男。左京と右京――これも間違いなく偽名であろう。
"エスティメイター":「意味するところについて、説明が必要かね」
遠矢塔利:屋敷と共に生まれたような年代物のアンティークチェアに腰掛け、歓待用のティーカップには珈琲が注がれている。
"エスティメイター":万年筆の背で、テーブルに几帳面に並べた書類を軽く叩いてみせる。
遠矢塔利:「そうですね……」その書類に内側から光を灯す目を向ける。
遠矢塔利:「こちらの品々が、当家に収蔵されている、と」
遠矢塔利:「それが、何か問題でしょうか?」
遠矢塔利:一つにまとめた髪を揺らす。
"エスティメイター":「――『ネブラスカの回転翼機』。『錫毒』。『食肉教書』。『ルオ・ニラーキカ』」
"エスティメイター":「以上四点の品々については」
"エスティメイター":「前所有者からの相続が正式になされていない。つまり、法律上は――」
"エスティメイター":「遠矢家の所有は不当なものであることを主張できる、ということだ」
"エスティメイター":「無論、忠告のつもりでいる。『私は』そのようなことはしない……」
遠矢塔利:資料には丁寧に三面図が添付されている。玩具の部品。輝く小瓶。etc。
"エスティメイター":「だが、悪意ある第三者の手に貴重な品が渡ってしまうことは、私としても避けたい」
遠矢塔利:「そうですね……お気持ち、ご尤もです」
遠矢塔利:「当家にも代々の当主が収蔵した品々が収められていますから」
遠矢塔利:「彼の品々が散逸し、適切な運用が成されずに朽ちると考えるだけで、……私にはとても、とても」
遠矢塔利:目を伏せ、心底沈痛に表情を曇らせる。
"エスティメイター":「その通り。君の祖父は素晴らしいコレクターだった。私はよく知っている……」
遠矢塔利:「ありがとうございます。こちらのティーセットも祖父の愛用していたもので……」
"エスティメイター":「無論、当主の座を継いだ君も、適切な判断を行えるものと信じている」
右京:珈琲に手を付け、飲もうとする。
左京:手の甲を厳しく叩いて止める。
右京:「痛い」
GM:"エスティメイター"の主張には、一見して筋が通っているかのように見える。
GM:だが、彼の裏の素性については、この場に立ち会っている全員が察している――ギルドだ。
遠矢塔利:そのやり取りに表情を変えず微笑む。
GM:全世界の裏社会を統合する犯罪ネットワーク。希少な蒐集品で満ちた遠野邸は格好のターゲットであろう。
遠矢塔利:カップを手にして、舌に水滴を落とすように口に含む。
遠矢塔利:(つまり…………)
遠矢塔利:(こういった状況に対応するのが当主の役目、なのですね)
遠矢塔利:本人としては慣れないポーカーフェイスで、生来の薄い微笑みを浮かべたまま書類を眺める。
GM:一連の書類のうちどれだけが真実で、どこからが書き換えられたものかは遠矢に判断することはできない。
GM:そして、この席にはもう一人……
GM:向かい合う遠矢と"エスティメイター"らとは別に、やや離れた『横の席』に座る少年もいた。
遠矢塔利:この手の事務手続きには、正直疎い。
遠矢塔利:考えをまとめるためか、あるいは助けを求める一面を込めて、そちらに瞳を泳がせる。
遠矢塔利:「"ダイアゴナル"様から見て、どう思われますか?」
"エスティメイター":「……」眼鏡越しに眼光を向ける。
襟沢理人:「…………」
"エスティメイター":「もちろん、何も問題はないだろう」
"エスティメイター":「法的にも、UGNの――なんだ、倫理規定にも、ルール違反は一切ない」
襟沢理人:カップから口を離し、皺ひとつなく整えられたスーツに身を纏った少年が口を開く
襟沢理人:「もしその書類が本物であれば、の話ですがね」
左京:「疑う点が?」護衛の女の方が、鋭い目線を向ける。
襟沢理人:「正式な書類を塵に変えることも、塵を”正式”な書類に変えることもできるのがオーヴァードだ」
"エスティメイター":「フフフフ。最初に説明した通り、私にそんな大それたことはできないよ。そもそもオーヴァードでもない」
"エスティメイター":「そんな主張が通るのならば、UGN……君達の一挙一動こそ、全て疑わしいことになってしまわないかね」
遠矢塔利:この会議において、書類に手を触れないのはそういうこと。
遠矢塔利:"触れる"事をトリガーに現象を起こせる異能は珍しくなく、自然とそういう決まりが生まれる。
襟沢理人:「…………」
GM:襟沢の仕事は、少なくとも今回の会談ではこの交渉を『不成立』に留めること――
GM:"エスティメイター"はギルド所属が疑われているが、オーヴァードの戦闘員を派遣すれば、それこそギルドの関与を確定させてしまうことになる。
GM:故に戦闘に発展することはない。2人の護衛も、見せかけだけの脅しだということは分かっている。
襟沢理人:(……今この場で追い返すのは難しいな)
襟沢理人:(時間を……稼ぐ……!)
遠矢塔利:(力尽くの荒事になるほうが、UGNの方は対処できるのかもしれませんね)
遠矢塔利:思考の冗長は悪い癖。
襟沢理人:(まずは、真偽をはっきりさせておくか)
GM:書類の偽造、あるいは不備を看破するのならば、
GM:知識:事務で難易度7の判定が必要です。
遠矢塔利:2dx>=7 知識:事務
DoubleCross : (2DX10>=7) → 8[2,8] → 8 → 成功
GM:遠矢ちゃん!
遠矢塔利:キラーン
GM:襟沢くんはいかがですか
襟沢理人:《構造看破》を使いたいと思います
GM:難易度は5に低下します。
遠矢塔利:エリートだ
襟沢理人:ありがとうございます、では知識:事務で
襟沢理人:4dx>=5
DoubleCross : (4DX10>=5) → 9[1,3,6,9] → 9 → 成功
GM:では、襟沢くんが最初に気付いて構いません。
GM:一見しただけでは分からないことだが……書類の日付部分に、インクが二重に乗っている箇所がある。
GM:部分偽造だ。しかもレネゲイドの痕跡を残さないよう、手作業による偽造。
襟沢理人:秘密裏に展開した領域から、書類の情報を読み取る
襟沢理人:(アナログな手を……)
GM:ギルドは犯罪組織だ。そのようなことは、エフェクトに頼らずともできる人脈がある。
襟沢理人:「……」遠矢嬢へと目くばせをする
襟沢理人:(偽造の痕跡、アリです)
遠矢塔利:「………」パチリ、と目が合う。(確か、あのサインは…)
遠矢塔利:書類に目を落とす。同時に、キィ、とレトロなシャンデリアが揺れる。
遠矢塔利:わずかに揺れる影の中で、揺れない黒の重なりがある。
遠矢塔利:「………あぁ」
"エスティメイター":「……そろそろ返答は決まったかな」
"エスティメイター":「じき夜になってしまう。できれば交渉を成立させて、次の仕事に向かいたいものだ」
"エスティメイター":主人である塔利の前だが、腕時計を見る。
襟沢理人:「焦って、いますか?」
"エスティメイター":「もちろん。ビジネスは常に迅速に行わなければならない」
遠矢塔利:「それはすみません……お手間を取らせましたね。重ねて、お忙しいところ申し訳ないのですが」
遠矢塔利:「どうやら、こちらの書類は形式にいくつか不備があるようですので……」
"エスティメイター":「……失礼ながら遠矢嬢。十分な法律の知識はあるかな?書類は全て、説明した通りに……」
遠矢塔利:「えぇ、ですが」
遠矢塔利:「アナログ書類の悲しいところですね。僅かの汚れで、偶然にも、文字列の含意が変わってしまったまま手続きを行っては」
遠矢塔利:「お互いにとって不幸になってしまうかと」
"エスティメイター":「……まさか。そんなはずはない」
遠矢塔利:「はい。"エスティメイター"様においてはもちろん、厳重な管理を行っていたと信じております」
"エスティメイター":"エスティメイター"が初めて動揺を見せた。
"エスティメイター":偽造が疑われるだけならばまだしも、その手口まで看破されるとは思っていなかったのだろう。
遠矢塔利:「起こりうる失敗はいつか起こってしまう。不条理なことです」
襟沢理人:「ええ、まったくです」
"エスティメイター":「……記載の品については、今日……引き渡しをしてもらいたかったところだが」
襟沢理人:「遠矢嬢と"エスティメイター"氏、双方にとって大事なやり取りであるわけですし……」
襟沢理人:「二つ返事でというわけにはいかないでしょう……ね?」
"エスティメイター":「確かに……時間もない。出直すのもよい……」
右京:「ま、待ってください!これで終わり!?」
左京:右京の首筋をはたく。
右京:「痛ッ」
遠矢塔利:「次のお仕事、ということでしたね」
遠矢塔利:「はい。書類の不備により取引が滞るとあれば、本日はとても残念です」
右京:「で、でも、一応……専務はそのう、十分な担保金は約束しているじゃないですか」
右京:「そんな古臭いアンティーク、ぼ、僕だったら売っちゃうけどな……なんて」
左京:「おい」
左京:「いい加減にしろ」
"エスティメイター":「……帰る」ため息をつく。
"エスティメイター":「"ダイアゴナル"くんだったか。コートを取ってくれないか」
襟沢理人:「構いませんとも」
"エスティメイター":「どうも。私の家にもぜひ欲しいところだ。君みたいに優秀な……」
"エスティメイター":「……使用人が。失礼するよ」
遠矢塔利:「そうですね……価値に見合うと判断すれば、そうするかもしれませんね」
遠矢塔利:こちらも立ち上がる。ホストとして見送りの役目。
GM:その時、窓を大きな音が叩き始める。
襟沢理人:「生憎、人の下に就くつもりはありませんので」
遠矢塔利:曇った金色の鍵束を取り出す
GM:雨だ。予報にもない、初夏の嵐。
遠矢塔利:「あら?」
GM:"エスティメイター"は車で往復しているはずだが、夜の、それも大雨の中の山道はぬかるんで危険だ。
GM:遠矢家の人間もこのような日はめったに行き来することはない――勿論、それを伝えるかどうかは塔利の自由だが。
襟沢理人:余裕の笑みを浮かべた表情が、一瞬強張る
襟沢理人:「こんな急に……」
遠矢塔利:分厚いカーテン生地の向こうに、それ以上に重い鉛の雲が広がっている。
"エスティメイター":「……なんて不運だ」乾いた舌打ちをする。
遠矢塔利:「あぁ……困りましたね」
左京:「まさかUGNのオーヴァードの仕業じゃないだろうな」細い、敵意に満ちた目を空に向ける。
襟沢理人:「それでUGNに何の得がありますか」
襟沢理人:「ビジネスは常に迅速に、でしょう?急いだほうが良いのでは?」
左京:「現に私達が困っている」
遠矢塔利:「すみません、皆様方」言葉に割り込むように頭を下げる
襟沢理人:「遠矢嬢」
遠矢塔利:「"ダイアゴナル"様。このような天候の際、当家では外出を取り消しておりまして」
遠矢塔利:「"エスティメイター"様に置きましても、この状況で送り出しては、他のものから誹りを免れません」
襟沢理人:(大変だな、御令嬢ってのも)
遠矢塔利:「つきましては、天候が回復するまで当家に滞在して頂いてもよろしいでしょうか?」
"エスティメイター":「……まったく」先程身につけたばかりの帽子を脱ぐ。
遠矢塔利:あくまで責務として口に出す。
"エスティメイター":「お父上から良い教育を受けているようだ」
遠矢塔利:「……恐縮です」
"エスティメイター":「お言葉に甘えて、今夜はこちらに滞在させてもらおう。感謝する」
遠矢塔利:手を揃えた礼をする。
遠矢塔利:「すぐに、客間を"揃え"させて頂きます」
右京:「た、楽しみですね!僕こういう洋館に泊まるのって初めてで……」
左京:「チッ」
遠矢塔利:「それまでの間、しばしお待ちを」
遠矢塔利:言って、客間に残して廊下に退出する。
襟沢理人:(”揃え”る……確か、この遠矢邸の仕組みは……)
"エスティメイター":「行くぞ」
"エスティメイター":「いいか。二人とも、この家にいる間は――」
"エスティメイター":「遠矢嬢には失礼をするな。理解しろ」
左京:「はい」
右京:「はい」
遠矢塔利:シン、と静まった廊下
遠矢塔利:足音を溶かす毛足のカーペット。
遠矢塔利:窓を打つ不規則な雨の音だけが響く。
遠矢塔利:応接間の扉を閉めれば、隔絶されたかのように中の音は途絶える。
遠矢塔利:廊下に並ぶのは重厚な歴史を刻む木の扉。
遠矢塔利:一つを開ければ厨房に、一つを開ければ洗面所に。
遠矢塔利:しかし、同じ扉を二度開けても、その先の部屋は移り変わり。
遠矢塔利:カチリとくすんだ金の鍵を指して回せば、不思議と同じ部屋が開く。
遠矢塔利:(1と、2と……)
遠矢塔利:そうして、長らく使われていない客間を扉の向こうに『揃えて』居る内に、一つの扉が中から開いた
遠矢塔利:「………?」
襟沢理人:「……申し訳ない、このお屋敷については聞かされていたのですが」
襟沢理人:「どうやって部屋が”揃え”られていくのか興味があり……」
遠矢塔利:「そうでしたか、特に、面白い事では無いのですが……」
遠矢塔利:白い肌の少女が廊下の少し先で佇む。
襟沢理人:「建物そのものがレネゲイドアイテム。そうそうお目にかかれるものでもないですし」
襟沢理人:遠矢嬢の元へ歩み寄り
襟沢理人:「二人きりで……話をしてみたくて」
遠矢塔利:「そうですか……あぁ」
遠矢塔利:「お礼が遅れました」
遠矢塔利:「先程は、ご助力をありがとうございます」
遠矢塔利:扉に向かっていた体を正面に向けて、丁寧に頭を下げる
襟沢理人:「い……いや、その……」
遠矢塔利:「私一人だと、どうなっていたことでしょう」
襟沢理人:(どうしよう、エリートらしく不遜に振る舞うか……いや)
遠矢塔利:「あの落ち着き。このような場も、何度もくぐり抜けてきたのでしょうね……」
襟沢理人:「えっ、ま、まあそうですが……!」
遠矢塔利:「はい。"ダイアゴナル"様の立会に感謝いたします」
遠矢塔利:頭を上げて、目元に掛かった薄紫の髪を指で漉く。
襟沢理人:「……貴女の、気品ある対応……あってのことですから……」
遠矢塔利:「気品ですか……?」
遠矢塔利:あまりピンときていない顔。
襟沢理人:「流石は、気品ある一族という感じで」
襟沢理人:「同じエリートとして親近感を感じる程でしたよ……!」
襟沢理人:(この褒め方で、合ってるのかな……?)
遠矢塔利:「ありがとうございます。経験豊富な方から評価頂くのは面映ゆいですね」
襟沢理人:「あはは……」
襟沢理人:「と、話しておきたい内容というのは」
遠矢塔利:「はい?」
襟沢理人:「改めての、意思確認です」
遠矢塔利:「意思確認、ですか?」
襟沢理人:「ギルドに……"エスティメイター"に、ここの貯蔵品を渡すつもりがあるかどうかの、です」
襟沢理人:「UGNとしては、彼らには1つたりとも持ち帰らせる訳にはいかない」
襟沢理人:「貴女はどう思っています?」
遠矢塔利:「そうですね……」
遠矢塔利:「"価値に見合うと判断すれば"」
遠矢塔利:さきほど、お付きの人に返したのと同じ言葉を返す。
遠矢塔利:「……ただ」
遠矢塔利:「お祖父様や、当家の先人達が残したこの家と、品物と………」
遠矢塔利:「釣り合うものを、私は知らないのです」
襟沢理人:「少なくとも、金で渡すつもりは無い、と」
遠矢塔利:薄く光る碧の瞳で見ながら答える。
遠矢塔利:「そう、ですね……お金は、自分でも稼げますから……」
遠矢塔利:「この、答えは」
遠矢塔利:「"ダイアゴナル"様の意に沿う物でしたか?」
襟沢理人:「……もちろん」
遠矢塔利:絹糸を束ねた髪を揺らして尋ねる。
遠矢塔利:「よかった。安心しました」
襟沢理人:「改めて、私たちの目的は同じと確認できましたから」
襟沢理人:「今の彼らには、渡すわけにはいかない」
襟沢理人:「ボクの力を以て、あなたを支えましょう……」
遠矢塔利:「はい………好意的な関係が構築出来ることを、大変嬉しく思います」
遠矢塔利:カチリ、と。
遠矢塔利:応答の合間に開いていた扉の向こうに、客間が広がる。
遠矢塔利:「……この部屋は使えそうですね。"ダイアゴナル"様は、こちらをお使いください」
遠矢塔利:キィ、と開いた扉から一歩下がって、丁寧に礼をする。
襟沢理人:「ええ、お世話になります」
襟沢理人:正直緊張し続けだったが、やっと一人で落ち着ける時間が来る……そう、油断した時
襟沢理人:ピシャアッ!
遠矢塔利:メイクされたベッドと、水差し。額に飾られた絵や装飾の向こうには、不思議と窓が外を映していて。
遠矢塔利:白い稲光の後に、遅れて雷鳴が来た。
襟沢理人:「ひぁぁっ!!」
襟沢理人:それまでの落ち着き払った声とは真逆の、ひっくり返ったような悲鳴
襟沢理人:恐怖した心は、何か縋れるものを求めて
襟沢理人:思わず、飛びついてしまった
遠矢塔利:「きゃっ…!?」
遠矢塔利:室内からの稲光。その対角線に居た、少女の体。
襟沢理人:「うぅ………」
襟沢理人:昔からどうも、雷だけは苦手だ
遠矢塔利:「…………」
遠矢塔利:同年代と比較して小柄な少女の体。
遠矢塔利:ただし、年齢差により少しだけこちらの頭の位置が高い。
遠矢塔利:貴方の鎖骨を圧迫する感覚と、冷たい体温の感触が腕に伝わる
遠矢塔利:「……………あ、あの」
遠矢塔利:「大丈夫、でしょうか?」
襟沢理人:「………あ」
襟沢理人:「………あ、あ、あ!」
遠矢塔利:「すみません、何か粗相がありましたか…?」
襟沢理人:ポッポコーンのように飛びのいて
襟沢理人:「いや、その全然、あの、あう……」
遠矢塔利:「…………?」
襟沢理人:「も、ももも、申し訳ありませんでしたぁー!」
遠矢塔利:「えっ……え?」
襟沢理人:どうすれば良いのかも分からず、自分の部屋へと逃げるように去っていく
遠矢塔利:「あっ」
遠矢塔利:バタン、と閉じられた扉。わずかに起こる風にふわりと髪の毛がはためく。
遠矢塔利:扉の外。そのうめき声は伝わらない。
遠矢塔利:「あの……ご気分が悪ければ、後で薬をお持ちします、ね?」
遠矢塔利:そうとだけ声をかけて、困ったように廊下の窓に目をやると、透けた鏡像にわずかに乱れた着衣が映る。
遠矢塔利:「……あぁ、いけない」
遠矢塔利:髪を整えて、ブラウスのシワを伸ばす。
遠矢塔利:そして、応接間へと足を向けていった。
襟沢理人:扉の裏にもたれかかって、呼吸を整える
襟沢理人:「あ、あ、あんな……抱き着いてしまった……エリートとしてあるまじき……」
襟沢理人:僅かな時間だったが感じた、柔らかな感触、低めの体温、ふわりと鼻腔をくすぐった甘い匂い……
襟沢理人:「いや思い出してる場合じゃない……嫌われてしまった……絶対に……!」
襟沢理人:「ど……どうしよう……明日……」
襟沢理人:───こんな悩みが、些細に思えるほどの事件が起きるとは
襟沢理人:───まだこの時は、思ってもみなかったんだ
GM:このシーンではロイスのみ可能。襟沢くんの言う通り、
GM:事件が起こるとは思ってもいないので、購入判定はまだできません。
遠矢塔利:アイコピー!
襟沢理人:イエッサー!
遠矢塔利:「“エスティメイター” P困惑/○N警戒」「"ダイアゴナル"襟沢理人 ○P信用/N心配」の2つを取得します
襟沢理人:遠矢嬢に P連帯感/〇罪悪感N で取得します
◆Opening◆御厨由佳
GM:それではオープニング2。御厨さんを開始します。
GM:登場侵蝕を振ってください。
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 3)増加 (30 → 33)
某県山中
GM:夜が更けつつある。しかも、鬱蒼とした森を通るような山道で……
GM:この男女二名は徒歩だ。車も使ってはいない。
GM:一人は、黒スーツ姿の大柄な男だ。サメを思わせる鋭い歯が大きな口から覗く。
GM:そしてもう一人は、ただの女学生のように見える。いかにも怪人めいた男との取り合わせとしては、奇妙だ。
“ビッグジュース”:「御厨ァ。道はこれで合ってんのかな?」
御厨由佳:学生用のブラウスに大きめのジャケットを羽織った少女だ。スクールバッグを携えている。
“ビッグジュース”:大きな手には小さすぎるスマホを睨みながら歩いている。山中で歩きスマホ。
御厨由佳:「地図が合ってるというのなら、そうじゃないんですか~?」
“ビッグジュース”:「バスもコンビニもないのにどうやってこんなとこで暮らしてんだ?幽霊なのか?」
御厨由佳:「さあ?案外、」
御厨由佳:「自分で狩ってるとか。」
“ビッグジュース”:「猟師かよ。そりゃいいな」口の端から呼気を漏らすような笑い。
“ビッグジュース”:「例えば、夜中にさァ」
御厨由佳:「?」
“ビッグジュース”:「ビッグマックをちょっと3つばかし喰いてえな~って気分になった時には、遠矢塔利はどうするんだ?」
“ビッグジュース”:「他の食いもんじゃ絶対代わりにならないだろ。ビッグマックの気分なんだからよ」
御厨由佳:「お金持ちなんでしょう?ヘリ呼んで街に降りるとか。」
御厨由佳:「私はそんな気分の時ないですけどね~。」
“ビッグジュース”:「ふ~ん。お嬢様舌なんだな。それとも、噂はマジなのかよ?」
“ビッグジュース”:「人喰いコック」
御厨由佳:「まさか」
御厨由佳:くすりと笑い、スクールバッグからサンドイッチを取り出す。
御厨由佳:ローストされた肉と卵をベースとしたソースが挟まったものだ。
“ビッグジュース”:「……。噂よりはマトモそうなやつで良かったよ。腕も確かだっていうしな」
御厨由佳:「一つ、いかがです?」
“ビッグジュース”:「おう。俺の口にゃ小さすぎるかもだけどな」
御厨由佳:じっと、”ビッグジュース”の口元を見つめる。
“ビッグジュース”:サンドイッチをムシャムシャと食べながら、構わず話す。
御厨由佳:その肉が腹に収まったのを確認して、ふわりと微笑む。
“ビッグジュース”:「知ってるか?『肉食教書』がどういうアイテムなのか」
“ビッグジュース”:「『依頼主』がこれだけの大金積んで探してるもんだから、さぞかしとんでもない遺産だって思うだろ」
“ビッグジュース”:「ソースが美味えな。蜂蜜かなにか使ってるのかこれ?」
御厨由佳:「はい。卵と黒胡椒と少しだけはちみつを。」
御厨由佳:「お肉は肩ロースを使ってます。」
“ビッグジュース”:「ふ~ん」
“ビッグジュース”:「やべえ、油断するともっと食いたくなりそうだ。それで『肉食教書』なんだけどよ」
“ビッグジュース”:「これが何でもないんだ。ただの本」
御厨由佳:「当てましょうか?レシピ本だったりして。」
“ビッグジュース”:「まあ名前からしてな。そうなんだよ。ただの肉じゃないぜ」
“ビッグジュース”:「幻獣の肉を使った料理が載っているらしい」
御厨由佳:「幻、獣?つまり……ドラゴンとか、ユニコーンとか、チュパカブラとか?」
“ビッグジュース”:「ドラゴン料理。ユニコーン料理。人魚料理。……冗談みたいだけどよォ」
“ビッグジュース”:「本当に喰ったやつが歴史上いるのか?絶対ジョークブックの類だと思うんだがな」
御厨由佳:「例えばの話ですけど」
御厨由佳:「大昔にいたレネゲイドビーイングだとか、ジャームだとかが”幻獣”扱いされてたら」
御厨由佳:「現実味が少しだけありませんか~?」
“ビッグジュース”:「あ~、そうかもな。だとしたら『オーヴァード料理』の本ってことになるぜ」
“ビッグジュース”:「そんな時代にオーヴァード捕まえて喰ってた奴がいたら、本物のバケモノだな」
御厨由佳:「…………料理人志望として、興味がありますね~」
“ビッグジュース”:「とにかく、そのチンケな本を無傷で奪えば任務は終了だ。手順を確認するぞ」
“ビッグジュース”:「お前が先行して、遠矢塔利を不意打ちでとっ捕まえる」
“ビッグジュース”:「ちなみに拷問なんかは得意なタイプか?」
御厨由佳:「いいえ。」
御厨由佳:「料理人志望に何求めてるんですか~」
“ビッグジュース”:「じゃあそっちは俺がやるか。問題の屋敷は遠矢塔利の意志でいくらでも構造が変わるって話だからな」
“ビッグジュース”:「本人の意志で『肉食教書』を出させなきゃならねーんだ」
御厨由佳:「なるほど~。でも無傷で出してもらえるんですか~?」
御厨由佳:「拷問なんてしたら。」
“ビッグジュース”:「出るほうは簡単なんだよ。本体をぶっ殺した後で変質した構造ごと破壊すりゃいい。そのために俺がいる」
御厨由佳:「……物騒な話。」
GM:"ビッグジュース"は強力なエグザイル能力者だという。彼単独でも直接戦闘能力は十分だろう。
GM:この日はギルドから"エスティメイター"なる男が来訪するという情報も『依頼主』から提供されている。
御厨由佳:「同席者はどうするんですか?」
GM:故にUGN側からも監督人員が派遣されているが、御厨達二人に勝てる単純戦力があるわけではない。
“ビッグジュース”:「殺す」
“ビッグジュース”:「そっちはUGNだからな。最初に殺す。通信妨害はリーダーがやってくれる。一時しのぎだがな」
御厨由佳:「……はーぁ、相手がジャームだったらいいのになあ。」
“ビッグジュース”:「ちょうど、ギルドの客が来てる日だ。多少メチャクチャにしてやったところで――」
“ビッグジュース”:「連中の犯行ってことになる。並のマーセナリーなら喜ぶとこだぜ」
御厨由佳:「私、善良ですから。ジャームが相手なら心が痛まないなって。」
御厨由佳:そういってサンドイッチの最後のひとかけらを口に入れた。
“ビッグジュース”:「そんなにジャームがいいなら、ジャームにすればいいだろ」
御厨由佳:「養殖と天然は違うんですよ。お魚でもそうでしょう?」
御厨由佳:「どちらもおいしいですけど。」
“ビッグジュース”:「ふ~ん。ま、俺はそういうのよく分かんないけどな」
御厨由佳:「で、館はまだなんですか?」
“ビッグジュース”:「待てよ、もう少し……」スマホに目を近づける。
御厨由佳:「もう随分歩いてますよ~」
GM:その画面に、重い雫がぼたりと落ちる。
“ビッグジュース”:「……やばいな」空を見上げる。
御厨由佳:空を仰ぐ。「うわ」
GM:遠くから雷鳴が響いてくる。いつの間にか、天候が急変している。
“ビッグジュース”:「おいおい、これじゃずぶ濡れじゃねーか!どうする!」
“ビッグジュース”:「徒競走は得意か!?」
御厨由佳:「人並です~!」
“ビッグジュース”:「しょうがねえな!背負うか!?」
御厨由佳:「お願いします!ともかく館に急ぎましょう!着く前に遭難なんてしたくありませんからね~!」
“ビッグジュース”:「おい!おっぱいが背中に当たってんぞ!しまえねえのか!」
御厨由佳:「しまえるわけないじゃないですか~!」
“ビッグジュース”:「今の学生ってみんなこうなのかよ?遠矢塔利の写真も見たか?」
“ビッグジュース”:「胸がよ!」
御厨由佳:「えー!あれくらい普通じゃないんですかー!」
御厨由佳:嵐なので声を張っている。声を張るたびに背に柔らかな感触が広がるだろう。
“ビッグジュース”:「あ、普通なのか?本当か?」全力疾走ながら平然と話している。
“ビッグジュース”:「走るたびにおっぱいが当たって凄え!」
“ビッグジュース”:「俺の性欲が高まってきたぜ!仕事が終わったら一発やらせろ!」
御厨由佳:「えぇ!?嫌ですよ~!」
御厨由佳:「デリカシーの無い人ってキラーイ!」
“ビッグジュース”:「おっぱいの大きな女は淫乱じゃないのか!?」※ビッグジュース個人の見解であり、そのような価値観を推奨するものではありません。
御厨由佳:「偏見ですよ偏見!」
GM:言い争いながら走っていると、前方に倒壊しかけたようなあばら家がある。
“ビッグジュース”:「おう、ついたんじゃねえか……?え、ここが遠矢塔利の館……?」
御厨由佳:「あ!あれじゃないんですか!……みずぼらしいですけど。」
“ビッグジュース”:「すげえ小さいし……なんか木造で腐ってるけど……」
御厨由佳:”ビッグジュース”の背から降りて中を伺う。
御厨由佳:「使われてない別邸とか?誰かいますかー?」
GM:雨だけでも凌げるかと思っていたが、中も盛大に風雨が吹き込みまくっており、役に立ちそうにない。
GM:そして……
GM:
謎の男:「や……やあ」
謎の男:小さなあばら家の中で体育座りをしている、シルクハットに燕尾服の男。
御厨由佳:「うわっ」
謎の男:動いていない分、二人以上に全身濡れ鼠だ。
謎の男:「き、き、君達も登山客かな?」
御厨由佳:”ビッグジュース”と顔を見合わせる。
謎の男:「いやあ運が良かったな……!こんなところに偶然大雨を凌げるような建物があって」
“ビッグジュース”:「絶対違うだろこれ!」
御厨由佳:「凌げてないですって」
“ビッグジュース”:スマホを見る。「全然遠矢家じゃねーわこれ。200m先って書いてあるぜ」
御厨由佳:「でも相当近くなんですね。」
謎の男:「き、君……そこの女学生……」
謎の男:ビショビショになった上着を脱ぎ始める。
御厨由佳:「きゃっ」
謎の男:「こ、これを羽織ったほうがいい……雨でずぶ濡れになって……凄いことになってるから……」
御厨由佳:「…………」
御厨由佳:雨に濡れたブラウスを見下ろす。そこからわずかに透けて見えるピンク色の布地も。
謎の男:「ニコッ……」
謎の男:友好的に微笑みます。
“ビッグジュース”:「殺しておくか?」
御厨由佳:じーっとジャケットのジッパーを上げる。
御厨由佳:「………こほん。気持ちだけ受け取っておきます。」
御厨由佳:「あと物騒な話はよしましょう。」
“ビッグジュース”:「だからって放っておくのもな……」
御厨由佳:「連れてけばいいじゃないですか」
“ビッグジュース”:「そうだな。どうせ館まで行くなら連れてっても一緒か」
御厨由佳:「この人が怪しすぎて私たちへの警戒が疎かになるかもしれないし。」”ビッグジュース”の耳元に背伸びして囁く
謎の男:「えっ、あるのかい!?こんな山の中に避難できそうなところが」
御厨由佳:「はい!ちょっと先に館があるんです。」
謎の男:「なんて優しい人達だ……悪意があるようには全く思えない」
謎の男:「あ、ぼ、僕はこういう者で……」名刺を差し出します。
謎の男:『私立探偵 五百城NAOTO』と書かれているが
謎の男:雨でグシャグシャになり、インクがにじみ、端が折れ曲がっている。
御厨由佳:「………………」
御厨由佳:「ご、ご丁寧にどうも…えっと…五百城さん。」
“ビッグジュース”:「なんかかわいそうだなコイツ」
“ビッグジュース”:「こいつは御厨。俺は米沢だ。そう呼べ」
御厨由佳:「ええと、私たちは……」カヴァーが何だったかを思い出している
GM:御厨は高校の登山部のメンバーであり、
GM:登山中に気分が悪くなり引率の"ビッグジュース"こと米沢に介抱してもらっていたものの、
GM:他のメンバーを先行させ、休養できる場所を探しているというカヴァーであった。
御厨由佳:「高校の登山部で、引率の米沢先生に山小屋まで案内してもらってるんです。」
五百城NAOTO:「そ、それは良かった……若いうちは色んなことを経験しておくものだよ……ニコッ」
御厨由佳:「他のメンバーと先生には、私の体調のせいで迷惑を…」
五百城NAOTO:「僕は五百城NAOTO……探偵さ」
御厨由佳:「初めて見ました…探偵…。」
御厨由佳:「それじゃ、行きましょうか。立てますか?」
五百城NAOTO:「も、もちろん……ありがとう」
GM:3人になった同行者は、豪雨の山道を進む。夜闇にぬかるむ道だが、戦闘型のオーヴァードにとってはそもそも危険ではない。
GM:五百城NAOTOも意外にも高い身体能力で二人に追従しているようだった。やがて明かりが見える。
五百城NAOTO:「い、家だ……!本物の家だ!」
“ビッグジュース”:「さっきのは偽物だったな」
御厨由佳:「本物だった家だと思いますが…」
五百城NAOTO:「で、でも……これは、大変面白いことになってきたね」
五百城NAOTO:低体温症でガタガタと震えながら、ニコリ……と薄気味悪く笑う。
五百城NAOTO:「僕……なぜかこういう、謎の洋館とか奇習の残る村とか……外部と出入りできないような、特殊な状況で」
五百城NAOTO:「よく『巻き込まれがち』なのさ……。これって偶然なのかな?」
御厨由佳:「……偶然じゃないんですか~?」
御厨由佳:食人鬼ならぬ食鬼人は笑って答えた。
GM:シーン終了です。ロイスのみ可能。
御厨由佳:ロイス、五百城NAOTO/〇連帯感/肉付きが悪い/ロイス
御厨由佳:以上!
◆Middle01◆
GM:全員登場です。侵蝕率をどうぞ。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (37 → 45)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (33 → 41)
襟沢理人:41+1d10
DoubleCross : (41+1D10) → 41+1[1] → 42
襟沢理人:エリートの落ち着き……
遠矢邸 リビング
GM:外の嵐は激しいが、邸内に影響があるわけではない。
GM:翌朝には行き来も可能になるだろう。塔利は経験的に知っている。
GM:遠矢と襟沢は、各々で落ち着いた時間を過ごしていて良い。"エスティメイター"も端の椅子に座って読書などしています。
遠矢塔利:各々に寝室は用意したが、時間を潰す為の娯楽が豊富とは言い難い。
遠矢塔利:一人分の生活の痕跡がかすかに残るリビング。窓際の椅子で膝の上に書物を広げている。
襟沢理人:「……」部屋に閉じこもっているのも落ち着かず、リビングへ出てきた
襟沢理人:遠矢嬢に視線を一瞬向けて、すぐまた逸らす
遠矢塔利:「………?」
遠矢塔利:何度か、その所作を目にしつつ(監視業務は、大変そうですね……)
遠矢塔利:(お茶を、用意したほうが良いでしょうか)
遠矢塔利:膝上の本をパタリと閉じて、立ち上がろうとする。
襟沢理人:(気にしてないのかな……それとも、何も言いたくないくらい嫌われたか……)
GM:その時、呼び鈴が鳴る。玄関からだ。
"エスティメイター":「……む」読んでいた小説本を閉じる。
"エスティメイター":「他に来客の予定があったのかね?」遠矢を見る。
遠矢塔利:「……」一瞬だけ、不慣れからそれが呼び鈴だと気付くのに遅れる。
遠矢塔利:「いえ。本日の来客予定は以上です。……見てきますね」
襟沢理人:「ボクも……ご一緒します」
GM:ならば二人とも連れ立って玄関に迎えに行くことでしょう。
遠矢塔利:「ありがとうございます」
襟沢理人:予定外な来客、念には念をだ
遠矢塔利:薄暗い廊下は、玄関に向かうときには不思議と短く思える。
遠矢塔利:「どちら様……?」
GM:扉の外には3人の人間がいた。巨漢。少女。胡散臭い男。
遠矢塔利:ぎ、と蝶番を軋ませ、その姿を目にする。
御厨由佳:「どうも~」
“ビッグジュース”:「あ~、すんません。麓の高校の人間なんですけども」
“ビッグジュース”:「嵐で下山できなくなってしまいまして、ちょっと雨宿りだけでもさせていただけないですかねェ」
遠矢塔利:「それは、大変でございますね」
五百城NAOTO:「えへへ……どうもこんにちは。僕は五百城NAOTOといって」ヨレヨレの名刺を差し出してきます。
五百城NAOTO:「探偵です」
御厨由佳:「こちらの人も遭難したみたいです~。」
襟沢理人:「探……偵……?」
遠矢塔利:「高校の方に……探偵さん?」
遠矢塔利:湿っている名刺を両手で受け取る。
五百城NAOTO:『私立探偵 五百城NAOTO』
遠矢塔利:一歩下がって、雨の差し込む軒下から邸内へ招く。
遠矢塔利:「なにか、事件でもございましたか?」
五百城NAOTO:「いえ、特に今日はそういう仕事というわけでは……これから起きるかもしれませんけど」
五百城NAOTO:「未来のことは誰にも分かりませんからね!ニコッ……」
遠矢塔利:「えぇ……そう、ですね?」
“ビッグジュース”:「やっぱり殺したほうがいいんじゃないか」
襟沢理人:(不気味な男だ……)
遠矢塔利:ほほえみを返す。本人としては困惑を交えて。
御厨由佳:「聞こえますよ」こつんと肘でつつく。
“ビッグジュース”:「悪い」
遠矢塔利:その二人のやり取りには気づかない
遠矢塔利:「ともあれ、この嵐です。大変だったでしょう」
“ビッグジュース”:「俺は米沢です。こいつ……御厨の高校で教師やってて」
米沢:「玄関先を貸していただけるだけでも構わねえんで」
遠矢塔利:「五百城様、米沢様、御厨様ですね。私はこの館を管理しております、遠矢塔利。こちらは客人の……」
遠矢塔利:襟沢さんを手で示す
御厨由佳:「御厨です。ほんと、ハイキングのつもりだったから装備もなんにもなくて…」
御厨由佳:ちらりと襟沢を見る。
襟沢理人:「え、襟澤です」
襟沢理人:(なんだか個性的な3人だな……)
遠矢塔利:「それと、リビングには他のお客様がいらっしゃいます」
御厨由佳:(この子がUGNの護衛かな?…頬が柔らかそう。)
遠矢塔利:「お三方も、どうか当家でお寛ぎください。皆様もこの嵐で足止めをさせてしまって居ますので…」
襟沢理人:(いや、気後れしちゃダメだ……!)
五百城NAOTO:「アハハ、ぜんぜんお構いなく!襟沢くんだっけ?親戚のお子さんかな」
五百城NAOTO:「よろしくね!ニコッ……」
五百城NAOTO:かがんで握手を差し出してくる。
襟沢理人:(ニコッて口で言ったぞ)
襟沢理人:「まあ……そんなものです。よろしくお願いします」
襟沢理人:動揺を現さないように、笑顔で握手に応じる
五百城NAOTO:「ちゃんとしてるな~。僕の子供の頃に似てる」
五百城NAOTO:握手した手をぶんぶんと振る。
米沢:「じゃ、すんません。お世話になります……不躾だけどシャワーとか借りれますかね」
遠矢塔利:「ともあれ、皆様の体が冷えては大変です。まずはタオルを……」
遠矢塔利:「ええと、そうですね。その様子でしたら、お風呂場を準備したほうが良さそうです」
遠矢塔利:「ちょうど先程、用意を済ませたところです」
襟沢理人:握手からなんとか解き放たれ、遠矢嬢に耳打ち
遠矢塔利:「よろしければ、温まりください」
襟沢理人:(いいんですか……?"エスティメイター"も居るんですよ……?)
五百城NAOTO:「やった~」
御厨由佳:「わぁ、助かります~」
遠矢塔利:(ですが、外は危険ですので……)
遠矢塔利:「では、皆様……ご案内致します」
御厨由佳:(嵐がいい言い訳になってくれたな~)
遠矢邸 浴場
GM:普段は遠矢塔利しか用いることのない浴場だが、宿泊客にも対応できるよう十分な広さがあり、
GM:さらに二箇所以上ある。必要に応じて浴室を分けることも可能なのだ。
遠矢塔利:可能なのです。
御厨由佳:すごいぜ
GM:遠矢塔利と御厨由佳は同時に入浴していてよい。2人程度なら手狭には感じないだろう。
遠矢塔利:流石に大浴場、とまでは行かないものの
遠矢塔利:与えられたスペースに見合った浴場としての機能。
遠矢塔利:複数の蛇口と、浴槽が備えられている。
御厨由佳:「広ーい!すごいお風呂ですね!」
遠矢塔利:薄い湯気の湧く浴場の中で、非生物的な白さの肌に水滴が玉の形を取る。
遠矢塔利:「ありがとうございます。……普段は、私一人で使用しているのですが」
遠矢塔利:「二人ぐらいならば、支障は無いと思います」
御厨由佳:(外にあの子が張ってるし、ここで事を起こすのは現実的じゃないな~)
御厨由佳:(”ビッグジュース”さんとも連携出来ないだろうし)
御厨由佳:年相応にはしゃぐのも、冷徹に思考を巡らせるのも、
御厨由佳:どちらも本心だ。
遠矢塔利:「何か、足りないものがあったら仰ってくださいね」
遠矢塔利:普段は三つ編みに纏めた髪をほどき、クセのついていない髪をおろしている
御厨由佳:「ううん、シャンプーもリンスもうちのより断然いいやつだし、」
御厨由佳:「むしろ足りすぎてるくらい~」
遠矢塔利:「それはよかったです」
遠矢塔利:ほ、と密かに胸をなでおろす。
遠矢塔利:普段は客人が少ないため、もてなしを頑張ろうと少し肩に力が入っている
遠矢塔利:「御厨様は高校生でしたか。大変な天気でしたね」
御厨由佳:「うんうん。私は登山部なんだけど、」
御厨由佳:「さっきは体調崩して、付き添いの先生と先に下山しようとした矢先に雨に降られちゃって…」
遠矢塔利:「まぁ……!」8の字の形をしたスポンジで、石鹸を泡立てる。
遠矢塔利:「体調は、もう大丈夫でございますか?」
遠矢塔利:年代を感じる蛇口をひねると、シャワーヘッドから光を反射しながら水滴が放出される。
御厨由佳:「うん。休憩したらだいぶ良くなりました。」
御厨由佳:「風邪引いちゃう前に、こうしてお風呂にも入れたしね。」
遠矢塔利:「それは重畳でございます」
遠矢塔利:手の甲で温度を確かめた後、椅子を濡らして御厨さんに座るように促す。
遠矢塔利:「当家も、こんなにお客様が訪れるのはかつて無いことですので……」
御厨由佳:「ありがと。何から何まで助かります。」
遠矢塔利:「いつもより、賑やかです」
遠矢塔利:いえ、と頷いた後、御厨さんの腕から徐々にシャワーの温度を慣らせていく。
御厨由佳:「はぁ………きもちいい。」
遠矢塔利:「明日には天気も回復するはずですので、今夜はごゆっくりお休みください」
遠矢塔利:スポンジを2、3度握り、貴方の肌を優しく撫でる。
遠矢塔利:腕から肩、首筋。
遠矢塔利:それから背中に移る。「痛くはありませんか?」
御厨由佳:「うん………」湯に当たり、肌が濡れ紅潮している。
遠矢塔利:けして強くこすらず。疲れを溶かすように御厨さんの体を泡で包んでいく。
遠矢塔利:「こうして、体を洗うというのは」
遠矢塔利:「筋肉をマッサージする効果もあるそうです」
遠矢塔利:「特に運動をした後は、疲労を残さない……とか」
御厨由佳:「すごく上手……」
遠矢塔利:「ありがとうございます」
遠矢塔利:背後で微笑む気配。
遠矢塔利:「こういった、清拭の作法も……あ、流させて頂きますね」
遠矢塔利:体を包んでいた泡をシャワーの温水で流していく。
遠矢塔利:「前面はご自身で大丈夫でしょうか?」
遠矢塔利:と、スポンジを渡す
御厨由佳:「ふぃ~……ありがとうございました。うん。」
御厨由佳:と、自分で身体を洗った後、立ち上がる。
遠矢塔利:「……?」
御厨由佳:「今度は私が背中流しますよ。」
遠矢塔利:「えっ」
遠矢塔利:「いえ、そんな」
御厨由佳:「いいじゃないですか。ここまでやってもらうばかりなんて悪いですよ。」
遠矢塔利:「そう……なんでございますか」意表を突かれたように両手を振るが、そう言われて消極的に抵抗が収まる。
御厨由佳:「ね?」背中側に回って、固くなった肩に触れる。
遠矢塔利:「わっ……」そのまま座らされる。
遠矢塔利:おろした髪を手で纏めて、肩から前に流し、背中を露出される
遠矢塔利:「では……」「よろしくお願いします…?」
遠矢塔利:縮こまるようにちょこんと座る。
御厨由佳:御厨は、肉と骨の構造をよく理解している。
御厨由佳:何処に力が加わり、どこが固くなりやすく、逆にどこが脆いのか。
御厨由佳:それは、人型のジャームを解体した経験もあるからだ。
遠矢塔利:「………?」
御厨由佳:スポンジを置き、手で石鹸を泡立てる。
御厨由佳:肉を下ごしらえするように、背骨に両親指を置いて
遠矢塔利:一目見れば白兵に向いてない肉付きだとわかる。
遠矢塔利:また、背筋を伸ばし、重い荷物を背負う人間に特有の、後背に偏った付き方。
御厨由佳:筋肉を外側に広げるようにほぐしていく。
遠矢塔利:「っ」他人の肌が触れる感覚にピク、と反応する。
御厨由佳:(白い)(きれい) (味は)
遠矢塔利:「っ、……」
御厨由佳:(いや、”まだ”やめておこうっと)
遠矢塔利:人体の製図をなぞるように、的確に肉体がほぐされていく。
御厨由佳:手は背中全体を揉み解していく
御厨由佳:やがて手の位置は腰に、そして柔らかな肉の感触を背中に感じるだろう。
遠矢塔利:「ん……」体の反射反応として、他人が皮膚に触れる感覚がくすぐったさに変換される。
御厨由佳:気づけば、御厨の唇が耳のすぐそばに。
御厨由佳:「きれいですね。」
遠矢塔利:神経と血管が集まる部位として敏感な皮膚が、指の形までも触覚で理解する。
御厨由佳:「うらやましいです。」
遠矢塔利:「あっ、」発声とともに息が漏れて。
遠矢塔利:「……りがとう、ございます」
遠矢塔利:少しだけ浴室の熱が籠もった声で返す
御厨由佳:手は尻へ、そして腿へ。
御厨由佳:「前は、どうしますか?」
遠矢塔利:「御厨様も……整って、いらっしゃると、……」
遠矢塔利:太ももの筋肉のねじれをなぞるように指が滑る。
遠矢塔利:「だ、」
遠矢塔利:「大丈夫です。お客様にそこまでしていただくわけには……」
御厨由佳:腿から内腿へ行こうとした手が、ぴたりと止まる。
御厨由佳:「じゃ、終わりですね。」
御厨由佳:ぱっと体を離し、湯で石鹸を流す。
遠矢塔利:「ひゃ………」
遠矢塔利:二人分の体温の間にひやりと空気が挟まり、お湯に押し流される。
遠矢塔利:薄く桜色に浮いていた肌の血色が落ち着いていく。
遠矢塔利:「あ、ありがとうございました」
御厨由佳:「どういたしまして。」
御厨由佳:「………表の親戚の子、羨ましいですね。」
遠矢塔利:「……え?」
御厨由佳:「こんなにきれいなお姉さんがいるなんて。」
遠矢塔利:「あ……」なるほど、あの紹介ではそう見えるのか、と。
御厨由佳:湯船に浸かりながら前を洗う遠矢を見る
遠矢塔利:「ええと、襟沢様は親戚ではございません。用事があって当家に来訪した次第でして」
御厨由佳:「恋人?」
遠矢塔利:放置されたスポンジで、鏡を確認しながら体を洗っていく。
遠矢塔利:「いえ、恋人では………」
遠矢塔利:(そういえば)
遠矢塔利:(素性を明かすのは、UGNの方には迷惑のはずですね)
遠矢塔利:「……ないですね」
遠矢塔利:どう説明しましょう、と少し思考を挟みながら答える。
御厨由佳:「んん、まあ細かくは聞かないでおきます。」
御厨由佳:「でも……」
遠矢塔利:ざ、と泡を流して、長い髪をヘアバンドで挟む。
御厨由佳:「もし隠れた恋人なら、声が聞こえても黙っておきますね。」
御厨由佳:にこりと笑う
遠矢塔利:「……………」
遠矢塔利:その言葉に
遠矢塔利:「……?」
遠矢塔利:首を傾げて返し、湯船に浸かることにした。
遠矢邸 廊下
GM:長く、どこか不安にさせるような薄暗い廊下だ。
GM:襟沢理人はこの場で待機している。オーヴァードとはいえ、遠矢塔利は一人の少女だ。
GM:"エスティメイター"が館の中にいる今、無防備な状況で何らかの攻撃を仕掛けられないとも限らない――
襟沢理人:(護衛を任されるってことは、信頼されてるんだろうな……)
襟沢理人:(エリートは信頼を裏切らない、守り抜くぞ……!)
米沢:「お、玄関の時の小僧」
米沢:持ち込みであろう缶ビールを飲みながら通りかかる。
米沢:風呂に入っていたはずだが、もう出たのだとしたら恐ろしいまでの早風呂だ。
襟沢理人:(人の家で歩きながら飲酒!教師としてそれはどうなんだ)
米沢:(……ここで首をはねちまうのは簡単だが)
襟沢理人:「ど、どうも……」
米沢:("エスティメイター"が帰った後じゃねえと後始末が面倒だな)
米沢:(犯行容疑を連中に押し付けなきゃこの日を選んだ意味がねえ……ってリーダーに怒られる)
米沢:「なんでこんなとこに座ってんだ?椅子まで持ち込んで」
襟沢理人:「護衛です。万が一があるといけませんからね」
米沢:「護衛~?」笑う。
米沢:「お前みたいなちっこいのがかよ」
襟沢理人:「む」
襟沢理人:「人は見かけの大きさだけでは判断できませんよ」
米沢:「護衛は判断できるだろ。護衛なんて強さより見かけのほうが重要なんだからよ」
襟沢理人:「むむ……」
米沢:「フン」ちょっと勝ち誇ったように笑う。
米沢:「おい。本当の理由を当ててやろうか」
襟沢理人:「本当の理由……?」
米沢:「……覗くつもりなんだろ。女の子が入ってるところをよ~」
襟沢理人:「……んなわけ、ないでしょう!」
米沢:「わかるぜ!特に遠矢塔利!俺はああいう色白で線の細いタイプも実はいけるんだ」
襟沢理人:「教師なんですよね確か!?」
米沢:「一発ぶち犯……いや、裸を覗きたくなる気持ちはよく分かる」
襟沢理人:「わ……分かりませんよそんなの!」米沢の脛を軽く蹴る
米沢:「なんだよ。楽しく話せそうな予感がしたんだがな」全然効いていない。丸太の柱を蹴ったような感触だ。
>御厨由佳:「すごく上手……」
GM:浴室内の声がかすかに聞こえてくる。
襟沢理人:「………!」
襟沢理人:一瞬、体が硬直する
襟沢理人:(なんだかとても気持ちよさそうな声だ……)
米沢:「御厨もとっとと上がってくりゃいいのにな。他人の家の風呂だぞ」
米沢:「旅館でもそうだけどよ。他の家の風呂ってなんか嫌じゃねーか?」
襟沢理人:「落ち着かない、というのは分かりますが」
米沢:「シャンプーもシャワーの温度も違うし、落ち着かねえよな」
米沢:「……」
米沢:(……警戒はしてるが。所詮そこらのチルドレンのレベルだ。本職二人に太刀打ちできるタイプじゃねえ)
米沢:「じゃあ、俺は部屋に戻る。御厨が出てきたら伝えてくれよ」
襟沢理人:「分かりました。……飲みすぎは、体に毒ですからね!気を付けてください」
米沢:「心配してくれてんのか?ありがとよ!」掴んだままの缶を振って答える。
GM:米沢は立ち去ります。
襟沢理人:(……かなり鍛えているし、言動の端々から)
襟沢理人:(ただ者じゃないのを感じる)
襟沢理人:(だが無理に確かめようとして騒ぎを起こすのは、得策じゃない)
襟沢理人:(遠矢嬢の名誉を守るためにも……ここは警戒しておくに留めておこう)
>遠矢塔利:「あっ、」
襟沢理人:「!」
襟沢理人:(米沢が怪しい以上、一緒に来た御厨さんも当然……!)
襟沢理人:勿論踏み込むような真似はしないが、浴室の中へと意識を向ける
襟沢理人:これは必要なことなんだ……!
GM:先程よりも中の会話が聞こえるようになります
>遠矢塔利:「ひゃ………」
襟沢理人:(遠矢嬢……こんな声を……)
襟沢理人:(触れ合っているのかな……)
>遠矢塔利:「あ、ありがとうございました」
>御厨由佳:「どういたしまして。」
>御厨由佳:「………表の親戚の子、羨ましいですね。」
>遠矢塔利:「……え?」
>御厨由佳:「こんなにきれいなお姉さんがいるなんて。」
襟沢理人:「ボクの……ことか……」
>遠矢塔利:「ええと、襟沢様は親戚ではございません。用事があって当家に来訪した次第でして」
襟沢理人:(確かにそうだな……遠矢嬢は美しい……)
>御厨由佳:「恋人?」
襟沢理人:「えっ?」
>遠矢塔利:「いえ、恋人では………」
>遠矢塔利:「……ないですね」
襟沢理人:「…………」
襟沢理人:(それはその通り)
襟沢理人:(一瞬、落ち込んだりなんてしてないぞ)
GM:メインサブともに、ロイス取得が可能。
GM:平和な日常シーンでしたね
遠矢塔利:とっても平和でした よし、楽しく話せたな
御厨由佳:日常!
遠矢塔利:「御厨由佳 ○P尽力/N興味」で取得しておきましょう。お客様としてホストのもてなし、あと学校のこととかちょっと気になる。
御厨由佳:では遠矢塔利/〇きれい/まだ食べない/ロイス
御厨由佳:以上!
遠矢塔利:きゃあ
遠矢塔利:こちらも以上!
襟沢理人:こういった平和な日々を、大事にしていきたいですね
襟沢理人:まさにUGNの使命だ……
襟沢理人:米沢(”ビッグジュース”)に P感服/〇N猜疑心 でロイス取得します
◆Middle02◆
GM:事件発生シーンです。全員登場可能。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (45 → 50)
襟沢理人:42+1d10
DoubleCross : (42+1D10) → 42+9[9] → 51
襟沢理人:このボクが動揺している……?
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (41 → 49)
GM:侵蝕率は正直みたいだな
遠矢邸 廊下
GM:入浴を終えた遠矢塔利は、廊下前で護衛を続けていた襟沢と合流する。
GM:御厨もだいたい同じくらいの時間で入浴を終え、一緒に出てきただろう。
御厨由佳:「下着、同じサイズでよかったです~」
遠矢塔利:「えぇ、お役に立ててようございました」
御厨由佳:「なかなかないんですよね~、このサイズ…あ、襟沢くん?」
御厨由佳:「君も今お風呂出たとこ?」
遠矢塔利:「そうなんですね……同じ場所で用意していただいて、疎いもので」
襟沢理人:「い、異常はありませんでした!」
襟沢理人:なぜか敬礼
遠矢塔利:「襟沢様。……そうですか?お疲れ様です」
御厨由佳:(いいなあ…可愛い護衛。”ビッグジュース”さんちょっと肉食系すぎるんだもの。)
御厨由佳:襟沢の赤らんだ頬をちらりと見て、寝間着の袖でほくそ笑みを隠す。
遠矢塔利:「着替えなども、必要でしたら仰ってくださいね。といっても男性の衣類の備えは多くはないのですが……」
遠矢塔利:こちらも寝間着として失礼になりすぎない程度に着替えている。
遠矢塔利:湯上がりの髪を結わず、先端だけでふわりと纏めている。
襟沢理人:「ボクはずっと浴室を護衛していたので」
襟沢理人:「これからになりますが……」
襟沢理人:思えば、湯上りの異性と会話するのなんて、初めてだ(母は除く)
襟沢理人:濡れた髪の光沢や、鼻腔をくすぐる石鹸の匂い
襟沢理人:そして先ほど聞こえてきた声……などに思いを馳せていると
遠矢塔利:「他の方々も、ごゆるりとなされてると良いのですが」
五百城NAOTO:「ぎゃあああああ~~ッ!??」
御厨由佳:「!」
御厨由佳:「今の声は?」
GM:廊下の向こうから情けない叫び声が聞こえる……
遠矢塔利:「これは……悲鳴、でございますか?」
遠矢塔利:「……声のもとはあちら、でしょうか」
御厨由佳:「とにかく、行きましょう。」
遠矢塔利:「はい」
襟沢理人:「は……はい!」
五百城NAOTO:「ぎゃっ、ぎゃあ~ッ!ぎゃあ~~~ッ!!」
五百城NAOTO:「誰か来ないかなチラッ……ギャアーッ!!」
遠矢塔利:緩く纏めた髪が走るのに合わせて揺れる。
遠矢塔利:「どうなさいましたか?」呼ばれたようなので来た
五百城NAOTO:「あっ来た!と、遠矢嬢ッ!これは大変ですよ!」腰を抜かしている。
襟沢理人:遠矢の後から追いつく
五百城NAOTO:「死体が!!」
襟沢理人:(チラって言ってたよな……)
遠矢塔利:「し………」
五百城NAOTO:「あっ襟沢くんは見てはいけない!」
遠矢塔利:「死体……?」
GM:この距離まで近づけば、臭いでも異常に気づくことができるだろう。
GM:廊下の脇、散らかされたゴミを乱雑にまとめたかのように
GM:ズタズタに引き裂かれた肉塊がある。廊下の一角は血の海だ。
襟沢理人:「……いえ、そこまでこどもではありませんので……!」NAOTOの制止を聞かずに、その死体を見る
五百城NAOTO:「これは完全に致命傷!僕の探偵経験からしても間違いない……!」
御厨由佳:「………ひどい。」(盛り付けが汚すぎ)
遠矢塔利:「う………」
GM:ならば、襟沢の知っている顔だということが分かる。
襟沢理人:「遠矢嬢こそ、下がった方が良い……」
GM:"エスティメイター"の護衛の、目付きの鋭い女性の方。確か左京という女だ。
遠矢塔利:………血や、怪我を見ることに慣れはある。
遠矢塔利:ただそれは診療所にやってくるような、治療可能な範囲として。
遠矢塔利:「この方、は……」
襟沢理人:「どうして、こんな……!」
五百城NAOTO:「いや、僕が来たときにはもうこうなっていて……!」
五百城NAOTO:わざわざ怪しげな言い訳を始める男!
御厨由佳:「他の人は、大丈夫なんでしょうか」
御厨由佳:「先生や、先に来てたお客さんは…?」
米沢:「なんなんだようるせーな」スマホゲームをしながら廊下を歩いてくる。
米沢:「うわ、死体じゃねーか!おい御厨ァ……」
御厨由佳:「せ、先生!」
襟沢理人:「全員集めないと……」
米沢:「……じゃねえ!誰がやったんだ!?全然分からねえ!」
御厨由佳:駆け寄って米沢に怯えたように抱き着く。
御厨由佳:「あなたじゃないんですよね」小声で確認する
遠矢塔利:「そ、そうですね、他の方々も、無事を、確認いたしませんと……」
米沢:「そりゃこっちの台詞だバカ!こんなタイミングで殺す奴がいるか!?」小声。
襟沢理人:「残るは"エスティメイター"と右京……」
襟沢理人:「遠矢嬢、あなたの力でここに連れてくることはできますか?」
GM:米沢や御厨もそうだが、"エスティメイター"もこの館の中では自由に行動を許されている。
遠矢塔利:「ん………」
GM:彼らが仮にアイテムの盗難を試みたとしても、不可能だからだ。この館のセキュリティは遠矢塔利という個人である。
遠矢塔利:「先程の……リビングにいらっしゃるままならば、問題ないと思いますが」
遠矢塔利:簡単だ。すぐそこの扉を開ければ済む。……レネゲイドの秘匿と、二人の目を気にするならば、廊下の角を曲がれば良い。
襟沢理人:「呼びに行って、いただけますか?」
襟沢理人:遠矢嬢が隠れた場所へ行きやすいように促す
遠矢塔利:「はい……失礼します」
遠矢塔利:パタパタと小走りに動いて、角を曲がった所でリビングへの扉を繋げる。
遠矢邸 リビング
"エスティメイター":「……もう消灯時刻かね?」
"エスティメイター":ソファにもたれかかってテレビを見ていた。
"エスティメイター":「申し訳ない。すっかり寛いでしまった」
遠矢塔利:「失礼します、"エスティメイター"様」
遠矢塔利:「いえ、恐縮です……が、お耳に入れておきたいことが」
"エスティメイター":「……何か?」
遠矢塔利:反射的に、室内にもう一人……右京と呼ばれていた人物も目で探る
遠矢塔利:「…………」少し言葉に迷い
右京:右京もこの場にいる。不思議そうに遠矢を見る。
遠矢塔利:「先程、左京様が………」
遠矢塔利:「し、」
遠矢塔利:「……死体、となって、発見されました」
"エスティメイター":「……!?どういうことだ!?」
右京:「さ、左京が、死んだ!?」
"エスティメイター":「すぐに向かう。案内してもらおう」
遠矢邸 廊下
GM:全員が現場である廊下の一角に集合した。五百城はまだ腰を抜かしたままだった。
"エスティメイター":「ぬう……」冷や汗を床板に落とす。
遠矢塔利:二人を伴って、元の場所に。(見間違いでは、ありませんでした…)
"エスティメイター":「確かに……左京だ。まさかただの『商談』でこんなことになるとは…………」
"エスティメイター":「……誰がやった?」
襟沢理人:「この館に居たのは、8人だけ」
遠矢塔利:「はい……外から新たにお客様がいらっしゃれば、おそらく気づけると思います」
五百城NAOTO:「その通り……山中の上にこの嵐の中、外部から自由に出入りできる状況にあったとは思い難い」
襟沢理人:「ならば……やはり犯人は……」
五百城NAOTO:「この中にいる……!!!」
米沢:「おい!冗談じゃねーぞ。そんなこと言ったらお前が現状トップで怪しいじゃねえか、探偵」
遠矢塔利:「………!?」わずかに息を呑む。
御厨由佳:「落ち着いてくださいよ。」
御厨由佳:「こんなの、人間に出来っこないじゃないですか。」
襟沢理人:確かに、人の力ではありえないほどに、肉体は損壊している
GM:手口について調査することが出来ます。〈白兵〉または〈知識:医学〉で難易度8。
遠矢塔利:知識:人体ならありますが、こちらで代用できますか?
GM:もちろんOK!よくそんな知識持ってましたね
遠矢塔利:診療所に通ってますので……
遠矢塔利:2dx+1>=8 知識:人体
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 5[4,5]+1 → 6 → 失敗
遠矢塔利:なにもわかんないです
GM:ぼんやり塔利ちゃん
襟沢理人:〈知識:医学〉で判定させていただきましょう
GM:どうぞどうぞ
遠矢塔利:はわー
御厨由佳:医学で判定!
御厨由佳:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[3,5,10]+3[3] → 13
御厨由佳:まるわかり
遠矢塔利:詳しい
襟沢理人:4dx>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 4[2,3,3,4] → 4 → 失敗
遠矢塔利:人の解体方法に詳しい子がおる
襟沢理人:ぼんやりエリートです
GM:みんな死体に慣れてなさすぎ
遠矢塔利:人付き合い疎くて…
襟沢理人:そういうことなのかな?
GM:御厨さんにだけはわかります。
GM:肉片が乱雑なためわかりにくいものの、規則的に創傷が並び、引きちぎられている。
GM:例えるなら鰐のような、巨大な獣に食いちぎられた痕跡と見てよさそうだ。人間業ではない。
GM:もっとも、「オーヴァードではない人間」に限るだろうが。
御厨由佳:「ほら、あれってもしかして…噛み痕じゃないですか?」
遠矢塔利:「………噛み痕?」
御厨由佳:「人間じゃないもっと大きい生き物ですよ…鰐…は山にいないと思いますけど」
五百城NAOTO:「あっ、本当だ。南米で似たのを見たことがあります。カバに襲われた人間の死体を見たことがあって……」
遠矢塔利:「カバですか………」
襟沢理人:「噛み千切られた……か」
米沢:「まさか本当に飼ってるとか言わねーだろうな」
遠矢塔利:「いえ、生き物は飼っておりません」
遠矢塔利:「その…迷子になってしまいますので」
"エスティメイター":「動物とは限らんだろう」
遠矢塔利:「"エスティメイター"様……?」
"エスティメイター":「正式な書類を塵に変えることも、塵を正式な書類に変えることもできる……そう言ったな。襟沢くん」
襟沢理人:「…………」頷く
"エスティメイター":「ならばオーヴァードであれば、人間を猛獣のようにすることも、その逆も可能だということだ」
"エスティメイター":「君達二人の中に『獣』がいないとは誰も証明できない」遠矢と襟沢に向けて言う。
五百城NAOTO:「オーヴァード……?」
米沢:(……)
御厨由佳:「オーヴァードが何か知りませんけど、それもないですよ。」
御厨由佳:「遠矢さんと私は入浴中でした。」
襟沢理人:(切り出してきたか、この際記憶処理班を呼ぶことも考えよう)
御厨由佳:「襟沢さんは浴室のドアの前にいたはずです。」
襟沢理人:「そうです!護衛として……」
"エスティメイター":「『ドアの前にいた』ことは証明にならない。それともドアを開けて互いに姿を確認していたのかね?」
襟沢理人:「米沢さんと、話もしましたね」
米沢:「俺が見ている」挙手する。
米沢:「風呂の前でこの小僧と話した。そいつはアリバイにはならないのか?」
"エスティメイター":「私はリビングにいた。右京も同様だ」
右京:「そ、そうです!えっと、じゃあ残ってるのは……」
五百城NAOTO:「………………」
五百城NAOTO:「……え、僕???」
遠矢塔利:「米沢様と襟沢様。私と御厨様。そしてお二方が立証され、残るのは五百城様ですが……」
遠矢塔利:「そもそもが、人の力では実現不可能、という話だったのでは?」
五百城NAOTO:「そ、そうだよ!オーヴァードとか僕は絶対知らないし」
遠矢塔利:「五百城様含め、お三方は偶然この天候で軒を求めたお客人です」
遠矢塔利:「流石に、このようなことを起こす理由がないと思われますが……」
五百城NAOTO:「そう!その通り!そんな偶然現れた人間が犯人なんて……想像力が豊か過ぎるよ!」
五百城NAOTO:「小説家にでもなったらどうだい!」
襟沢理人:「探偵がそれを言うんですか」
"エスティメイター":「左京は私の部下だ。なんとしても犯人は見つけ出し……然るべき報いを与える」
遠矢塔利:(言ってはダメなのでしょうか……?)
襟沢理人:「咄嗟の口論が原因でここまでの事態に発展した……そんな可能性もあります」
"エスティメイター":「それは私の仕事の『信用』に関わるからだ……悪いが、個人的に捜査させてもらう」
"エスティメイター":「構わないだろうね、遠矢嬢」
御厨由佳:「捜査はいいんですけど、」
遠矢塔利:「はい、調べていただくのは問題ございませんが……」
御厨由佳:「まずは全員の安全を確保した方がいいんじゃないでしょうか…?」
遠矢塔利:御厨さんの提案に頷く。
御厨由佳:「外から来た野生生物が犯人だったら、」
御厨由佳:「単独行動が一番危険ですよ?」
襟沢理人:「勝手な行動は……控えていただきたい」
"エスティメイター":「私は野生動物が犯人とは考えていないがね」
"エスティメイター":「肉は大部分が残っている。この犯人が食わずに『殺す』ことを目的としていたからだ」
"エスティメイター":「犯人と同行して捜査した場合、犯人がその場で証拠を隠滅することが可能になる……」
五百城NAOTO:「えっと、どうかな皆さん……ここはちょうど探偵である僕に全面的に捜査を任せるというのは……」
襟沢理人:「第一発見者で、アリバイらしいアリバイも無い」
襟沢理人:「申し訳ないが……大人しくしていてほしい」
御厨由佳:ため息を吐く
米沢:「御厨」小声で話す。
御厨由佳:「これに便乗、なんてのは無しですよ。」
米沢:「分かってるよそんなのは」
襟沢理人:(”エスティメイター”はこちらが言って聞くような男じゃないからな……)
米沢:「明日の朝、"エスティメイター"に無事に帰ってもらうのが重要なんだ。俺たちの仕事はそこからだ」
米沢:「奴が死なねえように見張る役は俺がやる。お前はこっちの犯人の方を探して殺せ」
襟沢理人:「独自に動くなら……それも仕方ないですが、一つ聞いてよろしいか、”エスティメイター”さん」
米沢:「特に……遠矢塔利を先に殺られちまったら仕事は絶対に完遂できなくなるんだからな」
御厨由佳:「……分かりました。」
"エスティメイター":「……なんだね」
襟沢理人:「左京さんを最後に見たのは、いつですか?」
"エスティメイター":「夕食の時だ。私は遠矢嬢に呼ばれるまではリビングにいた。君も見ているだろう」
襟沢理人:「それから先、左京さんは一人で行動を?」
"エスティメイター":「嵐のせいで予定は全てキャンセルになってしまった。夜くらいは自由にさせてやろうと思っていたが、裏目に出てしまったな」
襟沢理人:「……ありがとうございます」
遠矢塔利:「……ええと、それでは、ひとまずの方針として」
遠矢塔利:「調査をするにも、極力お一人にならず、お二人以上で行動をしていただくように、お願いします」
"エスティメイター":「右京では力不足だな……」苦々しく呟く。
右京:「ええっ!?そんな」
遠矢塔利:「……私達も、こちらで調査を行いましょうか、襟沢様」
襟沢理人:「ええ」
御厨由佳:「ご心配なら、先生にも行ってもらいましょうか?」
御厨由佳:”エスティメイター”に
"エスティメイター":「……結構だ。右京もいざという時の盾くらいにはなる」
右京:「ええ……」
米沢:(言われなくてもついていくけどな)肉体を変形させ、物陰に容易に潜むことの可能なエグザイル能力者だ。
米沢:「そうだ、遠矢のお嬢さん。御厨をそっちに同行させてやってくれませんかね?」
遠矢塔利:「え?それは……はい、構いませんが」
御厨由佳:「そうですね。残った人たちで固まった方がいいと思いますから。」
米沢:「年も近いし、一人で不安がってるんで。俺と一緒でもいいけど、別の意味で不安かもな」
御厨由佳:肘で米沢の脇腹をつつく
遠矢塔利:「なるほど………」
遠矢塔利:(仮に外部の方が入り込んでいるとして)
遠矢塔利:(人をあのようにしてしまう危険な方なら………私が盾になりませんと)
遠矢塔利:戦闘に向いていないとは言え、オーヴァード。
遠矢塔利:ある程度の肉体の損壊までは許容できるし……なにより、ホスト側だから。
遠矢塔利:「では、その」
遠矢塔利:「よろしくお願いします、おふた方」
襟沢理人:「任せてください、調査も護衛も」
御厨由佳:「よろしくお願いします。探偵さんもこっち!」
五百城NAOTO:「えっ!?」しょんぼりしながら指を床にくるくるさせていたところだった。
五百城NAOTO:「僕もいいのかい!?」
襟沢理人:「放置しておくわけにもいきませんからね……」
五百城NAOTO:「てっきりこんな怪しい人間と一緒に捜査なんてできないと言われるかと……」
御厨由佳:「一人にしておいても危険じゃないですか…」
襟沢理人:(自覚あるのかよ!)
"エスティメイター":「決まりだな。我々と……遠矢嬢とで別れて捜索する。朝までには犯人が特定できることを祈ろう」
"エスティメイター":「時間が惜しい。失礼する」
遠矢塔利:「はい、お気をつけて……」
御厨由佳:「………大丈夫かな」
五百城NAOTO:「僕達も頑張ろう!我々八人の他に……未知の九人目が存在するかもしれない!」
遠矢塔利:「わかりません………」少しだけ俯く
五百城NAOTO:「名付けるなら……そう『九人目の獣』……!!」どうにか外部犯の存在を仮定して疑いを逸らそうとしている。
五百城NAOTO:「それはこの館の中にいる!」
遠矢塔利:「そうですね。こちらが先に見つけてしまえば、安全になりますし……あ」
遠矢塔利:「すみません。少々時間を頂きます。寝間着に着替えてしまったので……」
遠矢塔利:「動きやすい服装に、着替えてまいります」
襟沢理人:「!それは大変だ」
御厨由佳:「私も着替えていい?いつもの服、乾いてるかな…」
GM:では、各々が自室に戻り、捜索の準備をしてから合流ということになるでしょう。
GM:シーンは一旦ここで終わり。ロイスのみ可能。購入は残念ながらまだ。
遠矢塔利:ロイスは一旦保留!
御厨由佳:ロイス保留!
襟沢理人:ロイスは保留ですね!
◆Middle03◆
GM:では次のシーン。シーンプレイヤーは遠矢さんから。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (50 → 56)
遠矢邸 私室
GM:遠矢塔利の自室。塔利ちゃんはここで着替えを始めとした準備をしていることでしょう。
遠矢塔利:客間と比べて、私室として使っている部屋に、それほど違いはない。
遠矢塔利:ただ、ベッドのシーツや時計、アンティークのチェストなどに生活の痕跡を感じられる程度。
遠矢塔利:そのチェストを2段ほど開けて、シンプルな襟付きのブラウスにスカート、新しく夜用ではない下着を取り出す。
遠矢塔利:ゆったりとした一体型の寝間着を、肩からするりと脱ぐ。
遠矢塔利:動きの少ない夜に合わせた下着のホックを3つ外して、代わりに今取り出したものを身につける。
遠矢塔利:暗い色のスカートに白の足を通し、腰回りに絞るように止める。
遠矢塔利:そして、薄く色づいたブラウスに袖を通そうとして……
GM:その時、扉が開く。
GM:廊下につながる扉ではない。普段は使うことのない、奥の物置側の扉であった。
遠矢塔利:「え?」
遠矢塔利:ボタンを止めようとした手を止めて、振り向く。
襟沢理人:51+1d10
DoubleCross : (51+1D10) → 51+5[5] → 56
襟沢理人:「ふう、部屋に帰ってやることもないが……」
襟沢理人:扉の奥、部屋の中へと、真っすぐに視線を向けて
遠矢塔利:「─────」
遠矢塔利:夜を封じ込めた様な瞳が視線を返す。
遠矢塔利:多少の困惑を滲ませて、ブラウスのボタンを止めるのも忘れたまま貴方を見る
襟沢理人:そこには、着替え中の───上半身がはだけた姿の
襟沢理人:「と、遠矢嬢……?」
襟沢理人:「え、え、なん、で」
遠矢塔利:その瞳を薄めたような水色の下着が、ブラウスの奥から覗いていた。
遠矢塔利:「ええと………」
GM:襟沢からしてみれば、全く意味不明な事態だ。ただ自室に戻り、扉を開けただけのつもりだった。
襟沢理人:「こ、ここ、ボクの部屋で……」
遠矢塔利:不思議そうに近づく。
遠矢塔利:「襟沢様?今、どちらからいらっしゃったのでしょうか……?」
遠矢塔利:入ってきた扉の奥を覗き込もうとする
GM:元のような物置……に見える。
襟沢理人:「え、あ、ひゃ……」ずっと、遠矢嬢の美しい肢体から目を離せずにいる
GM:だが、そもそも廊下で別れた状況から塔利を追い越して物置に待ち伏せできるはずもない。自室には鍵もかかっていたのだ。
遠矢塔利:その鍵を"いんちき"出来るのは、少なくとも自分だけのはず。
遠矢塔利:襟沢さんの肩越しに物置を覗いた後、考え事をするように両手を口の前で合わせる
遠矢塔利:「いったいどうして……?」
襟沢理人:「わ、あ、あの………」掠れた声で
遠矢塔利:「襟沢様、いったいどのように……襟沢様?」
襟沢理人:(だめだ……おっきい……)
遠矢塔利:呆然と見える顔の頬に、指の背で触れようとする。
襟沢理人:日に焼けていない白い肌に、ほっそりとした四肢
襟沢理人:そしてそれに不釣り合いな……豊かな膨らみ
遠矢塔利:背後にある光源から自分が影になるのを避けるように、少し前かがんで照らす。
襟沢理人:それが今、目の前に……
遠矢塔利:「大丈夫でございますか…?」
襟沢理人:「……はっ!はい……」
襟沢理人:天へと昇りそうだった意識を引き戻し
襟沢理人:「遠矢嬢はなぜこの部屋に……?」
遠矢塔利:「?………何故、と問われましても」
襟沢理人:昂った心が、一周して冷静な受け答えができるようになった
遠矢塔利:「ここが私の部屋でございますので……あぁ、すみません」
遠矢塔利:「お客様の前で、こんな格好のまま」
遠矢塔利:ようやく自分が着衣の途中と思い至って、ブラウスのボタンを引きつつ閉じていく。
襟沢理人:「いや全然!遠矢嬢はどんな姿でも美しいですから……!」
襟沢理人:「じゃなくて、そう……言われてみれば」
襟沢理人:部屋の装飾も構造も自分の部屋とはまるで違い
遠矢塔利:冷静に見れば貴方に用意された客間とは異なっている。
遠矢塔利:調度品、痕跡、チェスト
遠矢塔利:先程まで着ていた、見覚えのある着衣の存在。
遠矢塔利:異なる部屋だと理解できるでしょう
襟沢理人:(あ、あんな……透けてる部分もあるものを遠矢嬢が……)
襟沢理人:「確かに、間違いなく遠矢嬢のお部屋だ……だが信じて欲しい、ボクは確かに自室の扉を開けたのです」
遠矢塔利:「はい。確かにそのようです」
GM:この館はそれそのものが遺産だ。構造は全て、遠矢塔利の意志で制御できる。
GM:今も可能なはずだ。だが、このような『誤作動』が起こったことはなかった。
遠矢塔利:「私が繋げ直してもございません……ふむ」
遠矢塔利:「私ではなく、誤作動の可能性も限りなく薄いとするならば……」
遠矢塔利:いつも身につけている鍵を意識する。
遠矢塔利:この屋敷の鍵は自分だが、"自分"が最初だったわけではない。
遠矢塔利:(……別の"鍵"が、あるのでしょうか?)
GM:ではその時、扉をノックする音が聞こえます。今度は廊下側の扉。
襟沢理人:「遠矢嬢以外の誰かが、この屋敷を動かしている……!?」
遠矢塔利:「はい、どなたでしょう?」脱いだ寝間着を畳んだ後、扉を開ける
襟沢理人:「ま、待って、敵の可能性だって……!」
遠矢塔利:「……そのときは、他の方を狙わなかったことを感謝致しましょう」
矢邸 二階
GM:準備を終えた御厨は、約束の合流場所へと向かっている。
GM:広い家だ――七人の人間がこの中にはいるが、それでも部屋の数は極めて多く、孤独感を感じさせる。
GM:当然、大半の個室の明かりはついていない。だが。
GM:御厨が通りかかったある一室だけ、内側から光が漏れ出ている。
御厨由佳:「………?」
影:「…………」ブツブツ
影:「………」ボソボソ
GM:何か、ひょろ長い影がその部屋の中で書物のページを捲り続けている。
GM:そのシルエットは、御厨の知る来客の面々の誰とも異なるように思える。
御厨由佳:(おかしい)
御厨由佳:(この家って、遠矢さんが制御してるんじゃないの?)
GM:事前情報ではそのはずだ。遠矢塔利の意志で自由自在に構造を変化させ、確かな見取り図すら作ることはできない。
御厨由佳:(一件目の殺人で気付くべきだったかもしれない)
影:「……」影の頭の部分のシルエットが歪む。
影:御厨の視線に気付いて振り返ったのかもしれない。
影:影が扉に近づく。
御厨由佳:(何か、遠矢さん自身にも分からないことが起きているのかも)
影:「……は……なければ……」
御厨由佳:隠れたりはしない。これが犯人ならばここで殺せばよい。
御厨由佳:犯人でなければ何をしていたのか問い詰めればよい。自分は”一般人”なのだから。
GM:ならば戦闘態勢を決め、そして影も扉を開け放とうとした時――
GM:バタン!!
GM:明かりは消えている。それどころか、その奥に見える室内は
GM:先ほど見えていたような書斎めいた部屋ではない。ごく普通の客間だ。
御厨由佳:(やっぱり、歪んでいる。)
御厨由佳:(歪めている何かがいる。)
GM:眼前の扉は確かに『内側から』開いた。その瞬間まで、あの影は扉の向こうにいたのだ。
GM:そして御厨を襲撃しようとしていた。
御厨由佳:(………合流、しないと。)
遠矢塔利:扉を開けた先に居た人物は、先程別れた姿。
遠矢塔利:「……あら?」
遠矢塔利:「御厨様。すみません、遅れてしまいましたか?」
御厨由佳:「よかった、この部屋はまだ大丈夫でした。」
襟沢理人:「まだ、というと」
GM:御厨が着いた合流場所には誰の姿もなかった。
襟沢理人:「そちらにも、何か異変が?」
GM:襟沢や塔利はもちろん、五百城NAOTOも自室との短い距離を往復しただけなのに
御厨由佳:「屋敷の部屋がなんかおかしくて。」
GM:たどり着かなかったということになる。
御厨由佳:「さっき書斎みたいな部屋に人がいたから、声を掛けようとしたんですけど」
遠矢塔利:「……それで、どうなりましたか?」
御厨由佳:「ドアが内側から開いたと思ったら、」
御厨由佳:「書斎が客間になったんです。」
襟沢理人:「同じだ……!」
GM:まさに塔利が行っているような芸当だ。襟沢が身をもって体験した出来事でもある。
遠矢塔利:「はい……奇妙な話ですね」(私以外が、行っている点が)
襟沢理人:「ボクも自室の扉が、何故か遠矢嬢の部屋の扉に……」
御厨由佳:「えっ、てっきり……」
御厨由佳:「こほん」
襟沢理人:「もちろん、遠矢嬢のやったことじゃなくて……」
襟沢理人:「な、なんですか御厨さん!」
遠矢塔利:「はい、先程、こちらの物置が別の場所に繋がったようで……」
遠矢塔利:「てっきり…?」
御厨由佳:「ナンデモアリマセン。」
御厨由佳:「ともかく、探偵さんもいないみたいなんです。合流できたのは私たちだけ…。」
遠矢塔利:「? ……そうですか」
遠矢塔利:むむ、と内心の焦燥が徐々ににじみ出る。
襟沢理人:「その、話しかけようとした誰かって」
襟沢理人:「もしかして、この館に居る8人とは別の人……でしょうか」
御厨由佳:「影、みたいな…?顔もなにも分かりませんでした。」
GM:『九人目の獣』。あの探偵の苦し紛れの妄言と思われたような存在が……
GM:本当にこの館のどこかに潜んでいるのだろうか?
"エスティメイター"〈知識:文書解読〉〈情報:ビジネス〉 難易度10
五百城NAOTO 〈知覚〉〈交渉〉 難易度6
御厨由佳 〈交渉〉で対決 ※御厨以外のみが可能
遠矢邸の異常 〈知覚〉〈RC〉 難易度10
九人目の獣(1) 〈知識:犯罪〉〈情報:UGN〉 難易度9
GM:情報収集フェイズに入っていきます。現時点で調査可能なのは上記の項目。
GM:一連の異常や殺人事件についてもそうですが、来客達にもそれぞれ秘密があります。
GM:どれにチャレンジするか決定せよ
遠矢塔利:なるほど!
遠矢塔利:PCへの交渉対決がある
襟沢理人:デンジャラスだ……
襟沢理人:情報UGNはボクが一番得意ですし
襟沢理人:九人目の獣に行ってみましょうか!
遠矢塔利:UGNは襟沢くんに任せて、社会あるし私が御厨さんに交渉しよっかな
御厨由佳:フフ…果たして倒せるかな?
御厨由佳:AIDAで社会判定ダイスが+3されてるぜ
遠矢塔利:あっずるい!
襟沢理人:なっ社会2なのに!
遠矢塔利:でもこのままじゃ特に侵蝕格差も付きそうにないしな。バディムーヴという最強のUGNもいるし、やるか
襟沢理人:ボクはボクの戦いをしましょう 九人目の獣(1)〈情報:UGN〉 難易度9 に挑戦
遠矢塔利:ではこちらは御厨ちゃんに交渉対決を挑みます
襟沢理人:コネ:UGN幹部使用
御厨由佳:エスティメイターいきます
GM:皆さんどうぞどうぞ
遠矢塔利:4dx 交渉
DoubleCross : (4DX10) → 9[1,3,7,9] → 9
御厨由佳:情報:ビジネス
御厨由佳:5dx>=10
DoubleCross : (5DX10>=10) → 9[1,3,3,9,9] → 9 → 失敗
御厨由佳:財産1使えますか!
GM:いいですよッ
襟沢理人:5dx+2>=9
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 9[1,6,7,7,9]+2 → 11 → 成功
御厨由佳:では使って開示
御厨由佳:9→8
GM:みんな情報にもだいぶ強いなあ
GM:支援型がいるからやや難しめにしてはいるが
御厨由佳:では受けて立つぜ、交渉
襟沢理人:エリート集団ですよ
御厨由佳:5dx 交渉
DoubleCross : (5DX10) → 8[2,3,6,7,8] → 8
遠矢塔利:ッシャ!
御厨由佳:ま、負けた…
遠矢塔利:地の利の差ですわ
襟沢理人:流石遠矢嬢……
GM:素敵~
GM:ではまず、その御厨さんの情報から。
遠矢塔利:一緒にお風呂に入った仲ですからね
■御厨由佳
一緒にお風呂に入った遠矢塔利は推測できてもいい。御厨由佳はオーヴァードだ。
死体を発見した際の反応や、空間異常といったレネゲイド現象にも慣れすぎている。
少なくとも、戦闘経験のないただの女子高生であることはありえないだろう。
彼女が何を目的にここに訪れたかは不明だが、あるいは彼女が九人目の獣であるかもしれない。
御厨由佳:乙女の秘密が!
遠矢塔利:知識人体の賜ですわ
■"エスティメイター"
本名は宮田清澄。表向きは輸入食品メーカーの専務取締役。
遠矢塔利との会話の中で祖父の話を口にした"エスティメイター"だが、
"ロックジョウ"セルの事前調査では、彼についてもう少し詳細な情報が判明していた。
"エスティメイター"はかつて実際に遠矢の祖父と商談を成立させたことがあり、
その際、「ある物品」を買い取ることに成功したのだという。
ギルドから遠矢邸に彼が派遣されたのは、その過去の実績を見込まれてのことでと思われる。
■九人目の獣
死体発見時の様子から推理する限り、"エスティメイター"の推測はやはり的を得ていると思われる。
凶暴な殺害方法に反して左京の死体は散乱しておらず、廊下の隅に一塊になっていた。
つまり、犯人は左京を殺害した後で、「散らかった」人体を、ゴミを寄せるように端に寄せたのだ。
獣のように衝動的に犯行を行いながらも、人間としか思えない知性も併せ持っている。
この犯人はジャーム――あるいは暴走したオーヴァードである可能性が高い。
GM:後者二つの情報についてはロールは必要ありませんが、
GM:御厨さんがオーヴァードだと確定するロールについてはやってもらいましょう。
御厨由佳:やりましょうやりましょう
遠矢塔利:ますます
遠矢邸 事件現場
GM:左京の死体はそのままだ。UGNや警察が到着するまで片付けてしまうこともできないが……
GM:シートを被せただけの凄惨な有様である。とにかく、3人はこの場に戻ってきた。
御厨由佳:「…………。」
遠矢塔利:現場の保全をするための場違いなシート。何処にあったのかといえば、"どこかの部屋"だ
遠矢塔利:「こういった場合、まずは現場の調査から……と、お聞きしたことがございますが……」
遠矢塔利:言葉を切りつつ、御厨さんを気にするように視線を向ける。
遠矢塔利:(ううん。……はっきりさせたほうが良いのでしょうか)「……御厨様」
御厨由佳:「何でしょう?」
遠矢塔利:「貴方はオーヴァードでございますか?」
遠矢塔利:本人としては駆け引きのつもりで、素直な質問が出た
襟沢理人:(ちょ、直球だな!)
御厨由佳:「まさか…と言いたいところですけど」
御厨由佳:「状況が状況なので明かすべきでしょうね。円滑な情報共有の為にも。」
遠矢塔利:「……ということは、つまり?」
御厨由佳:「はい。オーヴァードです。」
遠矢塔利:「なるほど……間違いではなかったこと、安心しました」
御厨由佳:「あ、大丈夫ですよ!隠してたのは何も害意があってのことではありませんし、」
御厨由佳:「能力も全然違いますから。射程も視界上20m程度ですし、」
御厨由佳:「遠矢さんと一緒にいながら犯行は出来ません。」
遠矢塔利:「はい、理解しております」「UGNの方々は、みだりに身分を明かされませんから」
襟沢理人:「素直に応えてくれて、ありがとうございます御厨さん」
御厨由佳:「君もオーヴァードなんですよね?じゃなきゃここでこんな話しないし。」
襟沢理人:「UGNチルドレンです。ここには派遣されて来ました」
遠矢塔利:「私は、この屋敷を含めた品々を管理しております。"エスティメイター"様はその取引に来て、襟沢さんはお立ち会いとして。」
遠矢塔利:「……あぁ、もしかして。御厨様も何か任務でいらしていたのでしょうか?」
遠矢塔利:例えば、今回の事件を起こすようなオーヴァードを追っていたりなど…という質問。
襟沢理人:「ご一緒だった米沢さんも、きっとそうなんでしょうね」
御厨由佳:「そんなところです。これ以上は言えませんけど。」
御厨由佳:「秘匿性の高い任務ということでご容赦ください。今回の事件には関係ありません。」
遠矢塔利:「なるほど。承知しました」
襟沢理人:「了解した」
遠矢塔利:珍しいことでもない。(……"UGN"はそもそも、事件を公にしないために動いている方々ですからね)
襟沢理人:(日本支部直属の秘密部隊……あたりか?)
御厨由佳:「それで…」
御厨由佳:死体に向き直る。
御厨由佳:「どう感じます?」
遠矢塔利:「……尋常ではございません。この屋敷で行われたことと、この状態」
遠矢塔利:「"エスティメイター"様と、意見を同じくするのですが」
遠矢塔利:「先程のお話ですと、この屋敷への侵入も……犯行も」
遠矢塔利:「超常の力で行われたと、見るべきではないでしょうか……?」
襟沢理人:頷く
御厨由佳:「私がさっき言った通り、獣化してるのかもしれませんね。それか本物の獣か。」
御厨由佳:シートを捲り、傷口を見る。
遠矢塔利:言葉に混ざる疑問。自分以外がこの屋敷に干渉しているという点についての、現実味のなさを含んでいる。
襟沢理人:「ただ、知性の無い獣……の線は、無いように思います」
GM:傷口は、やはり巨大な牙で引き裂かれているように見える。金品の類が奪われている様子もない。
御厨由佳:振り返って襟沢を見る。
御厨由佳:「どうして?」
遠矢塔利:事件に慣れているであろう二人の調査を眺めている。
襟沢理人:「確かにその力は獣のような物でしょう、ですが」
襟沢理人:「やけに死体が纏まっているというか」
GM:死体は今、廊下の隅で、シートで隠されている。彼らがしたのはシートを被せることだけだ。
襟沢理人:「ここまで惨く傷つけたのなら、もっと血も、肉体も、散らばっているべきだとは思いませんか?」
御厨由佳:「………。」視線を逸らして床を見る。
御厨由佳:「確かに。」
GM:散乱した死体をかき集めてからこうしたのではなく、最初からこの状態だったのだ。
遠矢塔利:「そうなのですか?……そうなのですね」
御厨由佳:「料理、します?」
襟沢理人:「遠矢嬢は、無理に見ないで良いですからね」
御厨由佳:「お肉をぶつ切りにしてまな板の片方に寄せると」
御厨由佳:「あんな跡が残りませんか?」
襟沢理人:「そ、その例えは……」
GM:血を一方向に引きずったような跡。これも最初からあった。
御厨由佳:「……ああ、血がたくさん出るなら魚の方がよかったかもしれませんね。」
遠矢塔利:「お、お料理、でございますか」
遠矢塔利:しなくもない。ただ、披露することがない技術は、磨かれないのが環境というもの。
襟沢理人:「かき集めたように見えるというのには、賛成です」
襟沢理人:「獣の力で左京さんを死体にした”獣”は」
襟沢理人:「しかし、それを食べるでもなく、雄叫びを上げるでもなく」
襟沢理人:「死体を処分とまではいかなくとも部屋の隅に置いて……」
遠矢塔利:「………それは、なんといいますか」
襟沢理人:「今もこの屋敷に、息をひそめている」
遠矢塔利:「まるで、なにか他の目的があるときに」
御厨由佳:「にしても妙ですよね。」
遠矢塔利:「"ついで"で行われたような…」
遠矢塔利:「妙。そうですね、なにもかも妙に思えます」
御厨由佳:「隠すわけでもない。見せびらかすでもない。」
御厨由佳:「ただ死体を脇に寄せただけ。雑過ぎません?」
遠矢塔利:「そうなんですか?」
GM:少なくとも、専門の『殺人鬼』はそのようなことはしない。御厨には分かるだろう。
襟沢理人:「死体が見つかろうがどうなろうが、目的は果たせる……そんな自信の現れ……?」
GM:その時――
GM:フッ
GM:廊下に並ぶ窓の外の夜闇が
GM:『明るくなる』。ランプ。照明。そうした人工的な明かりの数々が灯る。
御厨由佳:遠矢を見る。
遠矢塔利:「え?」
御厨由佳:「点けたのは別の人ですか?」
遠矢塔利:窓を見て、見られて、「はい、私では、ございません」
GM:そんなはずはない。そもそも山中だ。
遠矢塔利:「それに、この屋敷の周りに、こんな数の明かりなんて…」
GM:ランプなどが外にあるはずがなかった。それも――
GM:照明に照らされているのは、『部屋』だ。
GM:まるで無限に続く万華鏡の映像のように
襟沢理人:「……!?」
GM:上下、左右、前後に……窓の外に、いくつもの部屋が
GM:『接続』されている。
襟沢理人:「こんなことって、遠矢嬢の鍵でできることなのでしょうか……?」
遠矢塔利:「なっ………?」
GM:遠矢塔利はこの館の整合性を取り戻そうとすることができます。RCで難易度40。
遠矢塔利:無理だよ~~振ります
遠矢塔利:2dx>=40
DoubleCross : (2DX10>=40) → 3[2,3] → 3 → 失敗
遠矢塔利:しょんぼりトーリ
GM:――まったく、館と接続されている感覚がない。普段は手足のように組み替えることのできる構造が
GM:今、適合者であるはずの遠矢塔利の制御を離れた。見知らぬ何者かに乗っ取られている。
遠矢塔利:いつもは薄く現れるだけの表情が、このときばかりは驚愕を顕にしている
遠矢塔利:無自覚に鍵束を両手で握りしめ、無限に広がるような部屋を見渡す。
遠矢塔利:それは見覚えがあるようで、無いようで、変わっているようで、同じなようで、違うようで。
遠矢塔利:全く同じな間取りの、別な部屋に迷い込んだような。
遠矢塔利:得も知れぬ不安感だけが、胸中を満たしていく。
遠矢塔利:「……な、」
遠矢塔利:「なんです、か」
遠矢塔利:「これは」
遠矢塔利:自分一人だけが、座席に居る映画を見るように。
遠矢塔利:その現実を、ただ呆然と見ていた。
GM:そしてもう一つ重要な事実がある。
GM:窓の外は今や『館の外』ではない。
GM:封鎖された。
◆Masterscene◆
遠矢邸 西棟
"エスティメイター":「侵入者の痕跡はない。この雨の中……窓から侵入したとしたなら、僅かな泥や水滴の痕跡が絶対に残るはずだ」
右京:「は、はあ……そうですね」
"エスティメイター":廊下を屈んで床の様子を調べていたが、また歩き始める。
"エスティメイター":「遠矢塔利は几帳面に管理をしているな……施錠が甘い窓や侵入口は一つもない」
GM:独自に捜査を続ける二人を追跡する影もあった。
米沢:(左京とかいう女を殺す動機がありそうなのは、関係の近いこいつらだけだが)
米沢:(なんとなく犯人じゃなさそうだな。そもそもこいつらはオーヴァードでもない……)
米沢:(……うろつかれると却って危険だな。ワーディングで昏倒させて朝までどこかに押し込めておくか)
米沢:「……」
GM:ガサ ゴソ
影:「……は……の安全を……なければ……」
GM:廊下の向かい側の部屋の異変に気づく。何者かが電気をつけ、呟いている。
米沢:(他の客じゃねえ。犯人だな)
米沢:(確定だ。殺すか……)
米沢:スゥ
GM:"ビッグジュース"の肉体は今、館の壁板に溶け込んでいる。
GM:肉体の平面化。意識外の潜伏形態からの、怪物じみた膂力の奇襲を得意とするオーヴァードである。
米沢:「死ね」バヅン!!
米沢:「……ッ」
GM:夥しい血が周囲に飛び散る。
影:「…………」ブツブツブツ
米沢:「……ッ、何だ……こいつ」奇襲の瞬間、真っ二つに引きちぎられていた。
米沢:(……影の野郎が……本体じゃないのか……!?攻撃の瞬間、後ろから……!!)
影:「……これで……………片付く……」ブツブツ
◆Middle04◆
GM:またしても情報収集シーンです。
GM:シーンプレイヤーは御厨さんを指定します。他に登場したい方がいればどうぞ。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (56 → 62)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (58 → 64)
襟沢理人:56+1d10
DoubleCross : (56+1D10) → 56+1[1] → 57
遠矢邸 ???
GM:突如として発生した館の構造の異常変異。
GM:遠矢塔利にとっても前代未聞の事態だ。このような力の使い方をした経験はないだろう。
GM:故に脱出方法も分からない。
遠矢塔利:「…………!」
遠矢塔利:例えるなら、本棚の本すべてを床に並べられているような。
遠矢塔利:見慣れたものによる、見慣れない異常。
遠矢塔利:微かに震える唇を、無意識に指でなぞる。
遠矢塔利:「い、一体何が起こって……?」
御厨由佳:「想定外なんですね。」
遠矢塔利:「は、はい」
襟沢理人:「遠矢嬢……気を、強く持って」
遠矢塔利:「こんな事態、今まで、ございませんでした」
襟沢理人:手を強く握る
遠矢塔利:「あ………」
遠矢塔利:無限の部屋を眺めていた目線を落とす。
襟沢理人:「自分もあなたも、今ここに、確かに生きてます」
遠矢塔利:手を握る少年の感触と、周りに視線を走らせる、強く意思を感じる少女。
襟沢理人:「御厨さんだっています……どうか、安心して」
遠矢塔利:あやふやだった足元に、床の感触が戻ってくる。
遠矢塔利:「………はい」
遠矢塔利:「失礼、しました。お見苦しい所を」
遠矢塔利:まだ動揺を残しつつ、ルーティーンとして普段どおりに軽く頭を下げる。
御厨由佳:「落ち着きましたね。流石です。」
GM:ともあれ、この場に留まっていることはできないのは明白だ。どうにかして見慣れた構造の場所に辿り着く必要がある。
GM:突破判定について説明します。
襟沢理人:突破!
GM:この状況の館を本当の意味で移動するのは極めて困難です。
GM:〈知覚〉で難易度15を成功させた後、〈白兵〉か〈射撃〉で難易度15。
GM:つまりFH組の脱出手順のように、構造のポイントを見極めて破壊で突破する形しかないでしょう。
GM:この判定は成功まで何ラウンドでも続ける事が可能。ただしラウンド移行ごとに全員の侵蝕率が1d10上昇します。
御厨由佳:白兵射撃で達成値出せるのは私だけっぽいので
GM:説明は以上!めちゃ簡単な判定だから質問もないはず!さっそくチャレンジしてね
御厨由佳:知覚をお二人にお任せします
遠矢塔利:なーるほど。じゃあ私が先に襟沢さんに達成値ブーストを掛けましょう
襟沢理人:いただきます!
遠矢塔利:《導きの華》対象が次に行うメジャーアクションの達成値+14
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を4(→ 4)増加 (62 → 66)
GM:14も!?
襟沢理人:ほぼ確定じゃん!
GM:ほんとだよく見たらレベルが7もあるぜ
遠矢塔利:これがピュアオルクスの自宅管理機能!
襟沢理人:<知覚>で判定!
遠矢塔利:リミットエフェクトでさらに+5も出来る!
襟沢理人:1dx+14>=15
DoubleCross : (1DX10+14>=15) → 5[5]+14 → 19 → 成功
GM:成功した!
GM:すぐに次の判定にいってもらいましょう。御厨さん!
襟沢理人:では……後は頼みます!
遠矢塔利:ゴー!
御厨由佳:はい!《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》で判定します
御厨由佳:射撃判定です。使用するのはSTALKER二丁
御厨由佳:7dx7+2 射撃
DoubleCross : (7DX7+2) → 10[1,3,4,4,4,5,7]+4[4]+2 → 16
御厨由佳:あっぶない
遠矢塔利:あっぶな
GM:危な~い
GM:でも一発成功だ。難易度15×2を一発成功する130点組ってやばいな
御厨由佳:64→69
GM:では遠矢ちゃんがナビゲートし、襟沢くんが知覚し、御厨さんが突破する一連のシークエンスをやりましょう。
GM:テンポよくやる!
遠矢邸 ???
遠矢塔利:「………まずは」
遠矢塔利:「少なくとも、見覚えのある部屋を、探したいと思います」
遠矢塔利:「そこであれば、私の能力も影響するかもしれませんし……」
遠矢塔利:「ただ、こういった事態には不慣れでございますので」
遠矢塔利:「何かありましたら、お願いします」
襟沢理人:「……任せてください!」
遠矢塔利:陶器の様な顔で頷いて、部屋の灯に照らされる廊下を進む
襟沢理人:「どこかにあるはず……本来の建物に繋がる場所が……」
遠矢塔利:音をカーペットに吸収されながら、窓の外には無数の部屋。
遠矢塔利:上下が逆さまだったり、内装が異なっていたり。何処か差異のある部屋が無数に後ろに流れていく。
御厨由佳:「そこまで見つけたら私に任せてください。」
御厨由佳:「無理矢理繋げますので。」
襟沢理人:「無理矢理……?」
遠矢塔利:「そういった能力……なのでしょうか」射程20m、だったか
御厨由佳:「壁やらをブチ破るってことです。」
襟沢理人:「……ちょっと待ってください、ここ」
遠矢塔利:「……………お願いします」少々の葛藤。
襟沢理人:見た目は同じだが、何か違和感を感じる壁
襟沢理人:壁を叩くと、他の壁とは違う音が返って来る
遠矢塔利:「え?」窓を見ていた目を、反対の壁に向ける。
御厨由佳:「少し下がって。」襟沢の袖を軽く引っ張って、
襟沢理人:「はい……!」
御厨由佳:制服のミニスカートをたくし上げる。
遠矢塔利:何もない壁。ただし、それはおかしい。
遠矢塔利:前後に広がる廊下に、扉が一つずつ。ならば、ここに扉が「ない」のがおかしいのだ……まで考えて。
遠矢塔利:「……御厨様?」
御厨由佳:両太腿に巻き付いているのは特殊な多腕状の機構。
御厨由佳:それぞれの先端には銃がマウントされている。
御厨由佳:けたたましい銃声。
御厨由佳:壁に無数の穴が開いて、向こう側に倒れた。
遠矢邸 ロビー
GM:3人は協力して状況を突破し、見慣れた遠矢邸へと戻ってきた。玄関前ロビーだ。
"エスティメイター":「……遠矢嬢。これはどういうつもりかね」
GM:"エスティメイター"と右京がいる。
"エスティメイター":「この玄関の扉……」扉は開け放たれているが、
GM:その先にあるのはやはり『外』ではない。食堂に接続されている。
"エスティメイター":「外部に出ることが不可能になっている。君がこの館を封鎖しているのか?」
遠矢塔利:「………」商談時には薄くほほ笑みを浮かべていた顔は、今は小さく表情を引き締めている。
遠矢塔利:「いえ、"エスティメイター"様」
遠矢塔利:「これは、私の意志ではございません」
右京:「そ、そうですよ!言ったでしょ……!遠矢嬢がこんなことする意味ないですよ」
"エスティメイター":「では、あれは?」ロビーにつながる、反対側の廊下を指差す。
GM:そこには大柄な男の身体……だったものが横たわっている。
襟沢理人:「何が……」
GM:上半身と下半身を真っ二つに切断され、うつ伏せに倒れている。
襟沢理人:「米沢さん!」
"エスティメイター":「米沢氏が死体で発見された。ここまで運んできた」
遠矢塔利:「これは……」
遠矢塔利:「米沢様、が……?」
御厨由佳:「先生……」(あなたがお肉になるなんて)
襟沢理人:「誰がやったか……は」
襟沢理人:"エスティメイター"を見る
GM:御厨は"ビッグジュース"との付き合いは長いわけではないが、それでも戦闘能力に関しては確かな男だったはずだ。
GM:その彼を葬ることができる戦力がこの館にいるとすれば、少なくとも御厨単独では対処困難な敵ということになる。
"エスティメイター":「我々にこんな真似ができると思うかね?」
"エスティメイター":「だが、君達も同じく全員で固まって行動していたはずだ」
"エスティメイター":「……二組に分かれて行動していたことが互いのアリバイを証明している。つまり犯人はこの中にはいない……」
御厨由佳:「探偵さんは?」
"エスティメイター":「……」険しい顔になる。
"エスティメイター":「一緒に行動していないのか?」
御厨由佳:「私たちと行動する予定だったんですけど」
御厨由佳:「屋敷がこんなことになってはぐれてしまったんです。」
襟沢理人:「そちらとも合流してませんでしたか……」
GM:その時、中央方向の廊下から声が聞こえます。
五百城NAOTO:「うわ~ん、みんなどこ行っちゃったんだよ~」
遠矢塔利:「あ……」
五百城NAOTO:「なんで僕だけ置いてくんだよ~。誰も待ち合わせに来ないし……」
五百城NAOTO:「僕は嫌われているのだろうか……!!」
"エスティメイター":「こいつを拘束しろ」
遠矢塔利:「お、お待ち下さい、"エスティメイター"様」
五百城NAOTO:「あっみんな、どうしたんだい!?なんで僕を置いて全員一緒にウギャアーッ死体だ!!」
五百城NAOTO:「ひ、人が死んでる!!」
襟沢理人:「一応、聞いておきますけど」
襟沢理人:「はぐれた間、何してました?」
五百城NAOTO:「何してたって、迷ってたんだよう……!」
五百城NAOTO:「この館おかしいと思うな。建築基準法とか守ってるのかな」
遠矢塔利:「こと、此処に至れば……当家の機構は、何者かに掌握されている、とご報告させて頂きます」
遠矢塔利:「その上で。この異常が起こる前、御厨様が謎の人影……9人目の存在を目撃しています」
遠矢塔利:「五百城様のみを疑うのは、いささか早計かもしれません」
御厨由佳:こくこくと頷く
五百城NAOTO:「『九人目の獣』……!」気に入ったらしい
GM:この混沌とした状況下にあって、どうにか再び全員合流できたことは僥倖と言っていいだろう。"ビッグジュース"は犠牲になってしまったが。
GM:特に他の客に対する事情聴取ができるようになった点は大きい。
GM:ということで情報収集フェイズに入ります。
[済]"エスティメイター"〈知識:文書解読〉〈情報:ビジネス〉 難易度10
"エスティメイター"の遺産〈交渉〉 難易度12
五百城NAOTO 〈知覚〉〈交渉〉 難易度6
[済]御厨由佳 〈交渉〉で対決 ※御厨以外のみが可能
遠矢邸の異常 〈知覚〉〈RC〉 難易度10
[済]九人目の獣(1) 〈知識:犯罪〉〈情報:UGN〉 難易度9
九人目の獣(2) 〈知識:犯罪〉〈情報:UGN〉 難易度9
物品調達 〈調達〉 難易度-
GM:手番が余ってる方は調達判定も可能です。
遠矢塔利:なるほどね。
遠矢塔利:ひとまず行けそうな五百城さんの交渉いこうかな。難易度高いやつは次の手番で支援投げよ。
襟沢理人:ここは真相を追いたいところ
襟沢理人:九人目の獣(2)、挑戦してみましょうか
御厨由佳:じゃあ遠矢邸の異常を往きます
御厨由佳:RC判定!
御厨由佳:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 7[2,2,4,7]+1 → 8
御厨由佳:グワー!ダメ!
遠矢塔利:そんなときにエリートエンブレム!
御厨由佳:バデムがあれば足りるんですが…
襟沢理人:おっバディムーブしますか!
襟沢理人:エリートだから持ってる!
御厨由佳:エリート…!
遠矢塔利:しときな!
御厨由佳:お願いします!
襟沢理人:バディムーブ使用して達成値+3します!
遠矢塔利:5dx+1>=6 五百城さん 交渉
DoubleCross : (5DX10+1>=6) → 9[5,8,9,9,9]+1 → 10 → 成功
遠矢塔利:交渉の方も成功。ペラペラ。
襟沢理人:〈情報:UGN〉でコネも使用!
襟沢理人:5dx+2>=9 九人目の獣(2)
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 7[1,2,3,6,7]+2 → 9 → 成功
GM:全員成功です。
襟沢理人:we are eri-to...
遠矢塔利:優秀~
GM:これ、情報の質と開けた人間がちょっとずつ食い違っちゃうな
GM:でもこれはこれで面白いからやるか
■遠矢邸の異常
遠矢邸は館そのものが遺産であり、適合者の遠矢塔利のコントロール下にある。
だが現在の館の状況は、その制御権が横から他者に奪われてしまったとしか思えない。
問題はこれが遺産に関する制御ということだ。単なる強大な出力のジャームというだけでは
説明がつかない。強大さだけでそれが可能なら、遺産適合者というカテゴリは意味をなさなくなる。
つまり考えられる可能性は二つ。遠矢塔利が裏切っているか、あるいは暴走か操作状態にある。
または、別の適合者が偶然、この館にもう一人以上存在する。
■五百城NAOTO
最初の死体の発見時、五百城NAOTOは「オーヴァード」という言葉に反応していた。
未知の単語に対しての反応ではなかったようにも思える。オーヴァードである可能性は高い。
詳しくは本人に聞かなければ分からないことかもしれないが、
これだけのオーヴァードが集まっているのはもはや偶然とは思い難い。
五百城NAOTOもたまたま遠矢邸に訪れたわけではなく、何らかの目的がある。
遠矢さんや御厨さんは上記の情報を元にロールしてもOK。サブが終わり次第次のシーンに移行します。
遠矢邸 ロビー
GM:他の面々が調査を進める中、襟沢理人も犯人につながる痕跡を探っている。
GM:……勿論、先程のようなことがないよう全員の目の届く範囲ではあるが。
GM:死んだ米沢の死体を調べるくらいのことは可能であろう。
襟沢理人:「かなりの実力者だったようだが……まさか、こんなことに……」
襟沢理人:手を合わせてから、死体を観察する
GM:やはり巨大な顎で食いちぎられたような死体だ。抵抗を試みたような形跡もあるが
GM:十分な反撃を行えなかったように見える。何らかの、抵抗手段を減衰する能力を持っているのだろうか。
襟沢理人:「犯人は同じだろうな……」
-:「……・くそ……お前……」
襟沢理人:「────!?」
-:「……ゆ、UGNの……小僧か……」
襟沢理人:「米、沢、さん……?」
-:床板に溶け込むような、赤い模様めいた何かがある。
-:写実的な心臓の『平面』だ。
-:エグザイル能力者であれば、生命維持を行う器官を切り離して活動可能な者は稀にいる。
-:「…………厄介なほうに見つかっちまった……この状態じゃ戦えねえ……」
襟沢理人:「生きてるのか、こんな状態でも……」
襟沢理人:「でも良かった、誰にやられたか、分かりますか?」
-:「……分から……ねえ……」
襟沢理人:他の者には聞こえない声で
-:「影みたいな野郎……が、犯人だと……思ったが」
-:「……俺をやったのは、もっとデカい何かだ……後ろから食いちぎられて……」
-:「殴り返そうとしても…………力が抜けちまった」
襟沢理人:(レネゲイドを喰らい、力を奪う……ウロボロス)
-:「抗レネゲイド薬をブチ込まれた時みたいな……不快な気分だったぜ」
襟沢理人:(いや違うのか)
襟沢理人:「他に何か分かったことは…?」
-:「……………」
-:「……………分からねえ。頭脳労働は得意じゃねえんだ……」
-:「……だが、多分……俺に作用する力じゃねえ……場だ……」
-:「この館を支配している……」
GM:ゲーム的には、この敵は《カームダウン》を使用します。
GM:自分自身をも巻き込む強力なダイスデバフが、米沢を無力化した力の正体。
襟沢理人:「それはもう、避けようがないな」
襟沢理人:「ありがとう、とても貴重なヒントを貰えました」
-:「……俺はどうなる」
-:「殺すのか……」
襟沢理人:「せっかく助かった命、UGNは見捨てませんよ」
-:「……この小僧……」
-:「俺はお前らを…………」
襟沢理人:「御厨さんにも助けられましたし……」
-:憎々しげに呟いて、臓器は動きを止める。
襟沢理人:「!」
襟沢理人:「おい……おい!」
-:この状態の生物がどれだけ生きられるかは分からない。
-:だが、米沢を放置してもいいし、持ち帰ることにしてもいいだろう。
-:臓器はカバンに入る程度の大きさしかない。
襟沢理人:(何か入れ物……ビニール袋でもいいのか?)
襟沢理人:(少しでも命が繋がれば、蘇生できる可能性はある)
襟沢理人:(ここを急いで出る理由が一つ増えた……)
GM:少なくとも、朝。本来の出立予定時間に間に合わなければ、いかに強靭なエグザイル能力者でも死亡するだろう。
襟沢理人:『エリートは取りこぼさない』そう教えられた襟沢理人に、米沢を放置する選択肢はなかった
遠矢塔利:ロビーの中、全員が目の届く位置にいる状態。
遠矢塔利:それでもある程度に距離を保つ中で、御厨さんと五百城さんに近づいていく。
遠矢塔利:(言葉は……簡潔に……)
五百城NAOTO:「や……やあ、遠矢さん。僕の無実を証明してくれるかな……?」
遠矢塔利:幾度か文章を脳内でシミュレートして、何気ない風を装う。
遠矢塔利:「そうですね…その為にお聞きしたいのですが」
遠矢塔利:「五百城様はオーヴァードでございますか?」
五百城NAOTO:「はえ!?」
五百城NAOTO:「え、いや、おおおオーヴァード!?」
遠矢塔利:「先程……この単語を聞いた時」
五百城NAOTO:「そ、そ、そんなわけないよ!こんな状況でオーヴァードなんて言ったら犯人だって疑われるじゃないか……」
遠矢塔利:「たいそう驚いていたようですから、はい」
御厨由佳:「疑ってるから言ってるんじゃない?」
遠矢塔利:「そうですね……それに」
遠矢塔利:「御厨様も、五百城様も、この状況で」
遠矢塔利:「犯人かもしれない『オーヴァード』という存在について、詳しく聞かれませんでしたから」
遠矢塔利:「すでに、ご存知なのかと」
御厨由佳:「疑いを晴らしたいなら本当の素性を明かして欲しいなって。」
御厨由佳:「ちなみに私は明かしましたよ。」
五百城NAOTO:「ぼ、僕は私立探偵だし……怪しくなんかないし……」
五百城NAOTO:「……ほんとに疑わない?」
御厨由佳:「むしろ隠している方が疑われますよ。」
遠矢塔利:「はい」
御厨由佳:「なにせ、この館の制御権を奪ったオーヴァードがどこかにいるらしいですからね。」
遠矢塔利:「この屋敷を乗っ取ることも、事件も。今回の手口はとても印象的ですから……」
遠矢塔利:「別の能力であれば、それが証左になるかもしれません」
五百城NAOTO:「……制御権を、奪う」
五百城NAOTO:「……」
五百城NAOTO:「それは……遠矢嬢。君以外の誰かが、という意味だよね?」
遠矢塔利:「…………はい」
遠矢塔利:「少なくとも、私自身にこのような状況を作るつもりは、ございません」
五百城NAOTO:「僕も、全然見当もつかない……そもそもこんな状況を作ったところで」
五百城NAOTO:「僕に得なんてなにもないんだ。本当に館の制御を奪えるなら」
五百城NAOTO:「犯人である僕がわざわざ皆の前に姿を表さなくたって、いつまでも閉じ込められると思わないか?」
遠矢塔利:「……そのとおりでございますね?」
五百城NAOTO:「……思うに、この犯人には理性があるわけではないと思う」
五百城NAOTO:「無秩序に接続された館の構造はその証拠だ。本体の認識の混乱を反映しているんだ」
五百城NAOTO:「だが一方で、明確なルールに基づいて殺人を行っているようにも見える……」
五百城NAOTO:「……こういう状況には慣れてしまったんだ。もし疑わないって約束してくれるなら、僕の素性を明かそう」
五百城NAOTO:「すごく……疑わしい素性だから……」
遠矢塔利:「……それが」
遠矢塔利:「お客様の望みであれば、当家の主人として、応えるのみでございます」
遠矢塔利:「明かしてくださるのであれば、私は五百城様を疑わない事を誓います」
五百城NAOTO:「僕はレネゲイドビーイングだ。200年くらい活動している」
五百城NAOTO:「起源は……」
五百城NAOTO:「『殺人事件』。『殺人事件』のレネゲイドビーイング、らしい」
GM:ロイス取得のみ可能です。
遠矢塔利:うーん、残り1枠で保留します!
GM:いつの間にか結構埋まってたのね
遠矢塔利:なのです
襟沢理人:米沢へのロイスを 〇P尽力/N猜疑心 に変更します
◆Middle05◆
GM:次のシーンに移行しましょう。
GM:登場希望キャラは登場してね。
御厨由佳:登場します!
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (66 → 68)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (69 → 73)
襟沢理人:57+1d10
DoubleCross : (57+1D10) → 57+5[5] → 62
[済]"エスティメイター"〈知識:文書解読〉〈情報:ビジネス〉 難易度10
"エスティメイター"の遺産〈交渉〉 難易度12
[済]五百城NAOTO 〈知覚〉〈交渉〉 難易度6
五百城NAOTOの目的 〈交渉〉 難易度10
[済]御厨由佳 〈交渉〉で対決 ※御厨以外のみが可能
[済]遠矢邸の異常 〈知覚〉〈RC〉 難易度10
[済]九人目の獣(1) 〈知識:犯罪〉〈情報:UGN〉 難易度9
[済]九人目の獣(2) 〈知識:犯罪〉〈情報:UGN〉 難易度9
物品調達 〈調達〉 難易度-
GM:さっそくですが、チャレンジ項目は以上の通り。
GM:すぐチャレンジだ
御厨由佳:じゃあNAOTOの目的に行きましょう
御厨由佳:ダイスがなんと6コも振れるぜ
御厨由佳:足りなかったらバデムを!
遠矢塔利:凄いぜ。
御厨由佳:あとエスティメイターは導きしたほうがいいかもしれないぜ!
遠矢塔利:そのつもり!
御厨由佳:では判定します
遠矢塔利:《導きの華》対象が次に行うメジャーアクションの達成値+14 襟沢くんに。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を4(→ 4)増加 (68 → 72)
御厨由佳:6dx 交渉
DoubleCross : (6DX10) → 10[2,3,3,7,8,10]+7[7] → 17
遠矢塔利:交渉上手!
御厨由佳:交渉力!
GM:いい感じ!
GM:特殊な交渉術を駆使したんやろうなあ
遠矢塔利:やはりな、探偵は女子高生に弱い
襟沢理人:交渉術…………
遠矢塔利:襟沢くんも遺産狙いで振ってね
遠矢塔利:字面が最悪になったな
襟沢理人:では ”エスティメイター"の遺産 を<交渉>で!
襟沢理人:4dx+14>=12
DoubleCross : (4DX10+14>=12) → 8[3,7,7,8]+14 → 22 → 成功
GM:襟沢くんがメイン、御厨さんがサブでいきましょう。
遠矢塔利:コンプリート!
遠矢邸 ロビー
GM:五百城NAOTOはレネゲイドビーイングだった。それも、『殺人事件』の。
五百城NAOTO:「……事件のあるところには、どうしても引き寄せられてしまう」
五百城NAOTO:「あまり歓迎されたことはなかったな……素性を明かしても信じてくれる人なんていないし」
御厨由佳:「つまり」
御厨由佳:「この事件にも犯人がいるんですね?」
五百城NAOTO:「そうだ。なぜなら僕は『殺人事件』だから」
五百城NAOTO:「――ただの事故死や自殺には引き寄せられたりしない」
五百城NAOTO:「常に『犯人』がいる。経験則を生かして……そういう犯人を捕まえる探偵の真似事をしてるけど」
五百城NAOTO:「あんまり上手く行ったことがない。なんでだろうな?」
御厨由佳:「まぁ、どうでしょうね…」
御厨由佳:「食い合わせが悪いと思うんですよね、その正装。」
御厨由佳:「今日びそんな恰好の人いませんし、怪しまれますって。」
五百城NAOTO:「ええ……そうかな……?ちょっと前はこれくらいが普通だったような気が……」
御厨由佳:「じ、時間間隔がズレてる…レネゲイドビーイングってこれだから…」
御厨由佳:「こほん、ともかく。」
御厨由佳:「それじゃ、本当に理由もなく引き寄せられたんですね、この館に。」
五百城NAOTO:「………そうかもしれないが……そういうわけじゃない」
御厨由佳:「というと?」
五百城NAOTO:「僕は人に会いに来たんだ。遠矢茉莉……昔みたいに会えると思ってたが……」
五百城NAOTO:「……当てが外れてしまった」
御厨由佳:「ちなみにですけど」
御厨由佳:「以前来たのは何年前ですか?」
五百城NAOTO:「150年くらい前……だったかな」
五百城NAOTO:「120年だったかも。いや110年……」
御厨由佳:「死んでるって!」
御厨由佳:「人間はそんなに長く生きれないんですよ!」
遠矢塔利:「その年数ですと、お祖父様の、更にその前ぐらいですね……」
五百城NAOTO:「そ、そうだったのか……」
五百城NAOTO:「だからあの家も……なんだか凄くボロボロで雨風が吹き込んでくるなあと思ってたけど……」
遠矢塔利:「あの家?」
GM:五百城の言う『家』とは、急遠矢宅だということが塔利には推測できる。
GM:元々、この館は病院として使われていたものだ。管理者である遠矢が住んでいた家はかつて別に存在した。
御厨由佳:「ここから200mくらい離れたところに崩れかけたあばら屋があったんですよ。」
遠矢塔利:「それは……聞いたことがございます」
遠矢塔利:「この建物が公共施設として扱われていた頃は、別の場所で『本宅』としていたとか……」
遠矢塔利:「五百城様は、そこが『遠矢家』だった頃のお知り合いだったのですね」
五百城NAOTO:「……そうか……遠矢塔利……君は彼女の親戚だったのか……」
五百城NAOTO:「道理でなんか名字が似てるなあと……」
御厨由佳:「………事件に関わり、なさそうですねえ」
遠矢塔利:「そうですね……恐らく、曾孫ほどかと…?」
御厨由佳:「本宅にしか行ったことが無いというのが本当なら、」
御厨由佳:「この現遠矢邸の特性やらギミックを知り得る機会なんてないはずですし」
五百城NAOTO:「えへへ、申し訳ない」
御厨由佳:「いえ、いいんですよ。可能性を一つ排除できたんですから。」
遠矢塔利:「はい。落ち着いたら、遠矢茉莉について何か残ってないか探してみます。差しあたりは、家系図など……」
五百城NAOTO:「……でも、君のひいお婆さん……?と話したことがある」
遠矢塔利:「……?何をでしょう…?」
五百城NAOTO:「例えば……僕や、当時怪物や妖怪として扱われていたオーヴァード達を……」
五百城NAOTO:「……治療できる場所があればいい、と」
五百城NAOTO:「レネゲイドに感染した人や……器物。もちろん、世間から見ればそれは隔離ということになるかもしれないけれど……」
五百城NAOTO:「……それでも彼らが安らかに過ごすことができる場所があれば、救いになるんじゃないか……」
遠矢塔利:「…………!」
御厨由佳:ちらりと遠矢の顔を覗く
遠矢塔利:表情の薄い顔ににじむのは、驚きと……あるいは、納得。
遠矢塔利:代々に受け継がれてきたあの屋敷の部屋たちは、初見であろうと手入れの痕跡を感じていた。
五百城NAOTO:「……もちろん、当時は本当の意味で治療はできなかったと思うけどね」
遠矢塔利:「……そう、です、ね」
遠矢塔利:「それでも……確かに病院だったのですね、この屋敷は。」
五百城NAOTO:「……今は色んな品物を保管してるのかな?迷ってる時にちょっと見た」
五百城NAOTO:「でも病院も、器物の蒐集保管も、志は同じなんだ。レネゲイドの宿ったアイテムにだって意志がある」
五百城NAOTO:「意志があるからこそ、遺産だって適合者を選ぶわけだしね」
御厨由佳:(それが”インスタンスハウス”の前身…)
遠矢塔利:「そうですね……部屋の多さを考えて、そのまま生きている方に療養してもらうのも手狭になりますから…」
遠矢塔利:「ありがとうございます、五百城様。……とても、貴重なお話を聞けたと感じます」
遠矢塔利:「……願わくば、私も」
遠矢塔利:「集められたものたちに認められる、主でありたいと思います」
五百城NAOTO:「エヘヘ。そっか……それは茉莉も喜ぶと思う……」
五百城NAOTO:「……頑張ってね。遠矢塔利」
遠矢塔利:「はい。五百城様」
遠矢塔利:「家族を知っている人にあえて、嬉しいです」
御厨由佳:「……”エスティメイター”さんに話を聴きますか。」
御厨由佳:「主さまを元通りにするためにも、真相を突き止めないとですね。」
遠矢塔利:御厨さんに頷く
GM:"エスティメイター"の経歴には、遠矢家との過去の関わりがある。
GM:遠矢の祖父と取引し、何らかのアイテムを買い取ったという噂だ。
GM:この状況の手がかりになるかどうかは分からないが、それでも"エスティメイター"の事情を調べておく必要はあるかもしれない。
GM:彼が犯人である可能性も依然として残っているのだ。
襟沢理人:(この館の遺産を狙う、そんな動機もあることだしな……)
襟沢理人:(犯人であれそうでないであれ、この後のことを考えるとはっきりさせておくべきだ)
襟沢理人:"エスティメイター"の前に座る
"エスティメイター":「何か……聞きたいことがありそうだな」
襟沢理人:「回りくどくやってる時間も無いので、単刀直入にお伺いします」
襟沢理人:「貴方がここのかつての主人から買い取ったアイテム」
襟沢理人:「それが何か、教えてください」
"エスティメイター":「……随分と配慮のない聞き方をする。それで答える者がいると思うかね?」
襟沢理人:「何か後ろ暗いことが無いなら、答えて欲しい」
"エスティメイター":「……頭の回転は速いのだろうが、口の出し方を練習していない。まだまだだな」
襟沢理人:「む……」
襟沢理人:「これ以上、腹の探り合いをしている場合じゃないんです」
"エスティメイター":「私も同意見だ。それを踏まえた上での質問だというのなら、いいだろう」
襟沢理人:「……感謝します」
"エスティメイター":「確かに買い取った……いや。預かっていたのだ」
"エスティメイター":「遠矢嬢が『鍵』を持っているのは知っているか」
襟沢理人:「どういった力を持つのか、この目で見ています」
襟沢理人:「それとやはり、繋がりが?」
"エスティメイター":「あの『鍵』自体に力があるわけではない。あくまで本体はこの洋館そのものだ」
"エスティメイター":「だが、まさしく『鍵』としては機能する。適合者のアクセスを許可するための、外付けの拡張物というべきか」
襟沢理人:「そう、だったのか……」
"エスティメイター":「……多くの鍵がそうだが、それの複製もあった。遠矢塔利の祖父があるR案件事件に関わった際」
"エスティメイター":「有事に備えて、彼は私に鍵を預けた」
襟沢理人:「『合鍵』───!」
襟沢理人:「それは今、どこに……」
"エスティメイター":「私の書斎で保管している。持ち込んでいると思ったのなら見当違いだったな」
"エスティメイター":「そもそも『鍵』は適合者がいなければ意味をなさないのだ」
"エスティメイター":「私が都合よくオーヴァードに覚醒し、この館に適合したなどというバカな話はあるまい」
襟沢理人:(適合者でなければ、鍵は意味を成さない)
襟沢理人:(だから遠矢嬢……塔利さんはこの屋敷に一人で……)
襟沢理人:「……その鍵の複製は」
襟沢理人:「貴方の保管するそれだけでしょうか」
"エスティメイター":「……そのはずだが」
"エスティメイター":「……襟沢くん。君の推測を聞きたい。何があればこのような状況になる?」
"エスティメイター":「遠矢家が『鍵』を作り出した理由は分かる。この遺産は血統に適合する遺産だからだ」
"エスティメイター":「現に遠矢家は代々この館を受け継いできている。複数名の適合者がいるとするなら、その管理権限を誰か一人に定める必要がある」
襟沢理人:「…………」
GM:ここで判定を入れましょう。
襟沢理人:バッチ来い!
GM:〈知覚〉〈意志〉で難易度8。今の状況で隠し事をしている者がいるか。
襟沢理人:では<意思>で!
襟沢理人:5dx>=8
DoubleCross : (5DX10>=8) → 10[2,2,7,9,10]+8[8] → 18 → 成功
襟沢理人:エリートの目に曇りなし
GM:ではエリート観察眼は今の会話で動揺を示した者を特定できる。
右京:「……!」
GM:右京だ。『鍵』の話に反応した。
襟沢理人:「"エスティメイター"氏、話題は変わりますが」
襟沢理人:「右京さんはどういった経緯で、こちらに同行することに?」
"エスティメイター":「勿論、私の護衛だ。最近は、身の回りの世話は左京と彼の二人に任せている」
"エスティメイター":「もっと有能な者はいるが、教育を兼ねなければいけないのでな」
襟沢理人:「護衛になる前の経歴……とかは」
"エスティメイター":「……」沈黙で返す。
"エスティメイター":だが、ここで沈黙するということは間違いなくギルド関連の人脈。前身は何らかの犯罪者だろう。
右京:「ぼ、僕の話が何か関係あるのか!?」
襟沢理人:「…………」じっと、その目を見る
右京:「なんだよ……な、何か言いたいことでもあるのか」
襟沢理人:「『鍵』に、心当たりはありますか」
右京:「は!?な、何言ってんだ……その言い方、まるで……」
"エスティメイター":「右京」
"エスティメイター":「盗んだのか?」
右京:「…………ッ」
襟沢理人:「ずっと"エスティメイター"氏の身の回りの世話をしていたなら、チャンスは……いくらでもある」
襟沢理人:(言いがかりにも近いが、明らかに動揺してる)
襟沢理人:(これは……!)
襟沢理人:「答えて下さい……ボクに嘘は通じない!」
右京:「わ」
右京:「かったからって、どうだってんだよ!このガキ……!」
右京:「は、はは!どっちにせよ、お前らは全員ここで死ぬんだ……!」
襟沢理人:「こいつ……」
右京:「僕が『合鍵』で……め、目覚めさせてやったんだからな!教えてもらったとおりだった……!」
右京:「"エスティメイター"も左京も……僕のことをバカにしやがって!下に見やがって!」
"エスティメイター":「……」
右京:「もう外に出ることはできないぞ!どうするんだ!?皆あの怪物に食われるのさ!」
"エスティメイター":「襟沢くん」
襟沢理人:(唆した奴もいるのか!だがまずは)
襟沢理人:「はい!」
"エスティメイター":「こちらの不手際は謝罪する。右京を拘束してくれ」
遠矢塔利:五百城との会話を終えて近づいてくる。「いったい、なにが……?」
御厨由佳:「簡単です。右京さんが犯人だった。でしょう?」
襟沢理人:「そうです、ここで捕まえないと!」
右京:「この野郎ッ!来るんじゃねええええええ」
右京:右京は椅子を蹴り倒し、そのまま逃げ出そうとします。
右京:進路上にいた塔利を突き飛ばし、走っていく。
遠矢塔利:「きゃっ…!?」
御厨由佳:遠矢を支える。
御厨由佳:「急ぎましょう。」
遠矢塔利:「あ、ありがとうございます……」ふらり、と支えられる。
遠矢塔利:そのまま、表情をむ、と真面目に引き締める。
遠矢塔利:「はい……!」
襟沢理人:「逃がさないぞ……右京!」
◆Climax◆
GM:クライマックスシーン。全員登場です。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (72 → 78)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (73 → 80)
襟沢理人:62+1d10
DoubleCross : (62+1D10) → 62+1[1] → 63
遠矢邸 ???
GM:右京は指針のないまま遠矢邸を闇雲に逃走した。この混沌とした無限の建築構造の中を。
GM:だが、その逃走劇も2分足らずで終わる。非オーヴァードがオーヴァードから長く逃げられるはずがない。
右京:「は、はあっ、はあっ、はあっ……」
御厨由佳:「はい、追い付きました。」足元を撃って牽制しつつ
右京:「あひっ!?」
襟沢理人:「逃げられる訳ないだろ……観念するんだ」
御厨由佳:「襟沢さん、遠矢さん。どうします?」
遠矢塔利:「……はぁ、はぁ」オーヴァードといえど、殆どを室内で過ごしている。
遠矢塔利:「こ、拘束を……お願いします」
遠矢塔利:「この屋敷を……元に戻して頂かないと……」
右京:「く、来るなあ……ぼ、僕を捕まえたって……」
右京:「屋敷は元に戻らないぞ……」
御厨由佳:「……。」頭に照準を合わせていた銃口を足にずらす。
右京:「はぁ、はぁ……し、知らないだろ……ハハ……」
右京:「ここは病院だったんだぜ……オーヴァードを収容していた病院なんだ……」
襟沢理人:「……本当ですか」遠矢嬢に
遠矢塔利:「………えぇ。そう聞いておりますし……実際、証人もいらっしゃいました」
右京:「じゃ、じゃあさ。『どうするんだ』?病院ってのは……命を救うところなんだよなァ?」
右京:「もしも……もしもだぜ?」
右京:「入院患者や……管理者がジャームになったとしたら……」
右京:「病院は……そいつらを全部殺してたのか?」
影:「……全て……しなければ……」
御厨由佳:「………ああ、そういうこと。」
遠矢塔利:「…………?」
遠矢塔利:少しだけ、その言葉に眉を潜めながら
遠矢塔利:声を聞く。
襟沢理人:(UGNなら冷凍保存しているが……そんな設備はないだろう)
御厨由佳:「ここに収められていたのは物だけじゃない。」
襟沢理人:「じゃあ、もしかして」
右京:「『だから』こういう構造なんだ!そいつらが出られないようにしてたんだッ!」
右京:「この『鍵』だって、元々はその部屋を開けるための――」
御厨由佳:「”人”も”獣”もってことですね。」
GM:バ ヅッ!!
遠矢塔利:「………この屋敷が」
GM:床に突如現れた『扉』から、巨大な顎が飛び出し
遠矢塔利:「病院として、使われなくなったのは────」
GM:右京の片足を食いちぎった。
御厨由佳:頬に血がかかる。
右京:「ギャッアアアアアアアアアアッ!!?」
遠矢塔利:「あっ……!」
遠矢塔利:「右京様……!?」
財宝獣:「キュウ……キュ、キュ、キュィーッ」
財宝獣:「ミーッ」
襟沢理人:「これが獣……!」
GM:奇怪な生命体だ。無数の生物の剥製が継ぎ合わされ、無秩序な器物をその中に取り込んだような
GM:長い歴史の中で館の構造のどこかに隠され、『ジャーム化』してしまったレネゲイドアイテムの集合体。
影:「……掃除しなければ。」
影:どこかの書斎で、ページをめくる音が聞こえる。
影:ジャーム化したのは患者だけではない。当然、遠矢の血筋の誰かも
影:少なくとも一人以上は、そうなっていたはずだ。
遠矢塔利:「……!」
遠矢某:「片付けなければ……」
遠矢某:窓の向こうの書斎だ。だが、近くにいるように見えたとしても
御厨由佳:スカートの下から多腕砲塔が展開する。
GM:発砲して構いません。
御厨由佳:窓に向けて発砲。
襟沢理人:「絶大な力の獣と、知性ある影……か」
GM:窓が割れ、全く別の部屋の構造が露になる。古いワインセラー。
遠矢塔利:「あ……!」
遠矢某:この事件の間、御厨も、米沢も、この『影』を目撃しながら辿り着くことは出来なかった。
御厨由佳:「………やはり。」
GM:敵は二体いる。
遠矢塔利:血液の代わりに、芳醇な赤い液体が飛び散る。
遠矢塔利:
>米沢:「まさか本当に飼ってるとか言わねーだろうな」
>遠矢塔利:「いえ、生き物は飼っておりません」
>遠矢塔利:「その…迷子になってしまいますので」
遠矢塔利:そう語ったことは嘘ではない。
遠矢塔利:少なくとも、この屋敷の主となる時。そのように聞いて、自らも納得した理由。つまり。
遠矢塔利:注意が行われるということは、"前例"があり───それが今、目の前に存在していた。
[6]財宝獣
5m
[6/78]遠矢塔利
[9/80]御厨由佳 [6/63]襟沢理人
70km
[7]遠矢某
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:衝動判定は難易度9。どうぞ。
遠矢塔利:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 7[6,6,7]+1 → 8 → 失敗
遠矢塔利:ぎゃー!暴走!
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を2d10(→ 9)増加 (78 → 87)
御厨由佳:5dx 意志
DoubleCross : (5DX10) → 10[3,3,8,8,10]+4[4] → 14
御厨由佳:成功!
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (80 → 87)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (87 → 91)
襟沢理人:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 10[1,3,7,9,10]+4[4] → 14 → 成功
襟沢理人:エリートソウル
遠矢塔利:70km先。遠いなぁごせんぞ
襟沢理人:63+2d10
DoubleCross : (63+2D10) → 63+13[8,5] → 76
襟沢理人:射程が視界の攻撃なんてない……どうすれば良いんだー!
GM:セットアップです。
財宝獣:《カームダウン》。
財宝獣:シーン全員の全ての判定ダイスが-6個されます。
遠矢塔利:コワイ!
遠矢塔利:セットアップなし!
襟沢理人:セットアップエフェクトなし!
GM:他のセットアップ者はいないはず!ラウンド1にさっそく移行します。
御厨由佳:セットアップなし!
GM:■ラウンド1
財宝獣:「キュウゥゥ――ッ、ゥーン」
財宝獣:体内のレネゲイドアイテムが多数共鳴し、重圧のような力場を発生させる。
財宝獣:本来あった機能はジャーム化に伴い失われているが
財宝獣:単純な出力総量だけで、彼らのレネゲイドを打ち消して余りある。
財宝獣:財宝獣は「拒絶の結界」3枚を保有しています。
財宝獣:ダイスに多大なマイナスを受けている不利状況の中で攻撃を当て、
財宝獣:さらに90ダメージを突破しない限り絶対に無敵という恐るべきジャームということ。
GM:ということで行動値9。御厨さんの手番です。
御厨由佳:援護貰わないときつい。待機!
GM:では行動値7。遠矢某の手番。
遠矢某:マイナーで《絶対の空間》。遠矢塔利よりも先代の管理権限で
遠矢某:財宝獣の減衰干渉を打ち消して行動するぞ。
遠矢某:PC3人を対象。《雨粒の矢》。
遠矢某:6dx+4
DoubleCross : (6DX10+4) → 10[2,2,5,6,7,10]+8[8]+4 → 22
遠矢某:繰り返しますが《カームダウン》で全判定-6個です。
御厨由佳:ドッジ出来ない…ガード!
遠矢塔利:ガード!
襟沢理人:ガード!
GM:塔利ちゃんは暴走中ですね
遠矢塔利:そうでした。
遠矢某:3d10+12
DoubleCross : (3D10+12) → 26[9,10,7]+12 → 38
遠矢某:装甲ガード有効。
遠矢塔利:消し飛んでリザレクトします!
御厨由佳:耐えられないのでリザレクト!
遠矢塔利:遠矢塔利のHPを1d10(→ 4)に変更 (24 → 4)
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (91 → 92)
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を4(→ 4)増加 (87 → 91)
襟沢理人:耐え切れずリザレクト!
襟沢理人:1d10
DoubleCross : (1D10) → 7
GM:行動値6、遠矢または襟沢の手番になります。
遠矢塔利:ではこちらが先に。
襟沢理人:HP7で侵蝕83
遠矢塔利:マイナーで暴走解除。
遠矢塔利:メジャーでコンボ:【System.out.println(HouseKeePer.getItem());】《導きの華》《光射す場所》《天使の階梯》《要の陣形》
遠矢塔利:対象はPC3人。
遠矢塔利:対象が次に行うメジャーアクションの達成値+25、C値-1します。
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を14(→ 14)増加 (91 → 105)
GM:くそ~、支援型にはダイスデバフは効かないからな
GM:では次に襟沢くん。演出もまとめてやってもらおう
襟沢理人:受け取りました
襟沢理人:では手番
襟沢理人:オートアクションでワイヤーウィップ装備
襟沢理人:マイナーアクションで戦闘移動時
襟沢理人:オートアクション《縮地》使用
襟沢理人:シーン内の好きな箇所に移動できるため、遠矢某の10m手前に移動 侵蝕+2で85
[6]財宝獣
5m
[6/105]遠矢塔利
[9/92]御厨由佳
70km
[7]遠矢某
10m
[6/85]襟沢理人
襟沢理人:メジャーアクション
襟沢理人:コンボ:【スキュア】:《プレディクション》
GM:ダイス数は大丈夫ですか?
襟沢理人:判定前に"エスティメイター"にロイスを取得し
襟沢理人:それをタイタスにして昇華、ダイスを+10個します
GM:それなら振れますね。ではどうぞ!
襟沢理人:ワイヤーウィップで白兵攻撃、対象は遠矢某
襟沢理人:7dx9+2+25
DoubleCross : (7DX9+27) → 10[1,2,3,4,7,9,10]+7[2,7]+27 → 44
襟沢理人:プレディクションにより、ドッジは行えない!
遠矢某:《スモールワールド》。達成値を-25。
遠矢某:《現実改変》。達成値を-20。
遠矢某:1でも残ってたら危なかったけど、どうにかできたな……!
遠矢塔利:こ、このご先祖…!
襟沢理人:このやろー!
遠矢某:代わりにHPダメージを20受けます。《現実改変》はまだ使えるぞ……!
GM:すぐにでも到達できる距離に見えるが、決してそうではない。
GM:遠矢塔利は誰よりも理解できるはずだ。この影を倒すことのできる攻撃があるだろうか……
遠矢某:「………」ブツブツ
遠矢塔利:「部屋を組み替えて……構造が煩雑化しているのなら……」ブツブツ
襟沢理人:「目に見えるなら、全部ボクの『盤面』です」
遠矢塔利:じ、と窓の向こうの姿を見る。暗い光の中でわずかに見える、紫かかった銀。
遠矢塔利:「では、お願い致します」
遠矢塔利:「私は、少しばかりのお手伝いを致します」
遠矢塔利:じゃらり、とくすんだ金の鍵束を取り出す。
遠矢塔利:それはただの鍵だ。本当に屋敷の"鍵"足り得るのは、それを持つ自分。
遠矢塔利:だから、これは"鍵を開ける"というルーティーン。
遠矢塔利:それによって、自分より手慣れた"ご先祖様"による屋敷支配を────部屋の支配を、一部だけ間借りする。
遠矢塔利:直線距離にすれば目に見えるほどの、気の遠くなる超遠距離。
遠矢塔利:そこを一瞬『繋ぐ』だけの部屋が、襟沢さんの目の前に現れる
襟沢理人:「ありがとう……遠矢嬢」
襟沢理人:『盤面』は既に敷いてある
襟沢理人:そして、道を阻む駒は無い
襟沢理人:遠矢某(キング)の元へ、自分というナイトを向かわせる
襟沢理人:遠矢嬢によって作り出された部屋を中継し、書斎に足を踏み入れた
襟沢理人:「ノックも無しに、失礼」
遠矢某:「……」ギョロリ
遠矢某:影に無数の目が出現し、一斉に襟沢を見る。
遠矢某:「……お静かに」
襟沢理人:「………」
襟沢理人:威圧に屈せず、『王笏』を振るう
GM:――ビッ
遠矢某:影が手をかざすと、無数の扉が出現し、王笏とぶつかり合う。
遠矢某:そのほぼ全てが破砕。残る1枚も破損寸前になる。「……!」
襟沢理人:「部屋の中に、さらに扉を……!」
遠矢某:「……患者達の……安寧のために……」
遠矢某:「………片付けなければ…………」
襟沢理人:(強い思いだ)
遠矢某:この敵は『殺人鬼』ではない。外部の侵入者を排除し、
襟沢理人:(だが、歪んでいる……!)
遠矢某:ゴミを寄せるように片付けただけだ。
GM:行動値6。財宝獣が動きます。
財宝獣:オートアクション。《ワールドシェイカー》。
財宝獣:メジャーで《破砕の顎》。遠矢と御厨を狙います。
財宝獣:すみません、間違えた。
財宝獣:《破砕の顎》《アニマルテイマー》《惑いの一撃》です。
財宝獣:5dx+4 ドッジ-9個
DoubleCross : (5DX10+4) → 9[2,3,6,6,9]+4 → 13
御厨由佳:ガード
遠矢塔利:ダイスがありません!ガード!
遠矢塔利:《領域の盾》、御厨ちゃん守って!
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を4(→ 4)増加 (105 → 109)
御厨由佳:護るよ!
財宝獣:2d10+18+2D10
DoubleCross : (2D10+18+2D10) → 14[10,4]+18+4[2,2] → 36
財宝獣:ダメージは36。範囲攻撃なので2倍だ
遠矢塔利:72だ。キリがいい。
御厨由佳:二倍して72、死にます、リザレクト!
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (92 → 100)
御厨由佳:リザレクトが上手い
GM:キリが良いなあ
財宝獣:「キュゥーッ……!」
右京:「こ、このクソ野郎ッ!僕の足をッ、あがあああッ……!」
右京:「なんで、"エスティメイター"のジジイを殺さねえで僕に歯向かうんだよォォォッ!?」
財宝獣:右京の存在を全く意に介さず、もう一度甲高く鳴く。
御厨由佳:(足っておいしいんだよねえ。肉も適度についてるし。)
GM:バタン!!
GM:遠矢の真横に扉が出現する。
遠矢塔利:「あっ……!」
御厨由佳:「させません。」
GM:その中からは、剥製じみた巨大な鰐の顎が――
遠矢塔利:支配に割り込んだ直後、他人の家にいるような感覚。
遠矢塔利:ふらりと揺れる体に防御は間に合わず、一瞬後の惨劇を目を閉じて受け入れようと…
御厨由佳:多腕砲塔を絨毯と壁に突き立てて、遠矢の眼前に跳ぶ。
財宝獣:攻撃の軸が当たったわけではないが、
財宝獣:それでもナイフのごとく並んだ牙が無数、御厨の肌を引き裂くことになる。
財宝獣:「……ミーッ」バタン!!
御厨由佳:「くっ……!」
財宝獣:財宝獣から分離した攻撃体は、床に出現した窓の外へと消えていった。
遠矢塔利:「御厨様……!?」
遠矢塔利:「ど、どうして私を…?」
御厨由佳:「遠矢さんが死んだら、この館をどうやって戻すんですか。」
御厨由佳:「右京さんに頼るのも嫌ですし。」
遠矢塔利:「……あっ」
遠矢塔利:「そ、そうですね……たしかに、そうでした」
御厨由佳:「何が何でも生きてくださいね。彼のためにも。」
御厨由佳:窓の向こう。近くて遠い場所にいる少年に目を向ける。
遠矢塔利:「はい……はいっ」
遠矢塔利:「御厨様も、ご無理はなさらないでくださいね……」
財宝獣:財宝獣本体は動かない。今までのように隠れ潜む必要はなくなった……というより。
財宝獣:これまでの犠牲者二人は、このようにして殺してきたはずだ。
財宝獣:死骸めいた黒い瞳だけがこちらを見ている。
GM:手番は待機中の御厨さん。
御厨由佳:はい。マイナーなし。
御厨由佳:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》
御厨由佳:対象は財宝獣くん!
御厨由佳:STALKER5丁で射撃!
遠矢塔利:ダイス-6を突破して差し上げて!
御厨由佳:あ、忘れてた!ロイスを取ります!
GM:無敵の90点バリアを突破できるかな
遠矢塔利:あと達成値+25、C値-1です!
襟沢理人:妖精の手とバディムーブも待機してます!
GM:どういう支援状況だ
GM:本当に無敵なのかこのバリア……?不安になってきた
御厨由佳:襟沢理人/〇庇護/頬がおいしそう 財宝獣/食欲/〇可食部が少なそう
遠矢塔利:どっちが捕食者か思い知らせるようなロイス
御厨由佳:これで取得して7枠。財宝獣のロイスを昇華して判定ダイス+10します
GM:でも簡単に90点なんて突破できるわけないよな 130点3人セッションだもん
御厨由佳:行きます!
御厨由佳:13dx6+27
DoubleCross : (13DX6+27) → 10[1,3,3,3,4,5,7,7,8,9,9,10,10]+10[2,3,5,7,7,8,10]+10[2,3,4,9]+3[3]+27 → 60
御厨由佳:いい出目!
遠矢塔利:すごい!
財宝獣:《カームダウン》の影響でこいつはドッジもできないんですよね。なのでガード。
遠矢塔利:コンボ:【InstanceHouse room = new InstanceHouse();】《力の法則》ダメージ+5D10
遠矢塔利:遠矢塔利の侵蝕率を4(→ 4)増加 (109 → 113)
財宝獣:《歪みの領域》。25点ダメージで反撃します。
御厨由佳:グエ!
遠矢塔利:獣ー!
御厨由佳:ではダメージ出しますよ!
御厨由佳:7d10+5d10+75
DoubleCross : (7D10+5D10+75) → 46[6,8,9,3,5,7,8]+32[7,3,6,9,7]+75 → 153
GM:え!?こんなことあるかな
遠矢塔利:景気が良いですわ
御厨由佳:出目がいいですわね
襟沢理人:やったー!
財宝獣:一発食らっただけでほとんど死にました。ギリギリ生きてます
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を8(→ 8)増加 (100 → 108)
御厨由佳:そして反撃ダメージで死にます。
財宝獣:《生命増強》が6もあったのに。拒絶の結界ももちろん一撃でブレイク状態に……
御厨由佳:固定ロイスのFHを昇華復活。
GM:『九人目の獣』の正体は『九人目』と『獣』だった。
GM:"ビッグジュース"を殺したのは、こちらの『獣』の敵だ。
GM:協力しなければ勝てない。彼女らFHのターゲットである遠矢塔利その人と。
財宝獣:「キュウー」
御厨由佳:「遠矢さん」
遠矢塔利:「はい…」白い肌に汗を浮かべている。
遠矢塔利:戦闘という極限状態に慣れていないが故の、浅い呼吸が不思議と普段より人間らしさを感じさせる。
御厨由佳:「次に獣が出てくるドア、分かりますか?」
遠矢塔利:「……そうですね」
遠矢塔利:「中は、正直把握しきれません。多分、あの方が動かしていますから……」「でも」
遠矢塔利:ぎゅ、と金の鍵を握りしめる。
遠矢塔利:「使うドアなら」
遠矢塔利:カチャ
遠矢塔利:カチャ カチャカチャカチャ
遠矢塔利: カチリ
遠矢塔利:わずかに鍵の音が重なって連弾となり、蝶番の音が響く
遠矢塔利:視界に入る扉が次々と半開きになって、「繋がった」先の空間が顕になり。
遠矢塔利:『どこか』につながった扉は、目の前の一つ。
遠矢塔利:「……ここです、御厨、様」
遠矢塔利:ぜぇ、と止めていた息を吸うように、合図を向ける
GM:攻撃の予兆が分かる。昆虫のような剥製の足が扉の縁にかかり――
御厨由佳:多腕砲塔の5つの銃口がそちらを向き、
御厨由佳:一斉に弾丸を撃ち込む。
財宝獣:「ギュッ!!ギビッ、ゲッ」ビチビチビチ
御厨由佳:(胸腺)(肩肉) (心臓)(肝臓) (腿肉)
財宝獣:扉に足をかけたまま、銃弾の雨にガクガクと痙攣する。
財宝獣:バチッ!ビシャッ!バチャッ!
財宝獣:肉が削がれる。原型を失っていく。
御厨由佳:(見えた) (脳)
財宝獣:「ゴボッ……キュイー」ガシャン!
御厨由佳:止めを刺そうとした瞬間
財宝獣:ガガガガガガガガガガガガッ!!!
財宝獣:射出された矢の嵐が財宝獣から返る。
財宝獣:「ガ、ガガガガッ、ゴッ、ゴギッ」ガチャ!
財宝獣:金属の脚部が床板に食い込む。
御厨由佳:「うっ!?」
財宝獣:剥製の継ぎ接ぎのような肉体を削ぎ飛ばされた内部構造は、
財宝獣:巨大な柱時計に絡み合った歯車や、ハリネズミの如く生えた機械仕掛けの弓で構成された、とても生物とは思えない存在だ。
財宝獣:生物でもない。器物でもない。遠矢の財宝の獣としか表現のできない生命体。
御厨由佳:「かはっ……!反撃があるとは……でも……」
御厨由佳:「逃がしません」
GM:これで1ラウンド目は終了となりますが……
遠矢塔利:割り込み!
GM:な……なんだあっ
遠矢塔利:コンボ:【来訪】《触媒》。御厨さんはメインプロセスを行います!
GM:うわあああ
GM:御厨さん、再行動をどうぞ!
御厨由佳:いくぜいくぜ
襟沢理人:GO!
御厨由佳:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》
御厨由佳:財宝獣君を射撃します!
財宝獣:うあああああ(PC書き文字)
御厨由佳:NAOTOのロイスを昇華して判定ダイス+10!
御厨由佳:デバフ切っておくんだったぜ!
御厨由佳:まあいい、アタック!
御厨由佳:13dx7+2
DoubleCross : (13DX7+2) → 10[1,2,3,4,6,7,7,8,8,9,10,10,10]+10[2,2,3,3,4,6,9,9]+10[1,10]+10[10]+3[3]+2 → 45
御厨由佳:回ったぜ!
遠矢塔利:調子がいい
財宝獣:もう《歪みの領域》も使えない……!
財宝獣:自分のカームダウンのせいでドッジも出来ない。ガード値0でガードします。
御厨由佳:5d10+75
DoubleCross : (5D10+75) → 27[7,6,1,8,5]+75 → 102
御厨由佳:102ダメージ、装甲諸々有効!
財宝獣:爆発四散!!完全死亡し、復活エフェクトもありません。
御厨由佳:御厨由佳の侵蝕率を8(→ 8)増加 (108 → 116)
御厨由佳:が ちり
御厨由佳:財宝獣がドアの向こうへと消えようとするも、
御厨由佳:戻ることはできないだろう。
財宝獣:「……ガシャッ」
遠矢塔利:「──御厨様」
遠矢塔利:その背中にそっと手を触れる。
遠矢塔利:専門というわけじゃない。ただ、筋肉の流れ、皮膚、骨。
遠矢塔利:御厨由佳という一人の存在が、屋敷の中にあることを意識する。
御厨由佳:(───)
遠矢塔利:屋敷は、鍵に認められた存在を保護するためのもの。
遠矢塔利:この屋敷の中に合って、少しだけ貴方の味方になるように。
遠矢塔利:勝手知ったる庭のごとく、貴方のホームグラウンドと化していく。
御厨由佳:(私)(今)(”調理”された)
御厨由佳:(この館に合うように)
御厨由佳:「ふふ。」
御厨由佳:「こんな気分だったんだ。」
財宝獣:獣の次の挙動が見える。どのように逃げ、そしてどう反撃を試みるのか。
遠矢塔利:「………?」
遠矢塔利:疑問に首を傾げる気配。
御厨由佳:多腕砲塔が鎌首を擡げ
御厨由佳:獣が逃げ去る前に蜂の巣にする。
財宝獣:「ガ、キガッ、ゴカ」
財宝獣:「ガ、ガカカカカカカカカカカッ………………」
財宝獣:ガシャ!!
財宝獣:もはや何の意味も存在しない、レネゲイドに汚染された雑多なゴミとして散らばる。
御厨由佳:地面に倒れる獣に歩み寄り、砲塔で身体を切り開く。
御厨由佳:「ああ」
御厨由佳:「これならきっと」
御厨由佳:「満足できます。」
GM:■第2ラウンド
GM:セットアップは省略します。
[6/113]遠矢塔利
[9/116]御厨由佳
70km
[7]遠矢某
10m
[6/89]襟沢理人
GM:最初の行動は行動値9の御厨さん。何かありますか?
御厨由佳:待機!
GM:では次は行動値7。
遠矢某:遠矢某の行動。
遠矢某:マイナーで《絶対の空間》。
遠矢某:行動の対象は遠矢塔利。《ブレインジャック》を仕掛けます。
遠矢塔利:ぎゃー!
襟沢理人:えっ
遠矢塔利:洗脳される!
遠矢某:12dx+4
DoubleCross : (12DX10+4) → 10[1,2,3,4,4,5,6,7,7,8,8,10]+9[9]+4 → 23
遠矢某:〈意志〉で23を出さなければ遠矢塔利は支配されます。
遠矢某:《現実改変》もあるのを忘れずにね。
遠矢塔利:やだー。
襟沢理人:バデムと妖精の手アリ!
遠矢塔利:ちなみにこれ対抗だから「次のメジャーアクション」ではないですよね?
GM:そうですね。リアクションなので。
遠矢塔利:はーい!素振り!
遠矢塔利:5dx+1>=23
DoubleCross : (5DX10+1>=23) → 10[3,4,6,6,10]+6[6]+1 → 17 → 失敗
遠矢塔利:結構頑張ってません?
GM:確かに
遠矢塔利:妖精貰っても改変アリなんだよな…
御厨由佳:ストップでいいと思います
遠矢塔利:では洗脳されます。 はい、遠矢、子孫になります…
GM:ただ、ここで改変を切らないということは
遠矢塔利:あー。
GM:次の襟沢くんとの対決で改変できるということになりますね
遠矢塔利:大変!妖精をお願いします!
GM:GMなのにアドバイスしちゃった。てへ
遠矢塔利:やさしい~~
襟沢理人:塩を送るなんてな……!
襟沢理人:《妖精の手》!3回くらいクリティカルしてくれ!
遠矢塔利:1dx+21>=23
DoubleCross : (1DX10+21>=23) → 1[1]+21 → 0 (ファンブル) → 失敗
遠矢塔利:wwww
遠矢塔利:マジで言ってる?
襟沢理人:洗脳には勝てなかったよ……
GM:なんて意志よわよわ当主だ
GM:こんなの洗脳されて当然
襟沢理人:侵蝕+4で93
遠矢某:「…………私の……館を」
遠矢某:「邪魔、するものが、いる」
遠矢某:「……………そこか……」ギョロリ
遠矢塔利:「……!」
遠矢某:影に発生した無数の目が、何重もの窓越しに遠矢塔利を凝視する。
遠矢塔利:人の形ではない。まるで、屋敷のすべてから存在を認識される感覚。
遠矢某:『制御権』を奪われる感覚。それも、遺産である館ではない――
遠矢某:その館と接続された、遠矢塔利自身の肉体の制御権を。
遠矢塔利:「っ、また……!」
遠矢塔利:せめて部屋を閉じようとして。
遠矢塔利:そうして、意識を外したのが致命的。
遠矢塔利:がら空きになった部屋に忍び込むように、"誰か"が扉の内に入る。
遠矢塔利:「あっ………?」
遠矢某:この影の存在は、あの獣を使役していたとしか思えない。獣がいなくなった今、
遠矢某:影にとって最大の異物が対象になった。
遠矢塔利:だらん、と体の力が抜ける。
遠矢塔利:内に光を込めた瞳が曇るように、遠矢塔利の意志が『隔離』されていく
遠矢塔利:(あ………だめ………)
遠矢塔利:揺りかごに揺られるように。
遠矢塔利:深く、深く、意識がおちていった
GM:事実上の距離は極めて遠いが、見かけ上の距離は近い。御厨だけでなく、襟沢もその異常を認識してよい。
御厨由佳:「遠矢さん!」
御厨由佳:「獣の方ではなく影の方が厄介でしたか…!」
遠矢某:「……誰も出ない。誰も入らない……」
遠矢某:「これで……」
GM:遠矢さんは敵が動かすため、手番は行動値6。襟沢くん。
襟沢理人:ではマイナーアクションで戦闘移動
襟沢理人:《縮地》使用 侵蝕+2
襟沢理人:遠矢某の前、10m離れた地点へと移動します
[6/113]遠矢塔利
[9/116]御厨由佳
70km
[6/95]襟沢理人
10m
[7]遠矢某
襟沢理人:メジャーアクション、コンボ:【スキュア】:《プレディクション》
襟沢理人:判定参ります
襟沢理人:3dx+2
DoubleCross : (3DX10+2) → 10[3,10,10]+9[7,9]+2 → 21
襟沢理人:《妖精の手》使用!侵蝕+4
襟沢理人:振り足し
襟沢理人:1dx+22
DoubleCross : (1DX10+22) → 10[10]+7[7]+22 → 39
襟沢理人:どうだ!
襟沢理人:ドッジは不可
遠矢某:ヌゥーッ、《現実改変》で達成値-20
遠矢某:でも、もうこれ以上はない……!達成値マイナス型には限界があるのだ
遠矢某:ガードで喰らいます!
襟沢理人:では達成値は19!ダメージ参ります
襟沢理人:2d10+6+25
DoubleCross : (2D10+6+25) → 17[8,9]+6+25 → 48
襟沢理人:装甲ガード有効です!
遠矢某:もう禁断の《現実改変》二度打ちでHP40も減ってるんだよな 耐えられるわけがなく、即死します。
遠矢某:復活エフェクトもなし。ピュアオルクスだしね
遠矢塔利:おそろい。
GM:一族だからね。
襟沢理人:遠矢嬢の異変は、こちらからも感じたられた
襟沢理人:「でもボクが今向き合うべきは、貴方だ」
遠矢某:「…………」
遠矢某:「何を守る………」
襟沢理人:「世界の平穏。命。守るべきものはいくつもありますが」
襟沢理人:「一番は、あの人の誇りだ」
襟沢理人:「この館の主は、もう貴方じゃない」
遠矢某:「……………」
遠矢某:「……違う」
遠矢某:「私が守らなければならない」
遠矢某:「私が。いつまでも。平穏に」
襟沢理人:「遠矢……いえ、塔利嬢の物だ!」
遠矢某:ザンッ
遠矢某:無数の扉が並び、整列し、襟沢を囲む。
遠矢某:攻撃と撹乱。全てが一斉に来る――
襟沢理人:(惑わされるな、発生源は一つ)
襟沢理人:『王笏』を振るう
遠矢某:宝剣や斧。大量の刃が全方位から迫るが、それが空間的な複製だということは知っている。
襟沢理人:チェスにおいて、攻撃が運で回避されることは無い
襟沢理人:どんな駒だろうと、攻撃されれば必ず当たり、そして命を取られる
襟沢理人:それがこの”ダイアゴナル”の領域のルールだ
遠矢某:「……」扉を出て、別の部屋に移動したはずだったが
遠矢某:回避はできていなかった。肉体を砕かれている。
遠矢某:「…………平穏だ……」
遠矢某:「平穏が必要だ……」そして崩れていく。
GM:戦闘終了。
GM:バックトラック!皆急いでやれ!!
GM:Eロイスは3つ!「拒絶の結界」3つ!
襟沢理人:ワーワー
遠矢塔利:自前のロイスだけで行きます!
襟沢理人:最期のメジャー分を足しても侵蝕が99!
GM:絶対帰還できるじゃねーか!振らなくてよし!
遠矢塔利:そして1枠ロイスを取ってなかったので「遠矢某 P親近感/○N毅然とした態度」で取得!
遠矢塔利:洗脳されましたけどね
遠矢塔利:素振りします
GM:エッチ!!
遠矢塔利:健全トーリです!
遠矢塔利:113-6d10
DoubleCross : (113-6D10) → 113-29[7,2,6,3,2,9] → 84
遠矢塔利:ヨシ!
御厨由佳:116-3d10 Eロイス
DoubleCross : (116-3D10) → 116-24[8,6,10] → 92
GM:基本点はシナリオ10、いつもの5、Eロイス3で18!
御厨由佳:おっ等倍
御厨由佳:92-4d10
DoubleCross : (92-4D10) → 92-23[3,4,6,10] → 69
御厨由佳:4点!
GM:襟沢くんは5点でいい!
襟沢理人:わーい!
御厨由佳:経験点は22点デスネ!
襟沢理人:23点!
GM:23点、23点、22点!
GM:エンディングに入ります!!
◆Ending◆合同
遠矢邸 ロビー
GM:遠矢邸の惨劇は収束した。この館には未知の部分も数多い――若い主である塔利にはまだ図りしれぬほどの。
"エスティメイター":「謝罪して済むことではないかもしれないが」
"エスティメイター":「……世話をかけた。君の祖父の信頼を裏切る形になってしまったな」
遠矢塔利:「いえ、お気になさらないでください、"エスティメイター"様」
遠矢塔利:「私の、管理者としての未熟にも責任がございますので」
遠矢塔利:「今回のことを胸に刻み、より精進していくつもりです」
"エスティメイター":「いいや。もう宮田と呼んでくれていい」
遠矢塔利:「宮田様、ですか」
宮田清澄:「レネゲイド事業からは手を引く」
遠矢塔利:「……よろしいのですか?」
宮田清澄:「私は悪どい手口を使う方だが……筋は通さなければな」
遠矢塔利:ふふ、と浮かべた微笑みに感情が乗る。
宮田清澄:「レネゲイド関連の品が十全に管理されていなければ……外部からの干渉で収容が破られてしまったなら」
宮田清澄:「どのような事態が起こるのかも、今回のことで理解できた」
宮田清澄:「遠矢嬢。君のような仕事が必要だ」
遠矢塔利:「…………」もじもじ。
遠矢塔利:密やかに指を合わせる。照れの感情だ。
GM:護衛二人を失った"エスティメイター"は、翌朝屋敷を去った。今後は遠矢家の『事業』に関わることはないだろう。
五百城NAOTO:「……遠矢塔利か」帰路の山道を歩いている。
五百城NAOTO:「そうだ。そういえば……目元が似ていた。遠矢茉莉に……」
五百城NAOTO:「また会うこともあるのかな。それとも……」
五百城NAOTO:「僕みたいな不吉なやつは、会わないほうが幸せかもしれないな」
五百城NAOTO:振り返る。遠くの木々の合間に、大きな洋館が見える。
五百城NAOTO:「また来ないことを祈ってるよ」
遠矢塔利:一人、また一人と人が減ったリビング。
遠矢塔利:残った二人に振る舞うために、お茶を用意した。
遠矢塔利:「今回は、おふたりともお疲れ様でございました」
御厨由佳:「あ、ありがとうございます…」
襟沢理人:「ありがとうございます」
御厨由佳:「これが、先生ですか…?」
遠矢塔利:「それが……米沢様の、心臓でございますか?」
襟沢理人:「混乱させてしまうかと思い、今まで隠していましたが」
襟沢理人:「エグザイルとしても、なかなか特異な力です……」
GM:"ビッグジュース"の臓器は、今は休眠状態にあるようだ。UGNかFHに持ち帰り適切な治療をすれば、蘇生させることはできる。
襟沢理人:「預けても、よろしいでしょうか」
GM:もっともFHセルに託す場合、蘇生後の保証はかなり怪しいものだが。
御厨由佳:「ではこちらでお預かりしますね。」
御厨由佳:(”ビッグジュース”さんも証言させないと、言い訳が立たないしなぁ…)
襟沢理人:「米沢さんにも、御厨さんにも大変お世話になりました」
御厨由佳:(今回の任務は──)(失敗)
GM:今からでも任務を完遂することは、不可能ではない。
GM:襟沢理人を殺害し、遠矢塔利を脅迫して宝を強奪する。
GM:"エスティメイター"は無事帰還した。容疑をギルドに向けることも可能だ。
遠矢塔利:「だ、大丈夫なのでしょうか……本当に生きているのですね……」
遠矢塔利:覗き込むのは白い首筋。片手で保持して括るなり、そのまま盾に構えることも出来る。
御厨由佳:「大丈夫ですから。」
御厨由佳:「また落ち着いた時にでも二人でご挨拶に伺いますよ。」
御厨由佳:そう、不可能ではない。が、
御厨由佳:万一がある。
御厨由佳:遠矢一人ならよかった。襟沢一人ならよかった。
御厨由佳:しかし二人が組むと──
御厨由佳:(絆って、本当に厄介。)
遠矢塔利:「はい」柔らかな微笑み
遠矢塔利:「ぜひ、そうしてください。今度は、……晴れた日に」
御厨由佳:「さて、それでは──」
御厨由佳:茶を飲み干し、立ち上がる。
御厨由佳:「蘇生の手配もあるのでこれにて失礼しますね。」
遠矢塔利:「あっ……そうですね、お引き止めしては大変でございます」
襟沢理人:「またいつか……どこかで」
御厨由佳:リビングから出て行こうとして、立ち止まる。
遠矢塔利:「……?」
御厨由佳:「この家は、素敵な合いびき肉ですね。」
遠矢塔利:「あ、ありがとうございま───合いびき?」
襟沢理人:「合いびき…?」
御厨由佳:「守る人と安息を求めるもの…色んな人の思いとが混ざり合って」
御厨由佳:「とても過ごしやすかったです。」
遠矢塔利:「そう、言っていただけること」
遠矢塔利:「私は、とても嬉しく思います」
御厨由佳:「それでは」笑顔を向けてから、去る。
遠矢塔利:浮かべるのは微笑み。ただし。
遠矢塔利:それが喜びが滲んでいると、一晩過ごした仲ならわかる。
遠矢塔利:「どうぞ、お気をつけて」
御厨由佳:あるいは、襟沢が《構造看破》していれば分かったかもしれない。
御厨由佳:スクールバッグに入った荷物が増えていることに。
御厨由佳:屋敷の何かを盗んだわけではない。
御厨由佳:それは血の滴る肉だった。
襟沢理人:「……では塔利嬢、"エスティメイター"もこの屋敷には訪れないことですし」
襟沢理人:「そろそろ私も……その……」
遠矢塔利:「………はい」少しだけ間を開ける。
襟沢理人:何か言いたいことが有って、それを躊躇っているような様子だ
遠矢塔利:「今回は、ありがとうございました」
遠矢塔利:「襟沢様には、とても助けていただきましたね」
襟沢理人:「い、いえ!とんでもないです……当然の仕事を、したまでですから……」
遠矢塔利:「ええと……このようなときには、どういたしましょう」
遠矢塔利:「感謝のお土産など……?」
襟沢理人:「では……一つ、お願いを聞いていただけますか」
遠矢塔利:「お願い? ……なんでしょうか?」
襟沢理人:「えーっとですね、その」
遠矢塔利:改めて三つ編みに結び直した髪が揺れる。
襟沢理人:「これだけ広いお屋敷、まだ何かが隠れている可能性もありますし」
襟沢理人:「一人だけというのも、不便はたくさん有るかもしれないので……」
襟沢理人:紙切れを差し出す
遠矢塔利:「これは……?」両手で受け取る
襟沢理人:「困った時に、UGNにすぐ連絡できる……という必要も、あるかと思いまして」
襟沢理人:襟沢理人の電話番号やメールアドレスが記された紙だ
遠矢塔利:じぃ、とその数字と記号の羅列を頭に刻み込んでいく。
襟沢理人:「例えばそう、話し相手が欲しい時など!どんな時間でも構いませんよ」
襟沢理人:「エリートですから」
遠矢塔利:「あぁ……」「では、これが襟沢様の窓口なのですね」
襟沢理人:「ちょ、直通です」
遠矢塔利:「それは頼もしいです」
遠矢塔利:「では……そうですね。また、お手をお借りしたいときに」
遠矢塔利:「頼らせていただいても、よろしいでしょうか?」
襟沢理人:ぱあ、と表情が明るくなって
襟沢理人:「も、もちろん!」
遠矢塔利:「ありがとうございます」
遠矢塔利:その紙を丁寧に畳んで、大事なものを扱うようにポケットに仕舞う。
遠矢塔利:「……改めて、襟沢様には感謝致します」
襟沢理人:「塔利嬢……」
遠矢塔利:「此度のこと。UGNの立ち会いや、御厨様達のような偶然があったとはいえ……」
遠矢塔利:「えぇ。この屋敷にすでに存在していたものこそが原因でした」
遠矢塔利:「となれば、今回のことがなくても、いずれ起きていたことだと思います」
遠矢塔利:そこで少し言葉を切って。屋敷を見回した後。
襟沢理人:「……」
遠矢塔利:「まだ、私は未熟な主だと痛感致しましたが」
遠矢塔利:「他の方々に助けていただける"縁"には、恵まれていたようです」
遠矢塔利:「────ありがとうございました」
遠矢塔利:と言って、手を揃えて頭を下げる。
襟沢理人:「”縁”は、ボクたちにとって一番大事な物ですからね」
襟沢理人:「では、塔利嬢」「ボクにも迎えが来たようだ」
遠矢塔利:「はい」
遠矢塔利:「お気をつけて、行ってらっしゃいませ」
襟沢理人:「また会いましょう、必ず、必ず!」
遠矢塔利:「はい」
襟沢理人:何度か振り返りながら、扉へと向かって行った───
遠矢塔利:「また、お会い出来ることを楽しみにしています」
遠矢塔利:見送りのような言葉は届くか、届かないか。
遠矢塔利:シンとした屋敷に染み込んでいく
◆Ending◆御厨由佳
某県 トレーラーハウス
GM:御厨由佳は、"ロックジョウ"セルの拠点へ帰還した。
GM:FHエージェントの任務失敗は、その半数近くが死かUGNへの捕縛を意味する。無事でいることは幸運の内に入るだろう。
GM:トレーラーハウスの中には、エージェント用の食堂も存在する。
GM:しかもそこに饗されている料理は、エージェントに通常支給されるような簡素な栄養食などではない――
御厨由佳:「さ、どんどん召し上がってください。」
"ビッグジュース":「ガハハハハハハ!」大笑いしながら、ガツガツと料理を食べる大柄の男。
御厨由佳:オードブル。肝臓や香草を混ぜ込んだキッシュ。
"ビッグジュース":まさしく"ビッグジュース"だ。規格外の生命力であの状態から蘇生した。腕利きという話は伊達ではないのだろう。
"ビッグジュース":「うめえぞ!リーダーの奢りで銀座辺りで食ったコース料理よりうめえ!」
御厨由佳:スープは具の無いシンプルなコンソメスープ。
"ビッグジュース":「俺の生命力がどんどん復活するぜ!」
御厨由佳:メインディッシュに据えられたのは腿肉のステーキ。
御厨由佳:ハムを肉の周りに巻き、オーブンでじっくりと焼き上げたものだ。
御厨由佳:にこりと微笑む。
"ビッグジュース":「いつもこんな凝った料理作ってんのか?食費もバカにならねえだろ」
御厨由佳:「その分、マーセナリで稼いでますから。」
"ビッグジュース":「そうかァ……?今回なんか結局失敗しちまったけどなあ」
御厨由佳:「予定外の敵がいましたからね。」
"ビッグジュース":「油断しちまったよ!俺はこれから昨日一度死んでるつもりで生きるぜ」
御厨由佳:「非オーヴァードでもあれほど出来るんです。私も油断してしまい申し訳ありません。」
"ビッグジュース":「……あの小僧にも借りを返さねえとな」肉を歯と手で引きちぎる。
御厨由佳:と、呟きながらもも肉のステーキを見る。
御厨由佳:正確には、ステーキを見ながら原材料を思い返す。
御厨由佳:(胃袋に残ってた足だけど)
御厨由佳:(おいしく出来たみたいでよかった)
"ビッグジュース":「右京とかいう野郎。ありゃ見るからにクソ小物だが、よくあんな話まで知ってたな」
"ビッグジュース":「リーダーは別のセルが俺たちの仕事の妨害のために奴を『使った』んじゃないかって言ってやがる。どう思う?」
御厨由佳:「あり得る話です。」
御厨由佳:「あの館はEXレネゲイドの宝庫ですからね。」
"ビッグジュース":「影の方の遠矢に館を支配させ続ければ……館そのものがジャームになった可能性もあるんだとよ」
"ビッグジュース":「そういうジャーム兵器を作ろうとした連中がいたかもしれない。そう上手くいく話じゃあなかったけどよ」
御厨由佳:「制御できないように思いますね。あの衝動的な殺しを見ると。」
御厨由佳:こちらも食事を進めている。
"ビッグジュース":「そういやこれ何の肉なんだ?豚肉っぽい気もするけど、なんか違うよな」
御厨由佳:「言ったら」
御厨由佳:「きっと食べるのを止めますよ。」
"ビッグジュース":「…………御厨ァ。お前よ~~~ッ」
"ビッグジュース":ステーキをもうひとつ掴み、食いちぎる。
"ビッグジュース":「そういう言い方するやつ、人肉以外にないだろうが」
御厨由佳:「………鹿ですよ。」
御厨由佳:「ふふ、怖くなりました?」
"ビッグジュース":「別にィ~~~ッ」
"ビッグジュース":「世間一般がどうだか知らねえが……」
御厨由佳:口をナフキンで拭く。いつの間にか自分の分を食べ終えたようだ。
"ビッグジュース":「俺は人間の肉でもウマけりゃ大歓迎だし、まずけりゃゴミだと思ってる」
御厨由佳:「得な性分ですね。」
御厨由佳:「ところで、」
御厨由佳:立ち上がり、”ビッグジュース”の肩に後ろから手を置く
"ビッグジュース":「ああ?」
御厨由佳:「お体の方は大丈夫ですか?侵蝕が心配です。」
御厨由佳:「ジャームになってたり、しませんよね?」
"ビッグジュース":「侵蝕はだいぶ高いが、時間をかけりゃ大丈夫だとよ」
御厨由佳:「………」
御厨由佳:スカートの下で作動しかけた多腕砲塔が、銃口を下ろす。
御厨由佳:「よかった。」
"ビッグジュース":「ジャームになったとこで大して変わりゃしねえと思うけどな」キッシュを二切れまとめて喰う。
御厨由佳:「変わります。大きな違いですよ。」
"ビッグジュース":「大騒ぎしすぎだ。侵蝕率の1%や2%の違いごときで」
御厨由佳:「料理、しないんですね。」
"ビッグジュース":「?」料理を飲み込む。
御厨由佳:「塩や砂糖が1%や2%違ったら、大事ですよ。」
"ビッグジュース":「何か関係あるのかそれ?」
御厨由佳:「同じ話です。私にとっては。」
御厨由佳:肩に置かれた手が、背をつつ、と撫でる。
"ビッグジュース":「ふ~ん……」
"ビッグジュース":「おい」
"ビッグジュース":「手を止めろ」
御厨由佳:「ふふ。」手を離す。
御厨由佳:「デザート、作りましょうか?」
"ビッグジュース":「ああ!この調子ならどんどん食えるぜ」
御厨由佳:「はい。ではそのまま待っててくださいね。」
御厨由佳:厨房へ。
御厨由佳:手際よく冷やしてあったゼリーを盛り付け、ミントを添える。
御厨由佳:そして出す前に、
御厨由佳:厨房に持ち込んだレシピ本をぱらぱらとめくっていく。
御厨由佳:”リブロースの赤ワイン煮込み”の項を開き、
御厨由佳:赤いペンで”ビッグジュース”と書き込んだ。
◆Ending◆襟沢理人
UGN日本支部
GM:襟沢理人も、日本支部に無事帰還した。遠矢邸とギルドの取引阻止。そして発生した不測事態への対処。
GM:襟沢に求められる仕事は果たした。それ以外のことも多くを経験したが……
襟沢理人:「”エスティメイター”はレネゲイドから手を引き」
襟沢理人:「遠矢邸の主人……塔利嬢も、レネゲイドアイテムを濫用するような人物ではありませんでした」
襟沢理人:「UGNとも、今後友好的な協力関係を築いていけるでしょう」
襟沢理人:幹部に淡々と報告を行う
襟沢理人:エリートは私情を交えないものだ
襟沢理人:「報告は以上……失礼します」
襟沢理人:一礼して去っていく
襟沢理人:「……!」ポケットの中で振動を感じる
襟沢理人:メールだ 差出人の名は、塔利嬢
襟沢理人:どんな内容か、ここでは伏せておくが
襟沢理人:それを読みながら、エリートチルドレンは小躍りしながらUGN日本支部の廊下を駆けて行った
◆Ending◆遠矢塔利
遠矢塔利:それから
遠矢塔利:使ったカップを片付けて、使用した家具や、部屋のメイキングを行っていく。
遠矢塔利:いつもは一人分で終わるそれを、お客様の分までしっかりと。
遠矢塔利:屋敷の中で行われた凶行の痕跡は、一晩の間に……あるいは。
遠矢塔利:自分以外の"某"からの餞別か、言われなければわからないほどに薄れて。
遠矢塔利:徐々に、徐々に。見慣れたものに移り変わっていく。
遠矢塔利:「……………」
遠矢塔利:7人分の会話に満たされていた屋敷が、ずいぶんと落ち着かなく思えて。
遠矢塔利:本棚から本を取り出そうとした手が、止まる。
遠矢塔利:窓際の椅子に座るのを少しだけ後回しにして、次の部屋。
遠矢塔利:「………あぁ、いえ」
遠矢塔利:訂正。
遠矢塔利:そこに会話はないけれど。
遠矢塔利:客間というよりは、ちょっとした倉庫のようで。
遠矢塔利:中央にだけ、古めかしい本が置かれている。
遠矢塔利:この屋敷は、存外。
遠矢塔利:静かというわけでもなかったのだな、と。
遠矢塔利:新しく知った一面を感じながら
遠矢塔利:わずかにレネゲイドの気配がある部屋に踏み入れた。
遠矢塔利:さて。
遠矢塔利:ここには何が保管されているのでしょう?
『ノット・アローン・ノット・カミング』 終