『一夜二人転_明石周と三木鴇生の場合』(GM:缶詰)
PC1:明石周(
キャラシート
)PL:めかぶ
PC2:三木鴇生(
キャラシート
)PL:自動
メインログ|雑談ログ
目次
Preplay
GM:では、一夜二人転を始めます
三木鴇生:うおおお
明石周:うおおーー!
GM:PCのお二人は軽めに自己紹介などをしていきましょうね
GM:まずは明石くん
GM:キャラシート
GM:どうぞ
明石周:はい!明石・周(あかし・あまね)です。17歳の高校生、UGNエージェント。
明石周:口下手で、素朴な感じのやつです。
GM:朴訥!
明石周:同じくUGNエージェントである父親から贈ってもらった弓を愛用しており、
明石周:それが「弓を外すたびに異世界が滅ぶ」という曰く付きの代物だったため、
明石周:一生懸命弓の修行をしています。なのでそこだけは自信があります。
GM:真面目~!
明石周:データとしては必中の弓を全身全霊で当てるマン!《水晶の剣》で武器の強化もするよ。
GM:堅実に当てていこう
明石周:スマートではないが良い奴だよね~って感じのアレでやっていけたら幸いです。以上です!
GM:はーいありがとうございます!
GM:そしてもうひとり、三木さん!
GM:キャラシート
GM:どうぞ!
三木鴇生:三木鴇生(みき・ときお)。コードは「安宅(あたか)」。
三木鴇生:明石周さんのおつきの者です。同じ家に住んでるぞ。
GM:おつきの人!お家柄だわ
三木鴇生:軽薄な物腰、長い黒髪に剣呑な目つき、伊達眼鏡の青年。
三木鴇生:素朴な感じではないやつです。
GM:非素朴~
三木鴇生:紅更紗という刀を持っており、肉体を細かく量子化を繰り返しつつ、高速での斬撃を放つことができる。
三木鴇生:逆に言うとそれだけ。
三木鴇生:シンドロームはエンジェルハイロウのピュアブリード。感覚白兵を《幻影の騎士団》《インターセプト》でより速く強く。
GM:それ以上は必要ないわけですね
GM:パワー!
三木鴇生:100%超えると《マスヴィジョン》もつきます。
GM:キャッ
三木鴇生:がんばってさっさか動いていき、なにより夏を楽しむぞ!
三木鴇生:以上!
GM:はい!楽しんでいきましょうね!
GM:二人転なので特にハンドアウトやトレーラーはありません。やる気だけはあります
GM:では、OPに入ります
明石周:やる気!
三木鴇生:いぇい
・・・・・・
・・・・
・
◆Climax◆
GM:クライマックス 登場侵蝕はなし。
GM:
GM:夜。薄暗く、シンとした神社の境内。
GM:あなた達は幻惑の通路を乗り越え、ついに今回の異変の元凶である"ユクシペ"の元へとたどり着きました。
GM:人の気配はない神社の境内。その中央でぽつんと、待ちかねるように古びた傘が直立しています
ユクシペ:赤い唐傘はあなた達の姿を認めると、ゆっくりとその身を開いて
ユクシペ:「・ ・・・ ・・・」
ユクシペ:ボロボロになった傘の穴が瞳のように、あなた達を見る
GM:クライマックス戦闘を開始します
GM:難易度9の衝動判定と共に《ワンナイトフィーバー》。
GM:通常の上昇の代わりに、侵蝕率を100%へ上昇させることが出来ます。
GM:この効果を受けた場合、バックトラックで50%低下可能。
GM:効果を適用させるかを選んで、意志判定をどうぞ
明石周:ワンナイトフィーバー適用させます!
三木鴇生:適用!
明石周:5dx+1>=9 思い出の一品で+1
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[1,2,7,7,10]+5[5]+1 → 16 → 成功
明石周:最高の意志
三木鴇生:2DX+0+0@10>=9
DoubleCross : (2DX10>=9) → 3[1,3] → 3 → 失敗
明石周:侵蝕率80→100
明石周:と 鴇生!
GM:ふにゃふにゃしている!
三木鴇生:あ、80じゃないやこれ
三木鴇生:2DX+3
DoubleCross : (2DX10+3) → 10[8,10]+9[9]+3 → 22
GM:強いじゃねぇか
三木鴇生:効果…?
三木鴇生:こうか
明石周:何…?
三木鴇生:なにこれ?
GM:DBはダイスを増やすけどそれはそれとして出目が凄い
GM:では戦闘処理に。
GM:エネミーはユクシペ一人。行動値は10。
GM:PC一塊と、5m先にユクシペです
明石周:はーい
GM:ではセットアップから!
明石周:特になし!
ユクシペ:≪アクセル≫。行動値を16に。
三木鴇生:《幻影の騎士団》。ダメージを受けるまで攻撃力上昇。
三木鴇生:はや
三木鴇生:なんだそれは
明石周:ヤバ
ユクシペ:シュバッ
GM:ではイニシアチブ16。ユクシペ
GM:何か有ればどうぞ!
三木鴇生:ぬっ
三木鴇生:先取りでうごくマン
三木鴇生:《インターセプト》。メインプロセスを行います。
明石周:うおー!鴇生!
三木鴇生:マイナーで移動。ユクシペのエンゲージへ移動っ
GM:はやいぜ
三木鴇生:メジャーはコンボ「籠目籠目」《コンセントレイト》《光の舞踏》《マスヴィジョン》
三木鴇生:9dx7+4
DoubleCross : (9DX7+4) → 10[1,3,3,6,6,6,7,8,10]+6[2,5,6]+4 → 20
三木鴇生:ぼちぼち どうぞ
ユクシペ:回避します
ユクシペ:4dx>=20
DoubleCross : (4DX10>=20) → 8[1,6,8,8] → 8 → 失敗
ユクシペ:惜しい ダメージどうぞ
明石周:よかった!
三木鴇生:ほっ
三木鴇生:3d10+20+4+7+9
DoubleCross : (3D10+20+4+7+9) → 17[4,7,6]+20+4+7+9 → 57
三木鴇生:こっちはイケイケ
明石周:ダメージヤッバ……
三木鴇生:装甲は有効!
ユクシペ:まだ生きてる!
ユクシペ:そして≪鏡の盾≫。40点反撃します。
明石周:まー!
三木鴇生:?
ユクシペ:喰らえ!
三木鴇生:うわーーー
明石周:死ぬやんけ
三木鴇生:しぬ・・・のでユクシペにロイスで 倒す〇/無関心!
三木鴇生:これを昇華
GM:では演出もどうぞ!
明石周:「…あの世界にいた奴らと違って、本体はだんまりか」
明石周:赤い傘を見つめながら口を開く。制服姿の少年。
三木鴇生:「ま、悲鳴あげられるよりはいいんじゃないですか」長髪の男。
明石周:「……確かに」通路で何かあったのか、嫌そうに顔をしかめる。
三木鴇生:「傘一本足は舌がありますけどねェ、こいつはないのかな」
三木鴇生:「確かめてみますか」
明石周:「やってみろ」
明石周:「被害が拡大する前に、ここで仕留めよう」
三木鴇生:ふは、と笑う息が漏れるより先、剣が。
三木鴇生:もうすでに傘を斬りつけている。
明石周:琥珀色の瞳が瞬きもせず彼を追う。
ユクシペ:赤くボロボロの傘に刃が迫る
三木鴇生:あまりにも柔く通った感触に、嫌な予感がして身を避けるが。
ユクシペ:あまりにも手応えなく刃は沈み
ユクシペ:しかしご用心
ユクシペ:傘のこちらとあちらは別世界
ユクシペ:何が飛び出るかはお楽しみ
ユクシペ:ぞぶり、と
ユクシペ:まるで『向こうから切りつけられた』かのように、貴方の身体に刃が走った
ユクシペ:実態のない斬撃のみが貴方を襲う!
三木鴇生:「っち」痩せた体が翻る。
明石周:「…」眉を寄せる。
三木鴇生:相手の動きがわかったなら、とりあえずの仕事にはなろう。
明石周:「舌ではなかったな」
明石周:一人ごちる。敵の動きに備える。
ユクシペ:独りでに傘は回る 新たな切り傷はまるで、歪めた口元に見えた。
GM:ではイニシアチブ16、ユクシペの手番です
ユクシペ:マイナーで≪主の恩恵≫。ダイスを増加。
ユクシペ:メジャーで【奇々怪界】≪コンセントレイト:ソラリス≫≪エクスプロージョン≫≪流血の胞子≫≪幻惑の光≫
ユクシペ:1d2 対象
DoubleCross : (1D2) → 1
ユクシペ:明石くん!
ユクシペ:11DX7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,1,2,3,3,5,5,5,8,8,8]+10[2,8,9]+5[3,5] → 25
明石周:ワオ!
明石周:ドッジします
ユクシペ:命中で邪毒6・放心(全判定ダイス-2D)付与
明石周:な 何~~~!?
ユクシペ:やってみな~!
明石周:4dx>=25
DoubleCross : (4DX10>=25) → 7[4,5,7,7] → 7 → 失敗
明石周:オートで《勝利の女神》!
明石周:達成値を+20して27にします。
ユクシペ:?
ユクシペ:???
三木鴇生:すごいのだ
ユクシペ:外れます……弓じゃないので…
明石周:死にたくなかった
三木鴇生:生きて
明石周:侵蝕率100→104
ユクシペ:演出!
ユクシペ:くるくる くるくる 風はなくとも傘は回る
ユクシペ:ボロボロ回って穴が回る 蛇の目でお迎え それは誰?
ユクシペ:チカ、と光が瞬いた
ユクシペ:傘に空いた穴の向こうから七色が点滅する
ユクシペ:そしてどろりと
ユクシペ:実態のない半透明の、獣の爪を備えたなにか
ユクシペ:居ないはずの獣が現れ、貴方を引き裂こうと襲いかかる!
明石周:「……その手には」矢入れから矢を引き抜き、短刀のように構える。
明石周:「もうかからない」
明石周:直進して迫る不可視の獣に向けて、矢を差し向けて迎撃する。
ユクシペ:実体はない。それはそこに存在しない。ただ、貴方が居ると思うだけで、それは貴方を害するだろう。
ユクシペ:故に
ユクシペ:惑わされることのない一矢は、たやすくそのまやかしをかき消した
ユクシペ:「・ ・・・! ・!」
ユクシペ:バサバサ、と赤い唐傘が笑うように風を起こした
明石周:「【これ】がお前の【弱点】だ」おまじないのように言う。
明石周:そして洋弓を構える。
GM:イニシアチブ9、明石くん
明石周:では!
明石周:マイナーでストライクチップ起動。ダイス2個増やします。
明石周:メジャー。《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》《天の業物》
明石周:ユクシペに射撃攻撃。
明石周:8dx6+10
DoubleCross : (8DX6+10) → 10[1,3,4,5,5,6,8,9]+10[5,6,7]+10[6,8]+10[1,10]+10[6]+1[1]+10 → 61
明石周:えっ
明石周:えっと 達成値61だそうです
三木鴇生:すごい
ユクシペ:こわっ
ユクシペ:≪神の眼≫≪御使いの声≫ ドッジ
三木鴇生:勝った(はやい)
ユクシペ:8dx>=61
DoubleCross : (8DX10>=61) → 10[2,3,3,6,6,6,10,10]+7[6,7] → 17 → 失敗
ユクシペ:惜しい~
三木鴇生:がんばっとる
ユクシペ:ダメージどうぞ
明石周:惜しいね~
明石周:7d10+16+18
DoubleCross : (7D10+16+18) → 24[6,3,5,2,4,3,1]+16+18 → 58
明石周:装甲有効58ダメージです!
ユクシペ:こわっ
ユクシペ:鏡の盾はすでになく、そのダメージでHPゼロ!
ユクシペ:復活なしです
GM:戦闘終了
明石周:やったー!
GM:あなた達の勝利です!
GM:演出をどうぞ。
三木鴇生:いぇいいぇい
明石周:大きな瞳で唐傘を一心に見つめながら、古びた洋弓の弦を引く。
明石周:「…【おばけなんていないさ】、だ」
明石周:おまじないを呟いて、万華鏡の矢を放つ。幾何学的な光の点描を撒き散らして、軌跡が描かれる。
明石周:吹きすさぶ風も厭わずそれは駆け抜け、唐傘の穴を的確に射抜いた。
三木鴇生:その夜を照らす光の絵を、剣呑な、いつものような目で見ている。
ユクシペ:くるる、ばっ!と開いたその身を回転させる
ユクシペ:独楽のように回転して、一つの穴は縦横無尽に動いて
ユクシペ:そしてまるで、そうなるのが当然のように
ユクシペ:七色の雨をその身に受けて、するぅりと
ユクシペ:矢が穴を貫通する。 ……それが契機
ユクシペ:雨を塞げない傘は既に、傘ではない
ユクシペ:はらりはらりと平紙がほどけ、色鮮やかな傘には骨だけが残る
ユクシペ:既に傘の役目を失い、あちらとこちらの境界を曖昧にした終わりの続き。
ユクシペ:それが今、パタリと役目を終えて。……そして
ユクシペ:きっといつか、"次"への備えて眠りについた
GM:バックトラック!
GM:《ワンナイトフィーバー》の効果で確定帰還。省略します。
GM:二人共帰還。おめでとう~
三木鴇生:オッシャッ
明石周:つらい戦いだった…!
三木鴇生:大変な戦いだった
GM:Eロイスもないのでハラハラしましたね。どうなることかと
◆Ending◆
GM:エンディング。
三木鴇生:事件の少し後、神社で催される小さな祭り。
三木鴇生:誘ったのは戯れだ。もっと彼が小さかったころも同じようにしていたから。
三木鴇生:懐かしくなったのかもしれない。断られないこともわかっていた。
三木鴇生:昔の浴衣は、もう丈も合わなくなっているだろうと思いながら。
三木鴇生:声をかけて、それで。
明石周:「…それで」
明石周:灰色がかった青の浴衣を着て、後ろに立っている鴇生を振り返る。
明石周:「合ってるか?」
三木鴇生:「はい?」
明石周:「丈」
三木鴇生:髪は結って薄墨の浴衣に羽織。
三木鴇生:「ええ」
明石周:「お前が言ったんだろ。短いかもって」
三木鴇生:「もっと背が伸びたかと思ったんですがねェ」
三木鴇生:「違ったみたいです」
三木鴇生:意地悪く笑う。
明石周:「…うるさいな」不満そうに言う。
三木鴇生:「アハ、似合ってますって」
三木鴇生:「……行きましょ。売り切れるかもしれないし」
明石周:「売り切れる」
三木鴇生:わずかに目を細め、その浴衣姿を見て。「どうせ食べるでしょ、あなた」
明石周:分かってなさそうに繰り返した後で。「……」
三木鴇生:「オレは別にいいですけど」
明石周:「……食べるけど」もごもご言う。「うるさい。行こう」
三木鴇生:「ハイハイ」
明石周:「いいか、事後観察も兼ねてるんだ」
明石周:「仕事の延長だからな、遊ぶだけじゃないから」
三木鴇生:「そりゃそうですけどねェ~」
三木鴇生:「ま、あなたがそういうならそうしましょうか」
GM:神社へ続く階段を望む近辺には、夕日も落ちる頃から既に準備を整えた屋台や移動販売の車が商売を初めている
GM:赤熱する電球が連なり、赤黄色く夜を照らしながら
GM:たこ焼きやりんご飴。金魚すくいにどじょう釣り。くじ引きを終えた子供が吹き流しを振り回しながら。
GM:穏やかに、しかしにぎやかに、少しだけ違った日常を謳歌していた
明石周:「おお…」大きな瞳でじっと祭りの光景を眺めている。瞳に光彩が映る。
三木鴇生:「なにか買います」
三木鴇生:適当に林檎飴などを指さす。
明石周:「えっと」きょろきょろ見る。
明石周:「とりあえず買うか。鴇生は?」
三木鴇生:「オレは別に」
三木鴇生:「見てるだけで腹が膨れます」
三木鴇生:「あーでも」
明石周:「む」
三木鴇生:「一口だけ少しずつ貰おうかな……」
三木鴇生:「甘くないやつで」
明石周:「女みたいなこと言うな」
明石周:怪訝な顔をする。「いいけど」
三木鴇生:愉快そうに眉を上げる。「そうじゃないことは知ってるでしょ?」
明石周:「……」むしゃくしゃした顔をする。
明石周:「じゃあ焼きそば」
三木鴇生:「なんです」その顔を覗き込もうとする。揶揄う気。
三木鴇生:「はァ」
明石周:鴇生からぐいっと顔を離す。「焼きそば食べたい」
三木鴇生:それをさらに追おうとするが拗ねそうなのでやめる。
三木鴇生:「ハイハイ」
三木鴇生:「じゃああなたは好きなのでも買っておいてください」
明石周:「む……」
三木鴇生:「綿あめでもチョコバナナでも林檎飴でも」
三木鴇生:ひらひらと手を振る。色の薄い肌に赤橙が色を落とす。
三木鴇生:「あ、迷子にはならないでくださいね」
明石周:「何歳だと思ってるんだ」
明石周:むしゃくしゃした顔で言い返し、その背中を見送る。
明石周:「……」
明石周:周りを見る。
明石周:「……あ」ベビーカステラ。
明石周:綿あめでもチョコバナナでも林檎飴でもないのが特に良いのでそれにする。屋台に並ぶ。
GM:屋台ではちょうど新しく焼いてる途中のようで、香ばしい匂いが漂ってくる。
GM:その匂いにつられたように、数人の列の後ろに並ぶと
黒髪の少女:「あっ」
明石周:「おお」
黒髪の少女:君に声をかけてくる少女。
明石周:「お」焼いてる様子をじっと眺めていたが、顔を上げる。
黒髪の少女:髪を下ろし、眼鏡の奥の少しつり上がった目をしているが、君には見覚えがない。かもしれない
黒髪の少女:「周くんだ。カステラ買うの?」
黒髪の少女:と、まるで知り合いのように話しかけている。
明石周:「……えっと」
明石周:知り合いのように話しかけられたので戸惑う。
黒髪の少女:その反応を見て
黒髪の少女:「………あっ」ごそごそ
黒髪の少女:巾着袋からケースを取り出して、丸いメガネを掛ける
黒髪の少女:そして髪の毛をまとめるように手で持って
黒髪の少女:「あたしですあたし。ほら、あの神社で巫女をやってる、ヒナです」
明石周:「あ」瞬きします。気付いた。
黒髪の少女:それは、今回の事件に君が関わることになった少女である
黒髪の少女:普段は神社で巫女のバイトをしている。
ヒナ:「あ、思い出した顔だ~」
明石周:「…いや、……思い出したというより」
ヒナ:「ん?」
ヒナ:ぱちぱち、とまばたき。
明石周:「今日はいつもと印象が違ったから」
明石周:「おしゃれだな」
ヒナ:藤色の浴衣に、可愛らしい巾着袋を持っている。
ヒナ:「………」「わあ」
明石周:「綺麗な柄だ」
ヒナ:「ヒナさんはびっくりです。周くんが褒めた!」
明石周:「え…」おののく。
ヒナ:「……柄を!」
明石周:「う、うん」
ヒナ:「なーんだ、あたしに一目惚れしたと思ったのに」
明石周:「な…」慌てる。
ヒナ:「あ、初対面じゃないや。この場合なんだろう。前から好きだった惚れ…?」
ヒナ:「おやおや。慌ててるとまるで図星を言い当ててしまったようじゃないですか?」
ヒナ:「もしかして…」
ヒナ:きゃー、と身体を抱いて楽しそうにする
明石周:「……」そういえばこんな感じだったな、と思い出す。
明石周:「…今日は巫女じゃないのか」
明石周:「1人?」
ヒナ:「一人ひとり。というか、バイトのはずだったんだけどねー」
明石周:「うん」
ヒナ:「ほら、前に相談したポルターガイスト?現象?あるじゃんね?」
ヒナ:「アレの関係で倉庫から見つかった神具を奉納するってことで、神主さん不在でフリーになっちゃった」
ヒナ:「なので、一人寂しくお祭り漫遊ですのよ」
明石周:「…なるほど」彼女はあくまで噂を聞きかじっていただけで、記憶処理もされない。
明石周:自分のことも、最近知り合った同世代の友人としか思っていないだろう。
明石周:「でも、解決してよかったな」
明石周:「幽霊騒ぎも、すっかりなくなったって聞いた」
ヒナ:「うんうん。それはほんとに!」
ヒナ:「勤務中の静かな読書の時間が帰ってきましたよ~」
明石周:「そっか。良かった」彼女の様子にこっちの顔も緩む。
明石周:「夏祭り中止になるかもって言ってたもんな」
ヒナ:「ふふふ」「いまのは仕事中にサボるなってツッコんでくれていいんだぜ」
明石周:「それより……」
明石周:「………そうだったか」
ヒナ:「改善に期待。で、それより?」
ヒナ:「何?告白?」
明石周:「違う」
ヒナ:「はい」
明石周:「…あの」照れたので調子を取り戻す。「中止になるんじゃくて、」
明石周:「ヒナさんが夏祭りに来れるようになって良かったって言おうとしたんだ」
ヒナ:「………………」ぱちくり
ヒナ:「まー、まー、まーっ!周くんってば~」
明石周:「な、何…」
ヒナ:「そういうこと言うと大変なんだぞー」
ヒナ:「バツとして、ひとり寂しいヒナちゃんのお祭り漫遊に付き合わせちゃおうかしらっ。この後時間ある?」
明石周:「え」
明石周:「あ、いや。今日、あいつと来てて」
ヒナ:「あ、ツレあり?あのー…君と同じ学校の。神社に来てた女子会集団の誰かとデートと見た」
ヒナ:「恋愛お守りで凶引いた子か、お賽銭に財布落とした子!」
明石周:「ち、違……。いや、あれは、たまたまここに来る用事が被っただけで」
三木鴇生:「へー」
ヒナ:「へー」
明石周:「わっ」
ヒナ:「………」
三木鴇生:切れ長の目、艶やかな黒髪の男がするりと現れる。
ヒナ:「あっ、美丈夫」
三木鴇生:「おや、ヒナさんじゃないですかァ」
ヒナ:「そういう貴方はトッキー!」
明石周:「鴇生」見上げる。
三木鴇生:「元気そうで何より。浴衣可愛いですね」
ヒナ:「ありがとうございます。さっき周くんも褒めてくれたんですよ~」
ヒナ:「コレってもう恋人ですかね?やんやん」
三木鴇生:「そりゃあ珍しい」
明石周:「いや…」
三木鴇生:「モテるんですかねェ。真面目そうなのがいい?」
明石周:「違う…」
ヒナ:「あたしの好みのタイプはむしろイエーイって感じなんですけどね」
ヒナ:「周くんみたいに真面目に向き合ってくれると貫通して照れちゃいます。やんっ」
三木鴇生:「アッハッハ。オレはじゃあ違う?」
三木鴇生:「なるほどね~」
ヒナ:「あははー!またまた、こっち興味ないでしょー」
三木鴇生:「……あれ。そう見えます?」
ヒナ:「だってあたし、まだ未成年ですよ~!」
明石周:「………」黙っている。
明石周:会話の矛先が逸れたので。
三木鴇生:へらりと笑う。
三木鴇生:「ところでカステラは買えたんですか?」
ヒナ:「あたしは買えたよー」会話の合間に買っている。
明石周:「いま並んでるところで……あ」
三木鴇生:「オレはあなたに食べたいって強請られた焼きそばを買ってきたんですが」
明石周:会話していたので皆に抜かされている。
ヒナ:抜かした
三木鴇生:「会話が弾んで買い損ねてるじゃないですか」
明石周:「う…うるさいな。今並んでくるから」
ヒナ:「すみませんトッキーさん。あたしが魅力的なばっかりに」
明石周:「待ってろ」
ヒナ:「あ、周くん周くん」
明石周:「ん」振り返る。
三木鴇生:静かに見ている。
明石周:ムスッとしたような照れたような顔。ヒナさんを見ます。
ヒナ:もー、照れちゃってーと視線を込めつつ
ヒナ:「今から並ぶならあたし、今夜中に素敵な出会い探さなきゃなんで、この辺で失礼すんね!」
ヒナ:「グンナイ!また明日、学校でねー!」
明石周:「あ、そうか」
ヒナ:「トッキーさんも周くんもばいばーい!」
ヒナ:んーまっ、と口で言って、可愛らしくカラコロと浴衣姿が遠ざかっていく
三木鴇生:ひらひらと手を振る。
明石周:「1人だから、気を付けた方が……」「……」言い終わらないうちに見送る羽目になる。
明石周:「……また明日」とりあえず言う。
三木鴇生:「で」
明石周:「む」
三木鴇生:「買わなくていいんです?」
明石周:「…買う」
三木鴇生:「迷子にならないようにって言ったのに」
明石周:「なってない…」列に改めて並びながら言う。
明石周:「お前、探してないだろ」
三木鴇生:「迷ったとは言ってくれないかな、と思って?」
三木鴇生:並ぶとなりに立つ。痩せた指が、一瞬。
三木鴇生:周さんの手の甲を
三木鴇生:触れて、離れる。
明石周:「…」手の甲を一瞥。何とも言えず、むっとした顔になる。
明石周:「焼きそば」
明石周:並びながら食べたい。
三木鴇生:呆れたように差し出す。
明石周:「うん」受け取ります。
三木鴇生:ビニール袋に入っている。箸は二本。
三木鴇生:「……オレは本当に」
三木鴇生:「迷子を見つけた気分でしたけどね」
明石周:「…」鴇生を見上げる。
三木鴇生:「これでもね、心配になる」
明石周:「何が」
三木鴇生:「あなたが誰かに盗られちゃわないか」
三木鴇生:「あなたがその気にならないかってね」薄く笑う。
三木鴇生:「妬いてるんです」
明石周:「……」大きな瞳。鴇生の横顔が映る。
明石周:「…ならない」
三木鴇生:「そう?」
明石周:「馬鹿な事を言うな。馬鹿」
三木鴇生:「バカにもなりますよ。そりゃね」
三木鴇生:「あなたが絡むとオレは本当に愚かになる」
三木鴇生:横顔が動いて、周さんを捉えている。
明石周:「……そうか」なんと言ったものか言いあぐねて、そんな返事になる。
明石周:そのままなんとなく無言になって、目当てのものを買う。
明石周:「……鴇生」
三木鴇生:「ハイ」
明石周:買ったベビーカステラの紙袋と、焼きそばのビニールをぶら下げながら睨みつける。
明石周:「食べづらい」
明石周:「だろ」
三木鴇生:「なんで?」
明石周:「なんでって……」
明石周:「……いや」
三木鴇生:「言えばいいのに」
明石周:「……言わない」
三木鴇生:「ふーん」
明石周:「今日はお前と夏祭りで一緒に遊びたいんだ」
明石周:「だからお前の悪口は言わない」
三木鴇生:瞠目。「……悪口でしたかァ」
三木鴇生:「ま、遊んでくれるなら許しますよ」
明石周:「そうだ、馬鹿」ベビーカステラの紙袋からひとつ掴んで食べる。
明石周:「美味いぞ」
明石周:報告。
三木鴇生:「そ。良かった」
明石周:「金魚すくいとかあるぞ。やるか?」
三木鴇生:「いいですけど。世話するのオレでしょ、それ」
三木鴇生:その屋台を見遣る。
明石周:「家にいるの、お前だし…」
明石周:「……世話できるのか?」
三木鴇生:人のためにデザインされたその生命は、少し。
三木鴇生:「不安に思うなら辞めておけばいいんじゃないです?」
三木鴇生:「これでも、わりと手放さないほうですけどね」
三木鴇生:「……あなたこそ、生き物が死んだりしたら辛いでしょ」
明石周:「……む」
明石周:「………確かに。嫌だな」
明石周:飼うところを想像して、世話が行き届かなかったら嫌だなあと思う。
明石周:「じゃあ別のにしよう」
三木鴇生:「ああ、じゃあ」
三木鴇生:「あれ」
明石周:「ん」
三木鴇生:指さす。塗られた爪の示す先。
GM:指を指した先には射的の屋台。
三木鴇生:「こういう射撃は、またコツが違うから」
明石周:「射的か」瞬きする。
明石周:「良いな、面白そうだ」
三木鴇生:「当たったとして菓子か玩具だ」
明石周:「うん、そうだ」
明石周:眼を細める。「気楽だ」
GM:コルクの弾丸を飛ばす玩具のライフルと、駄菓子やおもちゃ、恐らくは客寄せのぬいぐるみなどの景品。
GM:倒したものが景品としてもらえるオーソドックスなものだ
GM:《射撃》技能で判定できます。高いほど良いものが取れたり格好良く射撃できます。
三木鴇生:おしやるぞ
明石周:ヨッシ
三木鴇生:6DX+0+0@10 射撃
DoubleCross : (6DX10) → 10[5,5,6,6,7,10]+8[8] → 18
明石周:エ!?
GM:すご
明石周:3dx+3
DoubleCross : (3DX10+3) → 10[5,7,10]+8[8]+3 → 21
三木鴇生:ピャアエンハイの力か
三木鴇生:?
明石周:エッ!?
GM:君たち
明石周:本気出しちゃった
三木鴇生:店を荒らした?
明石周:これはそうなるのでは………
GM:本来は固定されているはずの大型の景品。あるいは1つの弾丸で複数をヒットする技巧を見せつけました。
GM:バイトらしい青年が目の前で起きたことを撮影しながら、笑って景品を袋に詰めて渡してくれました
三木鴇生:「……こういう弾じゃどうせ失敗すると思ったんですが」
明石周:「うん。同じだ」
明石周:「どうせだから外れるのを楽しもうと思って……」
三木鴇生:大きな柴犬のぬいぐるみだの、袋いっぱいの菓子だのを。
三木鴇生:「…持ちます?」
明石周:的が小さかった大型景品を狙いまくったらそういう結果になってしまった。
三木鴇生:もともとは射撃の訓練を受けていたこともあったが、遠い記憶だ。これはこれで複雑な気もする。
明石周:「いや、このままでいいよ」
明石周:「半分ずつ持とう」
三木鴇生:「いいというか、オレがこんなん持ってもな…」
明石周:「似合わないな!」
明石周:朗らかに笑う。
三木鴇生:うげ、という顔。
明石周:「ははは」
三木鴇生:「この犬とか、あなたが持ったほうがいいでしょ」
三木鴇生:「似てるし」
明石周:「嫌だ、お前が持て」
明石周:「似てない」
三木鴇生:「似てる」
三木鴇生:黒い柴犬。きりりとした眉毛。まるい目。もふもふ。
明石周:「絶対似てない」
明石周:袋に詰められた駄菓子を開けながらムッとしている。
三木鴇生:くつくつと笑う。
三木鴇生:「……懐かしいな」
明石周:「何が?」ラムネを口に運びつつ。
三木鴇生:屋台を行き交う人々が、硝子の向こうの目に映る。
三木鴇生:「あなたの世話を焼けって雇われて、すぐぐらいでしたっけ」
三木鴇生:「子供の世話なんかしたことがないと思って…」
三木鴇生:「面倒で。そのあたりでやってた祭りに、あなたを連れて行った」
明石周:「……ああ」
明石周:「あったな」
明石周:「確かに懐かしい」
三木鴇生:「覚えてたか。だいぶ昔だから、忘れてるかと思った」
三木鴇生:「あのときも、あなたはすごく楽しそうで」
三木鴇生:「……それが、なんだか」
三木鴇生:「すごく、妙で、真新しくて、不思議に見えた」
三木鴇生:夜の昏さを人工のさまざまな色が照らす。楽しげな声が埋め尽くす。
明石周:その話を聞きながら、また屋台に並んで色々買っている。たこ焼きとか飲み物とか。
明石周:「鴇生」
三木鴇生:手いっぱいに何かを抱えている姿を、追いかけていく。
三木鴇生:「なに」
明石周:振り返る。「教えてやる」
明石周:「いい場所があるんだ」
三木鴇生:「…ハイ?」
明石周:楽しそうな顔をして、そのまま祭りの雑踏を抜け出し、神社の階段を登っていく。
明石周:「ヒナさんに教えてもらったんだ。穴場があるって」
明石周:境内の裏手、獣道にも近い登り道を更に上がっていけば、
三木鴇生:「…ああ」
明石周:昔は休憩所として使っていたのだろう、簡易なベンチが置かれた高台に辿り着く。
明石周:「読書場所らしいぞ」
明石周:「静かで、気持ち良いらしい。だから、ベンチも綺麗」
三木鴇生:「こりゃ、ずいぶんな特等席だ」
三木鴇生:「……ン。風が涼しい」
明石周:「うん」ベンチに座る。
三木鴇生:横に腰かける。羽織が擦れるわずかな音さえも。
三木鴇生:鳴るように感じられる。
三木鴇生:「あなたが楽しそうだと嬉しい」
三木鴇生:記憶の中の子供が笑う。
明石周:「………」スマートフォンを操作し、それから鴇生に視線を移す。
明石周:「お前、俺におはじき買ったよな」
三木鴇生:「ああ。買いましたね」
三木鴇生:「今思うと、変なチョイスだったな、あれ」
三木鴇生:「何で喜ぶか分からなかった」
明石周:「俺もどう使うか分からなかった」面白そうに笑う。
明石周:買ったものを端から食べつつ。
三木鴇生:「俺も知りませんでしたよ」
三木鴇生:「ただ、綺麗だなと思って」
明石周:「うん、綺麗だよな」
三木鴇生:周さんが買ったラムネ瓶をひょいと持ち上げる。
明石周:「あ」
三木鴇生:青いガラス。光って揺れる。
三木鴇生:「綺麗なものをあげれば喜ぶと思ってただけ」
三木鴇生:「……それは、今もわかりませんけどね」
明石周:「お前が買ってくれたから嬉しいんだ」
三木鴇生:ガラス越し、琥珀色の瞳。
明石周:「綺麗だなと思っても、それだけだし、俺」
三木鴇生:「……それに気づけるまでに」
三木鴇生:「すごく、長くかかった」
明石周:「……」ラムネ瓶を取り返す。
明石周:「別に遅くはないだろ」
明石周:飲む。喉が動く。
三木鴇生:「ハハ。ですね」
三木鴇生:「あなたが楽しそうだと嬉しいけど」
三木鴇生:「それはオレのものであってほしい」
明石周:林檎飴を舐める。
明石周:「お前のものだ」
三木鴇生:「ン」手を伸ばす。
明石周:「……」見上げる。
三木鴇生:首筋にそっと触れる。
明石周:「…………外」
三木鴇生:「キスされると思ったの」
明石周:「なっ」
明石周:「なっ………」
三木鴇生:けらけら子供のように笑う。
三木鴇生:「されたいならしますけど」
明石周:「されない。しない」ムスッとした顔で林檎飴を齧る。
三木鴇生:「オレからやったら、ほら、こうやって怒られるかもしれませんから」
三木鴇生:そして林檎飴に自分も齧りつく。
明石周:「……」鴇生をじとっとした顔で見る。
明石周:「あ」
明石周:それを見る。「……苦手だろ」
三木鴇生:つかないように手で髪を押さえている。咀嚼。
三木鴇生:「うん」
三木鴇生:「あま」
明石周:「はは」
三木鴇生:「あなたがうまそうに食うもんだから」
三木鴇生:「良く見える」
明石周:「一口だけな。約束どおり」
三木鴇生:「十分です。口ん中が甘い」
明石周:「…あ」
明石周:瞬きする。「かき氷買い忘れた」
三木鴇生:「ん」
三木鴇生:「まだ食うんだ」
三木鴇生:「帰りには…もうないか」
三木鴇生:「適当に帰りにコンビニでアイスでも買えば?」
明石周:「そういうことじゃない」渋面で言う。
明石周:「祭りで食べるからいいんだろ」
明石周:「だから、また来年だ」
三木鴇生:「そーなんですか」不思議そうに。それから。
明石周:ぷらぷら足を揺らす。
三木鴇生:「…はい」
三木鴇生:「その浴衣、着られなくなるといいな」
三木鴇生:「あなたがもっと背が伸びて、もっと、変わって…」
三木鴇生:「それもオレは、欲しいので」
明石周:「うん」
明石周:「期待してろ。応えてやる」
三木鴇生:「あ、そうだ。それと」
明石周:「何だ」
三木鴇生:「ヒナさんの浴衣姿は褒めたらしいじゃないですか?」
明石周:「は?」
明石周:鴇生を見る。
三木鴇生:「いやァ~」
明石周:「いや………」
三木鴇生:「それともふだん浴衣で寝てるから新鮮味がないのかな」
明石周:「し………」
明石周:「………」
明石周:「……。えっと」
明石周:「似合ってる」
明石周:色々考えたあとそう言う。
三木鴇生:夜の青みを帯びた光、冷たく見えるほどの容貌が、楽しそうに。
明石周:「いつもとは、違う」
三木鴇生:「違いますか」
明石周:「うん…髪も違うし」
三木鴇生:首元が露わに結った髪。
明石周:「良いと思う…」
明石周:首元を見て、目を逸らす。
三木鴇生:「ありがとうございます」
明石周:「お前、これ嬉しいのか?」
三木鴇生:「嬉しいですよ? すごく」
三木鴇生:「あなたに見られたくて」
三木鴇生:「まあ、そういう見栄も、あります」
三木鴇生:「あなたがそうやって照れてくれると、オレは大満足ってわけ」
明石周:「………うるさいな」ぷらぷら足を揺らす。
明石周:「大満足してろ」
三木鴇生:「させてくださいね?」
明石周:「……言っただろ」
明石周:「期待には応えてやる」
明石周:それだけ言って、外の景色を眺める。
GM:高台から見下ろせる景色は、ぼう、と柔らかな屋台の光と人々の声。
GM:そして、空から意識を向けるように小さく、バラララと音がする
GM:それは合図。これから咲かせるための。
GM:ピュウ、と細く 空を登る音がする
GM:どこかから重く火薬の音がして
GM:バァ ン
GM:一輪。
GM:そしてまた一輪
GM:夜空を彩る、七色の花が君たちを照らす
明石周:「おお」
明石周:それを見る。「綺麗だ」
三木鴇生:夜を裂く虹色。これ以上の鮮烈を知っているが。
明石周:「本当に穴場だな。来れて良かった」楽しそうに言って、夜空を眺めている。
三木鴇生:この人の手に、世界だのなんだのを委ねるそんなものよりも。
三木鴇生:この人が楽しそうに、嬉しそうにしているこの七色をこそ。
三木鴇生:「ですねェ」
三木鴇生:「綺麗だ」
三木鴇生:これをこそ美しいと、そう言うほうを選んだ。
ヒナ:「ん。……あっ、始まっちゃった」
ヒナ:人々の喧騒の中で、お面を斜めにかぶりながら、お腹に響くような音を聞く
ヒナ:結局隣りにいる相手は見つからず、一人で屋台を行脚中
ヒナ:「だというのに、ずるいぞー」
ヒナ:スマートフォンの画面を見る。先日教えた穴場で、花火を見ているのだろう。
ヒナ:あむ、と。とうもろこしを食べながら
ヒナ:「まっ」
ヒナ:ちら、と階段の途中。下からは見上げられない広場を思いながら
ヒナ:「がんばれー」
ヒナ:みょんみょんみょん、と念を送った
GM:全行程終了です
GM:お疲れさまでしたっ
明石周:おつかれさまでした!ありがとうございました!
三木鴇生:お疲れさまでした!夏サイコー!
『一夜二人転_明石周と三木鴇生の場合』 終